地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました？

第二章：本編

36-カナタキリ は、見直す

またしばらくして、いよいよデイブさんの会社の仕事が本格的に始まると、それに合わせて清掃会社でも僕の異動の辞令が出た。
本社は人事部教育課に異動。

ここはだいぶキムラさんや現場のパートさんに悲しがられちゃった。
キムラさんなんて最終日ワンワン泣いてたもんなぁ。

「辞めずに居てくれるのは嬉しいですけど、本社に行ってしまうのはさみしいです～！！」

って。キムラさん程じゃないけど、出勤していたパートさんも涙ぐんでいたし、僕もつられて泣いちゃった。
会社でこんなに悲しんでくれて、僕も悲しい気持ちになるのって、不謹慎かも知れないけど、嬉しいよね。
そんな涙でいっぱいだったけど、でもたまには現場に入る事もあるよって伝えて、最後はみんなで笑えた。
それから、パートさんからたくさん応援の言葉も貰えた。
こんなに気にかけてくれていたんだなって思えて、またちょっと涙が出たのは秘密。

本社での仕事内容は、主に研修講師。
行く行くは採用にも携わるかも知れないって。
そんな事、僕に出来るかな？
不安はあるけど、ダブルワークで続けるためには会社に必要な人間だよってアピールし続けなくちゃいけないからね。
やれるだけの事はやって行きたい。

デイブさんの方の仕事も、基本は海外からやって来る旅行者の観光案内だけど、事務所で簡単な電話対応したり、デイブさんの営業に付いて行く事もたまにある。
デイブさんの日本語は、出会った頃は勉強中だと言ってたけど、今はとても上手だ。
日本語でバリバリに営業相手に交渉している。
そんなデイブさんの努力を目の当たりにしたら、僕ももっと英語力を付けようって頑張りたい気持ちになったんだ。
だから、今は検定にチャレンジしている。
この前の検定では、目標にしていた点数を遥かに超える結果が出せて嬉しかった。
サガリ君にいっぱい褒めて貰えたよ。
ご褒美って言って僕の好きなおかずをたくさん作ってくれたり、夜もたくさんエッチな事もした。
僕がもうダメって言ってるのに、全然終わらせてくれなくて……うん、凄かったなぁ……
あ、そうそう。
英会話なんだけど、デイブさんの会社じゃなくて、清掃会社の方でも評価されるようになった。
と言うより、もともとそう言う評価制度があったんだって！
僕が働いている清掃会社って、同じ業種の企業の中では結構大きな会社で、清掃メインだけど、別の業種も手掛けてるんだって。
そっちの方で海外と取引があったり、清掃の業務では外国人労働者も受け入れているから、英語が出来ると有利みたい。
検定結果を会社に申告すると、ボーナス査定にも反映されるし、それとは別に一時金も貰える。
うちの会社って凄い会社だったんだなぁて改めて感心したよ。

「大手企業なんだから、それくらい当たり前じゃね？とは言え給料はクソみたいに安いけどな。そこどうにかして欲しいよなぁ」

ってサガリ君は言うけど、僕は働く場所があって1人で暮らすだけのお給料を貰えれば十分だったから、自分が働いている会社が世間でどんな風に見られているかなんて、どうでも良かった。
でも、改めて僕が働いている会社の事を知ると、福利厚生はしっかりしているし、働く側の都合に合わせた制度も色々あるし、知れば知るほど、僕の会社ってとてもしっかりとした会社だったんだなって理解した。
もしかし、高卒でここに入れたのもラッキーだったのかも？
だとしたら、なおさら辞めるのは惜しいと思うようになった。
最近出来た制度だと、パートナーシップを結んだ同性カップルへの保障制度だ。
制限はあるけど男女の夫婦みたいな制度も申請すれば受けられるんだって。
凄いなぁ。
僕は使わないだろうけど、こう言うのを望んでいる人たちも会社には居るかも知れないからね。
なんて、自分の会社に興味を持ったら今まで以上に愛着が出て来てしまった。

僕の会社、凄い！