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-2-『マクラ転生』
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黒色山脈の西側は、バブルヘルム大陸を牛耳る人類にとって、触れられざる土地となっていた。
そこは、魔族という名の知性ある怪物たちの支配域であり。
人類圏とはまた別の――独自の異文化が形成された人外魔境である。
そんな魔界の文明を象徴するものとして、大地を威圧するように屹立する超高層建築物がある。
その名は<ロストアイ>。
魔界の支配者である魔王の居城であり、漂う雰囲気は禍々しく。
侵入者に二の足を踏ませる複雑怪奇な内部構造は迷路と言っても過言ではなく、存在そのものが武力であると解釈する知識人もいる。
今日とて。
<ロストアイ>はその威容にふさわしく――天空を駆ける黄金色の稲光を受け、暗黒のシルエットを浮かび上がらせていた。
「うわっ……今日もカミナリのピカピカが凄いなぁ……」
<ロストアイ>の高層階。
雲の上に高さにまで至った廊下を歩いていた少女は、ドレスの袖口で目許を覆った。
おそるおそる腕をどけ、アーチ状の窓の向こうを見下ろす。
雷光はどす黒い雲海の中で深呼吸し、明滅をくり返していた。
窓べりに両手を乗せ、ぼんやりと悪天候を見下ろす少女の名はネムエル・ダハ。
見かけこそ、清楚な雰囲気を漂わす深窓の令嬢であるが――彼女はかつて、バブルヘルム大陸を常闇に覆ったとされる魔王バクスイの遺児にして、魔王城<ロストアイ>の現城主である。
統率者の血脈にふさわしく、その容貌は俗世の者とは一線を画している。
背丈は低いが頬骨は高く、憂いをたたえた目は驚くほど大きい。
すらりとした肉体こそ未熟な果実の段階ではあるが、腰丈まで広がった艶のある金髪と病的なまでの肌の白さは美術品じみていた。
完璧な美貌にあえて、難点を挙げるとするならば。
頭部に黒山羊の角をニョキリと伸ばし、両目に縦長の瞳を備えていることくらいか。
「んー……いいもの、
なかなか見つからないし……お天気悪いし、
もうお昼寝しようかな……ふぁあ……帰ろ」
ネムエルは眠たげな半眼になり、あくびを手の平で押さえた。目許をぐしゅぐしゅと擦り、暗い廊下を突き進む。
私室に戻る途中、名残惜しげにキョロキョロとあちこちに目線を飛ばした。黄眼をネコと同じように細め、半壊した扉の向こう側を覗き込んだりもする。その度に目を皿にして荒れた室内を見回すが、がっくりと肩を落とすばかりだった。
実のところネムエルは、物心ついてからというもの、亡き魔王の遺産を食い潰して生きる|放蕩(ほうとう)生活を選んでいた。
つまりはおのれの道楽がため、代々継承してきた魔王の宝物を売り払っているのである。
歴代の魔王たちも墓場でさめざめと泣く暴挙であるが、当人は能天気に生きているので、罪意識などかけらもない。
――私はのんびりしていたい。
――だから、あなたたちの王さまにはならないね。
異世界勇者に魔王バクスイが討たれたのち。
新魔王として、地位を継承するはずのネムエルの宣言であった。
玉座にちょこんと腰掛けた後継者の拒否は、一族の再興を目指す魔族を大いに失望させた。
形式上は幼年のため、ひとまず保留――ということになったが、ネムエルに懸けていた者たちは苦渋の思いで城を去った。
無論、なかには彼女とともに残ることを選んだ者たちもいる。
けれども、その数は全盛期に比べて十分の一までに激減してしまい。
現在の魔王城は、幽霊城と変わらぬほど荒廃してしまっていた。
「あれ……?
なんか、光ってる? なんだろ」
日課の〝宝探し〟を早々に諦め、自室に向かっていたネムエルだったが、扉の隙間からまぶしい光が漏れているのを発見した。
雷とは明るさが違う。
白みがかかっていて、目に優しい|閃光(せんこう)だった。
けれど強烈な放射光であるのは確かで、窓枠の隙間をかいくぐって廊下まで光が漏れている。
考えられるのは、埃を被った魔導具が何かの拍子に始動したことくらいか。
(動く物は売れるもの……お菓子代になる……やったーっ)
頭髪をくぐり抜けて生えた山羊角をひと撫でし、ネムエルはうきうきしながら光の溢れる寝室のドアノブをひねるのだった。
※ ※
(あれ、俺は……うおおおおっ!
なんだ。金縛りかっ!?)
壮一は目を覚ますと、全身に違和感を覚えた。
なぜか恐ろしく、身体が窮屈なのだ。
どうにか両腕を持ち上げようとしたが、肘から先がなくなったみたいに手応えが薄い。次は足を動かそうとしたが、これも結果は同じだった。
泡を食い、身を起こして異常を視認しようとしたが首すらも回らない。
(嘘だろ……そんな!)
違和感の正体に、はっきりと気付いた。
これは拘束されているというよりも――ない。
真っ黒な不安が心が塗り潰した。得体もしれない恐怖が増大した。力の限り叫ぼうとしたが、声すらもでなかった。
パニックに陥りながらも、もがいてみたが視界が微かに揺れるだけだった。
(おえええええええっ……!?
やっべぇよぉおおおおおおっ!
何が、いったい、ど、どどどどうなってんだよぉ!!)
心の中で絶叫しながら、急いで自分が置かれた状況を把握しにかかる。
幸いにして目玉は動いた。視界が忙しなく回転する。
現在地は――西洋風のスイートルームを思わせる室内。
身体の下からは、ふかふかな肌触り。
自分は幅広なキングサイズのベッドの上で寝ているようだ。
ベッドは豪華で天蓋まで付いていた。遮光用のカーテンが四隅で丸められ、支柱には飾り紋様が刻まれている。
部屋の調度品も贅を尽くしていた。
毛足の長い幾何学模様の絨毯、光沢を失わない年季の入った木製戸棚、芸術的なアンティークの安楽椅子、重厚なタッチで描かれた油絵、どれも市販品とは一線を画している。
(えっ? なんだここ?
宮殿の一室……とか?)
過ごしていた日常から遠い部屋模様に壮一は呆気を取られた。
それがかえってうまく作用したのか、荒波立っていた心を落ち着かせた。
一瞬、夢ではないかと考えたが、部屋の存在する確かな質感がそれを否定している。
(動けないけど……身体には痛みはない。
もしかして、仮想現実の世界とか?
金持ちの暇潰しで拉致られたのか? デスゲーム的な?
いや、こんな間抜けなザマになってところを考えると、ついに過労死して天国に逝った可能性が高いかな。
まあ、黄泉の国送りだとしても、
これだけ見事な部屋に招待してくれるのは嬉しいな……)
天国の門前に至った気になっている壮一だったが、思考は中断された。
扉の向こうから、何者かの接近を知らせる足音が聞こえたからだ。
「……あれ、普段通りかな」
透明感のある、耳の奥にすぅっと入る可愛らしい声。
きぃと蝶番が軋む音がして、古びた扉が開いた。
部屋の主であろう少女が入ってくる。
部屋の様子を確かめるように視線を一巡させ、愛らしく小首をかしげる。
ふっと、目線が合って壮一は緊張した。
不審者だと訴えられ、叫ばれたり、助けを呼ばれたりすると思ったからだ。
しかし。
見ず知らずの少女は何を思ったか、とことこと壮一の方に歩み寄った。
興味深そうな、キラキラとした好奇の色を瞳にたたえている。
ベッド際まできて、ぴたりと立ちどまった。
少女は上唇に指を当てた。
そのまま、見つめ合う形になる。
(う、おおおおおっ……も、もしや、この天使ちゃんが俺を迎えに?
おっしゃあっ! 天国ルート確定っ!
死後の世界は勝ち組だぜっ!
おや、でもなんか、悪魔の角が……?)
天国に来たと思いこんでいる壮一は、挙動不審になりながら少女を観察した。
姿かたちはおとぎ話の住人のようだ。
ゴシック・ドレスは黒を基調としながらも輝かしく、身体の線にぴったりと合わせて作られた職人製。首もとのネックスカーフが飾り気を味つけし、スカート裾にある細かい刺繍は華々しさ控えめに主張している。
異様な瞳の形と、頭部の角型のアクセサリーだけがやや悪趣味ではあるが、そのうるわしさを曇らせるものとはなっていない。
「マクラがなんか、つやつやのぴかぴか……新品になってる。
誰か、取り替えてくれたのかな?」
(な、なんだ?)
少女が両手を伸ばすと、壮一の視点が急に高くなった。
浮遊感が全身を支配し、VR画面を見ているような心地になる。
少女との距離が縮まっていく。
壮一はぶつかるのを恐れて反射的に目を閉じたが、衝撃はなかった。
それどころか、抱きしめられる感触が肉体に伝わってきた。
搾り立てのミルクに似た、乳臭く甘い匂いが鼻先に香る。
ふんわりとした少女特有の体臭だ。
微かにふくらんだ胸を押し当てられ、高めの体温がじわりと浸透してくる。
「うわ、ふかふかだぁ……いい匂い」
小さな懐に収められた壮一は、信じがたい事実に気付きつつあった。
それはまさしく、冗談のような話だった。
(俺、もしかして……マクラになってるのか。
……えええっ? ほんとにぃ?)
両目を閉じた少女に頬擦りされつつ、壮一は我が身の現状を正しく理解した。
気の遠くなるような現実にどう対処していいかわからないまま、されるがままになるのだった。
そこは、魔族という名の知性ある怪物たちの支配域であり。
人類圏とはまた別の――独自の異文化が形成された人外魔境である。
そんな魔界の文明を象徴するものとして、大地を威圧するように屹立する超高層建築物がある。
その名は<ロストアイ>。
魔界の支配者である魔王の居城であり、漂う雰囲気は禍々しく。
侵入者に二の足を踏ませる複雑怪奇な内部構造は迷路と言っても過言ではなく、存在そのものが武力であると解釈する知識人もいる。
今日とて。
<ロストアイ>はその威容にふさわしく――天空を駆ける黄金色の稲光を受け、暗黒のシルエットを浮かび上がらせていた。
「うわっ……今日もカミナリのピカピカが凄いなぁ……」
<ロストアイ>の高層階。
雲の上に高さにまで至った廊下を歩いていた少女は、ドレスの袖口で目許を覆った。
おそるおそる腕をどけ、アーチ状の窓の向こうを見下ろす。
雷光はどす黒い雲海の中で深呼吸し、明滅をくり返していた。
窓べりに両手を乗せ、ぼんやりと悪天候を見下ろす少女の名はネムエル・ダハ。
見かけこそ、清楚な雰囲気を漂わす深窓の令嬢であるが――彼女はかつて、バブルヘルム大陸を常闇に覆ったとされる魔王バクスイの遺児にして、魔王城<ロストアイ>の現城主である。
統率者の血脈にふさわしく、その容貌は俗世の者とは一線を画している。
背丈は低いが頬骨は高く、憂いをたたえた目は驚くほど大きい。
すらりとした肉体こそ未熟な果実の段階ではあるが、腰丈まで広がった艶のある金髪と病的なまでの肌の白さは美術品じみていた。
完璧な美貌にあえて、難点を挙げるとするならば。
頭部に黒山羊の角をニョキリと伸ばし、両目に縦長の瞳を備えていることくらいか。
「んー……いいもの、
なかなか見つからないし……お天気悪いし、
もうお昼寝しようかな……ふぁあ……帰ろ」
ネムエルは眠たげな半眼になり、あくびを手の平で押さえた。目許をぐしゅぐしゅと擦り、暗い廊下を突き進む。
私室に戻る途中、名残惜しげにキョロキョロとあちこちに目線を飛ばした。黄眼をネコと同じように細め、半壊した扉の向こう側を覗き込んだりもする。その度に目を皿にして荒れた室内を見回すが、がっくりと肩を落とすばかりだった。
実のところネムエルは、物心ついてからというもの、亡き魔王の遺産を食い潰して生きる|放蕩(ほうとう)生活を選んでいた。
つまりはおのれの道楽がため、代々継承してきた魔王の宝物を売り払っているのである。
歴代の魔王たちも墓場でさめざめと泣く暴挙であるが、当人は能天気に生きているので、罪意識などかけらもない。
――私はのんびりしていたい。
――だから、あなたたちの王さまにはならないね。
異世界勇者に魔王バクスイが討たれたのち。
新魔王として、地位を継承するはずのネムエルの宣言であった。
玉座にちょこんと腰掛けた後継者の拒否は、一族の再興を目指す魔族を大いに失望させた。
形式上は幼年のため、ひとまず保留――ということになったが、ネムエルに懸けていた者たちは苦渋の思いで城を去った。
無論、なかには彼女とともに残ることを選んだ者たちもいる。
けれども、その数は全盛期に比べて十分の一までに激減してしまい。
現在の魔王城は、幽霊城と変わらぬほど荒廃してしまっていた。
「あれ……?
なんか、光ってる? なんだろ」
日課の〝宝探し〟を早々に諦め、自室に向かっていたネムエルだったが、扉の隙間からまぶしい光が漏れているのを発見した。
雷とは明るさが違う。
白みがかかっていて、目に優しい|閃光(せんこう)だった。
けれど強烈な放射光であるのは確かで、窓枠の隙間をかいくぐって廊下まで光が漏れている。
考えられるのは、埃を被った魔導具が何かの拍子に始動したことくらいか。
(動く物は売れるもの……お菓子代になる……やったーっ)
頭髪をくぐり抜けて生えた山羊角をひと撫でし、ネムエルはうきうきしながら光の溢れる寝室のドアノブをひねるのだった。
※ ※
(あれ、俺は……うおおおおっ!
なんだ。金縛りかっ!?)
壮一は目を覚ますと、全身に違和感を覚えた。
なぜか恐ろしく、身体が窮屈なのだ。
どうにか両腕を持ち上げようとしたが、肘から先がなくなったみたいに手応えが薄い。次は足を動かそうとしたが、これも結果は同じだった。
泡を食い、身を起こして異常を視認しようとしたが首すらも回らない。
(嘘だろ……そんな!)
違和感の正体に、はっきりと気付いた。
これは拘束されているというよりも――ない。
真っ黒な不安が心が塗り潰した。得体もしれない恐怖が増大した。力の限り叫ぼうとしたが、声すらもでなかった。
パニックに陥りながらも、もがいてみたが視界が微かに揺れるだけだった。
(おえええええええっ……!?
やっべぇよぉおおおおおおっ!
何が、いったい、ど、どどどどうなってんだよぉ!!)
心の中で絶叫しながら、急いで自分が置かれた状況を把握しにかかる。
幸いにして目玉は動いた。視界が忙しなく回転する。
現在地は――西洋風のスイートルームを思わせる室内。
身体の下からは、ふかふかな肌触り。
自分は幅広なキングサイズのベッドの上で寝ているようだ。
ベッドは豪華で天蓋まで付いていた。遮光用のカーテンが四隅で丸められ、支柱には飾り紋様が刻まれている。
部屋の調度品も贅を尽くしていた。
毛足の長い幾何学模様の絨毯、光沢を失わない年季の入った木製戸棚、芸術的なアンティークの安楽椅子、重厚なタッチで描かれた油絵、どれも市販品とは一線を画している。
(えっ? なんだここ?
宮殿の一室……とか?)
過ごしていた日常から遠い部屋模様に壮一は呆気を取られた。
それがかえってうまく作用したのか、荒波立っていた心を落ち着かせた。
一瞬、夢ではないかと考えたが、部屋の存在する確かな質感がそれを否定している。
(動けないけど……身体には痛みはない。
もしかして、仮想現実の世界とか?
金持ちの暇潰しで拉致られたのか? デスゲーム的な?
いや、こんな間抜けなザマになってところを考えると、ついに過労死して天国に逝った可能性が高いかな。
まあ、黄泉の国送りだとしても、
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扉の向こうから、何者かの接近を知らせる足音が聞こえたからだ。
「……あれ、普段通りかな」
透明感のある、耳の奥にすぅっと入る可愛らしい声。
きぃと蝶番が軋む音がして、古びた扉が開いた。
部屋の主であろう少女が入ってくる。
部屋の様子を確かめるように視線を一巡させ、愛らしく小首をかしげる。
ふっと、目線が合って壮一は緊張した。
不審者だと訴えられ、叫ばれたり、助けを呼ばれたりすると思ったからだ。
しかし。
見ず知らずの少女は何を思ったか、とことこと壮一の方に歩み寄った。
興味深そうな、キラキラとした好奇の色を瞳にたたえている。
ベッド際まできて、ぴたりと立ちどまった。
少女は上唇に指を当てた。
そのまま、見つめ合う形になる。
(う、おおおおおっ……も、もしや、この天使ちゃんが俺を迎えに?
おっしゃあっ! 天国ルート確定っ!
死後の世界は勝ち組だぜっ!
おや、でもなんか、悪魔の角が……?)
天国に来たと思いこんでいる壮一は、挙動不審になりながら少女を観察した。
姿かたちはおとぎ話の住人のようだ。
ゴシック・ドレスは黒を基調としながらも輝かしく、身体の線にぴったりと合わせて作られた職人製。首もとのネックスカーフが飾り気を味つけし、スカート裾にある細かい刺繍は華々しさ控えめに主張している。
異様な瞳の形と、頭部の角型のアクセサリーだけがやや悪趣味ではあるが、そのうるわしさを曇らせるものとはなっていない。
「マクラがなんか、つやつやのぴかぴか……新品になってる。
誰か、取り替えてくれたのかな?」
(な、なんだ?)
少女が両手を伸ばすと、壮一の視点が急に高くなった。
浮遊感が全身を支配し、VR画面を見ているような心地になる。
少女との距離が縮まっていく。
壮一はぶつかるのを恐れて反射的に目を閉じたが、衝撃はなかった。
それどころか、抱きしめられる感触が肉体に伝わってきた。
搾り立てのミルクに似た、乳臭く甘い匂いが鼻先に香る。
ふんわりとした少女特有の体臭だ。
微かにふくらんだ胸を押し当てられ、高めの体温がじわりと浸透してくる。
「うわ、ふかふかだぁ……いい匂い」
小さな懐に収められた壮一は、信じがたい事実に気付きつつあった。
それはまさしく、冗談のような話だった。
(俺、もしかして……マクラになってるのか。
……えええっ? ほんとにぃ?)
両目を閉じた少女に頬擦りされつつ、壮一は我が身の現状を正しく理解した。
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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