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第二章:本編
29-カナタキリ は、再び理不尽を知る
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「えっ……と、まず、一方的に会話を進めるのが無理。言葉の選び方が低俗で無理。兄を敬っていない態度が無理。倫理観が欠落していて無理。年増が無理。生理的に無理。以上、総合的な判断により無……」
『はぁぁぁぁぁぁ??????あんた何様のつもりよっ!!!なんの権利があってそんな事私に言えるのよ!クズ!高卒!!童貞!!!』
サガリ君がスマホで見せてくれた内容を、最後まで言おうとしたら、妹が更にヒステリックに騒ぎ始めたので遮られてしまった。
しかも耳を塞ぎたくなるような汚い言葉がどんどん聞こえてくる。
人ってこんなにも悪口言えるんだ?って逆に感心してしまうくらい。
うぅーん……自分の妹だけど⋯⋯怖い。
サガリ君は僕のスマホを眺めながらニヤニヤニヤニヤしている。
こんな汚い言葉を聞いても笑えるサガリ君、強い。
耳元で、「変わるぞ?」と言われたのでコクっと頷いた。
「もしもーし。キリさんの妹さんですよね。落ち着きませんか?」
『はぁ??あんた誰よ!!』
「マチナカサガリと申します。先日は玄関先のみのご挨拶で失礼しました」
『え!?え!?あの……』
明らかに妹が動揺している。
「取り繕っても無駄ですからね。会話、全部聞こえてましたから」
『いえっ、違うんです。普段はもっと、その……きょうだいだから、気安い関係で……』
気安い……僕は気安く無いけどな……。
「キリさん、滅多にご実家には帰らないそうですし、連絡も取ってないと言ってましたよ。どこが気安いのか分かりませんが……私、暴言を吐く人は苦手です。私の友人たちも似たりよったりなので、あなたのご期待には添えません」
『違うのよ、普段はそんな事言わないし』
「私にとっては先ほどのキリさんへの言動が全てです。普段は違うと言われても信用しかねます。なので無理です」
サガリ君は、そこまで言うと僕に向かって「代われ」とジェスチャーをしてきた。
もう言いたい事は終わったって事だよね。
「サガリ君もこう言ってる事だし、無理だからね。用件はサガリ君と会いたいって事なら、もう切っていい?」
『はぁ?……ほんっっっと、似た者同士ね!お兄ちゃんがクソなら彼もクソだわ。マジ時間の無駄!もうアンタの番号着拒するから!!かけてこないでよね!!』
言い返す間も無く切れてしまった……そっちがかけてきたのに。
また理不尽な終わり方になったなぁと、ため息が出てしまった。
僕と妹だけの会話なら、ここまでダメージは無いのだけど、今回もまたサガリ君に嫌な思いをさせちゃった……
「なんか、もう……ごめんね」
「いや?俺は何とも無い。むしろキリにダメージ来ただろ?」
僕の家族が酷い態度を取っても、サガリ君は僕の事を気にしてくれる。
今まで家族に何言われても、黙って聞いて終わるまで待って、仕方が無い事だと諦めていたのに、今は恥ずかしくて恥ずかしくて……居た堪れない。
『はぁぁぁぁぁぁ??????あんた何様のつもりよっ!!!なんの権利があってそんな事私に言えるのよ!クズ!高卒!!童貞!!!』
サガリ君がスマホで見せてくれた内容を、最後まで言おうとしたら、妹が更にヒステリックに騒ぎ始めたので遮られてしまった。
しかも耳を塞ぎたくなるような汚い言葉がどんどん聞こえてくる。
人ってこんなにも悪口言えるんだ?って逆に感心してしまうくらい。
うぅーん……自分の妹だけど⋯⋯怖い。
サガリ君は僕のスマホを眺めながらニヤニヤニヤニヤしている。
こんな汚い言葉を聞いても笑えるサガリ君、強い。
耳元で、「変わるぞ?」と言われたのでコクっと頷いた。
「もしもーし。キリさんの妹さんですよね。落ち着きませんか?」
『はぁ??あんた誰よ!!』
「マチナカサガリと申します。先日は玄関先のみのご挨拶で失礼しました」
『え!?え!?あの……』
明らかに妹が動揺している。
「取り繕っても無駄ですからね。会話、全部聞こえてましたから」
『いえっ、違うんです。普段はもっと、その……きょうだいだから、気安い関係で……』
気安い……僕は気安く無いけどな……。
「キリさん、滅多にご実家には帰らないそうですし、連絡も取ってないと言ってましたよ。どこが気安いのか分かりませんが……私、暴言を吐く人は苦手です。私の友人たちも似たりよったりなので、あなたのご期待には添えません」
『違うのよ、普段はそんな事言わないし』
「私にとっては先ほどのキリさんへの言動が全てです。普段は違うと言われても信用しかねます。なので無理です」
サガリ君は、そこまで言うと僕に向かって「代われ」とジェスチャーをしてきた。
もう言いたい事は終わったって事だよね。
「サガリ君もこう言ってる事だし、無理だからね。用件はサガリ君と会いたいって事なら、もう切っていい?」
『はぁ?……ほんっっっと、似た者同士ね!お兄ちゃんがクソなら彼もクソだわ。マジ時間の無駄!もうアンタの番号着拒するから!!かけてこないでよね!!』
言い返す間も無く切れてしまった……そっちがかけてきたのに。
また理不尽な終わり方になったなぁと、ため息が出てしまった。
僕と妹だけの会話なら、ここまでダメージは無いのだけど、今回もまたサガリ君に嫌な思いをさせちゃった……
「なんか、もう……ごめんね」
「いや?俺は何とも無い。むしろキリにダメージ来ただろ?」
僕の家族が酷い態度を取っても、サガリ君は僕の事を気にしてくれる。
今まで家族に何言われても、黙って聞いて終わるまで待って、仕方が無い事だと諦めていたのに、今は恥ずかしくて恥ずかしくて……居た堪れない。
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