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2章:学園生活
ママへの問い詰め
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本日の授業が終わって私とハナちゃんとゴウくんとクロくんは職員室へ向かった。
「失礼します」
ハナちゃんがノックをして職員室の扉を開けて私達は中に入る。
ここへはママにいろいろ問い詰めるためにきたのだ。
「あらあら、やっぱり来たんですね」
職員室に入った私達を見つけてママが遠くから声をかけた。
職員室は先生全員が集まってる部屋で、今も入ったときに数人の先生に見られたが、ママが声をかけると自分に用がないとわかり、作業やお話に戻った。
「当たり前です!おばさんなんで先生やるって教えてくれなかったの!?」
「こらこらハナちゃん、学校では先生って呼ばないとダメですよ?そうですね…リンちゃんの旅立つ姿を見たかったっていうのと、私もいろいろ考えていたんです…」
「ママ…?」
ママはいろいろ考えていたと言うと少し暗い顔をしたように感じて私は声をかけた。
「でも、やっぱりやってよかったと思いました。まぁみなさんにはもちろん、リンちゃんも顔見知りだからと評価を軽くしたりはしないので、よろしくお願いしますね」
そう言ってママはまたいつもの明るい笑顔に戻った。
「おやおや、ずいぶんと賑やかじゃな」
私達が話しているときに大きな男の人が近づいてきた。
そして私は条件反射的にハナちゃんの後ろに隠れてしまった。
「あ、学園長。すみません、騒がしくしてしまって」
「いえいえ、構まわんよ。いつも静かすぎるくらいなんだからたまには賑やかなのもいいものじゃ」
「みなさん、こちらこの学園の学園長先生です。入学式の時はちょっと外せない用があり来られませんでしたから初めてですよね」
学園長先生…おっきい…。
学園長先生は50代後半くらいの男性で、背筋もピンと立って、なんだか絵本とかに出てくるなんでも出来ちゃう執事さんを彷彿とさせる雰囲気があった。
そして、なぜか頭には角、後ろには尻尾がある。
「レプラコーン・ドラゴーネじゃ。親しみを込めてレプラ先生と呼んでくれ」
(ドラゴンだ…)
(ドラゴンね…)
(あの尻尾と角かっけー!)
(優しそうな人…でも初めて会うし…恥ずかしい…)
「おや、そこの隠れている君、まさか…」
「はい、私の娘です」
「おぉ、やはりそうかね。いやぁどこか面影のある顔をしていてね。そうか、レオンくんとリーネくんの子か。たしか入学式の試験も1位成績だったとか。これからが楽しみじゃな」
「ほら、リンちゃんご挨拶」
ママに言われて私は挨拶をしようと少しハナちゃんの横から顔を出した。
「こ、こんにちは…」
そしてまた隠れる。
「ほっほっほっ、人見知りはどちらに似たのやらな」
「学園長先生~お客様です~」
「うむ、今行く。それでは皆のもの、勉学に励むのじゃぞ」
そう言ってレプラ先生は奥の部屋へと向かって行った。
「みなさん、先生の角と尻尾については触れないでくださいね。本人は隠せているつもりですので。さぁ、みなさんも早く戻ってくださいね」
まだ聞きたいこともあるけど…たしかに職員室に長くいるのは申し訳ないので出ていくことにした。
「あ、リンちゃん」
私達が出て行こうとすると私が呼び止められ、ママが手招きしたので近くにいく。
「明後日はおやすみですので、ママとちょっと行ってほしいところがあるから、朝に校門の前に来てね」
「……?わかった…」
「はい、それじゃあリンちゃん。気をつけて帰ってくださいね。さようなら」
「先生…さようなら…」
私は1つお辞儀をして職員室を後にした。
そしてみんなで帰る用意をして寮へ向かう。
「それにしても…リンのママってあんなにすごかったのね」
「ほんとだぜ。あの魔法、式すら見えなかったんだけどどうやってんだ?」
「私も…驚いた」
みんなでママの話をしていると寮の分かれ道に着いた。
「それじゃあな、リン、ハナ」
「バイバイ、ゴウくん、クロくん」
私達は挨拶をしてそれぞれの寮に帰って行った。
その日の夜…。
私達は夕食のため食堂に来ていた。
「朝と…メニューが違う…」
札の前で私は再び料理がわからない問題に直面していた。
「それはそうよ、朝と夜では食べるものも量も違うでしょ?」
「トースト…もう1回…食べたかった…」
「そんなに気に入ったんですか…?」
メニューを見ていてよくわからない名前ばかりで私はまたしても悩んでいると急に後ろから抱きつかれた。
「きゃっ」
「リーンちゃん!何してるにゃー?」
抱きついてきたのはクレアちゃんだった。
「料理が…多くて…」
「なーんだ!じゃあ、クレアがおすすめの料理選んであげるにゃ!」
そう言ってクレアちゃんが札の前まで行きヒョイヒョイと札を取って私達にそれぞれ渡した。
「はい、これ!」
「なんで私達まで…」
「えっと…かれー?」
「私のはうどんです」
「私のはオムライスですね」
「私のはスパゲティね」
「「「……」」」
(((こいつ絶対適当に選んだな!?)))
「かれーってどんな料理…?」
「さぁ?」
(((おい!おすすめした本人!)))
「あまくち?とかからくち?って何…?」
「んー…あ、きっと美味しさにゃ!赤いほうがきっと美味しいんにゃ!」
「へぇ…」
「あ、リン!」
「何…?」
とりあえず私達は札を出してからハナちゃんの方を向いた。
「あ…あぁー…」
「……?」
ハナちゃんがもうどうしようもないような声を出していた。
そして料理がきてみんなで一緒に食べる。
(なんか…)
(あの色…)
(やばくない!?)
私が最後に机につくとみんなの視線が私のかれーに集まる。
「おぉ…すごい色にゃ」
「うん…真っ赤…」
私達の会話を聞いて他の3人が集まって小さい声で話を始めた。
「どうすんの?リンが辛いの大丈夫かなんて私わかんないんだけど?」
「そうは言われましても…さすがにあの色を見て料理を交換とは…」
「あんたリンの騎士なんだからちょっと頑張りなさいよ!」
「こんな時ばかり騎士を主張しないでください!毒味は騎士の仕事じゃありません!」
「お2人とも、もうこれはリンさんが辛いのに強いことを祈るしかないですよ。でも朝のあのジャムの反応を見ると…」
3人が忙しそうにしてるのを見てクレアちゃんがニヤァと笑った。
「それじゃあリンちゃん、あの3人は忙しそうだからクレア達は先に食べさせてもらうにゃ」
「うん…いただきます…」
そう言って私はスプーンを持ってかれーを食べ始めた。
「あ!リン!」
私がもぐもぐしている姿をまじまじと眺める4人。
「美味しい…!」
「「「「え!?」」」」
私の言葉に驚く4人。
「変わった味がするけど…ご飯とあっててすごく美味しい!」
私がぱくぱくと食べていく姿をみて、4人はごくっと唾を飲んだ。
(え?実はそんなに辛くない…?)
(むしろちょうどいい辛さで美味しいとかでしょうか…)
(気になります…あの色からまさかの美味しい発言が出るとは…どんな味なのか…)
(にゃにゃあ…ほんとに当たり引いちゃったのかにゃ?)
「リ、リン…よかったら私に1口くれないかしら?」
「わ、私も!」
「2人ともずるいです!よかったら私も!」
「クレアも食べたいにゃ!」
4人が急に言い出すからちょっとびっくりした。
「うん…いいよ、あーん…」
私はそう言って順番に4人にかれーを食べさせていく。
そしてしばらくもぐもぐと食べているとだんだん顔が赤くなっていった。
「かっら!?!?なにこれ!?」
「けほけほっ…こ、これは…」
「ほ、ほんとに…食べ物ですか…!?これ!?」
「にゃにゃあ!?舌がぁ!?舌に火魔法かけられたみたいにゃぁ!?」
4人がなんだか苦しそうして水を飲んでいた。
大袈裟だなぁ思って私は残りのかれーを食べ終えた。
「失礼します」
ハナちゃんがノックをして職員室の扉を開けて私達は中に入る。
ここへはママにいろいろ問い詰めるためにきたのだ。
「あらあら、やっぱり来たんですね」
職員室に入った私達を見つけてママが遠くから声をかけた。
職員室は先生全員が集まってる部屋で、今も入ったときに数人の先生に見られたが、ママが声をかけると自分に用がないとわかり、作業やお話に戻った。
「当たり前です!おばさんなんで先生やるって教えてくれなかったの!?」
「こらこらハナちゃん、学校では先生って呼ばないとダメですよ?そうですね…リンちゃんの旅立つ姿を見たかったっていうのと、私もいろいろ考えていたんです…」
「ママ…?」
ママはいろいろ考えていたと言うと少し暗い顔をしたように感じて私は声をかけた。
「でも、やっぱりやってよかったと思いました。まぁみなさんにはもちろん、リンちゃんも顔見知りだからと評価を軽くしたりはしないので、よろしくお願いしますね」
そう言ってママはまたいつもの明るい笑顔に戻った。
「おやおや、ずいぶんと賑やかじゃな」
私達が話しているときに大きな男の人が近づいてきた。
そして私は条件反射的にハナちゃんの後ろに隠れてしまった。
「あ、学園長。すみません、騒がしくしてしまって」
「いえいえ、構まわんよ。いつも静かすぎるくらいなんだからたまには賑やかなのもいいものじゃ」
「みなさん、こちらこの学園の学園長先生です。入学式の時はちょっと外せない用があり来られませんでしたから初めてですよね」
学園長先生…おっきい…。
学園長先生は50代後半くらいの男性で、背筋もピンと立って、なんだか絵本とかに出てくるなんでも出来ちゃう執事さんを彷彿とさせる雰囲気があった。
そして、なぜか頭には角、後ろには尻尾がある。
「レプラコーン・ドラゴーネじゃ。親しみを込めてレプラ先生と呼んでくれ」
(ドラゴンだ…)
(ドラゴンね…)
(あの尻尾と角かっけー!)
(優しそうな人…でも初めて会うし…恥ずかしい…)
「おや、そこの隠れている君、まさか…」
「はい、私の娘です」
「おぉ、やはりそうかね。いやぁどこか面影のある顔をしていてね。そうか、レオンくんとリーネくんの子か。たしか入学式の試験も1位成績だったとか。これからが楽しみじゃな」
「ほら、リンちゃんご挨拶」
ママに言われて私は挨拶をしようと少しハナちゃんの横から顔を出した。
「こ、こんにちは…」
そしてまた隠れる。
「ほっほっほっ、人見知りはどちらに似たのやらな」
「学園長先生~お客様です~」
「うむ、今行く。それでは皆のもの、勉学に励むのじゃぞ」
そう言ってレプラ先生は奥の部屋へと向かって行った。
「みなさん、先生の角と尻尾については触れないでくださいね。本人は隠せているつもりですので。さぁ、みなさんも早く戻ってくださいね」
まだ聞きたいこともあるけど…たしかに職員室に長くいるのは申し訳ないので出ていくことにした。
「あ、リンちゃん」
私達が出て行こうとすると私が呼び止められ、ママが手招きしたので近くにいく。
「明後日はおやすみですので、ママとちょっと行ってほしいところがあるから、朝に校門の前に来てね」
「……?わかった…」
「はい、それじゃあリンちゃん。気をつけて帰ってくださいね。さようなら」
「先生…さようなら…」
私は1つお辞儀をして職員室を後にした。
そしてみんなで帰る用意をして寮へ向かう。
「それにしても…リンのママってあんなにすごかったのね」
「ほんとだぜ。あの魔法、式すら見えなかったんだけどどうやってんだ?」
「私も…驚いた」
みんなでママの話をしていると寮の分かれ道に着いた。
「それじゃあな、リン、ハナ」
「バイバイ、ゴウくん、クロくん」
私達は挨拶をしてそれぞれの寮に帰って行った。
その日の夜…。
私達は夕食のため食堂に来ていた。
「朝と…メニューが違う…」
札の前で私は再び料理がわからない問題に直面していた。
「それはそうよ、朝と夜では食べるものも量も違うでしょ?」
「トースト…もう1回…食べたかった…」
「そんなに気に入ったんですか…?」
メニューを見ていてよくわからない名前ばかりで私はまたしても悩んでいると急に後ろから抱きつかれた。
「きゃっ」
「リーンちゃん!何してるにゃー?」
抱きついてきたのはクレアちゃんだった。
「料理が…多くて…」
「なーんだ!じゃあ、クレアがおすすめの料理選んであげるにゃ!」
そう言ってクレアちゃんが札の前まで行きヒョイヒョイと札を取って私達にそれぞれ渡した。
「はい、これ!」
「なんで私達まで…」
「えっと…かれー?」
「私のはうどんです」
「私のはオムライスですね」
「私のはスパゲティね」
「「「……」」」
(((こいつ絶対適当に選んだな!?)))
「かれーってどんな料理…?」
「さぁ?」
(((おい!おすすめした本人!)))
「あまくち?とかからくち?って何…?」
「んー…あ、きっと美味しさにゃ!赤いほうがきっと美味しいんにゃ!」
「へぇ…」
「あ、リン!」
「何…?」
とりあえず私達は札を出してからハナちゃんの方を向いた。
「あ…あぁー…」
「……?」
ハナちゃんがもうどうしようもないような声を出していた。
そして料理がきてみんなで一緒に食べる。
(なんか…)
(あの色…)
(やばくない!?)
私が最後に机につくとみんなの視線が私のかれーに集まる。
「おぉ…すごい色にゃ」
「うん…真っ赤…」
私達の会話を聞いて他の3人が集まって小さい声で話を始めた。
「どうすんの?リンが辛いの大丈夫かなんて私わかんないんだけど?」
「そうは言われましても…さすがにあの色を見て料理を交換とは…」
「あんたリンの騎士なんだからちょっと頑張りなさいよ!」
「こんな時ばかり騎士を主張しないでください!毒味は騎士の仕事じゃありません!」
「お2人とも、もうこれはリンさんが辛いのに強いことを祈るしかないですよ。でも朝のあのジャムの反応を見ると…」
3人が忙しそうにしてるのを見てクレアちゃんがニヤァと笑った。
「それじゃあリンちゃん、あの3人は忙しそうだからクレア達は先に食べさせてもらうにゃ」
「うん…いただきます…」
そう言って私はスプーンを持ってかれーを食べ始めた。
「あ!リン!」
私がもぐもぐしている姿をまじまじと眺める4人。
「美味しい…!」
「「「「え!?」」」」
私の言葉に驚く4人。
「変わった味がするけど…ご飯とあっててすごく美味しい!」
私がぱくぱくと食べていく姿をみて、4人はごくっと唾を飲んだ。
(え?実はそんなに辛くない…?)
(むしろちょうどいい辛さで美味しいとかでしょうか…)
(気になります…あの色からまさかの美味しい発言が出るとは…どんな味なのか…)
(にゃにゃあ…ほんとに当たり引いちゃったのかにゃ?)
「リ、リン…よかったら私に1口くれないかしら?」
「わ、私も!」
「2人ともずるいです!よかったら私も!」
「クレアも食べたいにゃ!」
4人が急に言い出すからちょっとびっくりした。
「うん…いいよ、あーん…」
私はそう言って順番に4人にかれーを食べさせていく。
そしてしばらくもぐもぐと食べているとだんだん顔が赤くなっていった。
「かっら!?!?なにこれ!?」
「けほけほっ…こ、これは…」
「ほ、ほんとに…食べ物ですか…!?これ!?」
「にゃにゃあ!?舌がぁ!?舌に火魔法かけられたみたいにゃぁ!?」
4人がなんだか苦しそうして水を飲んでいた。
大袈裟だなぁ思って私は残りのかれーを食べ終えた。
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