神隠しは天狗の仕業といいます、が

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君が望まぬとも、我は君を望むだろう

我は止まらず

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 溜まったもののせいで朝に下着が汚れてしまう、たったそれだけのことを重大な失態をと思い込い込んでいたなんて。そしてそれを我に知られたと真っ赤になっているだなんて、君はなんて可愛いんだ。
 我は優斗の可愛らしさによって少々口が軽くなっていた。

「出しておけば良いではないか。」

「いえ、でも、こんなのを他の人に触らせるなんて。」

「ハハハ。違う。溜まったら溜まったものを出せばいいだろうってことだ。」

 しかし、重大で恥ずかしい事のようにこれを受け止めている優斗には、我の言葉は無神経この上ないものであっただろう。
 真っ赤に顔を染めた優斗は怒ったような声を出した。

「ど、どうやって、ですか。」

「いや、ふつうに。扱けば出るだろ?」

「そ、そんな、人がいるところで出すなんて。」

「人がいるって。すぐりを我が子みたいに考えている君だろ?我らは家族みたいなものだ。もっと自由に振舞えば良いではないか。君が家でしていたように。」

「し、したことなんかありません。みきやゆきに知られたら駄目でしょう。」

「ここは男所帯だ。」

「でも、した事が無いんです!」

 自慰をした事が無かった、だと?

 我は殆ど呆然となって優斗を見つめ返していた。
 優斗は本気で恥ずかしい事この上ない、という、大昔でも今でも、男の想像上の生き物でしかないはずの、純情可憐にしか見えない動きを見せた。
 下唇を噛んで顔を背けるという、恥ずかしくてこの上ない、といういじましい表情を我に晒したのである。

「え、ええ!ひらのさん!」

 我は優斗を掴んで引き寄せ、彼を後ろから抱き締めた。
 やめろと我の良心は叫んでもいたが、思い切れないならば嫌われてしまえと我を唆す悪心こそ強いのだ。
 抱きしめて、触れて、その記憶だけでも手に入れるのだ、と。
 今の我ならば、兵衛佐(ひょうえのすけ)を一番理解できるだろう。

「あの、ええ!」

 我の左手は優斗を自分に押し付け彼の動きを封じ、我の右手は優斗の股を押さえるという動きをしていた。我の顔は優斗の右肩と頭の間に収まるようにして添えられ、我の腕の中の優斗はきゅっと音がするぐらいに固く身を縮こませた。

「ひ、平埜さん。」

「我が教えよう。君は目を閉じて、我の手の動きだけに集中すればよい。」

「え、でも、あ、ちょっと。」

 快楽を知らないおぼこは簡単に逃げ出そうとするが、知らない悦楽の刺激を与えることによって簡単に動きを止めてしまうものでもある。
 我は優斗の右耳の下に軽く唇を当てて、軽く吸い、それから軽く舐めた。
 腕の中で優斗はビクンと体を震わせた。
 その触れ似合わせて我の右手は優斗の浴衣の打ち合わせから簡単に中へと潜り込み、中に着ていた肌着の下へと動き、十日ぶりといえる彼の柔肌に手のひらを吸いつかせた。

 しゅんと優斗の肌は泡立った。
 嫌悪感の鳥肌ではなく、我の手が与えた温度差によるものだ。

 どうして嫌悪感では無いと我にそれが分かるのか。
 我が体を拭いてやっていた時に、我は優斗にできる限りの快楽を与えようとしていたからだ。
 横になるしか出来ない人間の体から汚れを落とし、筋肉などをほぐしていただけの行為だが、それが優斗へ性感さえも呼び起こしてたことは知っている。
 知っていて、我は自分を止められなかった。

「お願いします。もう、やめてください。」

「嫌か?我が体を拭いてやった時と同じだ。こんなことは悪い事でも何でもない。困りものの溜まったものを出すだけだ。」

「だって、あなたが触れたから!あなたの手が俺に知らなかった感覚を与えたから!だから俺は夢で見て、それで、こうしてパンツを汚してしまうんじゃないですか!」

 我はぴしっと固まった。
 優斗が可愛らしいことを言うからに!
 
「だから平埜さん、もうやめ、ああ!」

 我をさらにケダモノへと追い立てたのは君、だ。
 我の手はさらに優斗の体を淫靡に駆り立てようと、蛇が絡みつくようにして這い出した。
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