地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました?

黒川

文字の大きさ
156 / 190
第二章:本編

29-マチナカサガリ は、再び気付かせたい

しおりを挟む
キリは俺のスマホを覗き込みながら、クソ妹に俺の意思を伝えた。

「えっ……と、まず、一方的に会話を進めるのが無理。言葉の選び方が低俗で無理。兄を敬っていない態度が無理。倫理観が欠落していて無理。年増が無理。生理的に無理。以上、総合的な判断により無……」

『はぁぁぁぁぁぁ??????あんた何様のつもりよっ!!!なんの権利があってそんな事私に言えるのよ!クズ!高卒!!童貞!!!』

言い終える前に、クソ妹がヒステリックに怒鳴り始めた。
しかも言動が低俗極まりない。
マジで程度が知れる。
典型的過ぎて、思わず笑いが漏れてしまった。
言動は耳を塞ぎたくなるような罵詈雑言の嵐だ。
よくもまぁ低俗な単語だけでこんなにも口が回るもんだ。
だが、確かに「高卒」「童貞」は事実かも知れないが、それ以外は全てキリに当てはまらない発言だ。
しかもキリを見ている限り、高卒も童貞も、どれだけの低い価値になるのだ?と疑問に思うレベル。
クソ妹の方がよっぽど低俗な言葉が似合ってるだろうに。
止まらないクソ妹の言動に、キリは口を挟めないのだろう。
戸惑っている様子も可愛いが、「変わるぞ?」と耳打ちした。

そろそろ反撃するか。

「もしもーし。キリさんの妹さんですよね。落ち着きませんか?」

『はぁ??あんた誰よ!!』

「マチナカサガリと申します。先日は玄関先のみのご挨拶で失礼しました」

『え!?え!?あの……』

明らかにクソ妹が動揺している。
面白ぇ。

「取り繕っても無駄ですからね。会話、全部聞こえてましたから」

『いえっ、違うんです。普段はもっと、その……きょうだいだから、気安い関係で……』

嘘だと丸わかりの言い訳が、痛々しい。
こうやって、いつでもどこでも表面的な取り繕いばかりしてたのだろう。
……滑稽だな。

「キリさん、滅多にご実家には帰らないそうですし、連絡も取ってないと言ってましたよ。どこが気安いのか分かりませんが……私、暴言を吐く人は苦手です。私の友人たちも似たりよったりなので、あなたのご期待には添えません」

『違うのよ、普段はそんな事言わないし』

「私にとっては先ほどのキリさんへの言動が全てです。普段は違うと言われても信用しかねます。なので無理です」

言いたい事を言い終えたので、ジェスチャーで再度キリに電話を交代する。

「サガリ君もこう言ってる事だし、無理だからね。用件はサガリ君と会いたいって事なら、もう切っていい?」

『はぁ?……ほんっっっと、似た者同士ね!お兄ちゃんがクソなら彼もクソだわ。マジ時間の無駄!もうアンタの番号着拒するから!!かけてこないでよね!!』

これまたクソみたいな手のひら返し。
昨夜のクソ弟とそっくりだ。
こんな肥溜めの様な家族たちの中で、良くもまぁキリは捻曲がらずに育ったもんだ。
あ、家族の関係が薄かったから染まらなかったのか?
それなら納得だな。

キリとクソ家族の違いについて、アレコレと考えていたら、

「なんか、もう……ごめんね」

キリがだいぶ落ち込んでいた。

「いや?俺は何とも無い。むしろキリにダメージ来ただろ?」

表情からして、だいぶ落ち込んでいることが分かる。
そうだよな。
今までコレが当たり前だと思い込んで、何も感じていなかったのが、徐々に違和感を覚え始めているんだから。
気付かせたいからと接触やむなしと考えていたが、クソ野郎共、なんて事をしてくれやがるんだ。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

辺境の酒場で育った少年が、美貌の伯爵にとろけるほど愛されるまで

月ノ江リオ
BL
◆ウィリアム邸でのひだまり家族な子育て編 始動。不器用な父と、懐いた子どもと愛される十五歳の青年と……な第二部追加◆断章は残酷描写があるので、ご注意ください◆ 辺境の酒場で育った十三歳の少年ノアは、八歳年上の若き伯爵ユリウスに見初められ肌を重ねる。 けれど、それは一時の戯れに過ぎなかった。 孤独を抱えた伯爵は女性関係において奔放でありながら、幼い息子を育てる父でもあった。 年齢差、身分差、そして心の距離。 不安定だった二人の関係は年月を経て、やがて蜜月へと移り変わり、交差していく想いは複雑な運命の糸をも巻き込んでいく。 ■執筆過程の一部にchatGPT、Claude、Grok BateなどのAIを使用しています。 使用後には、加筆・修正を加えています。 利用規約、出力した文章の著作権に関しては以下のURLをご参照ください。 ■GPT https://openai.com/policies/terms-of-use ■Claude https://www.anthropic.com/legal/archive/18e81a24-b05e-4bb5-98cc-f96bb54e558b ■Grok Bate https://grok-ai.app/jp/%E5%88%A9%E7%94%A8%E8%A6%8F%E7%B4%84/

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

【完結】おじさんダンジョン配信者ですが、S級探索者の騎士を助けたら妙に懐かれてしまいました

大河
BL
世界を変えた「ダンジョン」出現から30年── かつて一線で活躍した元探索者・レイジ(42)は、今や東京の片隅で地味な初心者向け配信を続ける"おじさん配信者"。安物機材、スポンサーゼロ、視聴者数も控えめ。華やかな人気配信者とは対照的だが、その真摯な解説は密かに「信頼できる初心者向け動画」として評価されていた。 そんな平穏な日常が一変する。ダンジョン中層に災厄級モンスターが突如出現、人気配信パーティが全滅の危機に!迷わず単身で救助に向かうレイジ。絶体絶命のピンチを救ったのは、国家直属のS級騎士・ソウマだった。 冷静沈着、美形かつ最強。誰もが憧れる騎士の青年は、なぜかレイジを見た瞬間に顔を赤らめて……? 若き美貌の騎士×地味なおじさん配信者のバディが織りなす、年の差、立場の差、すべてを越えて始まる予想外の恋の物語。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

処理中です...