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第一章 転生そして成長
第34話 天命
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ルアの肩に手を置いた由良の姿を見て、ロレットは少し顔をしかめた。
「むむ……由良は良いとしても、ルアはどうなのだ?我々の希望を前線に出すというのか?」
「ルアは東雲様にも変身できるのじゃぞ?」
「うぅ……我はアイツは嫌いだっ!!」
そんな二人の会話を聞いている最中、ルアは一人首をかしげていた。
(……東雲?ボクが変身できる?もしかして、あのときのメタモルフォーゼのことを言ってるのかな……。)
あのときのことを思い出していると、ふと頭の中に聞きなれた声が響いてきた。
「もっしも~し!!ボクちゃん聞こえてる~?聞こえてるかな~?」
「っ!?レトさん?」
「ピンポンピンポ~ン!!大正解、今度はちゃんとご褒美になでなでしてあげるわ。」
すると、ルアは自分の頭を見えない手で撫でられているような感覚に襲われた。
「んふふふ♪髪さらっさらねぇ~、はぁ~……癒されるわぁ~。」
「あ、あのえっ……とレトさん?それで何の用なの?」
「あっ、すっかり忘れちゃってたわ。あんまりボクちゃんが可愛いものだから~ねぇ?」
うふふ……と笑いながらも、やっとレトは今回の本題を切り出した。
「えっとねぇ~天使を封印したことで喜んでるところ悪いんだけど、今回相手した天使は名の無い下級天使なの。」
「名の無い下級天使?」
「そうっ!実は天使には階級っていうのがあってね?一番階級が低いのが今回ボクちゃんが戦った名の無い下級天使なの。」
レトの言葉にルアは驚きを隠せなかった。
(こ、今回現れたので一番弱いのっ!?じゃ、じゃあ……階級の高い天使っていったい……。)
心の中でそんなことを思っていると、レトがその答えを伝えてくれた。
「ちなみに一番階級の高い天使は、私と同じぐらいの力を持ってるわ。だから準女神って呼ばれてるのよ?」
「女神様と同じぐらいの力って……ボクらじゃどうしようも無いじゃないですかっ!?」
「まぁまぁ落ち着いてボクちゃん?準女神とは言っても私には及ばないわ。なんとかそういう存在は現界させないようにするから安心して?」
「レトさんが抑えてくれるってこと?」
「もちろんもちろんっ!まさか私が作った世界を壊させやしないわよ。でも、もし……準女神が相手になったらさすがの私もそっちに専念しなきゃいけないから、他の天使はボクちゃん達に相手してもらわないといけなくなっちゃうの。」
少し不安そうにレトは言った。
「だから、ボクちゃんには今から天使に関する対抗できる魔物娘とか獣人ちゃん達をたくさん見つけてほしいのよ。」
「で、でも……誰が強いとか……ボクにはわからないよ。」
「大丈夫、もうボクちゃんの近くに二人いるわ。」
「二人?……も、もしかしてっ!!」
バッ……とルアは、話を膨らませていた由良とロレットの方を向いた。
「そう、由良ちゃんはもう下級の天使には対応できるから……後はそこにいる女王のロレットちゃん。その子はまだ壁を破れてないの、だからボクちゃんが手助けをしてあげて?」
「で、でもどうすればいいの?」
「大丈夫、ボクちゃんはいつも通り過ごしてれば良いわ。強いて言うのなら~……ボクちゃんの特技をロレットちゃんに披露してあげると良いかも?」
「特技を?」
「そっ、ボクちゃんの特技……いっぱいあるでしょ?料理とかお菓子作りとか、裁縫とか…………
「な、なんでそんなに知ってるんですかっ!?」
「うふふっ♪ボクちゃんのことなら何でもお見通しよ~?例えば、好きになる女性の傾向とか、性癖とか~……他にも~…………。」
「わ~っ!!もういいですっ!!わかりましたっ!!」
これ以上自分のことを深掘りされたくないので、ルアはレトの話を遮った。
「ふふっ♪それじゃあロレットちゃんのことは任せたわよん?それじゃあまた今度連絡入れるわね~。」
その言葉を最後にレトとの会話は途切れてしまう。
「まったくもぅ……レトさんは酷いや。」
ルアは天井を見上げてポツリとそう呟くのだった。
◇
その頃天界では……
「これで良しっと……後はボクちゃんにロレットちゃんの心をガッチリと掴んでもらうだけね。」
漆黒のドレスを纏うレトは、ルアとの会話を終えて少し嬉しそうに言った。
そんな彼女の後ろには数多の天使達がボロボロになって地に伏していた。その中の指揮官だった天使が途切れそうになる意識のなか、何とか体を少し持ち上げ、レトに言った。
「くぐっ……裏切り者のレト、これで済むと思わないことだ。」
「あら、まだ息があったの?しぶといのね~、流石はあの女神の遣いってところかしら。」
少し感心しながらレトは、天使の指揮官に歩み寄る。
「消える前に一つだけ良いことを教えてあげるわ。先に裏切ったのは……あっちよ?覚えておきなさい。」
レトのその言葉を聞いた途端にその場に倒れていた天使達が全て光りに包まれ粒子と化してどこかへと消えた。
「さ~てと、これでしばらくは大丈夫ね。来るときが来るまで私はじ~っくりボクちゃんのことを眺めてようかしらね~うふふふっ♪」
レト以外いなくなった空間で、彼女は下界にいるルアのことじっ……と眺め始めるのだった。
「むむ……由良は良いとしても、ルアはどうなのだ?我々の希望を前線に出すというのか?」
「ルアは東雲様にも変身できるのじゃぞ?」
「うぅ……我はアイツは嫌いだっ!!」
そんな二人の会話を聞いている最中、ルアは一人首をかしげていた。
(……東雲?ボクが変身できる?もしかして、あのときのメタモルフォーゼのことを言ってるのかな……。)
あのときのことを思い出していると、ふと頭の中に聞きなれた声が響いてきた。
「もっしも~し!!ボクちゃん聞こえてる~?聞こえてるかな~?」
「っ!?レトさん?」
「ピンポンピンポ~ン!!大正解、今度はちゃんとご褒美になでなでしてあげるわ。」
すると、ルアは自分の頭を見えない手で撫でられているような感覚に襲われた。
「んふふふ♪髪さらっさらねぇ~、はぁ~……癒されるわぁ~。」
「あ、あのえっ……とレトさん?それで何の用なの?」
「あっ、すっかり忘れちゃってたわ。あんまりボクちゃんが可愛いものだから~ねぇ?」
うふふ……と笑いながらも、やっとレトは今回の本題を切り出した。
「えっとねぇ~天使を封印したことで喜んでるところ悪いんだけど、今回相手した天使は名の無い下級天使なの。」
「名の無い下級天使?」
「そうっ!実は天使には階級っていうのがあってね?一番階級が低いのが今回ボクちゃんが戦った名の無い下級天使なの。」
レトの言葉にルアは驚きを隠せなかった。
(こ、今回現れたので一番弱いのっ!?じゃ、じゃあ……階級の高い天使っていったい……。)
心の中でそんなことを思っていると、レトがその答えを伝えてくれた。
「ちなみに一番階級の高い天使は、私と同じぐらいの力を持ってるわ。だから準女神って呼ばれてるのよ?」
「女神様と同じぐらいの力って……ボクらじゃどうしようも無いじゃないですかっ!?」
「まぁまぁ落ち着いてボクちゃん?準女神とは言っても私には及ばないわ。なんとかそういう存在は現界させないようにするから安心して?」
「レトさんが抑えてくれるってこと?」
「もちろんもちろんっ!まさか私が作った世界を壊させやしないわよ。でも、もし……準女神が相手になったらさすがの私もそっちに専念しなきゃいけないから、他の天使はボクちゃん達に相手してもらわないといけなくなっちゃうの。」
少し不安そうにレトは言った。
「だから、ボクちゃんには今から天使に関する対抗できる魔物娘とか獣人ちゃん達をたくさん見つけてほしいのよ。」
「で、でも……誰が強いとか……ボクにはわからないよ。」
「大丈夫、もうボクちゃんの近くに二人いるわ。」
「二人?……も、もしかしてっ!!」
バッ……とルアは、話を膨らませていた由良とロレットの方を向いた。
「そう、由良ちゃんはもう下級の天使には対応できるから……後はそこにいる女王のロレットちゃん。その子はまだ壁を破れてないの、だからボクちゃんが手助けをしてあげて?」
「で、でもどうすればいいの?」
「大丈夫、ボクちゃんはいつも通り過ごしてれば良いわ。強いて言うのなら~……ボクちゃんの特技をロレットちゃんに披露してあげると良いかも?」
「特技を?」
「そっ、ボクちゃんの特技……いっぱいあるでしょ?料理とかお菓子作りとか、裁縫とか…………
「な、なんでそんなに知ってるんですかっ!?」
「うふふっ♪ボクちゃんのことなら何でもお見通しよ~?例えば、好きになる女性の傾向とか、性癖とか~……他にも~…………。」
「わ~っ!!もういいですっ!!わかりましたっ!!」
これ以上自分のことを深掘りされたくないので、ルアはレトの話を遮った。
「ふふっ♪それじゃあロレットちゃんのことは任せたわよん?それじゃあまた今度連絡入れるわね~。」
その言葉を最後にレトとの会話は途切れてしまう。
「まったくもぅ……レトさんは酷いや。」
ルアは天井を見上げてポツリとそう呟くのだった。
◇
その頃天界では……
「これで良しっと……後はボクちゃんにロレットちゃんの心をガッチリと掴んでもらうだけね。」
漆黒のドレスを纏うレトは、ルアとの会話を終えて少し嬉しそうに言った。
そんな彼女の後ろには数多の天使達がボロボロになって地に伏していた。その中の指揮官だった天使が途切れそうになる意識のなか、何とか体を少し持ち上げ、レトに言った。
「くぐっ……裏切り者のレト、これで済むと思わないことだ。」
「あら、まだ息があったの?しぶといのね~、流石はあの女神の遣いってところかしら。」
少し感心しながらレトは、天使の指揮官に歩み寄る。
「消える前に一つだけ良いことを教えてあげるわ。先に裏切ったのは……あっちよ?覚えておきなさい。」
レトのその言葉を聞いた途端にその場に倒れていた天使達が全て光りに包まれ粒子と化してどこかへと消えた。
「さ~てと、これでしばらくは大丈夫ね。来るときが来るまで私はじ~っくりボクちゃんのことを眺めてようかしらね~うふふふっ♪」
レト以外いなくなった空間で、彼女は下界にいるルアのことじっ……と眺め始めるのだった。
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