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大学生のおけいこ

34 サキさんの影

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 ジーンズに着替えてサーキットを後にした。

 ソノダには、もし使ってもらえるなら連絡くださいと言っておいた。どうせダメだろうという予想が半分。父がああ言ってしまった以上、もうあり得ないだろうと。忖度無用。そう父は言ったが、もしかするとスミレに事故られてケガでもされては取り返しが・・・。などと別の方向への配慮をされてしまうかも。

 だから電話などしたくなかったのだ!

 でも・・・。

 あの電話の父の言葉はあまりにも意外過ぎて戸惑う。

 サキさんから、

「御父上は心配していた」

「御父上は感激して涙声になっていた」

 そんなことを聞いてはいたけれど、自分の身を案ずる言葉、自分のしたいこと、意思を肯定する言葉を聞くとはまったくの予想外だった。父も老いたのだろうか。なにかの心境の変化があったのか。それとも、元々はあのように優しい人だったのか。

 そんなことを考えつつ赤い馬を走らせていたらLINE通話の呼び出し音が鳴った。

 レイコさんだった。

「テスト、どうだった?」

「タイムはまあまあだったんですが、たぶん、ダメだとおもいます」

「どうしたのよ。いつものあなたらしくもない」

「ハハ・・・。そうですかね」

「今、自分の部屋?」

「帰ってるとこです」

「そう・・・。ま、ゆっくりお風呂にでも浸かって心機一転で頑張りなさい。じゃあね」

 それで通話は切れた。

 なんだか不思議な気持ちがした。

 会話の内容はこれといっておかしくはない。だが、レイコさんがスミレの車やレースの関係で声をかけてくれたことなどなかったのだ。たったそれだけのためにわざわざ電話をして来たというのが、そもそもそこはかとない違和感として残った。

 だが、マンションの石段にハーフコートを着た男が座っているのを発見し、そんな違和感は吹き飛んだ。

「やべェな。桃太郎してやった誰かがお礼参りに来たんだろうか」

 が、それは早とちり過ぎた。車が石段に近づくにつれ、その姿は今スミレが一番会いたい男の影になったからだ。

「サキさん!」

 よお。

 そんな風に片手をあげて、彼は応えた。
 


 すぐに部屋に上げた。そしてひとまず、キス。その冷たい唇に触れ合うだけで、震えが来る。端正な顔の瞳に少し憂いがある。疲れもみえる。

 でも、気になる。

 スミレは、彼の女だから。だからだ。

「合鍵持ってるのに。入って待っててくれればよかったのに」

「スイートに置いてあるんだ。駅から直行してきたからな」

 そんなにわたしに会いたかったの?

 そう言いかけた。

 何かのついでではなく、必然で。自分に会いたくて来てくれたと思いたかった。そんな希望的観測がつい頭を擡げてくる。

 彼のコートとジャケットを受け取り、ハンガーにかけて壁に吊るす。

「お腹は?」

「いや、いい。どうせマトモな食い物出てこないだろ」

 この言い方・・・。

 彼はダイニングの椅子に腰を下ろし、じっとスミレを見つめている。

 胸が熱くなる。最後に会ってから、もう2週間にはなろうとしていた。急にどうしたんだろう。訊きたいけれど、訊けない。

「コーヒーが、欲しいな。あ、待て・・・」

 手をグイと掴まれる。

「ここにおいで」

 彼の膝の上にチョコンと乗る。少し、彼を見下ろし気味になる。自然に彼の冷たい頬を包む。胸が鳴る。キュンキュン鳴る。彼が、欲しくなる。また、キスしてしまう。彼の首に抱き着いてしまう。抱きしめて、頬ずりして、髪を掻きむしってしまう。そして、言ってしまう。

「・・・会いたかったよォ」

「ふふっ・・・」

「どうしてそこで、ボクもだよって言ってくれないかな」

「・・・テスト、どうだった。今日タイム測ったんだろ」

 せっかく膨らんだ胸がちょっと凹む。

「タイムは、よかったと思う。だけど・・・」

「だけど、なんだ。・・・車壊したとか」

 かちん、ときた。

「壊すわけないでしょ!」

 で、つい、怒鳴ってしまった。

 が、サキさんはニヤニヤ笑ってばかりいた。

「お前は怒った顔が一番きれいだな。・・・やっぱり、コーヒーが欲しい。それと、風呂に入りたい」

 体よく掌の上で転がされ、くそ忌々しくなる。だけど従ってしまう。つくづく彼に惚れ切っている自分が恨めしい。

 バスタブに湯を張ってダイニングに戻ると、彼はコーヒーカップ片手にボンヤリしている。よほど疲れたのか、何かがあったのか。

 どうも、おかしい。いつものサキさんらしくない。

 言いたければ自分から言うし、言いたくないことは一切喋らない。彼はそういう男だ。この2年間でそれを十分に知らされた。だから黙っている。

「夕べ、見てたろ。僕とサクラのプレイ」

 サキさんは急にそんなことを言い出した。

 スミレが事務所に泊まったことはレイコさんから聞いたのだろう。

「・・・どう思った?」

「何が、ですか・・・」

「サクラだ。見たんだろ?」

「き、れい、でした・・・」

 嫉妬に狂いそうだったことは、死んでも言いたくなかった。

「それだけ? ヤキモチ妬いて狂っちゃったんじゃないか? んん?」

 くそ・・・。憎たらしいっ!

 思わず唇を噛んだ。

 するとサキさんはスミレを見つめてまたもまったく関係ないことを言い出した。

「あのな、スミレ。あらためて訊くが、僕やチームのことを誰にも話してはいないだろうな」

「え? ・・・話してませんけど」

「なら、いい。風呂に行くぞ」

 二人して裸になり、シャワーを浴びせ合って、自分の身体にソープを塗り付け、浴槽の縁に腰かけたサキさんの身体に滑らせる。

「キスしてもいい?」

「いいよ」

 時折彼と舌を絡ませあいながら、身体で彼を洗う。彼のは特に念入りに。すると彼のが熱を帯び、硬くなってくる。スミレに確認して安心したからだろうか。こいつなら信じられると思ってくれたからだろうか。だとしたら、やっぱり何かがあったのだ。でも彼が話し出さないことは、訊かない。尋ねない。訊きたくて、たまらないけど。

「お前のも洗ってやる。向こうを向いて」

「・・・はい」

 これも言うとおりに彼に背中を向ける。

 サキさんの指が。足首から爪を立てながら徐々に上にあがってゆく。膝の裏をくすぐりながら内股を這い、股間のピアスをイタズラする。

「気持ちいいか」

「・・・はい・・・」

 指は背中を、体中をぞわぞわと這いまわる。微弱な電流が股間の期待を高め、イヤでも意識がそこに集まる。それなのに、そこだけをその核とヴァギナを避け、尻を円を描くように指が回る。たまらずに、声が出る。

「あは、・・・ん、は、・・・う」

「どうした」

「・・・感じちゃう・・・」

「そうか。・・・お、濡れてきた。外からわかるぞ。濡れて光ってる」

「いや・・・」

「やめる?」

「やめないで、下さい・・・。もっと、触って・・・」

 指がスッと引かれる。

「ああーん、もっと・・・」

「もっと、どうしてほしいんだ」

 身体が震える。カチチ、ピアスが鳴る。一瞬だけ指がそこに触れる。

「あっ!・・・」

「まださっきの僕の質問に答えてない。キレイだった。それだけか。お前、素直じゃないな。ヤキモチ妬いたろ。嫉妬したんだろ、サクラに。正直に言え」

「・・・イヤです」

「ほう・・・。逆らうのか」

 クリトリスが転がされ、ヴァギナに指が這入りこむ。

「はあうっ!・・・うあ、ああっう、ぐうっ!・・・ああ・・・」

 そしてまたすぐ、指はいなくなる。

「お願い・・・。触ってください・・」

「正直に言わないからだ」

「だって・・・、惨めになるもん」

「惨めにしたいんだ。言えよ。嫉妬したんだろ? サクラに」

「・・・はい」

「嫉妬して、どうした。自分でイジったのか。それともあのヤンとかいうお兄ちゃんに可愛がってもらったのか。部外者を入れるなと言ったろう」

「入れてません。事務所には、誰も」

 ふ~む。というように彼は沈黙した。そして、

「そうか。じゃ、ベッドでかわいがってやる」

 ベッドルームに連れていかれた。

 ベッドに寝かされ、サキさんのを深く迎え入れたくてたまらなくなる。自然に手が彼のに伸びてしまう。もう、カチカチ・・・。

「スケベな女だな、だんだん酷くなる。どうすんだ、そんなにスケベになって・・・んん?」

 また、そこをグリグリされる。親指がクリトリスをゆっくりこね回し、たぶん中指がヴァギナの上の壁、微妙な部分をコリコリひっかいている。

「はあああんっ!・・・もう、許して、・・・ください。サキさんの、・・・」

 電流が走る。身体が、膝が震える。股間をまさぐる彼の指と彼の顔。イヤらしさに気が遠くなりそうになる。この隠微な時を、ずっと待っていた。

「何言ってるかわからん。指だけでいいのか」

「イヤですっ! 絶対、イヤッ!」

「贅沢なヤツだな。感じるんだろ? もう、ぐっちょぐちょにしやがって!」

「これだけじゃ、ヤですぅっ! サキさんの、・・・」

「ん?」

「サキさんの、入れてほしいですぅ、ああん!」

 ぐにゅるん。

 ヴァギナの中の襞々が一枚一枚順にめくられるように、彼の肉を感じる。

「いいのか・・・ん?」

「ああ・・・。いいん、ビンビンくるゥ・・・とろけるゥ・・・ん、ああっ! あ、あ、・・・」

「すっかり、Mに染まったなあ、お前・・・」

 彼の腰がゆっくりと動く。たまらない幸福感に満たされる。二週間ぶりの、極上の快楽。もう、サキさんなしでは・・・。そう言う思いでいっぱいになる。

「こうなったの、はあん・・・、サキさんの、せいん・・・」

「また僕のせいにする! 許せん。こうしてやる」

 奥をズンズン突かれ、たまらずにまた絶頂。スミレもまた、サキさんの操縦法を覚えつつあった。

「ああんっ、もっと! もっと、突いて、ああんっ! あ、また、また、あ、あ、いっくうっ・・・! んんんんっ!」

 何度も連続でエクスタシーを迎え、弛緩のあと、大きく息を吸い込み、はああああああーと声が震える。体中がピクピク震えているから、どうにもならない。たまらずに彼の背中をかき抱く。長い両足をも絡めようとするが、しびれすぎてまるで力が入らない。テストが終わった後でよかったとスミレは思う。

 今、この快楽のためにスミレは生きている。

 去年受験勉強のむしゃくしゃを見かねたサキさんに剃毛され、ピアシングされてから、完全に彼に洗脳され、彼に抱かれるたびに、彼の女になった幸せを実感する。彼の口を吸い、舌を絡め、唾液を交換し合う。それでまた情念に火がつく。

「激しいなあ。だんだん激しくなる。どこまで行くんだ、お前は・・・」

「だから、サキさんのせい♡」

「また言う。お前がスケベすぎるんだ。僕はそれに付き合ってやってるだけだって・・・」

 ところが。

 いつもならスミレが気を失うほどに突きまくってくる彼が、彼の顔が、先刻ダイニングでコーヒーカップを手にしていた時の顔になる。

 何か気に病むことがあるのか。

 彼の悪魔的なものを股間に呑んだまま、ときおり彼の顔を見上げながら、スミレはサキさんとの一体感を感じ続ける。

 彼の手が、優しくスミレの髪を撫でる。

「気になるのか」

「ん?」

「お前の顔にかいてある。『どうしたの』って」

 彼の肩にキスしながら、スミレは頷く。

「あん・・・、だって、さっき、怖い顔してたもん。どうせ訊いたって教えてくれないじゃん」

「・・・お前にこんなこと言うのは初めてだな」

「教えてくれるの? 『どうしたの』か」

「それなら、お前から言えよ。どうしたんだ・・・。ホラ。車壊したのか」

「だから壊してないって。・・・。父の事」

「うん・・・」

「二年ぶりに、電話したの。なんか、変な感じだった。叱られるかと思ったら、身体の心配ばかりされた」

「父親ってのはそんなもんだ」

「サキさんのお父さんも、そんな感じだったの?」

「・・・さあな。忘れたよ」

 そう言ってスミレの耳たぶを噛んだ。首をすくめながら、再び彼のを締め付けて遊ぶ。

「サキさんは? どうしたの」

 彼の瞳がギラリと光る。

 スミレの脚を抱え、さらに奥深く突き入れようとする。でも、表情が曇ったままだ。どんなふうに話そうかを思案しているのだろう。

「あんっ!、それっ、スゴッ! あ、」

 彼のものが今までになくスミレの奥をズコズコ突いてくる。

「お前は、他のスレイヴとは違う。だから、お前だけに話す。これは、レイコにもミタライさんにも話していないことだ」

 冷厳で冷徹でクール。その彼の瞳がさらに厳しくスミレを刺した。その瞳に射抜かれて、ジーンときた。それほどまでに自分を信用してくれているのかと。

 そう思ったら、すぐに絶頂がやって来た。

「あんっ、イキそ、あ、イッちゃうっ! ・・・んんんんんっ!」

 ガクガクとビクビク。真っ白・・・。

 絶頂から覚め、ハッとして再び彼にしがみついた。

 彼の深い瞳がジッとスミレを見下ろしていた。

「僕は、僕のチームの事しか知らない」

 彼は、まだ衰えていないものをスミレの中に深く刺したまま、話し始めた。まだ息が荒かったが、彼の続く言葉を待った。

「だが、他にもいくつか同じようなチームがこの国のどこかで動いているのは知っている。顔も名前も、日本人かそうでないかも含めて、誰がそうなのかは全く知らない」

 スミレは彼の掌に手を添えた。

「だからどんなチームがどんな活動をしているのかも知らない。だけど時には一つのミッションをそれぞれ違う方向から行うこともある。多くの場合、それは事前にはわからない。直前になって、ああ、あれは別のチームだ。そんな風に知れる。ここまでは、いいか?」

 スミレは頷く。

「昨日、その同じようなチームの一つが、ミッション中に、消えた」

 彼は人差し指を空中でスッと横に滑らし、居なくなったというジェスチャーをした。

「それは同じミッションをしていればわかるものだ。当然僕はすべての行動を中止して撤退した。行動中に不測の事態や異変が起こったら、必ず一度その場から離れる。これは行動するときの鉄則なんだ。それまでの準備もすべてパー。それでも、そのままミッションを続行するリスクを考えれば得策なんだ」

 相変わらず彼の話は抽象的すぎて全く意味がわからない。が、まだ話の本筋ではないのだろうからと黙って聞いていた。

「しかし、一つのチームがミッション中に丸ごと消えるなんてことは前代未聞だ。みんな逮捕されたのか・・・あるいは、消されたか」

「消された・・・?」

 彼は頷いた。

「この国の、警察か公安か。どこかの国の諜報員か・・・。真相はそのうちわかる。で、問題は、僕が疑われたことなんだ」

 そこでサキさんはため息を一つついた。

「動機なんか何もない。どこの馬の骨か知らない奴らが生きようが死のうが、僕にはどうでもいい。あなたが僕を殺したいのなら好きにすればいい・・・。

 疑り深い雇い主にはそう言ってやった。何故か、それで彼は僕を信用したたらしい。だけど必ずやったヤツを突き止めろと。絶対に許さんと。そう言われた。彼は、かなり怒っている」


 

 去年の一月、新しい大統領の就任式があった。

 前の年の秋にサキさんが予言したように、宣誓するミスタープレジデントのすぐ後ろにマフラーを巻いたどっかのジジイが立っていた。

 サキさんのスイートで、その映像を観た。

 この人が世界の半分を動かしている人か、と。

 それから一年と少しが過ぎた。

 今ではサキさんの言葉を疑うようなことはなくなった。

 彼の雇い主のことはスミレの父も知っているという。知っているどころか、密かに恐れてもいる、とサキさんから聞いていた。

 その雇い主が「絶対に許さん」と怒っている。

 

「『彼が怒ってる』っていうのは、良くないことだよね」

「良くないどころか、最悪だな。多分、多かれ少なかれ、誰かの血が流れるだろうな」

「サキさんは、それをいいことだと思ってるの?」

 サキさんという男をマスターとして仰ぐ以上、いつかは発しなければならない質問だった。その質問に、彼は幾分冷笑気味に応えた。

「いい悪いなんて・・・。くだらない」

 と彼は言った。

「僕にはそれしか選べないんだから。僕はこの国から一歩も外へ出られない。彼が生きている限りはね。従うか、死ぬか・・・。それしかないんだ」

「・・・どうして、そうなっちゃったの?」

 彼の瞳が曇った。

 スマートフォンが鳴る。

 サキさんとの貴重なひと時を邪魔されたくはなかった。だが、仕方なく出る。

 電話はソノダからだった。

「スミレ。今から俺の事務所に来れるか。なんか・・・、エラいことになってるぞ」

 サキさんはスミレの耳元でウィスパーしてくる。

「行ってこいよ。お前が自分の力で成し遂げたことだ。僕の金を一切使わず、僕の力を一切借りずに作った繋がりだ。そういうのは、大切にした方がいい」

「チョット、お待ちください」

 そういって上掛けの中にスマートフォンを押し込み、サキさんにキスした。

「でも・・・。わたし、サキさんといたい。朝まで、ずっとこうしてたい・・・」

「しょうがないスケベ娘だな、お前は。もう一回イカしてやるから、とにかく行くと言え」

 スミレは唇をかんだ。鼻をスンと鳴らしてサキさんを睨んだ。スマートフォンを取り出し、今から行きますと答え、サキさんに抱きついた。

「して。いますぐ。もっとズコズコしてああんっ!」

「条件がある」

「えー?」

「今晩から一週間、事務所に泊れ」

 と、彼は言った。

「ただし、レイコやミタライさんやイワイには絶対何も言うな。一切連絡するな。お前のスマホは僕が預かる。車も。そして一週間この部屋には戻るな。大学へは事務所から通え。大学の友達と連絡したければ公衆電話を使え」

「ええーっ? ・・・無理」

「何が無理だ。わがまま言うな。これは命令だ!」

「だって・・・」

 駄々をこねていると、股間の彼のものがものすごい勢いで奥を突きまくってきた。

「あ、ああーんっ! ・・・んだめっ! そこダメああんっ!」

「だってもくそもない。言うこと聞け。聞かないと、もう二度とこれ挿入れてやらないぞ」

「ああーん、それは、は、やあーんっ! あ、ああっ、奥ッ!・・・奥いいっ」

「僕の目を見ろ。見るんだっ!」

「ああっ!・・・スゴっ!いいっ・・・奥、い、・・・ああっ!・・んぐあ、んぐ、んぐうっ!・・・」

 彼の悪魔的なもので奥を、口で舌を、目で脳を犯される。そんな感じ。

 キスされたまま、奥を突かれたまま、何度も連続して真っ白が閃光になる。

「目を閉じるなっ! いいな。わかったなっ! 返事っ!」

「わかっ、ああっ!・・・わ、かあっ・・・んんんんん、んああ・・・わかり、ましたああんっ!」
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