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嫌いなタイプ
02
しおりを挟む回想は以上だよ!
回想してる間に2人はヒートアップしちゃって、それはもう酷い喧嘩だったけど…。
「…おい。」
人が人を思いっきり殴る時ってあんな音がなるのね…怖い…。
「……おいアンタ。」
怖すぎて目も瞑ってたし、耳も塞いじゃってたよ…。
「おい!聞けや!」
「…!はい!すいません!」
な、何で怒ってんの怖い…!
この人顔が既に怖いのに!
「…いや、怖がらせるつもりはねぇよ…。怒鳴ってわりぃ…。」
「い、いえ、こちらこそすいません…。」
「アンタ大丈夫か?怪我とかねぇか?」
「あ、はい、大丈夫…です、はい、すいません…。」
自分の方が怪我してるのに、人の心配してる場合じゃないのでは?
いや、そこで気絶してる人の方が何倍も怪我してるけど…。
「ふは!アンタ謝ってばっかだな」
怖い顔の人でも、笑うと可愛いもんなんだなぁ…。
いや、それでも返り血だらけの姿は怖いんだけどね。
助けてくれたのは確かみたいだし、謝ってばっかいないでお礼を言うべきだよね、分かってる。
「あー、あの…その…」
「あ?」
はい無理、怖い怖すぎる助けて。
それっきり何も話せなくなり、俯きただ震えていると、ふぅ…と静かなため息が頭上から聞こえてきた。
「まーいいや、俺買い物あるし。気をつけて帰れな。」
そう言ってスーパーの入口へと向かっていく不良さんを見て、気を使わせてしまった罪悪感が出た。
せっかく助けてもらったのだから、人としてお礼は言うべき。
うん、助けてくれたんだもん、怖くない。
「あ、あぁああ、あの!」
「ん?」
立ち止まって振り返ってくれる不良さん。
「た、助けていただき…ありがとう、ござい、ます…。」
「おう!」
ちょっとはにかんで応えて、彼はスーパーへと消えていった。
不良なんて怖いだけだし、実際怖かったし、もう二度と関わりたくない人種だけど、中には良い不良もいることが知れて良かった、かな?
いや、もう本当に関わりたくはないから、どこかで彼と再会しても金輪際関わらないようにしますけどね!
下に落としていた買い物袋を拾い、私は自分の家へと帰った。
帰った後はお母さんに、さっきの出来事を熱く語って鬱陶しがられたのはまた別の話。
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