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第一章 一節 二人の傭兵
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密林から脱出し、あらかじめメイと決めていた集合場所にエリーはたどり着くするとそこにはすでにメイの姿があった。
「あ、エリー!!無事ね。」
「ケガ一つしてねぇよ。んで?クライアントはどうすんだ?」
「もちろん責任は負ってもらうわ。私たちを裏切った奴にはそれ相応の制裁を受けてもらわないとね。」
「ま、そうなるわな。場所は?」
「もう掴んでる。逃げられないようにクライアントの車にはちゃんと発信機をつけてたから。」
そう言ってメイが取り出した端末には今彼女たちがいるこの国の地図が映し出され、その地図上に赤い点が浮かんでいる。それを見ながら煙草を咥えるエリーは呆れながら言った。
「ん、そんなに遠くねぇな。命狙われるってのに呑気な奴だぜ。」
「ホントよまったく……。」
そしてメイが用意していた車に二人は乗り込むとエリーは助手席に、メイは運転席に座りエンジンをかけ車を発進させた。
彼女たちに依頼をしたクライアントがいる場所へと向かっている最中エリーがメイに対してあることを問いかける。
「次の仕事は決まってんのか?」
「次は日本で仕事よ。」
「は!?日本で!?なんでまた……。」
「なんか警察の手じゃ負えない事件があるみたいよ?政府の偉~い人からの呼び出しだからね。」
「はっ、アタシたちのこと指名手配しといて必要な時は呼ぶのか。いいご身分だねぇまったく。」
少し腹立たしそうにエリーは言う。
彼女たちは自分たちの稼業を確立した時は日本に住んでいた、しかしそれが警察の目に留まると途端に指名手配され海外逃亡をせざるをえなかったのだ。
「でも今回、報酬金は先にもらってんのよ。もう振り込まれてる、ほら。」
運転しながら操作した端末をメイがエリーに手渡すと、その画面に映っているものを見てエリーが驚愕する。
「どんな依頼もらったら前金でこんな巨額の報酬振り込まれるんだ!?今回の成功報酬の倍以上あるじゃねぇか。」
「詳しくはあっちで話してくれるみたい。」
「おいおいヤバい依頼じゃねぇだろうな!?死ぬのは勘弁だぜ?」
「ある意味もう死んでるも同然よ。日本はもう私たちの国際手配を取り消した。死亡したってことにしてね。」
「はぁ、そういうことね。」
メイから放たれたその一言に心底呆れたのか、エリーは吸っていた煙草を乱暴に消した。
「さぁ、そろそろ着くわ。」
「ん。」
メイのその言葉に反応し、エリーは腰のホルダーから二丁のハンドガンを抜くとセーフティーを外して装填数などを確認する。そして満足するとスライドを引いた。
メイはある屋敷の近くに車を止めると、二人は各々武器を持って車から降りた。ハンドガンを慣れない手つきで扱うメイに、エリーが問いかける。
「一緒に戦うつもりか?」
「エリーだけに任せっきりってのも……。」
「いいからその銃はセーフティーかけて仕舞ってな。護衛のやつらはアタシがやる。」
エリーはそう言ってメイに銃を仕舞わせると、自分のハンドガンを握りしめながら、彼女たちを裏切ったというクライアントのいる屋敷へと向かう。
メイを背にしながら堂々と正面入口へと彼女は姿を現すと、屋敷入口の護衛二人が即座にマシンガンを向けてきた。しかし、マシンガンよりも遥かに取り回しの早いエリーのハンドガンの速度には敵わず引き金を引く前に二人同時に頭を撃ち抜かれた。
「正面制圧ぅ~。」
「エリー、このマシンガンは持ってく?」
「いらね。こいつで十分だ。」
そして屋敷正面の護衛を排除したのち、二人はいよいよ屋敷の中へと踏み込んだ。
「邪魔するぜ~。」
エリーが屋敷の玄関を蹴り破ると、彼女の目に何人もの護衛の姿が映る。しかし、いきなりドアが蹴り破られたことで護衛達には一瞬の動揺が生まれていた。一瞬の油断や隙は戦場では死を招く。すでに戦場と化しているこの場所で彼らのその一瞬の隙は致命的だった。
その一瞬でエリーはフラッシュバンをばらまき、メイのことを連れて遮蔽物に隠れた。
「メイ、目と耳塞いでな。」
「うん。」
エリーのその言葉とほぼ同時に強烈な光と爆音が鳴り響く。それと同時に遮蔽物からハンドガンを構えて彼女は飛び出した。
「オラオラオラァ!!」
彼女は目が眩んでいる護衛をすさまじい速さで撃ち抜いていく。しかしフラッシュバンの硬直から解放された護衛の一人が二人のいる遮蔽物へと何かを投げ込んだ。
「ん?」
「ひぇっ!?グレネ……。」
二人のもとに転がって来たのはピンが抜かれたグレネード。驚くメイの横ですぐにエリーはそれを鷲掴みにすると、護衛へと投げ返した。
「こんなモンいらねぇよ!!お返しだ!!」
彼女が投げ返すと、護衛の目の前でグレネードは爆発する。その爆発で残っていた護衛はすべて片付いてしまう。
「よし片付いたな。もう出て大丈夫だぜメイ。」
「はぁ~……もう心臓がいくつあっても足りないわ。グレネード投げ込まれた時なんて本当に心臓が止まるかと思ったんだから。」
「グレネードはビビった奴が死ぬのさ。ピンを抜いた音と時間さえ数えてりゃあ問題ない。インパクトだったらまぁ……ヤバかったけどな。」
くつくつとエリーは笑うと、二階へと向かって歩みを進め、人の気配のする部屋の扉を蹴破った。すると中には彼女たちに今回の依頼を頼んだクライアントの姿があった。
「く、クソッ!!」
護衛がやられたことを悟り、ハンドガンを抜こうとしたが、エリーの早撃ちには敵わずあえなくハンドガンを撃ち抜かれ手放してしまう。
「さてと、なぁクライアントさんよぉ。人に依頼をしておいて金も払わずに逃げようとは……なかなかいい度胸してんなぁ?」
ハンドガンの銃口をぐりぐりとこめかみに押し付けながらエリーはクライアントだった男にそう言った。
「か、金は払う!!だから見逃してくれ!!」
命乞いを始めた男にメイが淡々と告げる。
「いくら払えるの?今回の成功報酬の金額の二倍は払ってくれるのよね?」
「そ、そんな金額無理だ。もう手持ちはあれしか……。」
そして男が指さした先には少しの札束の山があった。そこにメイは近づくと、その札束の山を見ただけで推定額を割り出した彼女は大きく溜息を吐いた。
「はぁ、こんなもんしかないの?ぜんっぜん駄目ね。」
メイは腰からハンドガンを抜くとセーフティーを外して容赦なく男の足を撃ち抜いた。
「ぎゃぁっ!?ぐぅぅぅ……。」
「ホントにこれで全部なの?」
「そ、そこの金庫にもある。」
「ふぅん。番号は?」
「97……13。」
金庫の暗証番号を入力し中を開けるとそこには金の延べ棒が何本かあった。それを見てメイの表情が大きく変わった。
「あるじゃない!!金は今高いわよ~。ふんふん、これならまぁいいわ。」
「メイもういいのかぁ?」
「うん、オッケー。」
「はいよ。」
メイの言葉を聞くと同時にエリーは男の頭を撃ち抜いた。
「これにて任務完了だな。」
「えぇ。さ、次の依頼に向かうわよ。場所は日本だからね!!」
意気揚々とその場を後にしようとしたメイにエリーがあることを警告した。
「メイ、その銃のセーフティーかけといたほうがいいぜ?自分の足誤射りたくなかったらな。」
「あ、忘れてた。ありがとエリー。」
そして二人は次なる舞台である日本へと向かうため、ある場所へと向かうのだった。
「あ、エリー!!無事ね。」
「ケガ一つしてねぇよ。んで?クライアントはどうすんだ?」
「もちろん責任は負ってもらうわ。私たちを裏切った奴にはそれ相応の制裁を受けてもらわないとね。」
「ま、そうなるわな。場所は?」
「もう掴んでる。逃げられないようにクライアントの車にはちゃんと発信機をつけてたから。」
そう言ってメイが取り出した端末には今彼女たちがいるこの国の地図が映し出され、その地図上に赤い点が浮かんでいる。それを見ながら煙草を咥えるエリーは呆れながら言った。
「ん、そんなに遠くねぇな。命狙われるってのに呑気な奴だぜ。」
「ホントよまったく……。」
そしてメイが用意していた車に二人は乗り込むとエリーは助手席に、メイは運転席に座りエンジンをかけ車を発進させた。
彼女たちに依頼をしたクライアントがいる場所へと向かっている最中エリーがメイに対してあることを問いかける。
「次の仕事は決まってんのか?」
「次は日本で仕事よ。」
「は!?日本で!?なんでまた……。」
「なんか警察の手じゃ負えない事件があるみたいよ?政府の偉~い人からの呼び出しだからね。」
「はっ、アタシたちのこと指名手配しといて必要な時は呼ぶのか。いいご身分だねぇまったく。」
少し腹立たしそうにエリーは言う。
彼女たちは自分たちの稼業を確立した時は日本に住んでいた、しかしそれが警察の目に留まると途端に指名手配され海外逃亡をせざるをえなかったのだ。
「でも今回、報酬金は先にもらってんのよ。もう振り込まれてる、ほら。」
運転しながら操作した端末をメイがエリーに手渡すと、その画面に映っているものを見てエリーが驚愕する。
「どんな依頼もらったら前金でこんな巨額の報酬振り込まれるんだ!?今回の成功報酬の倍以上あるじゃねぇか。」
「詳しくはあっちで話してくれるみたい。」
「おいおいヤバい依頼じゃねぇだろうな!?死ぬのは勘弁だぜ?」
「ある意味もう死んでるも同然よ。日本はもう私たちの国際手配を取り消した。死亡したってことにしてね。」
「はぁ、そういうことね。」
メイから放たれたその一言に心底呆れたのか、エリーは吸っていた煙草を乱暴に消した。
「さぁ、そろそろ着くわ。」
「ん。」
メイのその言葉に反応し、エリーは腰のホルダーから二丁のハンドガンを抜くとセーフティーを外して装填数などを確認する。そして満足するとスライドを引いた。
メイはある屋敷の近くに車を止めると、二人は各々武器を持って車から降りた。ハンドガンを慣れない手つきで扱うメイに、エリーが問いかける。
「一緒に戦うつもりか?」
「エリーだけに任せっきりってのも……。」
「いいからその銃はセーフティーかけて仕舞ってな。護衛のやつらはアタシがやる。」
エリーはそう言ってメイに銃を仕舞わせると、自分のハンドガンを握りしめながら、彼女たちを裏切ったというクライアントのいる屋敷へと向かう。
メイを背にしながら堂々と正面入口へと彼女は姿を現すと、屋敷入口の護衛二人が即座にマシンガンを向けてきた。しかし、マシンガンよりも遥かに取り回しの早いエリーのハンドガンの速度には敵わず引き金を引く前に二人同時に頭を撃ち抜かれた。
「正面制圧ぅ~。」
「エリー、このマシンガンは持ってく?」
「いらね。こいつで十分だ。」
そして屋敷正面の護衛を排除したのち、二人はいよいよ屋敷の中へと踏み込んだ。
「邪魔するぜ~。」
エリーが屋敷の玄関を蹴り破ると、彼女の目に何人もの護衛の姿が映る。しかし、いきなりドアが蹴り破られたことで護衛達には一瞬の動揺が生まれていた。一瞬の油断や隙は戦場では死を招く。すでに戦場と化しているこの場所で彼らのその一瞬の隙は致命的だった。
その一瞬でエリーはフラッシュバンをばらまき、メイのことを連れて遮蔽物に隠れた。
「メイ、目と耳塞いでな。」
「うん。」
エリーのその言葉とほぼ同時に強烈な光と爆音が鳴り響く。それと同時に遮蔽物からハンドガンを構えて彼女は飛び出した。
「オラオラオラァ!!」
彼女は目が眩んでいる護衛をすさまじい速さで撃ち抜いていく。しかしフラッシュバンの硬直から解放された護衛の一人が二人のいる遮蔽物へと何かを投げ込んだ。
「ん?」
「ひぇっ!?グレネ……。」
二人のもとに転がって来たのはピンが抜かれたグレネード。驚くメイの横ですぐにエリーはそれを鷲掴みにすると、護衛へと投げ返した。
「こんなモンいらねぇよ!!お返しだ!!」
彼女が投げ返すと、護衛の目の前でグレネードは爆発する。その爆発で残っていた護衛はすべて片付いてしまう。
「よし片付いたな。もう出て大丈夫だぜメイ。」
「はぁ~……もう心臓がいくつあっても足りないわ。グレネード投げ込まれた時なんて本当に心臓が止まるかと思ったんだから。」
「グレネードはビビった奴が死ぬのさ。ピンを抜いた音と時間さえ数えてりゃあ問題ない。インパクトだったらまぁ……ヤバかったけどな。」
くつくつとエリーは笑うと、二階へと向かって歩みを進め、人の気配のする部屋の扉を蹴破った。すると中には彼女たちに今回の依頼を頼んだクライアントの姿があった。
「く、クソッ!!」
護衛がやられたことを悟り、ハンドガンを抜こうとしたが、エリーの早撃ちには敵わずあえなくハンドガンを撃ち抜かれ手放してしまう。
「さてと、なぁクライアントさんよぉ。人に依頼をしておいて金も払わずに逃げようとは……なかなかいい度胸してんなぁ?」
ハンドガンの銃口をぐりぐりとこめかみに押し付けながらエリーはクライアントだった男にそう言った。
「か、金は払う!!だから見逃してくれ!!」
命乞いを始めた男にメイが淡々と告げる。
「いくら払えるの?今回の成功報酬の金額の二倍は払ってくれるのよね?」
「そ、そんな金額無理だ。もう手持ちはあれしか……。」
そして男が指さした先には少しの札束の山があった。そこにメイは近づくと、その札束の山を見ただけで推定額を割り出した彼女は大きく溜息を吐いた。
「はぁ、こんなもんしかないの?ぜんっぜん駄目ね。」
メイは腰からハンドガンを抜くとセーフティーを外して容赦なく男の足を撃ち抜いた。
「ぎゃぁっ!?ぐぅぅぅ……。」
「ホントにこれで全部なの?」
「そ、そこの金庫にもある。」
「ふぅん。番号は?」
「97……13。」
金庫の暗証番号を入力し中を開けるとそこには金の延べ棒が何本かあった。それを見てメイの表情が大きく変わった。
「あるじゃない!!金は今高いわよ~。ふんふん、これならまぁいいわ。」
「メイもういいのかぁ?」
「うん、オッケー。」
「はいよ。」
メイの言葉を聞くと同時にエリーは男の頭を撃ち抜いた。
「これにて任務完了だな。」
「えぇ。さ、次の依頼に向かうわよ。場所は日本だからね!!」
意気揚々とその場を後にしようとしたメイにエリーがあることを警告した。
「メイ、その銃のセーフティーかけといたほうがいいぜ?自分の足誤射りたくなかったらな。」
「あ、忘れてた。ありがとエリー。」
そして二人は次なる舞台である日本へと向かうため、ある場所へと向かうのだった。
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