出勤したら解雇と言われました -宝石工房から独立します-

はまち

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41事実確認

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ケルビ男爵の言い方も気になった。護衛を付けてなら外にでも構わないと言われているけれど、レオン様って美形すぎて目立つんだよなぁ。

「何?」
「レオン様だと目立つんですよね。顔がいいから。」
「…えと、褒めてないよね。」
「褒めてますよ。どうやっても平民に見えない顔の良さだから。」
「絶対に褒めてない…気になったんだよね、ケルビ男爵の事。」

黙ってふぃっと顔を逸らす。顔が良すぎて変な事に巻き込まれそうと思ったのは口にしないけれど…ミカエラはそうでは無いけれど。見上げる。

「怒らないから思ったこと言ってごらん?」

顔面の迫力強い。

「顔のいい男性を連れて花街を歩くと多分ろくな事にならないから。」
「…大丈夫だよ。女性と一緒なら。」

私が普通の顔だから問題あるんだよ。と言っても、花街に行くなんてユーリ様が許可しないと思うけれど…

ユーリ様に情報を持ってないか一応聞いてみる。ミカエラはダメだろうと思ったけれどユーリはそうだねとイザークを見る。

「どうして気にするんだい?たまたま同じ孤児院ってだけで仲がいいとかでは無いだろう?」
「そうですね。新居を買う時に家事をしてくれる人を雇うつもりなので同じ孤児院からの方が良いのかなって少し思ったんです。勿論子爵の手が入っていたり情報の取り扱いとか甘いと感じたら商業ギルドから専門家を雇うつもりですけど。私に人を見る目があるのかの確認も含めて…」

「じゃあ一人家におけばいいよ。ミカエラの新居に置けるように鍛えるし。」
「え?」
「その代わりケルビ男爵紹介に限るよ。」
「…それだと情報とか…」
「大丈夫だよ。何かあればケルビ男爵を締め上げるつもりだし。それに男爵程度でどうこう出来るほど甘くないんだよ。」

ユーリ様はユーリ様で考えがあるらしい。
ケルビ男爵宛に手紙を書くらしいが手紙を見せて貰えた。貴族らしい言い回しの素敵なとても達筆なお手紙だ。えっと翻訳…

「えっと私がメイドを1人雇う予定だから孤児院から一人侯爵家で鍛えてやるから何人か見繕って連れてこい。契約してやる。でしょうか。」

「そうそう。」
「来ますか?」
「まぁ、孤児院救済名目だし。自分の邸や手の者を入れてきたらたたき出すというか締めあげれるし。」



その前に花街に行く。誰の事を言っているのか様子見をするけれど…貴族の服装になってしまった。平民の服装だと舐められるから貴族の服装で行けば令嬢と護衛としてレオンハルト様が付いていても違和感はないらしい。

「似合っているよ?」
「ありがとうございます…何故イザーク様まで???」
「私はユーリ様の別命です。」

花街を取り仕切っている1番大きな娼館に行き、ロズウェル侯爵家の名前を使って情報収集をする。

「孤児?まぁ、たまに来るね。お貴族様や商家から盗みをしてバレて支払えないからって底値で客を取るとか。」
「犯罪をして突き出さない代わりに娼館の上前をはねてるのですか…ケルビ男爵から孤児院の子供を引き取って欲しいと相談を受けたのですが、何かご存知です?」
「…あー。あの男爵ねー。お嬢様本気ですか?」
「??本気と言いますか、見て見ないと分かりませんから。」

こちらですと、案内してもらう。独特の匂いがする。
女性の喘ぎ声や肉のぶつかる音が聞こえるほどには扉は薄いようだ。レオンハルトやイザークは平気なのだろうかと振り返るとイザークはすんとしていたがレオンハルトが顔を作っていた。

「最近打診があったのはこの部屋の子ですね。」

小窓から中を見るように言われた。部屋の質は言いけれど、さっきまでの香とは違う匂いがした。
その中で見えた物に目を背けたくなった。必死に顔を作り扉を小窓を閉めた。

「お嬢様のメイドには無理だろう?」
「…えぇ。なぜ奨めてきたのか理解できないですね。ありがとうございました。この件は是非内密に。」

手に金貨を握りこませて娼館を後にする。貴族用の笑顔を覚えていてよかったと思いながら商業区に出た。

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