【R18】処刑されるはずが、目覚めたら敵国王子の推し活包囲網にとらわれていました

浅岸 久

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目覚めは、敵国王子の腕の中で(7)*

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「えっ」
「動かす」

 え、いや。だから待って。という制止は間に合わない。
 完全に決定事項として宣言されたかと思うと、彼はそのまま腰を振りはじめたのだ。

「あっ、んんんっ!?」
「ライラ……!」

 ずるずるずるっ、と抜かれていったかと思えば、ばつんっ!という重たい衝動が走る。
 彼のモノはあまりに大きすぎて、少し動いただけでも膣壁が強く擦られ、ビクビクと身体が跳ねる。
 少しでも気を緩めたらどこかに意識がはじけ飛んでしまいそうで、私は必死に彼に縋りついた。

「もっと。もっとだ。強く掴んでいろ」
「んっ……」
「腰をもっと押し付けて。そう、それでいい」

 締まるな、そう呟いた彼は、苦しそうに息を吐きながらも、抽送をはじめる。

 バツッ、バツッと容赦なく肉がぶつかる音が部屋中に響いた。
 身体の中を異物が行き来するのがわかる。そのたびに、私も意味を伴わない声をもらした。
 嬌声、と言ってもいいものだろう。自分でさえ聞いたことのない甘い声が漏れ、アーシュアルトの眉根が寄る。彼の瞳には真剣さが強くにじり、より深く、私を穿つのだ。

「あ、ああんっ」

 やがて、彼のモノが私のナカの一点を擦る。そこがより強い快楽をもたらす場所だと気付いたらしい。彼はその場所を重点的に攻めた。

 快楽とともに、魔力がかき混ぜられ、身体が強い熱を発する。
 ちょっと待って、と思う。
 だって、このままだとまた、魔力が放出されてしまう。けれど――。

「あっ、ああっ。や、そこっ……」
「ああ。ここだな。君が、いい声で、鳴く」
「んっ、……きもち、いっ……」

 自然とこぼれ落ちてしまった言葉に、アーシュアルトは満足そうに口の端を上げた。

(あ、笑って、る……)

 アーシュアルトが、満足そうに。
 それははじめて見る表情で、心の奥底がジワリと熱くなる。
 この行為に合意したつもりはない。でも、彼の満足そうな顔を見るのは嫌ではなかった。

「ライラ…………はッ、ライラっ」

 彼が苦しそうに息を吐きながら、何度も何度も私の名前を呼ぶ。
 その深い声の中に、どうしてか甘さを拾ってしまい、私の肚の奥底がずくりと疼いた。

 応える代わりに、私も腕に力を込める。
 余裕なんてあるはずがなくて、ふぅふぅと息を吐いた。
 深い。彼の猛りが奥の奥に押しあてられるたびに、私の意識が飛びそうになる。
 身体がばらばらになってしまいそうなほど深く穿たれ、いよいよ視界がチカチカと瞬いた。

「ああ……っ!」
「クッ、イクッ……!」

 肚の奥に脈動を感じるのと同時に、私の意識も流される。
 魔力の制御なんてできるはずもない。
 流されるままに、全てを放出してしまい――

 ――放出した先からアーシュアルトに吸収されていった。


(きもち、いい……)

 知らなかった。
 魔力を放出するのが、こんなに気持ちがよかっただなんて。

 身体が蕩けて、このまま溶け合ってしまいそうだ。
 私はうっとりとしながら、汗ばむ身体を彼に押しつけていた。
 彼もまた、汗を滲ませながら、私にもたれかかるようにしてベッドに倒れこんだ。もちろん、繋がったままだ。

「はっ、はぁっ……はぁ、はぁっ」
「………………マズイな。よすぎる」

 そう言いながら、彼は私を両手で抱き込み、体勢をひっくり返した。アーシュアルトの筋肉をベッドに、今度は私の方が覆い被さるような形になる。それが妙に心地よくて、安心するように身体を預けてしまった。

 多分、本能のままだったのだと思う。
 彼の胸元に鼻をすり寄せ、すんすんと匂いを嗅いでいた。
 深くて、ほろ苦いような大人の香りがする。これが、雄という生き物なのだろう。
 ぎゅっと抱きしめられるのが心地よくて、気がつけば彼の胸にキスを落としていて。

(――――――――あれ?)

 あとから、自分の意識が追いついてくる。

(私、今、何を……?)

 流されるままに、とんでもないことをしていないか。
 と、気付くももう遅い。アーシュアルトがビクッと震えたかと思えば、私のナカで熱を取り戻していく。

「あ、あの、殿下……?」

 ちょっと待て。落ち着こう。これはまずい。どう考えても私が持たない。――と思うのに。
 アーシュアルトは気まずそうに視線を逸らしつつ、ハッキリと告げる。

「君が、煽るからだ」
「あお――!?」

 そんなつもりはない!と言おうとしたのに、今度は下から突き上げられた衝撃で言葉にならなかった。

「あっ!?」

 今度は最初から全開だ。
 ガツッ、ガツッと容赦なく突き上げられ、呼吸ができなくなる。
 達した身体は敏感になっていて、あっという間にぶるぶると震えだす。
 ナカに出された彼の精液と破瓜の血とが混じり合い、溢れ落ちていく。お互いの腿をぐちゃぐちゃに汚しながら、それでもアーシュアルトは止まる気などないらしい。

 突き上げられながら一回。
 彼の膝の上に乗せられて一回。
 そこで体力と精神の限界で崩れ落ちたけれど、おそらくその後も、彼は何度も何度も私を蹂躙して。

 結果、私はベッドの上の住人となった。
 疲労困憊と筋肉痛と高熱とで。
 合計四日もだ。

 ――ただ、馬鹿みたいに魔力放出を繰り返した副産物か、次に目ざめたときには、首に嵌められていた自爆の首輪が粉々に壊れてしまっていた。
 もちろん、爆発などただの一度も起こらなかった。
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