妹に婚約者を奪われたので、田舎暮らしを始めます

その10

「お止めなさい！！！！！」

ソフィアはとうとう、壁を打ち破って、この密会の現場に入ってしまった。その姿を見たストークスは、言葉を失い、マリーは、にこりと微笑んでいた。

「あら、お姉様？？？？？いらっしゃったのですか？？？？？」

マリーはそう言って、ソフィアを挑発した。

「マリー……あなたは自分が何をしているのか、分かっているのかしら？？？？？？」

ソフィアの問いかけに対して、マリーは、

「もちろんですとも。でも、これはストークス様が望んでいることなのですから……仕方ないじゃありませんか？？？？」

と答えた。

「ストークス様が望んだこと？？？？？そんなわけないでしょうが！！！！！！あなたが勝手に興味本位で、ストークス様を寝取ったのでしょう？？？？？」

「寝取ったですって？？？？？？とんでもない……」

マリーは鼻で笑った。

ソフィアは、続いて、この事態を未だに受け入れられないでいるストークスに、声をかけた。

「ストークス様……あなたは、私ではなく、マリーを愛しているのですか？？？？？？」

ストークスは答えなかった。

「ストークス様！！！！！！！！！！！！！」

ソフィアが大声で、ストークスを怒鳴りつけた。

「お姉様、おやめなさいよ。ストークス様が驚いているじゃありませんか……」

マリーは、ストークスの元に歩み寄って、その頬にキスをした。

「どうですか？？？？？これで、元通りになりましたか？？？？？？」

マリーが話しかけると、ストークスはやっと、

「ああ、大丈夫だ……」

と声を発したのだった……。