15 / 96
13 冒険者は、勝負する。
しおりを挟む
「さっきのプロテインだけどさ……」
はい、タットさんが食いついた。
ワークアウトもゲームアプリ操作も終わったので、荷物の整理をしていたらモジモジと『すっきりイチゴ味』のプロテインの事を聞いてきた。
『特別美味いわけじゃない』って言って飲んでなかった人が、この変わりよう。ちょっと面白い。
「ネット通販専門なので、後でサイト教えます。……それか、一緒に買いますか?まとめ買いすると少し安く買えるんですけど、俺そこまで頻繁に飲むわけではないので、いつも単品で買ってるんです」
「そうなんだ?じゃぁ一緒にお願いしようかな?他にも味はあるの?」
「ありますよ。ホエイプロテインだと、イチゴ、チョコ、バナナ。ソイプロテインは、カフェラテ、杏仁、黒ゴマきな粉ですね」
「あー、そしたらホエイのイチゴかなぁ?さっきの凄く美味しかったもん。ゆん君が今度買う時教えてくれる?一緒に買いたいな。……なんか……さっきまでプロテイン飲まない、ドヤッて顔してたのに恥ずかしいんだけど……」
少しはにかみながら小首を傾けるタットさんが可愛い。俺も釣られてニコッと笑った。
「そしたら声かけますね。てか、今までそこまで美味しいプロテイン飲料に出会ってなければ仕方が無いですよ。もともと飲まなくちゃいけないものでもないですし」
2人見つめ合って「ふふっ」と笑った。
こう言う空気感、いいな。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「はいっ!つぎは俺のターン!!」
荷物もまとめきると、ウキウキを隠しきれないって感じのタットさんがピョンピョンと跳ねてきた。いや、だからなに?この可愛い生き物?
行きと同じように、CDフィットを起動させたまま、タットさんの家へと向かった。念の為と前置きされ、路線バスに乗った方が早いと言われたが、俺は歩き一択で希望した。タットさんもニコニコ笑いながら「ゆん君ならそう言うと思ったんだけどね、念の為」と歩みを進めた。
程なくして着いた場所は、車通りに面した平屋の一軒家だった。勝手にアパートとかマンションをイメージしていたので意外だった。
そこまで大きくない、こじんまりとした家。黒塗りされた金属製の囲いで仕切られていて、ちょっとした庭もある。雑草が若干伸び伸びしてるけど、荒れてる感じはしない。これ、手入れしたら家庭菜園もできるんじゃないか?
「ようこそ我がお城へ!とりあえず入って入ってー」
案内されるまま、お邪魔する。
「ふぁ……」
通された場所は、多分リビング。
ソファとテーブル、テレビ。いかにもなリビングなんだけど、入って右側奥には、まぁまぁ大きなデスクとその上にPCモニタが2つ。スマホやらノート型PCもいくつか散乱している。そして椅子がごつい。ごつい(2回言う)俺、見たことある。プロゲーマーが座ってる様な椅子だ。
「居間兼仕事場なんだ、この部屋。あっちのパソコン周辺は、ちょっと散らかってるから見ないでー。くつろぎスペース片付けるので精一杯だったんだ」
そう言いながら俺の背中をグイグイ押しながらソファに座らせてくれた。
「飲み物どうしようか?ペットボトルのお茶とインスタントコーヒーくらいしか無いんだけど」
「そしたらお茶が良いです」
「オッケー」
タットさんが用意してくれてる間、俺はずっと部屋をキョロキョロ眺めていた。リビングは、かなりシンプルにまとまっている。ゴチャゴチャした感じはしない。仕事場以外は。
見ないで、と言われると見たくなるのが人間の性というもので。ついついパソコン周辺を見てしまう。机の下には本も数冊積んであった。タイトルまでは見えない。
「んもーぉ。あっちは散らかってるから恥ずかしいんだよ」
カタンとテーブルにコップが置かれた。
「視界に入るんです。仕方ないじゃないですか」
「まぁ……視界に入るね……初めて見たなら気になるゾーンだね」
タットさんもPCの一角を見て納得してるみたいだった。
出されたお茶をチビチビ飲んでると、タットさんはテレビの方を指さした。
「あれ、ハード機ね」
1つはCrystal Dungeonと同じ会社が出してるハード機。もう片方は世間的に1番メジャーなハード機、どちらも最新式が綺麗にまとまって置いてあった。
俺は、自分でも持ってるCrystal Dungeonと同じ会社から出てるハード機を選んで、やり込んでる某カートゲームのソフトを選んだ。
タットさんもやり込んでるらしく、オンライン対戦に繋げては、上位にくい込んでるらしい。
電源を入れて難易度を選ぶ。
もちろんハードモードだ。
お互い、使い慣れたキャラクターを選び
「「いざ!勝負!!」」
はい、タットさんが食いついた。
ワークアウトもゲームアプリ操作も終わったので、荷物の整理をしていたらモジモジと『すっきりイチゴ味』のプロテインの事を聞いてきた。
『特別美味いわけじゃない』って言って飲んでなかった人が、この変わりよう。ちょっと面白い。
「ネット通販専門なので、後でサイト教えます。……それか、一緒に買いますか?まとめ買いすると少し安く買えるんですけど、俺そこまで頻繁に飲むわけではないので、いつも単品で買ってるんです」
「そうなんだ?じゃぁ一緒にお願いしようかな?他にも味はあるの?」
「ありますよ。ホエイプロテインだと、イチゴ、チョコ、バナナ。ソイプロテインは、カフェラテ、杏仁、黒ゴマきな粉ですね」
「あー、そしたらホエイのイチゴかなぁ?さっきの凄く美味しかったもん。ゆん君が今度買う時教えてくれる?一緒に買いたいな。……なんか……さっきまでプロテイン飲まない、ドヤッて顔してたのに恥ずかしいんだけど……」
少しはにかみながら小首を傾けるタットさんが可愛い。俺も釣られてニコッと笑った。
「そしたら声かけますね。てか、今までそこまで美味しいプロテイン飲料に出会ってなければ仕方が無いですよ。もともと飲まなくちゃいけないものでもないですし」
2人見つめ合って「ふふっ」と笑った。
こう言う空気感、いいな。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「はいっ!つぎは俺のターン!!」
荷物もまとめきると、ウキウキを隠しきれないって感じのタットさんがピョンピョンと跳ねてきた。いや、だからなに?この可愛い生き物?
行きと同じように、CDフィットを起動させたまま、タットさんの家へと向かった。念の為と前置きされ、路線バスに乗った方が早いと言われたが、俺は歩き一択で希望した。タットさんもニコニコ笑いながら「ゆん君ならそう言うと思ったんだけどね、念の為」と歩みを進めた。
程なくして着いた場所は、車通りに面した平屋の一軒家だった。勝手にアパートとかマンションをイメージしていたので意外だった。
そこまで大きくない、こじんまりとした家。黒塗りされた金属製の囲いで仕切られていて、ちょっとした庭もある。雑草が若干伸び伸びしてるけど、荒れてる感じはしない。これ、手入れしたら家庭菜園もできるんじゃないか?
「ようこそ我がお城へ!とりあえず入って入ってー」
案内されるまま、お邪魔する。
「ふぁ……」
通された場所は、多分リビング。
ソファとテーブル、テレビ。いかにもなリビングなんだけど、入って右側奥には、まぁまぁ大きなデスクとその上にPCモニタが2つ。スマホやらノート型PCもいくつか散乱している。そして椅子がごつい。ごつい(2回言う)俺、見たことある。プロゲーマーが座ってる様な椅子だ。
「居間兼仕事場なんだ、この部屋。あっちのパソコン周辺は、ちょっと散らかってるから見ないでー。くつろぎスペース片付けるので精一杯だったんだ」
そう言いながら俺の背中をグイグイ押しながらソファに座らせてくれた。
「飲み物どうしようか?ペットボトルのお茶とインスタントコーヒーくらいしか無いんだけど」
「そしたらお茶が良いです」
「オッケー」
タットさんが用意してくれてる間、俺はずっと部屋をキョロキョロ眺めていた。リビングは、かなりシンプルにまとまっている。ゴチャゴチャした感じはしない。仕事場以外は。
見ないで、と言われると見たくなるのが人間の性というもので。ついついパソコン周辺を見てしまう。机の下には本も数冊積んであった。タイトルまでは見えない。
「んもーぉ。あっちは散らかってるから恥ずかしいんだよ」
カタンとテーブルにコップが置かれた。
「視界に入るんです。仕方ないじゃないですか」
「まぁ……視界に入るね……初めて見たなら気になるゾーンだね」
タットさんもPCの一角を見て納得してるみたいだった。
出されたお茶をチビチビ飲んでると、タットさんはテレビの方を指さした。
「あれ、ハード機ね」
1つはCrystal Dungeonと同じ会社が出してるハード機。もう片方は世間的に1番メジャーなハード機、どちらも最新式が綺麗にまとまって置いてあった。
俺は、自分でも持ってるCrystal Dungeonと同じ会社から出てるハード機を選んで、やり込んでる某カートゲームのソフトを選んだ。
タットさんもやり込んでるらしく、オンライン対戦に繋げては、上位にくい込んでるらしい。
電源を入れて難易度を選ぶ。
もちろんハードモードだ。
お互い、使い慣れたキャラクターを選び
「「いざ!勝負!!」」
1
あなたにおすすめの小説
僕の恋人は、超イケメン!!
刃
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】社畜の俺が一途な犬系イケメン大学生に告白された話
日向汐
BL
「好きです」
「…手離せよ」
「いやだ、」
じっと見つめてくる眼力に気圧される。
ただでさえ16時間勤務の後なんだ。勘弁してくれ──。
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
純真天然イケメン大学生(21)× 気怠げ社畜お兄さん(26)
閉店間際のスーパーでの出会いから始まる、
一途でほんわか甘いラブストーリー🥐☕️💕
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
📚 **全5話/9月20日(土)完結!** ✨
短期でサクッと読める完結作です♡
ぜひぜひ
ゆるりとお楽しみください☻*
・───────────・
🧸更新のお知らせや、2人の“舞台裏”の小話🫧
❥❥❥ https://x.com/ushio_hinata_2?s=21
・───────────・
応援していただけると励みになります💪( ¨̮ 💪)
なにとぞ、よしなに♡
・───────────・
人気アイドルグループのリーダーは、気苦労が絶えない
タタミ
BL
大人気5人組アイドルグループ・JETのリーダーである矢代頼は、気苦労が絶えない。
対メンバー、対事務所、対仕事の全てにおいて潤滑剤役を果たす日々を送る最中、矢代は人気2トップの御厨と立花が『仲が良い』では片付けられない距離感になっていることが気にかかり──
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる