婚約者は妹の御下がりでした?~妹に婚約破棄された田舎貴族の奇跡~

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その25

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結局、王子様は皇帝に許可を得ないまま、王家の遺跡を下ることになったのでした。もちろん、この遺跡は厳重に管理されているわけでして、侵入者が現れますと、すぐさま、皇帝の元に情報が寄せられるようになっていました。

「皇帝陛下。遺跡に侵入者あり、との情報がもたらされました!!!」

皇帝は、

「そうかそうか。随分と久しぶりだなあ」

と呑気に構えていました。

「どうせ、ネズミでも入ったんじゃないのか???」

「はい、私も最初はそう思っていたのですが、どうも、その足取りをたどりますと、例の封印場所へ向かっているようなのです……」

封印場所……これを聞いて、皇帝は目の色を変えました。

「その者たちは……封印場所に何があるのか、知っているのだろうか???そうだとしたら、早く止めないといけないな!!!」

「はい、その通りでございます!!!」

皇帝に仕える者たちも、焦り始めました。

「今すぐに封印場所を閉鎖するんだ!!!これ以上進めないように……ブロックしろ!!!」

皇帝の命令の元で、封印場所に通じる道が遮断され始めました。そして、その道を進んでいる2人は、一瞬狼狽えました。

「ひゃああああっ!!!道が塞がっている!!!」

中でも、王子様の震えは一際激しかったのです。

「王子様……この程度で驚いていてはいけませんよ。これくらいのこと、予想がついたでしょう???」

「そんなこと言ったって!!!」

王子様は完全に困惑していて、まともに話が噛みあいませんでした。

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