もんむすッ!めたもるふぉ~ぜ☆~世界に♂はボク一人!?~

しゃむしぇる

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第三章 終焉を呼ぶ七大天使

第230話 レトの複雑な関係

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 東雲の活躍によってラグエルを倒した光景を天界から見下ろしていたレトはほっと安心したように安堵のため息をこぼした。

「はぁ、まったく危ない橋を渡るわね。」

 ラグエルを倒してルシファーたちに連れられて行った東雲の姿を見送ると、レトは下界の映像を切断し椅子に腰かける。

「せっかくもう一度与えてあげた命を何だと思ってるのかしらあの子は……ボクちゃんを見習ってほしいものだわね。まぁボクちゃんも最近ちょ~っと無理してる気がしなくもないけれど。」

 溜息を吐きながらレトはぽつんと天界に一つ置いてあるテーブルの上にあったティーカップを手に取るとそこに注がれていた紅茶を口に含んだ。

「まぁ心臓がつぶされたわけじゃないからアルの力があれば死にはしないでしょ。」

 即死でない限り、大抵の傷はレトは自分の娘であるアルテミスの力があれば治ることを知っていた。ゆえに東雲が死ぬことはないと割り切っていた。

「さてと、ラグエルを失ったのはだいぶ大きな損害になったのは間違いないわ。ガブリエルに続いてラグエルまで……そしてあっちは気が付いていないけれど、ミカエルもこっち側。だから実質残っている大天使は後四人。」

 レトはそう分析しながら手にしていたティーカップをそっとテーブルの上に置く。

「まぁ、二人も大天使を失ったし……多分次は残ってる大天使を全部よこしてくるでしょうね。文字通りの総力戦になるわ。でも、こっちにはだいぶ力を取り戻しつつあるルシファーもいるし、あの子の妹もいる。それにメタモルフォーゼを使いこなし始めてるボクちゃんもいる。冷静に考えればこっちのほうが戦力的には上ね。」

 向こう側の戦力と自分たちの戦力とを比較し、こちら側が優位に立っていることを確信する彼女だったが、どうも彼女の表情はすぐれない。

「でもそれは使が来た場合の話。あいつがほかの神を援軍に呼んできたとしたら……状況はひっくり返るわね。」

 レトが危惧していたのは天使たちの襲来ではなく、ほかの神々の参入だった。

「アポロンみたいに未熟な神ならまだしも古参の神を援軍に呼ばれるとアルと二人じゃちょっとキツイかしら。」

 最悪の場合を想定したレトは大きなため息を吐き出した。

「あのメンヘラ、神としての力だけはいっちょ前だから逆らえる奴がなかなかいないのよね~。それにバックにはあの人もいるし。はぁ~、こんなことになるんだったらアポロンみたいにあの人もあのメンヘラに浮気した時にボコボコに殴っとくんだったわ。」

 レトがしきりに口にするという存在。どうやら過去に恋愛事情で何か複雑なことがあったようだ。

「はぁ~、思い返したらイライラしてきた。ボクちゃんの写真を見て癒されようかしらね~。」

 レトがそう言って手をかざすと彼女の手に一冊のファイルが現れる。その中には大量にルアのいろんな姿を捉えた写真が収められている。彼女のお気に入りの一つだ。
 そしてルアの写真を眺め始めたレトは、ほぅ……と表情を和らげた。

「あぁ~、癒される。やっぱりかわいいは正義って言葉合ってるわぁ~。あ、そういえば最近真新しいメタモルフォーゼしてくれないわね。あのクラーケンの子とかにメタモルフォーゼしてみてほしいわね~。いろんなメタモルフォーゼを試してくれたらもっともっと、コレクションが増えるんだけど……後でアルに言ってもらおうかしら?自分で言ってもいいけどなんか恥ずかしいしね。うんうんそうしましょ~。」

 嫌なことを忘れるべくレトは自分のお気に入りであるルアの写真集を眺めるのだった。



 
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