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第二章 呪われた運命
第127話 愛の形?
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次の日の朝……ルアは目を覚ますと昨日疑問に思っていたことが真っ先に頭に浮かんできた。自分がみんなにどう思われているのか……という一つの疑問。
ルアはベッドから体を起こすと、枕もとで丸くなって寝ている東雲に目を向けた。
「すぴ~……すぴ~……zzz」
気持ち良さそうに東雲は未だに眠りについている。
「東雲さんはまだ起きそうにない……ね。」
ルアは東雲のことを起こさないようにするりとベッドから抜け出すと、手早く身支度を整えて食堂へと向かった。
彼が食堂の入り口を潜ると、いつものように由良が朝食を作っている後ろ姿があった。エプロン姿で、ご機嫌そうに腰から生えている尻尾を揺らしながら朝食の準備を整えている。
そんな彼女にルアは近付くと、朝の挨拶をした。
「お、おはようお母さん。」
「むっ!?おはようなのじゃルア。今日はいつもより少し早いのぉ。もう少しで朝ごはんができるから座って待っててほしいのじゃ。」
「う、うん。」
促されるがまま、ルアは席につき朝食が出来上がるのを待つ。
本当は挨拶を交わした後、すぐに例の件について聞きたかったようだがタイミングを逃してしまったようだ。
(ど、どうしよう……や、やっぱりいくらお母さんでも自分のことが好き?って聞くのは恥ずかしいかも。)
一人悶々としていると、ルアの前に今日の朝食が運ばれてきた。
「あ、ありがとう。」
「…………??ルアや、何か……悩みごとでもあるのかの?」
「へっ!?な、なんでわかったの?」
「むっふっふ、ルアがやや子の頃から見守っておる。じゃからお主の変化に気が付かぬ訳がなかろう?ほれ、話してみるのじゃ。」
ルアの事などお見通し、由良はすぐに彼の異変に気が付き話し相手になろうとする。
そんな由良の姿勢もあってか、ルアはやっと口を開いた。
「あ、あのさ……お母さん。」
「うむ。」
「ぼ、ボクのこと…………好き?」
ルアにとっては一大決心で臨んだ問いかけだったが、その問いに由良は即答する。
「当たり前じゃろ。ま、まさか……わしに嫌われておると思っておったのかの!?な、何が……いったい何が原因じゃ?もしや愛情が足らなかったか!?も、もしそうだとしたら………………。」
みるみるうちに由良の顔が青ざめていく。
「ち、違うよ!!た、ただ……お母さんがボクのことどう思ってるのか気になっただけ……なんだよ。」
「そ、そうなのかの?本当にそれだけかの!?わしの愛が足らぬと言うのであれば、それこそ四六時中……寝る間を惜しんででも愛を注ぐ覚悟もあるぞ?」
焦った様子で由良は必死に言った。
「ホントにそれだけだよ。な、なんか……勘違いさせちゃってごめんなさい。」
ペコリとルアが頭を垂れて謝る姿を見て、由良は落ち着きを取り戻す。そして、どうしてこのような問いかけをするに至ったのかをルアに聞いた。
「そ、そうか……なら安心なのじゃが。それにしてもどうして今になってそんなことが気になったのじゃ?」
「あ、えっと……実は…………。」
ルアは昨日好きな人がいるのかどうか聞かれたことについて由良に打ち明けた。
「ふむふむ……なるほどのぉ。やっと納得がいったのじゃ。それで、わしらがルアの事をどう思っているのか……気になったという訳じゃな?」
「うん。」
(少なくとも、今この城の中にいるロレットやクロロ達、そして東雲様達はルアの事を好いていると思うがの。……それよりもじゃ。一番の問題は別にある。)
ルアから一連の経緯を聞いた由良は、とある問題に頭を悩ませることとなった。
それは…………。
(好きな人はいるか?とルアが聞かれたときに、真っ先にわしの名が出てこなかったということが一番の問題じゃ!!)
そう……由良は、ルアの母親として、そして一人の女として、彼が真っ先に自分の名を出せなかったことに問題を感じていたのだ。
(くっ……やはり母と子という隔たりが、邪魔をしておるのか?それとも、愛情が足らなかったか?…………兎に角じゃ、今まで通りではいかんということが良くわかったのじゃ。)
変な危機感を感じ始めた由良。
そして今度は由良が一人悶々とし始め、その様子にルアは戸惑いながらも彼女のことを呼んだ。
「お、お母さん?大丈夫?」
「む……あ、あぁ少し考え事をしておったのじゃ。お……っとそういえばそろそろ朝ごはんが冷めてしまうぞ?冷める前に早く食べてほしいのじゃ。」
「あ、う、うん……いただきます。」
ルアが朝食を食べ始め、オムレツを食べようとした時だった。
「むっ、わしとしたことが……オムレツにケチャップをかけるのを忘れておったのじゃ。」
「あ、いいよ。それぐらい自分でやるから……。」
「ダ~メ~じゃ、いいから座っておれ。」
由良はケチャップを手にすると、ルアの朝食のオムレツに綺麗にハートマークを描いた。
「お、お母さん!?」
「むっふっふ♪これでわしがいかにルアの事を好きかどうか……よ~くわかるじゃろ?」
そして少し恥じらいながら食べ進めるルアの姿を、由良は微笑みながらじっと見つめていた。
ルアはベッドから体を起こすと、枕もとで丸くなって寝ている東雲に目を向けた。
「すぴ~……すぴ~……zzz」
気持ち良さそうに東雲は未だに眠りについている。
「東雲さんはまだ起きそうにない……ね。」
ルアは東雲のことを起こさないようにするりとベッドから抜け出すと、手早く身支度を整えて食堂へと向かった。
彼が食堂の入り口を潜ると、いつものように由良が朝食を作っている後ろ姿があった。エプロン姿で、ご機嫌そうに腰から生えている尻尾を揺らしながら朝食の準備を整えている。
そんな彼女にルアは近付くと、朝の挨拶をした。
「お、おはようお母さん。」
「むっ!?おはようなのじゃルア。今日はいつもより少し早いのぉ。もう少しで朝ごはんができるから座って待っててほしいのじゃ。」
「う、うん。」
促されるがまま、ルアは席につき朝食が出来上がるのを待つ。
本当は挨拶を交わした後、すぐに例の件について聞きたかったようだがタイミングを逃してしまったようだ。
(ど、どうしよう……や、やっぱりいくらお母さんでも自分のことが好き?って聞くのは恥ずかしいかも。)
一人悶々としていると、ルアの前に今日の朝食が運ばれてきた。
「あ、ありがとう。」
「…………??ルアや、何か……悩みごとでもあるのかの?」
「へっ!?な、なんでわかったの?」
「むっふっふ、ルアがやや子の頃から見守っておる。じゃからお主の変化に気が付かぬ訳がなかろう?ほれ、話してみるのじゃ。」
ルアの事などお見通し、由良はすぐに彼の異変に気が付き話し相手になろうとする。
そんな由良の姿勢もあってか、ルアはやっと口を開いた。
「あ、あのさ……お母さん。」
「うむ。」
「ぼ、ボクのこと…………好き?」
ルアにとっては一大決心で臨んだ問いかけだったが、その問いに由良は即答する。
「当たり前じゃろ。ま、まさか……わしに嫌われておると思っておったのかの!?な、何が……いったい何が原因じゃ?もしや愛情が足らなかったか!?も、もしそうだとしたら………………。」
みるみるうちに由良の顔が青ざめていく。
「ち、違うよ!!た、ただ……お母さんがボクのことどう思ってるのか気になっただけ……なんだよ。」
「そ、そうなのかの?本当にそれだけかの!?わしの愛が足らぬと言うのであれば、それこそ四六時中……寝る間を惜しんででも愛を注ぐ覚悟もあるぞ?」
焦った様子で由良は必死に言った。
「ホントにそれだけだよ。な、なんか……勘違いさせちゃってごめんなさい。」
ペコリとルアが頭を垂れて謝る姿を見て、由良は落ち着きを取り戻す。そして、どうしてこのような問いかけをするに至ったのかをルアに聞いた。
「そ、そうか……なら安心なのじゃが。それにしてもどうして今になってそんなことが気になったのじゃ?」
「あ、えっと……実は…………。」
ルアは昨日好きな人がいるのかどうか聞かれたことについて由良に打ち明けた。
「ふむふむ……なるほどのぉ。やっと納得がいったのじゃ。それで、わしらがルアの事をどう思っているのか……気になったという訳じゃな?」
「うん。」
(少なくとも、今この城の中にいるロレットやクロロ達、そして東雲様達はルアの事を好いていると思うがの。……それよりもじゃ。一番の問題は別にある。)
ルアから一連の経緯を聞いた由良は、とある問題に頭を悩ませることとなった。
それは…………。
(好きな人はいるか?とルアが聞かれたときに、真っ先にわしの名が出てこなかったということが一番の問題じゃ!!)
そう……由良は、ルアの母親として、そして一人の女として、彼が真っ先に自分の名を出せなかったことに問題を感じていたのだ。
(くっ……やはり母と子という隔たりが、邪魔をしておるのか?それとも、愛情が足らなかったか?…………兎に角じゃ、今まで通りではいかんということが良くわかったのじゃ。)
変な危機感を感じ始めた由良。
そして今度は由良が一人悶々とし始め、その様子にルアは戸惑いながらも彼女のことを呼んだ。
「お、お母さん?大丈夫?」
「む……あ、あぁ少し考え事をしておったのじゃ。お……っとそういえばそろそろ朝ごはんが冷めてしまうぞ?冷める前に早く食べてほしいのじゃ。」
「あ、う、うん……いただきます。」
ルアが朝食を食べ始め、オムレツを食べようとした時だった。
「むっ、わしとしたことが……オムレツにケチャップをかけるのを忘れておったのじゃ。」
「あ、いいよ。それぐらい自分でやるから……。」
「ダ~メ~じゃ、いいから座っておれ。」
由良はケチャップを手にすると、ルアの朝食のオムレツに綺麗にハートマークを描いた。
「お、お母さん!?」
「むっふっふ♪これでわしがいかにルアの事を好きかどうか……よ~くわかるじゃろ?」
そして少し恥じらいながら食べ進めるルアの姿を、由良は微笑みながらじっと見つめていた。
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