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第四章 二人の皇女編
皇女の敗北
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こういう時、家臣というものは二種類に分かれるらしい。
身を呈して主人を守ろうとする者。
主人を守るふりをして何もしない者。
少なくとも彼女の家臣たちは後者で、私のそれは前者だった。
サラは虎ほどもある猫の尾を噛み締めながら、それでも上機嫌だった。
侍女たちの部屋から続く扉が、「サラー―――っ!」なんて威勢のいい……いや、あまりにも心配であせった末の叫び声が聞こえてきたから。
それはアイラのもので、扉を破壊しようとするような破壊音はなんだろうと考えたら、多分、彼女の剣か何かだろうと思い至る。
エイルの声が無い事に一抹の不安を覚えたが、姉はこの部屋に入るための増援を、妹は実力行使に分かれたのだろう。
それぞれの役割分担が出来ていて、良いことではあった。
さっさと扉を開けて入って来て欲しいのに、一向に誰もやってこないのはこの十数秒の間、サラに不安をもたらせた。
――扉なんて、いくらでも開けられるでしょうに。
苛立つも、昨夜レベッカと名乗ったあの獣人の侍女から、扉の鍵を貰ったことを思い出す。もしかしたら、あれは侍女たちに届いていないのかもしれない。
密室での孤軍奮闘がまだ続くと思われた矢先。
ティナがどうにか尾を取り返そうと画策し、その全身を跳躍させようと身構えようとした時だった。
さきほどと同じような黒く賑やかな足音が室内に再び響き渡ったのは。
数十人、数百――いや、数千はいるかもしれない、謎の軍靴の兵士たち。ドカドカと空間を踏み分け、世界の夜明 けを知らす太陽を覆い隠すようにして、空間はそこに大きく顎を開く。
墨色の世界に目を奪われたサラが、それに目を奪われてしまい気を緩めたほんの一瞬。
ティナはそれを見逃すことはせず、毛布の下から四つん這いになりさすが猫の獣人と言わせるほどに高く、天井付近まで跳躍する。
思わずぽろりとこぼした尾はしゅるしゅると主人の元まで引き戻され、
「あっ!?」
と、サラが慌てて奪い返そうとしても遅かった。
唯一の弱点にして宝物を取り戻したティナは野生の虎より恐ろしかったかもしれない。
天井を背にして爛々と光る眼には獰猛な復讐の光をたたえ、猫耳族の皇女は踏みにじられた威厳を取り戻し、侮辱を働いた人間風情を八つ裂きにしようと牙を剥きだしにサラへと飛び掛かろうとする。
人の数倍はあるだろう握力を秘めたその手がサラの細首を掴み、伸びた爪先とともに握り込もうとしたが――。
「みぎゃっ!」
喉元へと鋭い鋭利な何かを感じ、この世の終わりを予見してサラは思わず目を瞑る。
心の中でしくじったことへの後悔と、侍女たちや空師たちへの詫びを唱えたら、なぜかそれはやってこなかった。
と、聞こえたのはどこか愚かしい……猫が踏みつぶされたようなくぐもった声と、ドサっという間抜けな物音。
恐る恐る目を開けると、そこには自分の足元に手足を投げ出して倒れこむ――真紅の大海……もとい、皇女ティナだった。
「……え?」
「間に――合い、ましたか……」
「アリ、ズン様……?」
意識が混濁してまさしく伸びている猫と、それを叩き堕としたのは狼だったらしい。
後ろに十数人のお供を引き連れ、しかし、まっさきに穴から飛び出してきてくれたのは、アリズンだったようだ。
「ええ、アリズンです。サラ様」
「……」
内輪での遊びや余興ではないのか。
思わずそう考えてしまったサラは口ごもる。
いざというときのためにと、無意識にかその手にティナの尾をぐるぐると巻き付けていた自分がいるのを知ったのは、それ、とアリズンに目で示されてからだ。
「どうか――従姉妹の不始末をお許しください、殿下。それをお手から離して頂けませんか……大事なものですから」
「それ?」
「ええ、従姉の尾を――ですね……。お気に召したなら、あとから断つなりなんなりとさせますから……」
「後から、できるのですか、それ。してはいけないことなのでは……?」
「また生えてきますから、たまには良いのです」
平然としてそう言われたら、素直に手放すしかない。
しかし、また生えてくるというのも、驚きでさすが獣と人のより優れた存在というべきか……。
「要りません、こんなもの。冬を越す役にも立ちませんから……」
とりあえず、我が身の安全を確認すると、寝起きに起こされた不快感がよみがえったのか、サラは手にしたティナのそれをぽいっ、と床に向けて捨てやる。
「無礼なっ」
などと主人を守ろうともせずにただ見ていただけの、ティナの家臣たちから文句の声があがるが、そんなことサラが気に留める必要もない。
口先だけの彼らはアリズンに睨まれると、ただ押し黙ってしまう。
「こんなもの、と言ってやらないでくださいませ、サラ様。また生やした日には同じ年数が必要となるのですから」
「ああ……ここまで伸ばすのに、ということですか」
一年とか、それくらいで戻る訳ではなかったのね。
アリズンはそうですね、とうなずく。
それを見るとさすが獣人、と心のどこかで褒め称えていたのが馬鹿馬鹿しくなり、サラは改めてティナの尾の毛先をそっとつまんでみた。
柔らかい。
それに皇族だからなのかそれとも、手入れが良いからなのか。
まあ、高級素材といっていいほどの温もりと手触りの良さがあった。
「……そう。頂けるなら、今のうちに刈り取ろうかしら」
「サラ様……それをなさると、従姉は生涯、サラ様を恨むでしょうね」
「でも、頂けると。後から……」
「それは――このアリズンが手ずからそうしようと考えていただけのことですから。もしくは皇帝陛下に奏上して、この珍事を治める方法にしようか、と」
「ああ、そうですか。もう、終わりならば、私の侍女たちを入れていただきたいのですが。その扉、開かないようなので」
改めて自分の姿を見下ろして男性の目線が気になり、毛布を胸元まで引き上げたサラは、アリズンの後ろを指さした。
身を呈して主人を守ろうとする者。
主人を守るふりをして何もしない者。
少なくとも彼女の家臣たちは後者で、私のそれは前者だった。
サラは虎ほどもある猫の尾を噛み締めながら、それでも上機嫌だった。
侍女たちの部屋から続く扉が、「サラー―――っ!」なんて威勢のいい……いや、あまりにも心配であせった末の叫び声が聞こえてきたから。
それはアイラのもので、扉を破壊しようとするような破壊音はなんだろうと考えたら、多分、彼女の剣か何かだろうと思い至る。
エイルの声が無い事に一抹の不安を覚えたが、姉はこの部屋に入るための増援を、妹は実力行使に分かれたのだろう。
それぞれの役割分担が出来ていて、良いことではあった。
さっさと扉を開けて入って来て欲しいのに、一向に誰もやってこないのはこの十数秒の間、サラに不安をもたらせた。
――扉なんて、いくらでも開けられるでしょうに。
苛立つも、昨夜レベッカと名乗ったあの獣人の侍女から、扉の鍵を貰ったことを思い出す。もしかしたら、あれは侍女たちに届いていないのかもしれない。
密室での孤軍奮闘がまだ続くと思われた矢先。
ティナがどうにか尾を取り返そうと画策し、その全身を跳躍させようと身構えようとした時だった。
さきほどと同じような黒く賑やかな足音が室内に再び響き渡ったのは。
数十人、数百――いや、数千はいるかもしれない、謎の軍靴の兵士たち。ドカドカと空間を踏み分け、世界の夜明 けを知らす太陽を覆い隠すようにして、空間はそこに大きく顎を開く。
墨色の世界に目を奪われたサラが、それに目を奪われてしまい気を緩めたほんの一瞬。
ティナはそれを見逃すことはせず、毛布の下から四つん這いになりさすが猫の獣人と言わせるほどに高く、天井付近まで跳躍する。
思わずぽろりとこぼした尾はしゅるしゅると主人の元まで引き戻され、
「あっ!?」
と、サラが慌てて奪い返そうとしても遅かった。
唯一の弱点にして宝物を取り戻したティナは野生の虎より恐ろしかったかもしれない。
天井を背にして爛々と光る眼には獰猛な復讐の光をたたえ、猫耳族の皇女は踏みにじられた威厳を取り戻し、侮辱を働いた人間風情を八つ裂きにしようと牙を剥きだしにサラへと飛び掛かろうとする。
人の数倍はあるだろう握力を秘めたその手がサラの細首を掴み、伸びた爪先とともに握り込もうとしたが――。
「みぎゃっ!」
喉元へと鋭い鋭利な何かを感じ、この世の終わりを予見してサラは思わず目を瞑る。
心の中でしくじったことへの後悔と、侍女たちや空師たちへの詫びを唱えたら、なぜかそれはやってこなかった。
と、聞こえたのはどこか愚かしい……猫が踏みつぶされたようなくぐもった声と、ドサっという間抜けな物音。
恐る恐る目を開けると、そこには自分の足元に手足を投げ出して倒れこむ――真紅の大海……もとい、皇女ティナだった。
「……え?」
「間に――合い、ましたか……」
「アリ、ズン様……?」
意識が混濁してまさしく伸びている猫と、それを叩き堕としたのは狼だったらしい。
後ろに十数人のお供を引き連れ、しかし、まっさきに穴から飛び出してきてくれたのは、アリズンだったようだ。
「ええ、アリズンです。サラ様」
「……」
内輪での遊びや余興ではないのか。
思わずそう考えてしまったサラは口ごもる。
いざというときのためにと、無意識にかその手にティナの尾をぐるぐると巻き付けていた自分がいるのを知ったのは、それ、とアリズンに目で示されてからだ。
「どうか――従姉妹の不始末をお許しください、殿下。それをお手から離して頂けませんか……大事なものですから」
「それ?」
「ええ、従姉の尾を――ですね……。お気に召したなら、あとから断つなりなんなりとさせますから……」
「後から、できるのですか、それ。してはいけないことなのでは……?」
「また生えてきますから、たまには良いのです」
平然としてそう言われたら、素直に手放すしかない。
しかし、また生えてくるというのも、驚きでさすが獣と人のより優れた存在というべきか……。
「要りません、こんなもの。冬を越す役にも立ちませんから……」
とりあえず、我が身の安全を確認すると、寝起きに起こされた不快感がよみがえったのか、サラは手にしたティナのそれをぽいっ、と床に向けて捨てやる。
「無礼なっ」
などと主人を守ろうともせずにただ見ていただけの、ティナの家臣たちから文句の声があがるが、そんなことサラが気に留める必要もない。
口先だけの彼らはアリズンに睨まれると、ただ押し黙ってしまう。
「こんなもの、と言ってやらないでくださいませ、サラ様。また生やした日には同じ年数が必要となるのですから」
「ああ……ここまで伸ばすのに、ということですか」
一年とか、それくらいで戻る訳ではなかったのね。
アリズンはそうですね、とうなずく。
それを見るとさすが獣人、と心のどこかで褒め称えていたのが馬鹿馬鹿しくなり、サラは改めてティナの尾の毛先をそっとつまんでみた。
柔らかい。
それに皇族だからなのかそれとも、手入れが良いからなのか。
まあ、高級素材といっていいほどの温もりと手触りの良さがあった。
「……そう。頂けるなら、今のうちに刈り取ろうかしら」
「サラ様……それをなさると、従姉は生涯、サラ様を恨むでしょうね」
「でも、頂けると。後から……」
「それは――このアリズンが手ずからそうしようと考えていただけのことですから。もしくは皇帝陛下に奏上して、この珍事を治める方法にしようか、と」
「ああ、そうですか。もう、終わりならば、私の侍女たちを入れていただきたいのですが。その扉、開かないようなので」
改めて自分の姿を見下ろして男性の目線が気になり、毛布を胸元まで引き上げたサラは、アリズンの後ろを指さした。
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