40 / 61
本編
ep19_2
しおりを挟むそんなわけで、あたしとギリアロの結婚式の準備がはじまった!
……っていってもね?
この世界、教会とかないの。結婚は国に届けを出すもので、あたしたちのはもう提出してあるからね?
国王陛下と顔をあわせて、直々に認めてもらうってのがメイン。……まあ、そこは時間的には短いんだけどさ。
で! そのあとが! 大事なのっ。
なんかねなんかねっ。パレードするんだって!!
パレード!? マジで!? それどこの王女さまって感じ!!
しかも飛行機に乗って。もちろんタイヤついてるから、ふつーの道も走れるもんね?
中央区からまっすぐ西へ、あたしのお気に入りの商業地区にのほうに向かって走るの。いちばんいろんな人が集まるところだしね。
飛行機はね……ふふふ、ギリアロってばちょーっと抵抗あったみたいだけど、ギリアロの愛機使っちゃうんだって。あの灰色のヤツ飾り付けちゃうんだって。めっちゃ厳つくてカワイイじゃん!
あたしがカワイイカワイイ連呼してたら、ギリアロもエドアルド殿下もなんとも言えない顔してたけど、しーらない。
あとはドレスとギリアロの服ね?
ギリアロは軍服にするんだって。ちょっとその辺は、ギリアロとエドアルド殿下の方で調整中だとか。正直、階級もろもろ政治的な話も絡んでるみたいだから、そこはあたしは口をださない。
ただ、ちゃんとかっこいいよってエドアルド殿下のお墨付きもらったから、楽しみにしてる。
それからあたしのドレス。
これも実は、あたしとギリアロがくっつく前からエドアルド殿下がこっそり手配してくれてたんだって。
自分で選びたかった気持ちはゼロじゃないけど、この世界にはこの世界のカワイイがあるもんね。
最高の一枚を仕立ててるって言われたから、こっちも楽しみにしてる。
ただ、ギリアロがちょーっと思うところがあるみたいで、すねてた。
夜にちょちょーってつついたら、今度、街に服見に行くか……だって。
えーっとそれって、つまり、ギリアロもあたしの服を見立てたいとかそんな……まって、ふつーに照れるし。
そうやって、ギリアロとデートの約束もしたりしながら、かなり忙しい日々が訪れる。
あ、そうそう。
お城のお部屋もね、ギリアロの強い希望で移動したんだよ。あたし全然荷物ないから、ホテルの部屋移動くらい気楽だったんだけどさ。
どうしてって聞いたら、ギリアロごにょごにょ誤魔化そうとしてたけど。移動してみて納得。
寝室がね? 奥まった部屋にわけられてた。
前は入ってすぐの部屋にベッドあったからね。部屋の外には常に警備の人がいるから、たしかに気になるか……って、納得。
というわけで、忙しいながらも、たまにね? たまーに、ギリアロとえっちとか、したり、します。はい。
でも、あたしよりも、ギリアロがとっても仕事忙しそうで、夜にふたりでゆっくりする時間もあんまりとれない。
あのギリアロがだよ?
家に帰るのがけっこう遅くなったり、朝早く出かけていったり。お部屋のお掃除をしにいっても、部屋にいなかったり、なんだか書類仕事めちゃめちゃすすめててさ。
……え? 誰??? ってなっちゃった。
補佐官のマーキさんも半笑いだもんね。あのギリアロが、仕事熱心になるとか思わないじゃん? あたしも思わなかったもん……。
いったい何があったのか、本人に聞いてもエドアルド殿下に聞いてもはぐらかされるし。もうちょっと待ってー、って言われて。
でもなんか、一生懸命だから応援したいじゃん?
わかった。結婚式の準備はあたしにまかせて、ギリアロはお仕事頑張って! って言ったら、ギリアロがなんともいえない顔してた。
あんまり戦闘機派手に飾りつけるのは勘弁してくれ、だって。
ふふ、大丈夫。
調子に乗って騒いでごめんね?
ギリアロの宝物だもんね。
ちゃんとわかってるよ。
応援ありがとうございます!
23
お気に入りに追加
1,137
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる