3 / 37
第一章 出会い頭の吹雪
見習い戦士、登場
しおりを挟む
「ルディア! 今日こそ勝たせてもらうぜ!」
部屋のドアはバンッと、壊れるほど勢いよく叩かれ、そこから現れたのは身の丈以上もある大剣を背負った少々口の荒い少女だった。
ルディアと比べるとガサツで、せっかく綺麗な金髪もボサボサであり、野生児に近い雰囲気を持っていた。しかも、体の所々に鎧を着ており、まるで戦士のような格好だ。
しかし、それよりも目立ったのが所々に刻まれた傷痕だろう。
「また来たの? 別に私としては、訓練の相手になるから良いけど、今回はタイミングが悪かったわね。ソフィ」
「はぁ? 何を言ってんだ?」
ソフィと呼ばれた少女はズカズカとルディアに近づいてく。最初は少年の事に気付いていなかった、というか眼中になかったが、ルディアの言葉によって彼女の意識が始めて少年へと向けられる。
「今日は彼の看病をしなきゃいけないの。だから、来るならせめて明日になさい」
「彼……?」
野生児少女はルディアに言われ、少年をまじまじと舐め回すように見る。顎に手を添えながら、『ほうほう』とか『なるほどなるほど』と、何に納得したのか口をニマニマさせ、意味深な表情を浮かべる。
「なによ、その顔は」
逆にルディアは気味が悪いと言わんばかりの、嫌な顔でソフィアを睨みつける。
「やっぱりな。さて、邪魔者のアタシはとっとと退散しますかね。そんじゃお二人さん。あとは仲良く……」
「馬鹿か」
「痛っ!?」
何か勘違いをしている。そう判断した瞬間にルディアの脳天直下チョップがソフィに繰り出される。
その威力は見ての通りで、チョップを受けたソフィがうずくまり、床に倒れるほどの激痛を受けたようだ。
「彼は森で倒れてたところを助けただけよ。面識はさっき初めてしたところだから、アンタが思うような関係じゃないわ」
「なーんだ。つまんねぇの」
真実を伝えられた瞬間に、少年からソフィの興味が一気に薄れる。
しかし、少し空気気味になりそうな少年からすれば、いきなり現れた少女ソフィの存在が気にかかる。
「なあ、ルディア。そいつ誰だ?」
「こいつ?」
「おお! アタシか!」
自身が話題となる。そう聞いた瞬間に彼女は落胆の感情から一気に明るく興奮し、誰に頼まれた訳でも無しに自己紹介を始める。
「アタシはソフィ! 前衛でバッタバッタと敵を薙ぎ倒すカッコいい戦士だ!」
「見習いの、ね」
「余計な事言うなよ~」
Vサインをしながらポーズをつけたソフィであったが、水を差された事で、『ちぇっ』と言いそうな表情でまた落胆する。
「で、お前の名前は?」
「それが分からないのよ。彼、記憶喪失みたいだし、持ち物らしき物も一切なし。正直、お手上げ」
「は? なんだそりゃ」
「けど、名前がないのは不便か……」
ソフィの一つの疑問により、話は次へと進む。
名前をどうするか。
偽名だろうと、仮名だろうと何かしら少年には必要なものだ。いつまでも貴方やら、こいつやらではシャンとしないだろう。
「なら名無しだ!」
「却下、安直すぎる」
「ちぇっ……じゃあ正体不明!」
「却下、理由はさっきと同じ」
「それなら、記憶喪失!」
「却下……というか、さっきから後ろ向きな名前しか出してないわよね?」
次々と案を出していくソフィであったが、それはことごとく却下されていく。
「なんだよ、別に悪くないだろ?」
「悪いわよ。少なくとも名前にするようなモノじゃないわ」
「だったら何が良いんだ?」
そう言われると、今度はルディアが何か案を出そうとする。
「そうねぇ……リル」
「リル?」
あまりにも突発で単調な名前、それにソフィと少年は首をかしげる。
「そうよ。リルーフ・ルフェン、それが良いと思う」
「なんだよそれ。聞いとくけど、どういう意味だ?」
「そんな者ないわ。勘よ、勘」
「うへぇ、お得意の奴ですか」
ソフィの顔は一気に不機嫌となる。ルディアは勘といったが、それはソフィにとって何か嫌な思い出でもあるのだろう。
「絶対アタシの方が良いと思うけど」
「それなら、本人に聞いてみましょ」
向き合っていた二人は、少し空気気味であった少年に再び目を向けて、ある質問をする。
「私のリルーフと、コイツのノーネーム? とかなんたらっていう奴、貴方はどっちが良い?」
「お、俺が決めるのか?」
優柔不断な質問返しであるが、それは不安というよりも、面倒という感じで、自分で決めるよりも他人にさっさと決めてほしいという考えが表に出ていた。
しかし、この状況ではもう通用しない。
「当たり前よ。貴方の名前なんだから、貴方が自身が決めないと」
「なら、ルディアが言った方で」
だが、なんだかんだ言って即決した。
「そっちの方がまだマシだし」
「なんだよ~、アタシの方が……」
「くどい」
本人が決めた事であるのに、まだダダをこね出すソフィであったが、それは一蹴される。
「それじゃあ仮だけど、貴方の名前はリルーフ・ルフェン。これで良いわね?」
「良いんだけどさ、何故ルフェンっていうお前と同じ苗字を使うんだ?」
「都合が良いからよ、対外的に」
理由の一つを聞いただけで少年、リルは『ふーん、そうか』と流し、追求はしなかった。
「さてリル、今日は休みなさい。明日からはビシバシ働いてもらから」
「あ、ああ」
「ソフィはさっさと部屋から出ることね。お茶ぐらいは出してあげるから」
ルディアはソフィの手を掴み、強引に部屋の外へと連れ出そうとする。リルを安静にしておきたいという理由だろうが、少し無理やりすぎる行動でもあった。
「お、おい! そんな引っ張んなって!」
静止の言葉も聞かず、部屋を出て扉を閉める。
「なんだよ、無理やりしやがって。もうちょっと話ぐらいは……」
「最初に言っておくわ」
ソフィの文句を断ち切るように、強くルディアは警告をする。
わざわざ少年のいないところに連れ出したのは、この話を聞かせたくないからだ。
「彼に過去の話は聞かないこと。もちろん家族とか友人とかの話もね。話題に出すことも極力避けなさい」
「なんでだ?」
「記憶喪失だからよ。彼は自分の正体を知る手掛かりがない。自分の顔を見ても何も思い出せないし、持っていた物もない。今はその事に無頓着だけど、意識し始めてしまえば精神的に追い詰められるかもしれない」
彼女は今日初めて話したばかりの少年を心配していた。これから共に生活する者として、不安にさせるような事はさせたくなかった。
「……はいはい、分かった。ていうか、私が家族のこと何て話すわけないし」
ソフィは渋々ながらも了承する。最後の部分は小声で、皮肉を垂れながら。
「最後、何か……」
「にしてもお前、相変わらずお人好しだな」
「……そうかもね。けど、今回は無駄かもね。これから一切彼に過去を意識させないなんて無理だし、そもそも見た感じからデリケートな性格してなさそうだし」
その言葉にソフィは肩透かしを食らったかのような表情をする。
「なんだよ、それ」
「アンタの言うお人好しが難儀になっただけよ。
さあ、さっき言ったとおりお茶を出してあげるから、さっさと行くわよ」
友人に茶を出す。そのためにルディアはキッチンに向かい、ソフィもそれについていく。
「お、ラッキー! ついでにクッキーもくれよな」
「はいはい欲張り屋さんね」
部屋のドアはバンッと、壊れるほど勢いよく叩かれ、そこから現れたのは身の丈以上もある大剣を背負った少々口の荒い少女だった。
ルディアと比べるとガサツで、せっかく綺麗な金髪もボサボサであり、野生児に近い雰囲気を持っていた。しかも、体の所々に鎧を着ており、まるで戦士のような格好だ。
しかし、それよりも目立ったのが所々に刻まれた傷痕だろう。
「また来たの? 別に私としては、訓練の相手になるから良いけど、今回はタイミングが悪かったわね。ソフィ」
「はぁ? 何を言ってんだ?」
ソフィと呼ばれた少女はズカズカとルディアに近づいてく。最初は少年の事に気付いていなかった、というか眼中になかったが、ルディアの言葉によって彼女の意識が始めて少年へと向けられる。
「今日は彼の看病をしなきゃいけないの。だから、来るならせめて明日になさい」
「彼……?」
野生児少女はルディアに言われ、少年をまじまじと舐め回すように見る。顎に手を添えながら、『ほうほう』とか『なるほどなるほど』と、何に納得したのか口をニマニマさせ、意味深な表情を浮かべる。
「なによ、その顔は」
逆にルディアは気味が悪いと言わんばかりの、嫌な顔でソフィアを睨みつける。
「やっぱりな。さて、邪魔者のアタシはとっとと退散しますかね。そんじゃお二人さん。あとは仲良く……」
「馬鹿か」
「痛っ!?」
何か勘違いをしている。そう判断した瞬間にルディアの脳天直下チョップがソフィに繰り出される。
その威力は見ての通りで、チョップを受けたソフィがうずくまり、床に倒れるほどの激痛を受けたようだ。
「彼は森で倒れてたところを助けただけよ。面識はさっき初めてしたところだから、アンタが思うような関係じゃないわ」
「なーんだ。つまんねぇの」
真実を伝えられた瞬間に、少年からソフィの興味が一気に薄れる。
しかし、少し空気気味になりそうな少年からすれば、いきなり現れた少女ソフィの存在が気にかかる。
「なあ、ルディア。そいつ誰だ?」
「こいつ?」
「おお! アタシか!」
自身が話題となる。そう聞いた瞬間に彼女は落胆の感情から一気に明るく興奮し、誰に頼まれた訳でも無しに自己紹介を始める。
「アタシはソフィ! 前衛でバッタバッタと敵を薙ぎ倒すカッコいい戦士だ!」
「見習いの、ね」
「余計な事言うなよ~」
Vサインをしながらポーズをつけたソフィであったが、水を差された事で、『ちぇっ』と言いそうな表情でまた落胆する。
「で、お前の名前は?」
「それが分からないのよ。彼、記憶喪失みたいだし、持ち物らしき物も一切なし。正直、お手上げ」
「は? なんだそりゃ」
「けど、名前がないのは不便か……」
ソフィの一つの疑問により、話は次へと進む。
名前をどうするか。
偽名だろうと、仮名だろうと何かしら少年には必要なものだ。いつまでも貴方やら、こいつやらではシャンとしないだろう。
「なら名無しだ!」
「却下、安直すぎる」
「ちぇっ……じゃあ正体不明!」
「却下、理由はさっきと同じ」
「それなら、記憶喪失!」
「却下……というか、さっきから後ろ向きな名前しか出してないわよね?」
次々と案を出していくソフィであったが、それはことごとく却下されていく。
「なんだよ、別に悪くないだろ?」
「悪いわよ。少なくとも名前にするようなモノじゃないわ」
「だったら何が良いんだ?」
そう言われると、今度はルディアが何か案を出そうとする。
「そうねぇ……リル」
「リル?」
あまりにも突発で単調な名前、それにソフィと少年は首をかしげる。
「そうよ。リルーフ・ルフェン、それが良いと思う」
「なんだよそれ。聞いとくけど、どういう意味だ?」
「そんな者ないわ。勘よ、勘」
「うへぇ、お得意の奴ですか」
ソフィの顔は一気に不機嫌となる。ルディアは勘といったが、それはソフィにとって何か嫌な思い出でもあるのだろう。
「絶対アタシの方が良いと思うけど」
「それなら、本人に聞いてみましょ」
向き合っていた二人は、少し空気気味であった少年に再び目を向けて、ある質問をする。
「私のリルーフと、コイツのノーネーム? とかなんたらっていう奴、貴方はどっちが良い?」
「お、俺が決めるのか?」
優柔不断な質問返しであるが、それは不安というよりも、面倒という感じで、自分で決めるよりも他人にさっさと決めてほしいという考えが表に出ていた。
しかし、この状況ではもう通用しない。
「当たり前よ。貴方の名前なんだから、貴方が自身が決めないと」
「なら、ルディアが言った方で」
だが、なんだかんだ言って即決した。
「そっちの方がまだマシだし」
「なんだよ~、アタシの方が……」
「くどい」
本人が決めた事であるのに、まだダダをこね出すソフィであったが、それは一蹴される。
「それじゃあ仮だけど、貴方の名前はリルーフ・ルフェン。これで良いわね?」
「良いんだけどさ、何故ルフェンっていうお前と同じ苗字を使うんだ?」
「都合が良いからよ、対外的に」
理由の一つを聞いただけで少年、リルは『ふーん、そうか』と流し、追求はしなかった。
「さてリル、今日は休みなさい。明日からはビシバシ働いてもらから」
「あ、ああ」
「ソフィはさっさと部屋から出ることね。お茶ぐらいは出してあげるから」
ルディアはソフィの手を掴み、強引に部屋の外へと連れ出そうとする。リルを安静にしておきたいという理由だろうが、少し無理やりすぎる行動でもあった。
「お、おい! そんな引っ張んなって!」
静止の言葉も聞かず、部屋を出て扉を閉める。
「なんだよ、無理やりしやがって。もうちょっと話ぐらいは……」
「最初に言っておくわ」
ソフィの文句を断ち切るように、強くルディアは警告をする。
わざわざ少年のいないところに連れ出したのは、この話を聞かせたくないからだ。
「彼に過去の話は聞かないこと。もちろん家族とか友人とかの話もね。話題に出すことも極力避けなさい」
「なんでだ?」
「記憶喪失だからよ。彼は自分の正体を知る手掛かりがない。自分の顔を見ても何も思い出せないし、持っていた物もない。今はその事に無頓着だけど、意識し始めてしまえば精神的に追い詰められるかもしれない」
彼女は今日初めて話したばかりの少年を心配していた。これから共に生活する者として、不安にさせるような事はさせたくなかった。
「……はいはい、分かった。ていうか、私が家族のこと何て話すわけないし」
ソフィは渋々ながらも了承する。最後の部分は小声で、皮肉を垂れながら。
「最後、何か……」
「にしてもお前、相変わらずお人好しだな」
「……そうかもね。けど、今回は無駄かもね。これから一切彼に過去を意識させないなんて無理だし、そもそも見た感じからデリケートな性格してなさそうだし」
その言葉にソフィは肩透かしを食らったかのような表情をする。
「なんだよ、それ」
「アンタの言うお人好しが難儀になっただけよ。
さあ、さっき言ったとおりお茶を出してあげるから、さっさと行くわよ」
友人に茶を出す。そのためにルディアはキッチンに向かい、ソフィもそれについていく。
「お、ラッキー! ついでにクッキーもくれよな」
「はいはい欲張り屋さんね」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる