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超次元剣士達の模擬戦
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数日後
リリーシャの疲労が回復したタイミングでNO世界に帰還したシュウ達は一時の休息を楽しんでいた。
と言ってもそのほとんどは休暇と言う名のリリーシャの教育実習だ。
この世界に疎いリリーシャにこの世界に事について教えた。
リリーシャは元の世界とは違い、荒廃していない綺麗なエミルトシティを興味深々に見つめていた。
事ある毎に「アレはなんだ?」と言う質問をぶつけて来る。
分からない事を分からないままにするよりも素直にそれが聴けるのはある意味、シュウとしても嬉しく、シュウは丁寧に説明した。
リリーシャは特に武器に関して興味があるようで武器屋等に収まる武器やカタログに興味深々だ。
特に“銃”や“火炎放射器”“ミサイル”と言った彼女から見て異世界の武器に興味を持っている。
それを交えて、シュウが銃器の歴史等を語ると「なるほど、世界によって戦争の在り方はだいぶ、違うのだな」と得心していた。
彼女の世界は主に剣と魔法とゴーレムだ。
ある意味、オーソドックスでありそれらの技術の延長線の兵器主体だ。
銃器や火炎放射器のような“塹壕戦”と言う概念が彼女には新鮮だったようでシュウが知っている範囲で色々と答えた。
それがとても面白く、教え甲斐があり、リリーシャは事戦闘に関してはまるでスポンジのように頭に知識が入って行くのでシュウも余計に解説に力が入った。
他にも地対空兵器の概念等にもご執心でありその概念も吸収しいつの間にか教えた知識から知恵を使って自論を派生させるまでに至っていた。
これにはシュウも舌を巻いた。
そんな話をする中でリリーシャの申し出もありリュヴィエール聖騎士団の要塞に向かう事になった。
なんでも「この世界の騎士事情について知りたい」と言うリリーシャたっての希望だったからだ。
その時は理に叶っていると思い、シュウも甲斐甲斐しく了承して向かう事になったのだが、その事を今になっては後悔した。
◇◇◇
現在
リュヴィエール聖騎士団の要塞内の模擬練習場は殺伐としていた。
目にも止まらぬ旋風同士の応酬、鳴り響く空間を裂かんばかりの剣劇、抉れる大地、ソニックブームで破裂する要塞の壁の破片が所々で散乱していた。
目の前にはドラゴ〇ボールさながらのバトルが繰り広げられていた。
「これ……世界観間違ってねーか?」
とラッシュが呆然と眺める。
「少なくともリアルロボットアクションゲームでは見られない光景だな……」
ドレイクも呆れたように頭を抱える。
「リリねえ……僕らの時は結構手加減してたんだね……」
リオもあまりの超次元的なバトルに絶句していた。
何がどうしてどうなってこんな状況になったかと言えば、事はシュウがアイカを紹介した事から始まる。
シュウとしては新たな仲間になったリリーシャと今後の仕事もあるので顔合わせさせようと言う他の他意はない何気ない理由で2人を邂逅させたのだ。
だが、それが不味かった。
まず、2人は邂逅した直後に無表情で互いを見つめて殺気立った。
何事かと思い、メンバー全体にピリッとした空気が奔る。
しかし、その2人の間に割って入る事ができなかった。
強いて言うなら纏っている空気感や寄せ付けさせなかったのだ。
そして、2人は無言見つめ合い「アイカ リスパルダーと申します。」「リリーシャ デフトだ。」と返答、そこから何か2人にしか分からないコミュニケーションが働き、アイカが「一試合受けてくれますか?」と聴きリリーシャは「良いだろう」と返答してそのまま模擬戦場に赴き、木剣を持って殺し合いが始まった。
正確には殺し合いではなく模擬戦なのだが、常人がそこに入ろう者なら忽ち殺されてしまうような剣の聖域と化していた。
リュヴィエール聖騎士団の団員達も怯えるように2人の試合を見ており中には恐怖のあまり逃げる者がいるほどだった。
「アイカ!今の一太刀は凄かったぞ!」
「リリーシャもさっきのフェイントは中々キレがあったわ!」
2人は笑い合いながら木剣で斬り合っていた。
本来、木剣で斬れるはずはないのだが、2人が剣を振ると大地が確かに抉れ、要塞の壁面近くで壁面を蹴って避けてそこに木剣を振り翳し壁に当たると壁が切断された。
この2人も初めから殺すつもりは全くなくただ純粋に己の全力の武を相手にぶつけたいだけなのはシュウも理解できたのだが、それにしても次元が高過ぎる。
「アイカもリリーシャも以前にも増して強くなっているような……」
それに対して心の内側でシュウジが答える。
「確かに……最後にアイカの戦闘を見た時よりもかなり向上していますね。ざっと、10倍ですか……なんでこの短期間で10倍も強くなるんですかね?」
それに対して心の中の魔王も答える。
「あのリリーシャとか言う娘っ子、我と戦った時より更に強くなっているな。あの状態で戦われたら我でも勝てんな」
ちなみに魔王はシュウの一部となりこうして、心の中で会話できるようになった。
魔王の力も取り込んだ事でシュウのWN量は増大しシュウジとも常に心の中で会話できるようになった。
更にはシュウジの知識をよりダイレクトに扱え、魔王の知識や経験を受け継いでいる。
ただ、まだ、魔王との繋がりが薄いせいか、魔眼は受け継いでいない。
魔王はシュウに取り込まれてから性格が大分、丸くなった。
あの時はとげとげしく敵対的だったが今ではリリーシャの事を素直に認めるくらいには収まっている。
「まぁ、どちらにしてもあの2人が人外的に強いのは間違いありませんね。しかし……これは一体、誰が止めるんですか?」
要塞の中はまるで爆撃にもであったようにボロボロとなっていた。
あの2人が本気で戦うと要塞の広さでも……いや、星1つの広さでも狭いかも知れない。
それからアイカとリリーシャは気絶するまで剣を打ち合った。
後半等意識を失っていたのだが、それでも走って剣を打ち付けて傷だらけになっても戦っていたのだから、畏敬の念すら抱く。
その後、シュウとリュヴィエール聖騎士団の団長は互いの部下の不手際を謝罪してシュウはリリーシャを抱えてギデオンクラスターの本部に戻った。
リリーシャの疲労が回復したタイミングでNO世界に帰還したシュウ達は一時の休息を楽しんでいた。
と言ってもそのほとんどは休暇と言う名のリリーシャの教育実習だ。
この世界に疎いリリーシャにこの世界に事について教えた。
リリーシャは元の世界とは違い、荒廃していない綺麗なエミルトシティを興味深々に見つめていた。
事ある毎に「アレはなんだ?」と言う質問をぶつけて来る。
分からない事を分からないままにするよりも素直にそれが聴けるのはある意味、シュウとしても嬉しく、シュウは丁寧に説明した。
リリーシャは特に武器に関して興味があるようで武器屋等に収まる武器やカタログに興味深々だ。
特に“銃”や“火炎放射器”“ミサイル”と言った彼女から見て異世界の武器に興味を持っている。
それを交えて、シュウが銃器の歴史等を語ると「なるほど、世界によって戦争の在り方はだいぶ、違うのだな」と得心していた。
彼女の世界は主に剣と魔法とゴーレムだ。
ある意味、オーソドックスでありそれらの技術の延長線の兵器主体だ。
銃器や火炎放射器のような“塹壕戦”と言う概念が彼女には新鮮だったようでシュウが知っている範囲で色々と答えた。
それがとても面白く、教え甲斐があり、リリーシャは事戦闘に関してはまるでスポンジのように頭に知識が入って行くのでシュウも余計に解説に力が入った。
他にも地対空兵器の概念等にもご執心でありその概念も吸収しいつの間にか教えた知識から知恵を使って自論を派生させるまでに至っていた。
これにはシュウも舌を巻いた。
そんな話をする中でリリーシャの申し出もありリュヴィエール聖騎士団の要塞に向かう事になった。
なんでも「この世界の騎士事情について知りたい」と言うリリーシャたっての希望だったからだ。
その時は理に叶っていると思い、シュウも甲斐甲斐しく了承して向かう事になったのだが、その事を今になっては後悔した。
◇◇◇
現在
リュヴィエール聖騎士団の要塞内の模擬練習場は殺伐としていた。
目にも止まらぬ旋風同士の応酬、鳴り響く空間を裂かんばかりの剣劇、抉れる大地、ソニックブームで破裂する要塞の壁の破片が所々で散乱していた。
目の前にはドラゴ〇ボールさながらのバトルが繰り広げられていた。
「これ……世界観間違ってねーか?」
とラッシュが呆然と眺める。
「少なくともリアルロボットアクションゲームでは見られない光景だな……」
ドレイクも呆れたように頭を抱える。
「リリねえ……僕らの時は結構手加減してたんだね……」
リオもあまりの超次元的なバトルに絶句していた。
何がどうしてどうなってこんな状況になったかと言えば、事はシュウがアイカを紹介した事から始まる。
シュウとしては新たな仲間になったリリーシャと今後の仕事もあるので顔合わせさせようと言う他の他意はない何気ない理由で2人を邂逅させたのだ。
だが、それが不味かった。
まず、2人は邂逅した直後に無表情で互いを見つめて殺気立った。
何事かと思い、メンバー全体にピリッとした空気が奔る。
しかし、その2人の間に割って入る事ができなかった。
強いて言うなら纏っている空気感や寄せ付けさせなかったのだ。
そして、2人は無言見つめ合い「アイカ リスパルダーと申します。」「リリーシャ デフトだ。」と返答、そこから何か2人にしか分からないコミュニケーションが働き、アイカが「一試合受けてくれますか?」と聴きリリーシャは「良いだろう」と返答してそのまま模擬戦場に赴き、木剣を持って殺し合いが始まった。
正確には殺し合いではなく模擬戦なのだが、常人がそこに入ろう者なら忽ち殺されてしまうような剣の聖域と化していた。
リュヴィエール聖騎士団の団員達も怯えるように2人の試合を見ており中には恐怖のあまり逃げる者がいるほどだった。
「アイカ!今の一太刀は凄かったぞ!」
「リリーシャもさっきのフェイントは中々キレがあったわ!」
2人は笑い合いながら木剣で斬り合っていた。
本来、木剣で斬れるはずはないのだが、2人が剣を振ると大地が確かに抉れ、要塞の壁面近くで壁面を蹴って避けてそこに木剣を振り翳し壁に当たると壁が切断された。
この2人も初めから殺すつもりは全くなくただ純粋に己の全力の武を相手にぶつけたいだけなのはシュウも理解できたのだが、それにしても次元が高過ぎる。
「アイカもリリーシャも以前にも増して強くなっているような……」
それに対して心の内側でシュウジが答える。
「確かに……最後にアイカの戦闘を見た時よりもかなり向上していますね。ざっと、10倍ですか……なんでこの短期間で10倍も強くなるんですかね?」
それに対して心の中の魔王も答える。
「あのリリーシャとか言う娘っ子、我と戦った時より更に強くなっているな。あの状態で戦われたら我でも勝てんな」
ちなみに魔王はシュウの一部となりこうして、心の中で会話できるようになった。
魔王の力も取り込んだ事でシュウのWN量は増大しシュウジとも常に心の中で会話できるようになった。
更にはシュウジの知識をよりダイレクトに扱え、魔王の知識や経験を受け継いでいる。
ただ、まだ、魔王との繋がりが薄いせいか、魔眼は受け継いでいない。
魔王はシュウに取り込まれてから性格が大分、丸くなった。
あの時はとげとげしく敵対的だったが今ではリリーシャの事を素直に認めるくらいには収まっている。
「まぁ、どちらにしてもあの2人が人外的に強いのは間違いありませんね。しかし……これは一体、誰が止めるんですか?」
要塞の中はまるで爆撃にもであったようにボロボロとなっていた。
あの2人が本気で戦うと要塞の広さでも……いや、星1つの広さでも狭いかも知れない。
それからアイカとリリーシャは気絶するまで剣を打ち合った。
後半等意識を失っていたのだが、それでも走って剣を打ち付けて傷だらけになっても戦っていたのだから、畏敬の念すら抱く。
その後、シュウとリュヴィエール聖騎士団の団長は互いの部下の不手際を謝罪してシュウはリリーシャを抱えてギデオンクラスターの本部に戻った。
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