【R18】処刑されるはずが、目覚めたら敵国王子の推し活包囲網にとらわれていました

浅岸 久

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目覚めは、敵国王子の腕の中で(6)*

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 身体中の熱が一気に引いて、心地よさだけが残る。その感覚に身を委ねながら、私はぼんやりと瞳を開いた。

(よかった……)

 少なくとも、アーシュアルトを巻き込むことはなかった。
 しかし落ち着いている暇などない。ホッとしたのも束の間、今度は同じ場所に彼の長い指が突っ込まれたのだ。

「あっ、ぁぁっ」
「濡れているな」
「んんっ、待って……」

 一度達したらしい身体は隅々までゾッとするほど敏感になっていた。ギュッと己の身体を抱きしめると、アーシュアルトの眼光が鋭くなる。

「力を抜け」

 容赦なく指を出し入れされると、奥から蜜がたっぷりとあふれはじめた。それを潤滑油がわりに彼は指を二本に増やす。
 にゅちっ、にゅちっ、と淫らな音が響き渡る。それがますます私の肌を火照らせ、同時に不安定な気持ちにもなる。何かにしがみつきたくて、私は両手を彷徨わせた。

「ん。俺を掴んでいろ」
「はっ、ああっ……」
「そうだ。もっと強く掴んでも構わない」
「殿下……っ」

 アーシュだ、と彼は繰り返す。
 けれどもその主張を聞く余裕なんてない。ただただ膣内でバラバラに動かされる彼の指に翻弄させられてばかりだ。

「少し、柔らかくなってきたな」
「ふ、ぅっ……」

 ふるふると睫毛を震えさせると、アーシュアルトのキスが降ってくる。
 もう彼のなすがままだった。
 少しでも寄る辺がほしくて、すがるように身体を擦り付けると、彼が驚いたように目を見張る。
 瞬間、ガンッと彼の表情が強張って、乱暴なキスをされた。

 身体が熱い。蕩けそうな程に。
 甘い蜜が腿を流れ落ち、シーツを汚す。そろそろか、と彼が漏らした言葉を拾い、私は目を細めた。

 いつの間にか彼はコートを脱ぎ捨て、シャツのボタンも外していた。
 ガッチリとした筋肉に覆われた彼の胸元が見える。軍人らしいたくましい彼自身に、釘付けになってしまう。

(しなやかで、綺麗――)

 私とは根底から身体のつくりが違うらしい。
 無意識のうちにしがみつくと、くつり、と喉の奥で笑うような音が聞こえた。

「いい。どこでもいいから、俺に触れていろ」
「ん……」
「できればしっかり腕を回しておけ。いくばくか痛むはずだ」

 とろけたままの瞳で彼を見ると、彼はカチャカチャとベルトを外している。

(え……)

 間もなくズボンをくつろげた先に現れたモノに、私は息を呑んだ。
 あまりに太くて逞しい猛り。しなやかな彼の肢体に、あんなものが隠されていただなんて。

(待って? 待って待って?)

 血管がボコボコと浮き出た、あまりに生々しい彼の屹立。
 凶悪な、という表現がピッタリなほどに禍々しく、長く反り返ったそれに言葉を失う。

 だって、無理だ。挿入るはずがない。
 火照った意識に一気に冷水が浴びせられるような感覚だ。
 けれど、私の腰が引けるよりも早くに、彼はその猛りを蜜口に押し当てた。

 ぐっと力を込められてからは一気だ。どすんと、圧倒的な質量を持ったそれがひと息に私を穿つ。

「――――っ!」

 奥の奥まで一気に突き立てられた。
 どすん、という深い衝撃。
 呼吸することすらできず、私はのけ反る。無意識に彼の背中に腕を回すも、そのまま爪を突きたてた。

「っ、っ、っ……!」

 破瓜の痛みに、言葉にならない声が漏れた。彼も彼で苦しそうに息を吐きながら、それでも猛りを抜こうとはしない。
 あまりの熱に溺れそうになり、意識を繋ぎ止めるため、腕に力を込める。彼も彼で同じように強く抱きしめ返してくれたから、縋るようにその逞しい胸元に顔を埋めた。

「あ、……は、ぁ……っ」

 奥まで突きたてられてしばらく。ようやく呼吸が整ってきた。

「うっ、うう……っ」

 ひどい。
 こんなに深く、重いものを。

 こちとら処女だったのに、問答無用であんなとんでもないモノを受け入れさせられるなんて。

「殿下……っ」

 こんなにも痛くて苦しい思いをしたのだから、彼の身体で安心する権利は私にもあるはずだ。
 だから力いっぱい抱きついて、彼の胸に顔をすり寄せる。少しでも痛みを誤魔化すためにしているつもりなのに、なぜか私の中に突っ込まれた彼の熱杭が、ムクムクとその存在感を増していった。

 いや。待て。待ってくれ。とスッと意識が冷えていく。

「ちょっ、殿下……!」

 訴えるように呼びかけると、なぜか彼はすっと視線を外して端的に告げた。

「少し、動かす」
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