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第一章:番外編 等
マチナカ サガリ の、アルコール。前編
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【キリside】 ※視点変更無しです
「カナタさん、お酒は好きですか?」
「お酒ですか?」
仕事の休憩中に、パートさんに聞かれた。
最近、良くお話をする人だ。
「飲む機会が殆ど無いので良く分からないです。飲んだ事はありますが……別に無くてもいいかな?って」
お酒を買うお金があるならラキちゃん関係で使いたい。
「そっかあ……でも、飲めないわけでは無いって事ですよね?」
「はい。たくさんは飲んだことはありませんが、普通に飲めます」
そこまで飲んだ事無いけど。
「じゃぁ、貰って欲しいお酒があるんですけど、受け取ってくれませんか?うち、私も夫もお酒全然駄目なのに、友達の結婚式の二次会で貰っちゃったんです。その場で誰かにあげられたら良かったんですが、新郎新婦が凄く美味しいお酒だからって、断るに断れなくて……持ち帰ったは良いのですが、料理にも使えない様なお酒だし夫も私も飲めないし……かなり困ってて……」
そう言う事ならと、僕はパートさんからお酒を頂いた。
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「貴腐ワイン?」
サガリ君のマンション。
どうせ飲むなら一緒に飲みたいなと思って僕は貰ったお酒を持って行った。
「あ、これワインなんだ?職場のパートさんがね、飲めないし料理にも使えないからってくれたんだ」
「……おい、これ、貴腐ワインの中でもだいぶ値の張るワインだぞ?」
サガリ君がワインの瓶を見ながらネットで調べている。
僕はオシャレなアルファベットで書かれてる文字は読めないので調べる事すらしなかった。
でも高いお酒なのか。
「え!?高いの!?どうしよう!普通に貰っちゃった!」
お返しした方がいいのかな?
「好きな人には堪らないだろうけど、飲めないなら宝の持ち腐れだろ?別に気にしなくていいんじゃね?」
確かにどんなに高価なお酒でも飲めなかったら意味が無いよね。
ちょっとお金に余裕がある時に彼女が好きそうなお菓子を買って渡せばいいかな……?いつもサクサクお菓子食べてる人だし。
「うん、分かった。ありがとう。そう言えば、サガリ君がお酒を飲んでる所って見たこと無いね。もう20歳でしょ?もしかしてサガリ君も飲めなかったりする?」
今まで何度も一緒にご飯を食べているけど、お酒を飲むことは無かったと急に気づいてしまった。
「いや?普通に飲める。けど特別に飲みたいモノでも無ぇから家に置いてないだけ。そう言うキリはどうなんだよ?ラキに貢いでるから酒買う余裕が無いのは分かるけど、飲める飲めないで言ったらどっちなんだ?」
「飲めるよ。たくさんは飲んだこと無いから、強いか弱いかは分からないけど」
「そっか。なら今日は一緒にコレ飲むか」
「うんっ!」
僕はサガリ君と一緒に飲みたくて持って来たから思わずご機嫌に元気良く答えてしまった。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
「俺も飲んだこと無いけど、だいぶ甘味が強いらしいな」
「へぇー?」
ワインを冷蔵庫で冷やして、飲み方をサガリ君と一緒に調べている。
「飯だと塩っけのあるやつがオススメ。あとはデザートと一緒にだって。デザート……あ」
何か思いついたらしく、サガリ君が冷蔵庫に向かった。
中から小さな箱を取り出して、中身を僕に見せてくれた。
「マカロンあったわ。タケルが昨日、キリと一緒に食べろって持って来てくれたんだよ」
「わぁ!凄い!コレもタケル君が作ったの?」
「おう。ラズベリーとチョコだってよ」
「凄い凄い!!お店で買ってきたやつみたい!」
薄いピンク色のマカロンと茶色のマカロンが行儀良く箱の中で並んでいる。あまり見た事ないけど、きっとお店で買ってもこう言う風になってるんだと思うってくらい綺麗に並んでいた。
美味しそう!
「チッ……」
と、サガリ君が急に不機嫌に舌打ちをしたので、僕は思わずビクッと体を震わせてしまった。
え……何か不機嫌になる事しちゃったかな……?
「あの……サガリ君?ごめん、何か僕失礼な事しちゃった……?」
マカロン、1人で食べたかったのかな?弟君が作ってくれたものだし……ここは遠慮するところだった?
「……いや、悪ぃ。違う、キリは問題無いから気にするな。俺の問題」
「サガリ君の……問題……?」
理解が出来なくてクンっ、と首を傾げると、サガリ君はまた舌打ちをした。
「あの……僕あまり人の気持ちとかそう言うの察するの苦手で……嫌なことがあったなら、きちんと言って欲しい……」
大好きな人に、いつの間にか嫌われちゃった、なんて事になったら悲しいしね。
なんて思ってサガリ君に聞いたのだけど、ちょっと困った顔してる。
あと、顔が赤い。
「嫉妬だよ」
ボソっとサガリ君が呟いた。
「嫉妬?……ヤキモチ?僕は誰にもヤキモチ妬いてないよ?」
うん、サガリ君は言葉は少し乱暴だけど、僕のことが好きなんだろうなって凄く分かるくらい、いつも愛情をくれるから、ヤキモチなんて妬く暇も無いのに。
「違ぇよ、俺が妬いたの!言わせるなよ恥じぃんだよ!」
「え?サガリ君が?」
「俺は菓子なんて作らねぇし……」
サガリ君はプィッと頬を膨らませてそっぽ向いた。
あ、僕がヤキモチ妬いたんじゃなくて、サガリ君がヤキモチ妬いたのか。
えぇー?
「サガリ君……」
僕が困った顔をすると、頭の後ろを掴まれてキスされた。
チュッて触れるだけの軽いキス。
コレ、好き。
「だからキリが悪いんじゃなくて、俺の問題」
「へへっ」
「あぁ、もう可愛すぎるだろ。タケルも何だかんだキリに懐いてるしよ。お前も気をつけろよ?やたらとくっ付いてるしよ?」
「はーい」
サガリ君に可愛いって言われるのは嬉しい。
タケル君とあまり仲良くしちゃダメって事か。別に僕は特に仲良くしてるつもりは無いんだけどな。
さっきのキスが気持ち良かったので、僕からもサガリ君の頬にキスをする。
頬にキスすると、サガリ君は必ず僕に口にしろってジェスチャーするんだよね。それも好きでわざと頬にしてる。
チュッチュって唇にも触れるだけのキスをして、ギューってサガリ君に抱き着いた。
「僕はサガリ君がとても好きだよ。大好き。僕はサガリ君以外を好きになる事なんて無いよ?」
こんなにも好きなんだけどなぁ。
「……知ってる……。悪かったよ、あんな態度とって……」
サガリ君も僕を抱き締め返してくれた。それが嬉しくてもっともっとってくっ付いた。
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「酒関係のアイテムも揃えるかなぁ……」
食事を終えると、サガリ君は冷やしていたワインとマカロンを持って来てくれた。
ワインの蓋がコルクで出来ていて、開けられないってちょっと焦ったんだけど、栓抜きとか缶切りが出来る道具に運良くコルク抜きもついていて無事開けることが出来た。
「僕も確認しないで持ってきちゃってごめんね」
「いや、酒飲む習慣が無けりゃ分からないだろ。俺だって開けるまで気づかなかったんだし。けど、缶切りに付いていたのはラッキーだったわ」
オシャレなコップにトプトプとワインを注いでくれる。
細い瓶だったから、お互い一杯ずつ注いで空になった。
色は透明に見えるけど、ちょびっと黄色っぽくも見える。
サガリ君もコップをユラユラさせながら中に入ったワインを回している。
「じゃぁ……」
サガリ君がコップを僕のコップに近付けてきたので、僕もサガリ君のコップに近づけた。
チンっとガラスがぶつかる音がした。
「「かんぱーい」」
サガリ君と初めてのお酒に、少し浮かれてしまった。
「……甘っっっ」
「美味しいっ!」
「濃いな……」
「美味しいっ!」
僕の感想は美味しい一択。
美味しいしか出てこない。
あ、甘くて美味しい!
お酒って美味しいんだね。
前に飲んだ時の記憶は、飲めたって事しか覚えてなくて、楽しかったのか美味しかったのかは良く覚えてない。
けど、今日のお酒は美味しいし、サガリ君と一緒だからとても楽しいっ!
僕がご機嫌にチビチビ飲んでいると、サガリ君はキッチンに向かって冷蔵庫をゴソゴソしていた。
「俺にはちょっと濃いわ」
そう言ってお酒に氷を入れるサガリ君。
「あー、薄まったし冷たくて美味ぇ」
カラカラと氷を揺らしながら飲んでるんだけど、ワインて氷入れて飲むものだっけ?
って思ったけど、サガリ君がご機嫌ならそれが正解だよね。
「このワイン、美味しいって思う?」
サガリ君に聞くと、コクッて無言で頷いてくれた。
良かった。
今度パートさんに教えようっと。
「キリは?って、さっきから美味い美味いって言ってたか」
「うん。凄く美味しい」
お供のマカロンも美味しい。
周りがホロホロしてて、中はしっとりで、挟んであるクリームも凄く美味しい。
美味しいしか言えなくて僕は食レポ下手くそだなぁって思ってる。
でも美味しいしか言えないんだよ。
しばらくワインをチビチビ飲みながら、マカロンをかじっていたら、サガリ君が静かになってる事に気付いた。
見ると顔を真っ赤にして体育座りでコップを両手持ちしてワインをチビチビ飲んでる。
なんかいつもより仕草が可愛い。
これってもしかして……
「サガリ君、もしかして酔っ払った?」
確認すると、サガリ君は口をコップに付けたまま首を横に振った。
普段では絶対にしない態度だ。
……酔ってるみたい。
もしかして、サガリ君ってお酒が弱かったのかな?
だってまだコップ半分くらいしか減ってない。
僕は一旦自分のコップをテーブルに置いてサガリ君のコップを貰った。拒否されるかな?と思ったけど、あっさりくれた。
「まだ飲んでるんだけど?」
あ、やっぱりちょっと不満そうだ。
「うん、残ってるけど……多分サガリ君酔ってると思うよ?なんかね、いつもと雰囲気が違う。気持ち悪くはない?」
「うん」
コクっとサガリ君が頷いた。
……けど、『うん』だって!体育座りのまま頷いてるから小さい子みたい!
思わず顔がニヤニヤしちゃった。
へへ、可愛い……
「まだ飲む……」
テーブルに置いたコップを再び両手で持ってチビチビ飲み始めてしまった。
「マカロン、取って」
口調もいつもと違うかな?サガリ君て酔っ払うと幼くなるみたい。
「ん、いいよ。チョコとピンクどっちがいい?」
「チョコ」
言われるままに、僕はチョコのマカロンを手にしてサガリ君に渡そうとした。
「両手塞がってる。食べさせて」
「ふぁっ!?」
コップから片手外せばいいのに、食べさせて欲しいのかな?
僕は箱からマカロンを摘むと、サガリ君の口元に近づけた。
ハムっと少しだけ齧って、飲み込んで、またワインをチビチビ飲んでる。
完全にいつものサガリ君じゃない。
「ん、」
と、口を開けたから、持ってたマカロンをまた食べさせる。
ハムっと、またちょっとだけ。
で、ワインを飲んで……って、繰り返し。
マカロンだってそんなに大きなお菓子じゃないのに、ちょっとずつ齧ってる。
マカロンを全て食べ切ったタイミングで、サガリ君はワインも飲み切った。
カラン、と氷の音が鳴って、それもサガリ君の口の中に消えた。
ガリゴリと氷を噛む音が聞こえるんだけど、シミないのかな?
全て食べ切ると、ちょっと満足そうに笑っていた。
「ほら、キリ。全部食ったし飲めた」
「う……うん、無くなったね」
「褒めて?」
「はい??」
「ん?全部食ったんだから褒めるだろ?」
わぁ……小さい子だ。
小さい子が目の前に居る……
「そ、そうだね。綺麗に食べて偉い偉い」
言われた通りに褒めてサガリ君の頭を撫でると、サガリ君はうつ伏せ状態になって、ぐでん…と、僕の腰元に抱き着いて来た。
「キリも」
「うん?」
「キリもピカピカにしろよ」
ピカピカ?……あ、全部食べる事をピカピカにするって小さい子が言うアレか。
「俺が褒めてやるから、、、俺、兄ちゃんだしな……」
年齢で言えば僕の方が年上なんだけどな……って思ったんだけど、サガリ君が僕にギュギュッて抱き着いて、ずっと「俺、兄ちゃんだから……」って苦しそうに呟いているのが、ちょっとだけ心がキュッて締め付けられてしまった。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
「ほら、見て。僕も食べ終わったよ」
ワインを飲み切って、残ってたマカロンも全部食べちゃった。だって美味しかったからね。
僕の腰に抱き着いているサガリ君にコップとマカロンが入ってた箱を見せた。
「うん、ピカピカ偉い」
サガリ君の腕がニュッて伸びて僕の頭を撫でてくれた。
僕もお返しにサガリ君の頭を撫でる。
「サガリ君も全部食べれて偉い偉い」
サガリ君は嬉しそうに笑ってくれる。やっぱり普段のサガリ君より仕草が幼いや。
普段、こんな事出来ないから、ここぞとばかりに幼いサガリ君を堪能してると、
「別に、兄ちゃんが嫌ってワケじゃねぇ。たまに疲れるだけだ、、、」
と、ボソボソとお話を始めた。
内容はあっちこっちに飛んで、いつもの分かりやすくて自信満々な話し方とは違っていた。小さい頃の話かと思えば、最近の話だったり。
けど、話してる事は全部サガリ君とタケル君の事。僕はあまり聞き上手じゃないから、サガリ君が言いたいことを全部汲み取る事は出来ないけど、、、何となく気持ちは分かった。
僕も長男だからね。
長男って、ちょっとしんどいんだ。
「兄弟仲は悪くねーの」
知ってる。仲良しだよね。
「タケルも出来た弟なんだよ。俺の自慢」
うん、分かるよ。
「だからこそ、兄らしく振る舞う事が必要だって、ガキん頃から理解してた」
あー、サガリ君は小さい頃からきっと頭が良かったんだろうなぁ。
「喧嘩する前にタケルの不満を解決させたり」
すごい。そんな事出来るんだ?
「『お兄ちゃんなんだから』って親に言われる隙も与えなかった」
僕は毎日のように言われてたなぁ。
「だから、、、たまに疲れる」
また、サガリ君が僕の腰にギューってしがみついてきた。
「そっか、」
サガリ君て、何でも出来るスーパーマンみたいだと思ってたけど、普通の男の子でもあるんだね。
今まで知らなかった事をサガリ君から聞けて、なんだか今まで以上に好きだなって気持ちが溢れて来ちゃった。
こうやって甘えてくれる仕草も新鮮。
たまには年上ぶってもいいよね。
実際僕の方が年上なんだけど…………
ヨシヨシって頭を撫でていたら、サガリ君が「あー」とか「うー」とか言い始めた。
あと僕の股にグリグリ顔を押し付けて来るのも恥ずかしいのでモゾモゾしちゃう。
「サガリ君、ソレちょっと当たってるって言うか……」
おちんちんに顔を押し付けてるみたいなんだよね。
「当ててんだよ」
あ、割とハッキリした声だ。
酔いが覚めたのかな?
「クソッ」て小さい声で呟いていた。
✂ーーーーーーーーーーーーー✂
2人ともお酒に疎いと言う事で、飲み方に関しては多めに見てやってください……:( ;´꒳`;):
「カナタさん、お酒は好きですか?」
「お酒ですか?」
仕事の休憩中に、パートさんに聞かれた。
最近、良くお話をする人だ。
「飲む機会が殆ど無いので良く分からないです。飲んだ事はありますが……別に無くてもいいかな?って」
お酒を買うお金があるならラキちゃん関係で使いたい。
「そっかあ……でも、飲めないわけでは無いって事ですよね?」
「はい。たくさんは飲んだことはありませんが、普通に飲めます」
そこまで飲んだ事無いけど。
「じゃぁ、貰って欲しいお酒があるんですけど、受け取ってくれませんか?うち、私も夫もお酒全然駄目なのに、友達の結婚式の二次会で貰っちゃったんです。その場で誰かにあげられたら良かったんですが、新郎新婦が凄く美味しいお酒だからって、断るに断れなくて……持ち帰ったは良いのですが、料理にも使えない様なお酒だし夫も私も飲めないし……かなり困ってて……」
そう言う事ならと、僕はパートさんからお酒を頂いた。
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「貴腐ワイン?」
サガリ君のマンション。
どうせ飲むなら一緒に飲みたいなと思って僕は貰ったお酒を持って行った。
「あ、これワインなんだ?職場のパートさんがね、飲めないし料理にも使えないからってくれたんだ」
「……おい、これ、貴腐ワインの中でもだいぶ値の張るワインだぞ?」
サガリ君がワインの瓶を見ながらネットで調べている。
僕はオシャレなアルファベットで書かれてる文字は読めないので調べる事すらしなかった。
でも高いお酒なのか。
「え!?高いの!?どうしよう!普通に貰っちゃった!」
お返しした方がいいのかな?
「好きな人には堪らないだろうけど、飲めないなら宝の持ち腐れだろ?別に気にしなくていいんじゃね?」
確かにどんなに高価なお酒でも飲めなかったら意味が無いよね。
ちょっとお金に余裕がある時に彼女が好きそうなお菓子を買って渡せばいいかな……?いつもサクサクお菓子食べてる人だし。
「うん、分かった。ありがとう。そう言えば、サガリ君がお酒を飲んでる所って見たこと無いね。もう20歳でしょ?もしかしてサガリ君も飲めなかったりする?」
今まで何度も一緒にご飯を食べているけど、お酒を飲むことは無かったと急に気づいてしまった。
「いや?普通に飲める。けど特別に飲みたいモノでも無ぇから家に置いてないだけ。そう言うキリはどうなんだよ?ラキに貢いでるから酒買う余裕が無いのは分かるけど、飲める飲めないで言ったらどっちなんだ?」
「飲めるよ。たくさんは飲んだこと無いから、強いか弱いかは分からないけど」
「そっか。なら今日は一緒にコレ飲むか」
「うんっ!」
僕はサガリ君と一緒に飲みたくて持って来たから思わずご機嫌に元気良く答えてしまった。
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「俺も飲んだこと無いけど、だいぶ甘味が強いらしいな」
「へぇー?」
ワインを冷蔵庫で冷やして、飲み方をサガリ君と一緒に調べている。
「飯だと塩っけのあるやつがオススメ。あとはデザートと一緒にだって。デザート……あ」
何か思いついたらしく、サガリ君が冷蔵庫に向かった。
中から小さな箱を取り出して、中身を僕に見せてくれた。
「マカロンあったわ。タケルが昨日、キリと一緒に食べろって持って来てくれたんだよ」
「わぁ!凄い!コレもタケル君が作ったの?」
「おう。ラズベリーとチョコだってよ」
「凄い凄い!!お店で買ってきたやつみたい!」
薄いピンク色のマカロンと茶色のマカロンが行儀良く箱の中で並んでいる。あまり見た事ないけど、きっとお店で買ってもこう言う風になってるんだと思うってくらい綺麗に並んでいた。
美味しそう!
「チッ……」
と、サガリ君が急に不機嫌に舌打ちをしたので、僕は思わずビクッと体を震わせてしまった。
え……何か不機嫌になる事しちゃったかな……?
「あの……サガリ君?ごめん、何か僕失礼な事しちゃった……?」
マカロン、1人で食べたかったのかな?弟君が作ってくれたものだし……ここは遠慮するところだった?
「……いや、悪ぃ。違う、キリは問題無いから気にするな。俺の問題」
「サガリ君の……問題……?」
理解が出来なくてクンっ、と首を傾げると、サガリ君はまた舌打ちをした。
「あの……僕あまり人の気持ちとかそう言うの察するの苦手で……嫌なことがあったなら、きちんと言って欲しい……」
大好きな人に、いつの間にか嫌われちゃった、なんて事になったら悲しいしね。
なんて思ってサガリ君に聞いたのだけど、ちょっと困った顔してる。
あと、顔が赤い。
「嫉妬だよ」
ボソっとサガリ君が呟いた。
「嫉妬?……ヤキモチ?僕は誰にもヤキモチ妬いてないよ?」
うん、サガリ君は言葉は少し乱暴だけど、僕のことが好きなんだろうなって凄く分かるくらい、いつも愛情をくれるから、ヤキモチなんて妬く暇も無いのに。
「違ぇよ、俺が妬いたの!言わせるなよ恥じぃんだよ!」
「え?サガリ君が?」
「俺は菓子なんて作らねぇし……」
サガリ君はプィッと頬を膨らませてそっぽ向いた。
あ、僕がヤキモチ妬いたんじゃなくて、サガリ君がヤキモチ妬いたのか。
えぇー?
「サガリ君……」
僕が困った顔をすると、頭の後ろを掴まれてキスされた。
チュッて触れるだけの軽いキス。
コレ、好き。
「だからキリが悪いんじゃなくて、俺の問題」
「へへっ」
「あぁ、もう可愛すぎるだろ。タケルも何だかんだキリに懐いてるしよ。お前も気をつけろよ?やたらとくっ付いてるしよ?」
「はーい」
サガリ君に可愛いって言われるのは嬉しい。
タケル君とあまり仲良くしちゃダメって事か。別に僕は特に仲良くしてるつもりは無いんだけどな。
さっきのキスが気持ち良かったので、僕からもサガリ君の頬にキスをする。
頬にキスすると、サガリ君は必ず僕に口にしろってジェスチャーするんだよね。それも好きでわざと頬にしてる。
チュッチュって唇にも触れるだけのキスをして、ギューってサガリ君に抱き着いた。
「僕はサガリ君がとても好きだよ。大好き。僕はサガリ君以外を好きになる事なんて無いよ?」
こんなにも好きなんだけどなぁ。
「……知ってる……。悪かったよ、あんな態度とって……」
サガリ君も僕を抱き締め返してくれた。それが嬉しくてもっともっとってくっ付いた。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
「酒関係のアイテムも揃えるかなぁ……」
食事を終えると、サガリ君は冷やしていたワインとマカロンを持って来てくれた。
ワインの蓋がコルクで出来ていて、開けられないってちょっと焦ったんだけど、栓抜きとか缶切りが出来る道具に運良くコルク抜きもついていて無事開けることが出来た。
「僕も確認しないで持ってきちゃってごめんね」
「いや、酒飲む習慣が無けりゃ分からないだろ。俺だって開けるまで気づかなかったんだし。けど、缶切りに付いていたのはラッキーだったわ」
オシャレなコップにトプトプとワインを注いでくれる。
細い瓶だったから、お互い一杯ずつ注いで空になった。
色は透明に見えるけど、ちょびっと黄色っぽくも見える。
サガリ君もコップをユラユラさせながら中に入ったワインを回している。
「じゃぁ……」
サガリ君がコップを僕のコップに近付けてきたので、僕もサガリ君のコップに近づけた。
チンっとガラスがぶつかる音がした。
「「かんぱーい」」
サガリ君と初めてのお酒に、少し浮かれてしまった。
「……甘っっっ」
「美味しいっ!」
「濃いな……」
「美味しいっ!」
僕の感想は美味しい一択。
美味しいしか出てこない。
あ、甘くて美味しい!
お酒って美味しいんだね。
前に飲んだ時の記憶は、飲めたって事しか覚えてなくて、楽しかったのか美味しかったのかは良く覚えてない。
けど、今日のお酒は美味しいし、サガリ君と一緒だからとても楽しいっ!
僕がご機嫌にチビチビ飲んでいると、サガリ君はキッチンに向かって冷蔵庫をゴソゴソしていた。
「俺にはちょっと濃いわ」
そう言ってお酒に氷を入れるサガリ君。
「あー、薄まったし冷たくて美味ぇ」
カラカラと氷を揺らしながら飲んでるんだけど、ワインて氷入れて飲むものだっけ?
って思ったけど、サガリ君がご機嫌ならそれが正解だよね。
「このワイン、美味しいって思う?」
サガリ君に聞くと、コクッて無言で頷いてくれた。
良かった。
今度パートさんに教えようっと。
「キリは?って、さっきから美味い美味いって言ってたか」
「うん。凄く美味しい」
お供のマカロンも美味しい。
周りがホロホロしてて、中はしっとりで、挟んであるクリームも凄く美味しい。
美味しいしか言えなくて僕は食レポ下手くそだなぁって思ってる。
でも美味しいしか言えないんだよ。
しばらくワインをチビチビ飲みながら、マカロンをかじっていたら、サガリ君が静かになってる事に気付いた。
見ると顔を真っ赤にして体育座りでコップを両手持ちしてワインをチビチビ飲んでる。
なんかいつもより仕草が可愛い。
これってもしかして……
「サガリ君、もしかして酔っ払った?」
確認すると、サガリ君は口をコップに付けたまま首を横に振った。
普段では絶対にしない態度だ。
……酔ってるみたい。
もしかして、サガリ君ってお酒が弱かったのかな?
だってまだコップ半分くらいしか減ってない。
僕は一旦自分のコップをテーブルに置いてサガリ君のコップを貰った。拒否されるかな?と思ったけど、あっさりくれた。
「まだ飲んでるんだけど?」
あ、やっぱりちょっと不満そうだ。
「うん、残ってるけど……多分サガリ君酔ってると思うよ?なんかね、いつもと雰囲気が違う。気持ち悪くはない?」
「うん」
コクっとサガリ君が頷いた。
……けど、『うん』だって!体育座りのまま頷いてるから小さい子みたい!
思わず顔がニヤニヤしちゃった。
へへ、可愛い……
「まだ飲む……」
テーブルに置いたコップを再び両手で持ってチビチビ飲み始めてしまった。
「マカロン、取って」
口調もいつもと違うかな?サガリ君て酔っ払うと幼くなるみたい。
「ん、いいよ。チョコとピンクどっちがいい?」
「チョコ」
言われるままに、僕はチョコのマカロンを手にしてサガリ君に渡そうとした。
「両手塞がってる。食べさせて」
「ふぁっ!?」
コップから片手外せばいいのに、食べさせて欲しいのかな?
僕は箱からマカロンを摘むと、サガリ君の口元に近づけた。
ハムっと少しだけ齧って、飲み込んで、またワインをチビチビ飲んでる。
完全にいつものサガリ君じゃない。
「ん、」
と、口を開けたから、持ってたマカロンをまた食べさせる。
ハムっと、またちょっとだけ。
で、ワインを飲んで……って、繰り返し。
マカロンだってそんなに大きなお菓子じゃないのに、ちょっとずつ齧ってる。
マカロンを全て食べ切ったタイミングで、サガリ君はワインも飲み切った。
カラン、と氷の音が鳴って、それもサガリ君の口の中に消えた。
ガリゴリと氷を噛む音が聞こえるんだけど、シミないのかな?
全て食べ切ると、ちょっと満足そうに笑っていた。
「ほら、キリ。全部食ったし飲めた」
「う……うん、無くなったね」
「褒めて?」
「はい??」
「ん?全部食ったんだから褒めるだろ?」
わぁ……小さい子だ。
小さい子が目の前に居る……
「そ、そうだね。綺麗に食べて偉い偉い」
言われた通りに褒めてサガリ君の頭を撫でると、サガリ君はうつ伏せ状態になって、ぐでん…と、僕の腰元に抱き着いて来た。
「キリも」
「うん?」
「キリもピカピカにしろよ」
ピカピカ?……あ、全部食べる事をピカピカにするって小さい子が言うアレか。
「俺が褒めてやるから、、、俺、兄ちゃんだしな……」
年齢で言えば僕の方が年上なんだけどな……って思ったんだけど、サガリ君が僕にギュギュッて抱き着いて、ずっと「俺、兄ちゃんだから……」って苦しそうに呟いているのが、ちょっとだけ心がキュッて締め付けられてしまった。
▪▫❑⧉◻︎□◻︎□◻︎⧉❑▫▪
「ほら、見て。僕も食べ終わったよ」
ワインを飲み切って、残ってたマカロンも全部食べちゃった。だって美味しかったからね。
僕の腰に抱き着いているサガリ君にコップとマカロンが入ってた箱を見せた。
「うん、ピカピカ偉い」
サガリ君の腕がニュッて伸びて僕の頭を撫でてくれた。
僕もお返しにサガリ君の頭を撫でる。
「サガリ君も全部食べれて偉い偉い」
サガリ君は嬉しそうに笑ってくれる。やっぱり普段のサガリ君より仕草が幼いや。
普段、こんな事出来ないから、ここぞとばかりに幼いサガリ君を堪能してると、
「別に、兄ちゃんが嫌ってワケじゃねぇ。たまに疲れるだけだ、、、」
と、ボソボソとお話を始めた。
内容はあっちこっちに飛んで、いつもの分かりやすくて自信満々な話し方とは違っていた。小さい頃の話かと思えば、最近の話だったり。
けど、話してる事は全部サガリ君とタケル君の事。僕はあまり聞き上手じゃないから、サガリ君が言いたいことを全部汲み取る事は出来ないけど、、、何となく気持ちは分かった。
僕も長男だからね。
長男って、ちょっとしんどいんだ。
「兄弟仲は悪くねーの」
知ってる。仲良しだよね。
「タケルも出来た弟なんだよ。俺の自慢」
うん、分かるよ。
「だからこそ、兄らしく振る舞う事が必要だって、ガキん頃から理解してた」
あー、サガリ君は小さい頃からきっと頭が良かったんだろうなぁ。
「喧嘩する前にタケルの不満を解決させたり」
すごい。そんな事出来るんだ?
「『お兄ちゃんなんだから』って親に言われる隙も与えなかった」
僕は毎日のように言われてたなぁ。
「だから、、、たまに疲れる」
また、サガリ君が僕の腰にギューってしがみついてきた。
「そっか、」
サガリ君て、何でも出来るスーパーマンみたいだと思ってたけど、普通の男の子でもあるんだね。
今まで知らなかった事をサガリ君から聞けて、なんだか今まで以上に好きだなって気持ちが溢れて来ちゃった。
こうやって甘えてくれる仕草も新鮮。
たまには年上ぶってもいいよね。
実際僕の方が年上なんだけど…………
ヨシヨシって頭を撫でていたら、サガリ君が「あー」とか「うー」とか言い始めた。
あと僕の股にグリグリ顔を押し付けて来るのも恥ずかしいのでモゾモゾしちゃう。
「サガリ君、ソレちょっと当たってるって言うか……」
おちんちんに顔を押し付けてるみたいなんだよね。
「当ててんだよ」
あ、割とハッキリした声だ。
酔いが覚めたのかな?
「クソッ」て小さい声で呟いていた。
✂ーーーーーーーーーーーーー✂
2人ともお酒に疎いと言う事で、飲み方に関しては多めに見てやってください……:( ;´꒳`;):
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年齢差、身分差、そして心の距離。
不安定だった二人の関係は年月を経て、やがて蜜月へと移り変わり、交差していく想いは複雑な運命の糸をも巻き込んでいく。
■執筆過程の一部にchatGPT、Claude、Grok BateなどのAIを使用しています。
使用後には、加筆・修正を加えています。
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■GPT
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■Claude
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■Grok Bate
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Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
【完結】おじさんダンジョン配信者ですが、S級探索者の騎士を助けたら妙に懐かれてしまいました
大河
BL
世界を変えた「ダンジョン」出現から30年──
かつて一線で活躍した元探索者・レイジ(42)は、今や東京の片隅で地味な初心者向け配信を続ける"おじさん配信者"。安物機材、スポンサーゼロ、視聴者数も控えめ。華やかな人気配信者とは対照的だが、その真摯な解説は密かに「信頼できる初心者向け動画」として評価されていた。
そんな平穏な日常が一変する。ダンジョン中層に災厄級モンスターが突如出現、人気配信パーティが全滅の危機に!迷わず単身で救助に向かうレイジ。絶体絶命のピンチを救ったのは、国家直属のS級騎士・ソウマだった。
冷静沈着、美形かつ最強。誰もが憧れる騎士の青年は、なぜかレイジを見た瞬間に顔を赤らめて……?
若き美貌の騎士×地味なおじさん配信者のバディが織りなす、年の差、立場の差、すべてを越えて始まる予想外の恋の物語。
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
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