地下アイドルを推してたワープアコミュ障陰キャな僕だけど気付いたら執着系ハイスペイケメンに僕が推されて(性的にも)磨かれました?

黒川

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第一章:本編

30-カナタ キリ の、攻撃。

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「カナタさんの可愛さが留まる事を知らない」


そう言ってきたのは、僕と同じ時期に同じビル清掃に配属されたパートさんだ。
ちなみに、僕が困ってた時に嘘の伝達で助けてくれたのも、このパートさん。
彼女は週三で早出の時間に合わせて出勤してくる。
そんな彼女と休憩時間が被って、清掃スタッフ専用の休憩室で少し会話をしたら冒頭の様な事を言われた。


「あ……ありがとう、ございま……す……?」


こう言う時、どう返したら良いか分からない。
でも、どうやら僕が可愛く無かったら、大半の人たちが可愛くなくなるらしいので、下手に否定も出来ない。
なのでしどろもどろにお礼を言ってしまった。
……また間違えちゃったかな……?

見た目がスッキリしたとは言え、性格までスッキリしたワケじゃない。
性格は陰キャのままだ。

けど、僕のしどろもどろな返しを気にする感じでもなく、パートさんは機嫌が良さそうだった。
しかも、可愛いって言われた時の返し方も教えてくれて、とても親切だった。

……今度サガリ君に可愛いって言われたら試してみようかな?

でも、やっぱり僕って可愛いのか……ラキちゃんには適わないだろうけど……


▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪


そんなやり取りをした後に、きっかけは直ぐに来た。
サガリ君のマンションに、お泊まりした時、いつもの様に顔やら髪の毛にクリームをベタベタ塗られ、僕が不満顔をしてる時だ。


「キリ、かわいい」


キタ!!


「ありがと、良く言われる」


ふふん、と顎を突き出してドヤ顔で返す。
これがパートさんに教わった返し方だ。
自信満々で返せば返す程、効果があるんだって。
僕、全力の自信たっぷりで返答したら、サガリ君が固まってしまった。


あ……れ……?
 

笑ってくれると思ったんだけどな……


パートさんと練習した時、彼女はすっごく喜んでくれたし、パチパチと拍手もしてくれた。
「上手!とっても上手!サイコー!」って褒めてくれた……だから僕も調子に乗ってしまった……けど……

僕は、また距離感も言葉選びも間違えてしまったみたいだ……
固まったサガリ君を、オロオロしながら見てるだけ。
そのうち、サガリ君がフルフルと体を震わせ始めた。
もしかして、怒りのあまり震えてる!?


「あっあっ!あああのっっ!!ごっっゴメ」

「さっっっっいこーーーー!!!かよ!!!!なんだよその返し!!!天使か!?小悪魔か!?小悪魔だろ!!何処で覚えて来たそんなけしからん!!誰だ!?誰の仕込みだ!?」


ガクガクと僕の肩を掴んで揺らして来るサガリ君の反応が……まるで……


「サガリ君……限界オタクみたい……」


ボソッと思わず口が滑ってしまうと、


「っったりめーだろ!!キリの限界オタクだっつーーの!!そのサイコーの返しを仕込んだ奴を言え!ちょっと課金して来る」


あっ。
サガリ君の言動が、オタクすぐ課金したがるのソレだった。
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