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daidroid

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新たなメンバー

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 それから1週間が経った。
 直にメンテナンスも終了する。
 その間、ギデオンクラスターはその理念の下で様々な武力介入を行った。
 
 自由信仰同盟の様々な拠点に突如、現れ戦車や戦闘機などを一掃し敵の拠点を次々と制圧していく。
 更にISとの繋がりがあった組織も中東にある支部ごと解決させ、この短期間にISを全て根絶した。
 それにより中東は解放され、欧州に逃れていた難民達が逆移動的に中東に戻り始めておりそれにより欧州の逼迫した状況も打破できた。

 これによる賞賛と批判はかなり別れたがそれでもGCの理念は一切、歪んでいないと言うのは世界共通の認識だった。
 彼らは無暗に武力介入している訳ではなく、戦闘後に発生する新たな難民の発生などを危惧してちゃんと根回しをしている事でそこまで批判はどちらかと言えば少ない方だった。



「ギデオン1より各機へ。敵の戦車部隊を捕捉した。これより散開し迎撃する。」

「「「了解」」」



 戦車から放たれた砲弾をネクシルの機動力で左右に避け、上空に飛び上がり空中での3次元的な機動戦に持ち込み、戦車の四角を付く。
 戦車は頭上に行けば行くほど対応ができないので一気に頭上に肉迫して上空からライフルを叩き込むのがセオリーだ。
 そして、一度真上を取ってしまえば、後は一方的な戦いが続く。
 NO世界で様々な激戦や死闘をしてきたシュウ達にとってはとても単調な作業だった。
 人を殺す呵責はあるが邪神と命掛けの戦いをしてきただけに命を奪われる恐怖を知っている。
 だからこそ、仮に人間でも躊躇わず殺せた。
 それに人間ですら人の魂を殺せる時代になったのだ。
 自分の命を本当の意味で守るには人道云々を言っている場合ではないのだ。
 そんなこんなで今日も任務を完了した。



 ◇◇◇



 学校



 国連軍人と学生の二足のわらじを着る事になった修也達は学校でも有名になっていた。
 放課後になると特別教室の前にはGCメンバーを目当てに様々な学生が来る。
 「鴻上せんぱーい!」とか「白井せんぱーい!」とか言われている。
 だが、その中でも圧倒的に多いのは男子の比率であり一時的にこの教室預かりとなったアイカとそのアイカと相対したリリーシャ目当ての男子が多かった。



「アイカさん!オレと付き合ってくれ!」

「アイカさん!オレあなたのファンです!」

「リリーシャさん!オレと付き合ってくれ!」

「オレも!」

「オレも!」



 この2人の人気が圧倒的に高かった。
 リリーシャは女性的なありながら美しく、カッコいい、アイカは凛々しくも清楚な雰囲気があり2人とも方向性は違えど、聖騎士と呼ぶに相応しい風貌と性格をしている。
 なんか、最近では100分の1スケールのアイカフィギュアやリリーシャフィギュアが巷に流出する程に2人の人気は強い。
 ある意味、圧倒的な強さとその美しさが相まって高いカリスマ性を発揮していると言える。
 だが、これほどまでに多くの男性に好意を寄せられた事がなく、剣だけに感けていた2人はいつも、「いや……」「その……」とたじろいでいた。
 その人込みを何とか、押し退けて修也に先導されながらGCメンバーは部室に行く。



 ◇◇◇



 NO開発研究部



 修也達が設立した部活だ。
 部活と称しているが今までの活動となんら変わりない。
 NOの世界を守る為に活動するのだ。
 ただ、唯一違うのはここでなら部員を獲得する事ができると言う事だ。
 この部活設立当初、倍率1000倍のモンスター部活になったのでメンバー総出で1人1人面接を行い、今年5名の部員を獲得した。



「では、改めて自己紹介をお願いします」



 修也の指示により5人は右から順に答えた。



「後藤 勇です」



 中性的な容姿をした1年生の男子だ。



「戸田 義影です」



 メガネをかけた理系男子で1年生だ。



「蓮沼 真一です。」



 こちらはメガネをかけた優男風でにこやかな笑みが特徴の2年生だ。



「上松 里穂です」



 少々、幼い感じがある可愛らしい三つ編みの1年生だ。



「篠山 安奈」



 こちらはクールなイメージが強いボブヘアの2年生だ。
 
 ここにいる全員はギデオンクラスターの目的と危険性を十分に理解した上で所属する事を決めたと判断され、こうして所属が認められた。
 実際、物見遊山で所属しようとした者もいたので丁重に断った。
 ここにいるメンバーの何人かはNOプレイヤーである者もおりある程度、こちらについても知っている状態だ。



「部長の白井修也です。念のために確認しますが我々はSWN削減の為に活動する国連軍のような存在です。NOでのプレイもその一環です。その過程で死の危険性もありますし逆に命を奪う場面も想定されます。それでも本当に大丈夫ですか?」



 この事は既に確認しているが改めて確認した。
 覚悟してもその場になってみると足りないなんて事もある。
 だが、ここで揺らいでいるようでは話にならないからだ。
 だが、その心配はなく全員が首肯した。



「結構。それでは、今の状況を説明しましょう。尤も……あなた達には難易度が高いかも知れませんが……」



 修也は自分の復讐云々は伏せて、“存在”と呼ばれる存在の根本的な解決を図る作戦を5人に伝えた。




「皆さんには流石にいきなり“存在”と戦えとは言いません。終焉の女神と同等かそれ以上の力がある相手ですから……なので、皆さんには作戦の準備に協力して貰います。」



 それに安奈が質問する。



「準備と言うのは?」

「素材集めです。ただ、難易度の高い素材ばかりです。そこ過程で邪神と戦う可能性すらあります。」




 実際、“存在”の出現により世界のSWN濃度は一時上がっており邪神の現出が容易になっている。
 だが、それが逆に好機でもある。
 限界突破の素材には“邪神の心臓”と言うアイテムが必要になる場合もある。
 既にシュウ、カナ、マナで2つ、その他のメンバーで1つずつ持っているがそれでも多い事に越した事はない。
 すると、真一が尋ねた。



「それ……オレ達だけで倒せますか?邪神めっちゃ強いって聞きましたけど?」

「それに関しては邪神討伐経験にある鴻上達も同伴させます。ついでもあなた達もレベリングも兼ねてね」



 それには里穂が質問した。



「それは有事の際にはわたし達のその作戦に参加する為に……ですよね」

「えぇ、何があるのか分かりませんからね。正直、ネクシルでレッドドラゴンを相手にソロ討伐できるくらいには強くなって貰います。」



 それには義影が答えた。



「結構、ハードル高いですね。レッドドラゴンをソロで討伐するなんて、トッププレイヤーでも難しいのでは?」

「まぁ、そうでしょうね。ですが、そのくらい熟してくれないとここではやっていけないと思いますよ。」



 それを聴いた義影が少し不安そうな顔をしたのでフォローした。



「大丈夫です。あちらには優秀な指導教官がいますので皆さんを立派に鍛えます。何せ、我々ですらこの域に達したのですからなんとかなりますよ」



 修也はそのように優しく微笑んだ。
 そして、時間が来た。
 メンテナンス終了の5分前だ。
 全員はアーケード型のダイブ機の前でヘッドホンをつけNO専用の体固定式の椅子に座った。



「それではダイブ後の集合場所で……」

「「「了解」」」



 こうして、シュウはあの世界に戻った。
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