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第ニ章

一番魚を捕まえたのは……

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 ……ん、少し寝てしまっていたようだ。皆はどうなっているかな。

 ゆっくりと体を起こし、周りを見ると異様な光景が飛び込んできた。

「なんだこれは。」

 目の前にはおびただしい数の魚が岸にうちあげられていた。10匹や20匹ではない、その倍以上の数はいるだろう。

「あっ!!お兄さん起きた!!」

 シアがこっちに走ってくる。

「お兄さんシアが1番だったの!!」

「おぉ、頑張ったな。おめでとう。」

「えへへぇ~♪やったぁ~。」

「まさかシアに負けちゃうなんてね。」

「全くだよ。獣人族の才能ってやつを味わった気がする。」

 この二人が負けたのは意外だったな。

 さて、グレイスは何をしているだろうか。辺りを見渡して、彼女のことを探してみると……。

「この魚美味しいっす~♪」

 グレイスは、川の畔でバリバリと骨ごと魚を噛み砕き食べていた。

 生で大丈夫なのだろうか……。まぁ、ワイバーンだから胃袋が丈夫なのだろうな。

「お兄さん!!シアもおさかな食べたい!!」

「ワタシも動いたからお腹減っちゃったわ~。」

「やっぱり動くと腹が減るんだよねぇ。」

「あっ、あっ!自分もヒイラギさんのご飯食べたいっす!!」

「わかった、それじゃあここらで昼食にでもしようか。」

 とはいえ、まずこの魚をバッグにしまわないとな。鮮度が落ちてしまう。

 地面にうちあげられている魚を、一匹ずつ締めて次々にバッグにしまっていった。

 回収している最中、その中に1m位の大きいヤツもいることに気が付く。これは誰が捕ったのだろう?何か鋭い角もついてるし、もしかしたら魔物なのか?

「鑑定……。」

ソードフィッシュ

・淡水に生息する魔物
・気性が荒く好戦的だが、自分より強い存在には決して近づかない。
・身は白身だが脂がのっており美味。
・生食は不可。

 うん、やっぱり魔物だったな。それにしても白身で脂がのっている……か。今夜にでも使ってみよう。

 そして全ての魚をしまい、ハウスキットを展開する。これがないと料理は始められない。

「さて、やるか。」

「シアもお手伝いする~♪」

「ワタシ達もやるわよ~。」

 と、みんな手伝ってくれる気満々なところ大変申し訳ないのだが……。

「あー、悪いが今回はそんなに手伝いは要らないかもしれないな‥。」

「「「え゛っ……。」」」

「今回はとてもシンプルにいこうと思っててな、やることといったらご飯を炊く位しかないんだよ。」

「それじゃあシアだね!!」

「ず、ずるいわよ~。」

「アタイらも何かしたいんだけどねぇ。」

 ふむ……それなら少し手の込んだ料理を作ろうか。

「わかった。それじゃあ今回は調味料を計る担当と、野菜を切る担当で分けよう。」

 さ、今日からは一人ずつ包丁を握ってもらおうかな。
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