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第ニ章

炊き込みご飯

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 ランがキノコをやってくれている間に、俺は人参を千切りにしてしまおう。

 人参を半分に切り皮を剥きスライスしていく。人参は丸いため一度どこかの面を平らに切り、その面を底にすると安定してスライスしやすい。

「あとはならべて切っていく。」

 縦に重ねてもいいが、一枚一枚少しずつ横にずらして置くと切ったときにむらがでにくい。

 あっという間にまな板の上に人参の千切りが出来上がっていく光景を見て、ランがぽつりとつぶやいた。

「やっぱりヒイラギはすごいわ……。」

「慣れればこのぐらい誰でもできるさ。」

 そして、ちょうどこちらが切りものを終えたタイミングで、ドーナとシアの二人が作業を終えてこちらにやってきた。

「ヒイラギ、調味料全部計り終わったよ、」

「はい!!お兄さん、お米っ!!」

「二人ともありがとう。それじゃあ後は見ててくれ。」

 洗った米にドーナに計ってもらった合わせ調味料のだし汁を入れていく。このだし汁は水1Lに対して味醂100ml薄口醤油100mlの割合で作ってもらった。

「あとはこの上に人参をのせてスイッチオンっと。」

 上に人参を散らし炊飯器に入れスイッチを押す。

「そしたらあとはキノコだ。」

 煙が出るほど熱く熱したフライパンにキノコを入れて高温でさっと炒める。ぶわっとキノコの香りが立ったら、さっきの余っただし汁に浸しておく。
 これで後は炊き上がったご飯に混ぜるだけだ。

「よし、それじゃあ魚を仕込むか。」

 川魚は一度流水で洗い、表面のぬめりをたわしで擦って落とし表面の鱗を落とす。内臓は……一応危ないから今回は捨てておこう。
 日本にいる鮎や、ヤマメ等であれば別に内臓はとらなくてもいい。あの苦味が好きという人もいるからな。

「そしたら串をうって、今回は昇り串でいこう。」

 よく鮎が生きているように、うねらせて串をうつやり方だ。簡単にできて見映えもいい。

 焼き魚の塩は表面全体に塩が散っていれば問題ない。

 直火で焼くときは少し離した所に設置し、遠赤外線の力でじっくりと焼いていけば皮だけ焦げて中に火が入っていないという事態にならない。

「最後バーナーで軽く焦げ目をつけて完成。」

 焼きあがった魚に、バーナーで軽く焦げ目をつけて香ばしく仕上げる。

 焼き魚が出来上がると同時にご飯も炊き上がった。

「それじゃあシア、これを入れてご飯を混ぜてくれるか?」

「うん!!」

 シアにしっかりと水気を切ったキノコを渡す。

「んしょ……んしょ。ふぁ、いい匂い~。」

 ふわりと鼻腔を抜けていくキノコの香りに、シアはもう今にもよだれが零れてきそうになっている。

 早く食べさせてあげるために、急いで焼き魚を皿にのせ茶碗に炊き込みご飯をよそっていく。

 グレイスにはいつも通りどんぶり飯風だ。しかも魚の骨を全部抜いてご飯に混ぜ混んである。

 そして各々自分の分の料理を持ってテーブルへ向かった。

「よ~し、それじゃあ食べよう。」

「「「「「いただきます!!」」」」」

 食材に感謝を込めてから、みんなで一斉に食べ始めるのだった。
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