君を愛する事は無いと言われて私もですと返した結果、逆ギレされて即離婚に至りました

富士山のぼり

文字の大きさ
1 / 1

君を愛する事は無いと言われて私もですと返した結果、逆ギレされて即離婚に至りました

しおりを挟む
「最初に言っておこう。リリアーヌ、君を愛する事は無い」

「……」


 正式に夫婦となって夫の屋敷に足を踏み入れてまもなく、私はそう言われた。
 実家の男爵家から連れて来た侍女のクロエが丁度退出した途端での一言だった。
 多分聞こえているのではないだろうか。
 恋愛小説でよくある、卒業式とかの衆目を集める席で婚約破棄を食らうよりはまだマシか。
 人生の重大事なのに私は冷静にそんな事を思った。


(それにしてもねぇ……)


 よほど相手を見下してない限り新婚でこんな事は宣言しないだろう、普通は。
 つまり私の夫となったマルタンは決して普通ではない。もちろん悪い意味で。
 それとも成り上がり男爵家の娘と結婚してやる名門上級貴族の嫡男のプライドなのだろうか。
 私は胸元に携えているお守りに触れて精神の安定を図った。


「もう一度言う。君を愛する事は無い。
私達の婚姻はお互いの親同士が決めた事だ。気持ちまで君に寄り添うつもりは無い」


 君は私の好みでは無いしな。
 そんな余計な一言が最後に添えられた。

 愛さないだの寄り添わないだの一方的な上から目線での物言いが癇に障る。
 確かに彼の言った通り今回の婚姻はお互いの父が勝手に決めたものだった。
 逆に言えば意に沿わない婚姻はお互い様である。
 そういうわけで相互主義の原則に基づいて私も言い返す事にした。


「私もです。ある意味、気が合いますね」

「……何?」

(ん?)


 私の返答に夫はなぜか意外そうな表情を浮かべた。
 私の方が意外だ。
 どうやら名門侯爵令息で美男子の自分に女性は皆惚れるものだと思っているらしい。

 思い違いも甚だしい。
 私自身の容姿は貴族令嬢として特別優れたものではない。
 しかし、こちらにだって好みというものがある。
 ハッキリ言えば夫は私の許容範囲から大きく外れている。


「君は私に興味は無いのか?」


 何故そんな事を聞くのだろうか? 
 自分も今言ったではないか。この婚姻は自分の意志で決められたものではないと。
 なのになぜ私の方だけは夫に愛情があると思っていたのだろうか。
 異性にモテると自覚している一部の人間だけが持つ過剰な自惚れに私は呆れた。

 そもそも寄り添う気持ちが無いとしても仮にも私は妻になったのだ。
 女性は男性の従属物ではない。対等なパートナーだ。
 そして、どんな女性だっていきなり一方的に傷つく事を言われたら百年の恋も冷める。
 取りあえず勘違いを正す為の言葉を口にする。


「勿論です。全く愛情はありません。それこそも」

「そ、そうか……」


 どうやら私自身が喜んで婚姻したという誤解は解けた様だ。
 少しスッキリしたけど夫は逆だったらしい。


「……参考までに聞いておきたいな。君は私のどこが気に食わないというのかな」

「どこがと言われましても……」

「怒らないから言って欲しい」

(どう答えるべきかしら)


 余裕を持って聞いているつもりなのだろうが夫の手が微かに震えている。
 恵まれた育ちでプライドも高く女性に袖を分けられた経験は初めてなのかもしれない。
 確かに夫は在学中、王太子殿下と並んでその美貌を称えられていた。
 尤も殿下と違ってそれ以外に褒められるのを聞いた事は無かったけれども。


(うーん……今回は向こうから理由を聞いて来たのだし、言ってもいいか)

 
 そう判断して私は自分の毒舌砲を控えめに発射する事にした。


「では言います。私の知っている範囲で全てが嫌いです」

「馬鹿な! 何故だっ!?」

「いや、ですから馬鹿なとか言われても……」

「詳しく言え!」


 あれ? 参考までに聞きたいだけじゃなかったの?
 怒らないと言っていたのにいきなり怒っているんですが。


「……詳しく、ですか?」

「そうだ! 正直に言え!」


 どうも本音を言わなければ許さないといった感じだ。
 そこまで言われたのならしょうがない。
 夫の求めに応じて私は思いつく順に嫌いな理由を話す事にした。


「まず、婚姻したばかりの妻に面と向かっていきなり愛する事は無いなどと……。
そんな事を宣言する人格が堪らなく嫌ですわ」


 いきなり人格否定してしまったが事実なので仕方ない。
 始めの一言を吐き出したら立て板に水のごとくすらすらと出てきてしまう。
 女性は皆自分に惚れると思っているその馬鹿で厚かましい思考が嫌だ。
 好みでないなどと言ったがこちらにも好みがあるとは思わないのですか、等々。
 もちろん多少表現のオブラートに包んで。


(こんな簡単な事に思い至らないなんて人として思考過程に重大な欠陥があるのではないですか?)


 この一言は言うのを止める。


「あと、長髪も嫌いです」


 夫は女性顔負けのつやつやと手入れの行き届いた長髪を後ろで結んでいる。
 唇もぷるぷる艶々していて肌の手入れも抜かりない。


「男性なのに驚くほど長髪で後ろ髪を結っている所が気持ち悪いです。
そんな髪で男子必須の剣がまともに使えるのですか?」


 もちろんどんな格好をしようと個人の自由だ。そこに文句をつける気はない。
 しかし、私は背景に薔薇が出て来る感じの人より爽やかな汗が似合う男性の方が好きなのだ。
 単純に私の好みの問題である。
 女性と見紛う様な中性的な美青年タイプの男性は苦手だ。
 まるで自分自身は絶世の美男子ですよと自己陶酔に浸っているみたいで気持ち悪い。
 爽やかさより耽美に走っていて折角のイケメンという資源(?)の浪費だ。

 その他にも取りあえず軽く思い浮かぶものからいくつかを一気に私は述べた。
 取りあえず、のつもりだったが軽く10項目越えてしまった。

 別にこんな事を一々口に出すつもりは無かった。
 正直に言えと言われたので正直に返しただけだ。
 たとえそうでも気を遣って言わないのが人の道ではある。
 だが今回は失礼な事を先に言ってきたのは向こうなのでお互い様だ。

 最後に心の中で付け加える。
 人格と外見共に貴方は私の嫌いな要素を凝縮した理想と真逆の男性です、と。


「……」

「言うつもりは無かったのですが正直にとの事でしたので。
変な言い方になりますが嫌いな者同士、実家の利益の為うまくやっていきましょう」

「……ふ」

「ふ?」

「ふざけるな! 婚姻破棄だ!」

「えっ?」

「お前のような女が妻などと考えただけで虫酸が走る! 父の意向など関係ない!
断固おまえとの婚姻は破棄させてもらう!」


 その言葉を聞いて流石に言い過ぎたかなとは思った。少しだけだが。
 でも別に私は慌てない。むしろ嬉しいので。
 「愛さない」だけで済まずに「婚姻破棄」まで行きつくとは思わなかった。
 この時点で私は夫が何も分かっていないという事を理解した。


「……本当ですか?」

「本当だとも! 嘘だと言って欲しいのか!?」

「いいえ」


 私は部屋の片隅に控えるクロエに命じた。
 侍女は私に素早く近寄ってきて恭しく一枚の書類を差し出す。
 この会話が始まったのが彼女が退出した瞬間で良かった。
 しっかり会話の内容を聞いたらしい。
 案の定クロエはいつの間にか部屋の中に舞い戻っていたのだ。

 
「結婚早々の婚姻関係解消となりますね。早速この書類にサインをお願い致します」


 そこには実に簡単な一言が書かれていた。
 夫の方から婚姻を破棄する旨の。
 単なる意思確認書類であるがこの婚姻には非常に重要な意味を持つ。


「……何でこんなものを持ち歩いている」

「備えあれば憂いなしです。いつ必要になるか分かりませんでしたから。さあどうぞ」


 私は有無を言わせずに続けた。
 書類の内容はシンプルだから特に書いても問題はないと思ったのだろう。
 全く怪しむ要素も無いから話の勢いのまま夫はサインした。


(やったわ! まさかこんな展開になるなんて!)


 サインを確認した私は自然と口角が上がってしまった。
 確かに婚約破棄に関するその後については何も書かれていない。
 この書類には。


「なぜ手を握りしめている」


 しまった。表情は堪えていたのについ本音が出てしまった。
 澄ました表情で控えめな歓喜のポーズを止める。


「まさかと思いましたが……本当に理解していなかったのですね」

「何の事だ」

「あなたの実家の侯爵家と私の実家の男爵家で交わした事業提携契約内容を正確に、です」

「……何?」

「これで婚姻関係は解消されます。では、私はここで失礼致します」


 所要時間、約10分で私は新居となるはずの侯爵邸を後にした。 
 呆然としている元夫をその場に残して。
 私とクロエは侯爵邸に到着していた男爵邸の馬車に乗り込んだ。
 わずかな私物を実家から持ってきていた為だったのだが丁度いい。
 荷物搬入を中止させて私達はその馬車で王都にあるタウンハウスへの帰途についた。
 馬車の中でクロエに問う。 


「追ってくるかしらね?」

「マルタン様がお父上の侯爵様に確認するまで少し時間はあるのではないでしょうか」

「今更、元の鞘に戻されても困るわね。急いで」


 私は男爵邸の下男でもある御者に声を掛けた。


(まあお互い了承したし書類もあるから問題ないけど)

 
 下男は訳も分からない様子だったが、私の指示に従って馬車を急がせた。
 何せ荷物を搬入していたら止められて急遽男爵邸に帰る様に指示されたのだ。
 彼からしたら一体何事か頭に「?」マークが飛び交っているに違いない。
 気持ちはわからないでもない。


「相手に興味が無いとはいえ事業提携の書面内容に関して詳しく承知していないとはね」

「僭越ながら私も思いませんでした。侯爵家の跡取りなのに」

「賠償金の事はお忘れなきよう侯爵様へ宜しく、と付け加えるのを忘れていたわ」

「言ったら止められていたでしょうから正解では?」

「それもそうね」


 私達の婚姻に絡み、お互いの父にはそれぞれの思惑があった。
 深刻な財政難に苦しむ侯爵領と身分が低いが羽振りは飛びきりいい男爵領の結びつきにはお互いに益がある。
 侯爵領は身内となった男爵領から実入りのよい事業への参入と金銭的融通を。
 そして男爵領は更なる経済的発展を求めて上流貴族への足掛かりを、という訳だ。

 しかし商売人として抜け目のない私の父は婚姻に当たり先方と交わした事業提携書類にある文章を入れていた。
 要するに婚姻破棄を先に申し渡した方が有責で巨額の賠償金を支払う、というさりげない一文だ。
 いやらしい言い方になるが王家とつながりを持つ侯爵家を徹底的に利用する気だった父としては当然だ。
 そうでなくてはこちらに旨みがない。
 別れる事を前提にした結婚など基本無いから書類を交わした時点で侯爵は特に気にする事も無かっただろう。

 つまり、この婚姻が向こうの有責で破局になっても父としては構わない。
 そもそもまだ何も始まっていないのだから男爵領財政三年規模に値する莫大な賠償金がまるまる手に入るだけである。

 一見、マイナス面があるとしたら私自身の立場だろうが、それも問題ない。
 現状で想い人と結ばれる可能性が限りなく低い私としては破局になった方が寧ろ可能性が高くなる。
 この事まではお父様は知らないだろうけど。

 正直、その事を諦めて嫁いできたのだが物事はどう転ぶか本当にわからない。
 お父様は私の事を聞き訳のいい従順で健気な娘と思っている。
 娘として父の意向に沿って行動してこうなった以上、私の願いも叶いやすくなるというものだ。


(でも、金銭的に困窮している侯爵家にとっては更なる痛手よねぇ……。
今回の件でとどめを刺されるのではないかしら)


 マルタンのあの様子では父親に離婚は許さないぞくらいしか言われていなかったのかもしれない。
 事業提携書類を隅から隅まで舐める様に読みつくす商売人の娘の私と違って内容を十分に理解していなかった様だ。
 せいぜい成金下級貴族の金づるの一つと関係が失われた程度の認識だったのかもしれない。
 
 16歳で一応成人と見做されるといえ、18歳なんてまだまだ精神的に未熟だ。
 だが、自分の身一つ以外何の責任も無い平民なら許されても将来領地を背負って立つ貴族の跡取りの18歳にしては愚かすぎる。 

 そうこう考えている内に馬車は男爵邸に到着した。
 私が戻って来たと知って何事かとお父様お母様が飛び出してきた。


「お父様、お母様。只今戻りました」

「リリアーヌ!? 何があったんだ!」

「婚姻破棄されまして。出戻りです」

「何だと!?」


 結婚して家を出た筈の娘が間を置かずに戻って来た。それも屋敷に移った当日に。
 もちろん父も母も驚いた。幼い妹だけは私に嬉しそうに抱き着いて来た。
 応接室に移動した後、私は二人の間であったやり取りと経緯を詳細に話した。
 難しい表情をして考え込んでいた父はため息を漏らしてから口を開いた。


「……まぁ、仕方が無い。そういう事なら」

「貴方、そんな……」

「そうだろう。こんな物まであるのだから」


 話の最後に向こうの有責を証明する書類を見せた事が大きかった。
 何故かそんな書類を私が前もって用意していた事には若干引いていたけれど。


「至らぬ娘で申し訳ございません、お父様」

「いや……元々どちらに転んでも我が家にとって損はしない事だったからな。
お前には気の毒だったが……」

「私に魅力が無いのがいけなかったのですわ」


 しおらしく私はそう答えた。
 領主はある意味領地の中では王様だ。
 何の行く末を決めるのも取り止めるのも全て領主の判断一つである。
 父はあっさり事情を受け入れた。
 貴族と云うより絶対商人の方が向いている。


「我が領が豊かになるのは構わんが一方で片付かん重大な問題もあるものだ。
お前には早急に婚姻破棄を打ち消す様ないい縁談を用意してやるからな。
すまなかった」

「お気遣いありがとうございます。ですが、しばらく一人で落ち着いた環境で静かに過ごしたいのですが」

「……そうか、そうだな。寧ろ時間は必要だな。
よし、男爵領に戻ってしばらく傷ついた心を癒すがいい。後の事は気にするな」

「はい。ありがとうございます。お父様」

「リリアーヌ……気を落とさないで。私も一緒に領地に帰るわ」

「大丈夫ですわ、お母様。クロエもいますし」


 翌日早々、私は男爵領へ出立した。
 領地に帰る私に同行するのはクロエと護衛兼御者二人の計三人だけだ。

 実は昨日夜遅く侯爵様がマルタンを伴って慌ただしくやってきた。
 無論、お父様が追い返したけれど。
 再度やって来る間に当事者である私は王都から姿を消させてもらう。
 書類はお父様に預けているので後はお任せするだけだ。

 結果的にはまるで結婚詐欺をしてしまったみたいで今一スッキリしない。
 だが書式を準備していたのはえげつないけど、こちらに落ち度はない筈だ。
 貴族の嫡男がするサインにはそれほど責任という重さが伴う。
 愛の無い結婚生活でいつか離婚を持ち出された時、それを証明する準備をしていただけだ。


(ま、離婚に至る経緯は売り言葉に買い言葉みたいな感じだったけど……)


 二週間後、私とクロエは男爵領の屋敷に到着した。
 王都の教会で結婚式を挙げる為に出て行った屋敷に一月立たずに帰って来るとは予想外だ。
 こんな結末になるとは思わなかったが婚約破棄は本当にありがたかった。
 その理由が屋敷から私の前に出て来た。
 元夫とは真逆の短髪で背が高く肩幅が広く逞しい体付きの男性だ。
 男爵家の執事、フェリクスである。


「お、お嬢様!?」

「ひと月ぶりね、フェリクス。帰って来たわ」

「どうなされたのです、一体!?」


 早々に帰ったから早馬便と変わらないので先ぶれなど出していない。
 私は目を白黒させて驚いているフェリクスに向かって簡単に説明した。
 向こうの有責で婚姻は解消されたと。
 あまりの突然な出来事に優秀な彼も事情を理解するのに多少時間を要した。
 全て理解した時その表情が和らいだように見えた。


「そうでしたか……お帰りなさいませ、お嬢様」

「只今……って、この挨拶正しいのかしら」

「勿論です」

「やっぱり私にはここがあっているみたい」

「お嬢様の相手を出来る者などそうはいないでしょうしね」

「そうね。貴方くらいかしら」


 口が少々悪いけど実直な執事は顔を赤くした。
 そう。私の想い人とは彼の事だ。そしておそらく彼も私の事を好いている。
 これは元夫と同じ自惚れだろうか。

 お互いはっきりと口には出した事は無い。まだ。
 今は飛び越えるべき身分と立場というものがある。


「お戯れを」

「戯れかどうかは今後の貴方と私次第だと思うのだけれど」


 そう言って私は胸元からお守りを取り出した。
 子供の頃に目の前の人物から贈られた子供のおもちゃの指輪だ。
 それを左手の薬指に付けようとした。勿論、サイズが合わない。


「向こうに行く時も、これだけは離せなかったの」


 彼はその意味を正確に把握して大きくうなずいた。


「旦那様のお目に留まるように精進致します。
そして……新しい指輪を必ずお贈り致しますので」


 今回私の婚姻が失敗したおかげで父は優秀な彼を後継者として考えてくれる可能性が高い。
 我が家にはまだ年少の妹は居ても弟はいない。そして私は出戻りだけど長女だからだ。
 私は既にバツイチなのだから貰い手などかなり限られて来るだろう。

 しかし、幸い私には身近に愛する男性が居る。
 彼は不祥事で取りつぶしになったとはいえ元々は子爵家令息である。
 三年前、彼の父と兄は不祥事で逮捕されたが王立学園在籍中の学生だった彼だけは牢獄入りは免れた。
 その後国王陛下の指示で子爵領は金銭面で国への貢献著しい我が男爵領に吸収された。

 貴族籍と財力を失ってフェリクスは学園を退学する事になってしまった。
 だが、能力を惜しんだ私の父が屋敷に一従業員として引き取ったのだった。
 大事な幼馴染にして尊敬する先輩の我が家への就職については勿論私も後押しした。
 彼は今ではこの屋敷と我が領内の運営に欠かせない人物になりつつある。


(彼との仲を認めてもらえる為に、私も色々忙しくなりそうだわ)


 どこかへ嫁ぐのでなく次期領主夫人として父に認めてもらえる様に努力しよう。
 いずれ婿養子になった彼と二人仲良くここで暮らせればいい。
 そんな私の考えはまだしばらく公には秘密である。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

正妃として教育された私が「側妃にする」と言われたので。

水垣するめ
恋愛
主人公、ソフィア・ウィリアムズ公爵令嬢は生まれてからずっと正妃として迎え入れられるべく教育されてきた。 王子の補佐が出来るように、遊ぶ暇もなく教育されて自由がなかった。 しかしある日王子は突然平民の女性を連れてきて「彼女を正妃にする!」と宣言した。 ソフィアは「私はどうなるのですか?」と問うと、「お前は側妃だ」と言ってきて……。 今まで費やされた時間や努力のことを訴えるが王子は「お前は自分のことばかりだな!」と逆に怒った。 ソフィアは王子に愛想を尽かし、婚約破棄をすることにする。 焦った王子は何とか引き留めようとするがソフィアは聞く耳を持たずに王子の元を去る。 それから間もなく、ソフィアへの仕打ちを知った周囲からライアンは非難されることとなる。 ※小説になろうでも投稿しています。

【完結】ちょっと待ってくれー!!彼女は俺の婚約者だ

山葵
恋愛
「まったくお前はいつも小言ばかり…男の俺を立てる事を知らないのか?俺がミスしそうなら黙ってフォローするのが婚約者のお前の務めだろう!?伯爵令嬢ごときが次期公爵の俺に嫁げるんだぞ!?ああーもう良い、お前との婚約は解消だ!」 「婚約破棄という事で宜しいですか?承りました」 学園の食堂で俺は婚約者シャロン・リバンナに婚約を解消すると言った。 シャロンは、困り俺に許しを請うだろうと思っての発言だった。 まさか了承するなんて…!!

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!

山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」 夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。

その支払い、どこから出ていると思ってまして?

ばぅ
恋愛
「真実の愛を見つけた!婚約破棄だ!」と騒ぐ王太子。 でもその真実の愛の相手に贈ったドレスも宝石も、出所は全部うちの金なんですけど!? 国の財政の半分を支える公爵家の娘であるセレスティアに見限られた途端、 王家に課せられた融資は 即時全額返済へと切り替わる。 「愛で国は救えませんわ。 救えるのは――責任と実務能力です。」 金の力で国を支える公爵令嬢の、 爽快ザマァ逆転ストーリー! ⚫︎カクヨム、なろうにも投稿中

花嫁に「君を愛することはできない」と伝えた結果

藍田ひびき
恋愛
「アンジェリカ、君を愛することはできない」 結婚式の後、侯爵家の騎士のレナード・フォーブズは妻へそう告げた。彼は主君の娘、キャロライン・リンスコット侯爵令嬢を愛していたのだ。 アンジェリカの言葉には耳を貸さず、キャロラインへの『真実の愛』を貫こうとするレナードだったが――。 ※ 他サイトにも投稿しています。

【完結】領地に行くと言って出掛けた夫が帰って来ません。〜愛人と失踪した様です〜

山葵
恋愛
政略結婚で結婚した夫は、式を挙げた3日後に「領地に視察に行ってくる」と言って出掛けて行った。 いつ帰るのかも告げずに出掛ける夫を私は見送った。 まさかそれが夫の姿を見る最後になるとは夢にも思わずに…。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

処理中です...