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獣耳イケメン王子達とドキドキ学園ライフ
ソフトの取説で攻略対象者の名前を明記されなかった理由
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種族の数だけ王国が存在して、その国には王子がいる。
つまり動物の数だけ攻略対象者の王子が存在し、王子の関係者を隠れキャラだとすれば、その数は膨大と言える。
その中でもメインヒーローとして位置付けられるキャラがいる。
特に番を大事にすると有名な龍族、狼族に加え、清らかな乙女を好む傾向にある馬(その中でも特に天馬)族達は、本能的で執着が強いので胸がドキドキする様な溺愛される展開が期待できる。
獅子族は猫族とは相思相愛といえる。
猫族にとっては、強いネコ科への憧れの象徴は獅子族や虎族です。
基本的に性別関係無く獅子族はプライドが高くて気が強い。
強い獅子族者同士では反発し合うけど、相手がのんびり大好きの猫族になると闘志が削がれるらしい。
そして義理の兄弟。
何もしなければ攻略対象は、以上の6人です。
ところが、この乙女ゲームはオンラインショップで攻略対象者を購入できる、掛け金次第で世界が広がりヒロインですら期間限定等で販売されるので変更可能になるので、全てのキャラ書くのは不可能なのです。
そんなゲームの世界を体現した学園の入学式。
この学園の制服である真っ白いセーラー服に、今年の新入生の色である赤い太めのリボンタイを付けた私とカメリアは入学式が行われる体育館の入り口に居ました。
ちなみに学年ごとに色が決まっており、6年間は同じ色を使います。去年に卒業した6年生が赤だったので、空いた色を次の年の新入生が使います。
今年は1年生が赤、2年生は青、3年生が緑、4年生が黄色、5年生が黒、6年生が紫になっている。
「人が多過ぎて気持ち悪い」
青い顔で私に抱き着くカメリアを抱き締めながら背中を撫で、行き交う人達を見ていました。
「君達、大丈夫?」
入学式が行われる体育館の前に立ち竦む私達に声を掛けてくれたのは、メインヒーローの1人、天馬族のマルカブでした。
馬の中でも天馬族は、紳士的で女性に優しい傾向にあるので、人に酔ったカメリアを心配して声を掛けてくるのは当然なのかも知れません。
白いブレザーに黒いパンツ、そして青いネクタイを締めている。
女の子にモテそうな金髪碧眼の優しそうなイケメンの登場に”あ~っやっぱり乙女ゲームの世界なんだなぁ”なんて思って見詰めてしまいました。
気を取り直して返事をします。
「すみません。姉が人の多さに酔ってしまって」
「ラベンダー色の猫族」
「え?」
背が高いマルカブを小首を傾げながら見上げると、パチパチと睫毛が音がしそうなほど瞬きをしてしまう。
「………いい」
「へ?」
「ゴホン!すまない。一緒に保健室まで送ろう」
大きく咳払いしたマルカブは、軽々とカメリアをお姫様抱っこすると私に微笑んだ。
「猫族は軽いなぁ。さぁ、行こうか」
「あの……ありがとうございます」
「うん。お姉さんを保健室で寝かせて急いで戻れば、君も入学式に参加できるよ。あぁ、僕はペガサスのマルカブ。君は?」
「えっと猫族のサクラです。姉はカメ「急ごうか」」
カメリアの名前を告げきる前にマルカブが歩き出した。種族が変わりそうなタイミングで被せなくてもいいのに(苦笑)。
スタスタとマルカブが歩き出した。
「ま、待って下さい」
足の長さの違いからか中々追い付けずに、私は廊下の途中で息を切らしながら、しゃがみ込んでしまいました。
「ぜぇ……はぁ………全然……ゴホッ……追い付けない……ぜぇ」
さすが馬ですね。
「あぁ、ごめんね。今、お姉さんは保健室のベッドに寝かせて来たから、サクラちゃんは体育館に戻ろうか」
手ぶらのマルカブが前方から歩いて来ると、私をお姫様抱っこして歩き出した。
「あの!!降ろして下さい!」
「でも遅刻したくないだろう?」
「それは……そうですけど」
「大丈夫だよ。僕は足が早いんだ。ほら、スピードを上げるから掴まって」
急に歩く速度を上げられてビックリした私は、マルカブの首に抱き着く。
「サクラちゃんは甘い香りがするね」
「何ですか?」
「なんでもない」
初日から攻略対象者のメインヒーローにお姫様抱っこで運ばれるなんて、まだゲームは始まって無いのに…………って、私はモブだったわ。
明日にはアンジェで編入してくる。
きっとペガサス王子にお姫様抱っこされて登場したラベンダー色の猫の噂なんて、明日には消えていると信じよう。
お姫様抱っこされる私を見て、翡翠先輩が凄い形相で奪うと髪や尻尾をモフモフしまくられた光景も忘れられる筈です!…………きっと……多分(泣)
その後も隣に座った狼族の男の子に睨み付けられ、その子に入学式が終わるまでガン見される苦行も味わい、入学式が終わると直ぐに不機嫌オーラ全開のジャスパーお兄様にモフモフとセクハラされるし、拗ねるノエルはベッタリと離れないし、保健室で惰眠を貪るカメリアは起きないしで、まだ入学式だけなのに疲れてグッたりです。
この際、早くヒロインであるアンジェが編入して、モブの私を隠して欲しいと思っていました。
つまり動物の数だけ攻略対象者の王子が存在し、王子の関係者を隠れキャラだとすれば、その数は膨大と言える。
その中でもメインヒーローとして位置付けられるキャラがいる。
特に番を大事にすると有名な龍族、狼族に加え、清らかな乙女を好む傾向にある馬(その中でも特に天馬)族達は、本能的で執着が強いので胸がドキドキする様な溺愛される展開が期待できる。
獅子族は猫族とは相思相愛といえる。
猫族にとっては、強いネコ科への憧れの象徴は獅子族や虎族です。
基本的に性別関係無く獅子族はプライドが高くて気が強い。
強い獅子族者同士では反発し合うけど、相手がのんびり大好きの猫族になると闘志が削がれるらしい。
そして義理の兄弟。
何もしなければ攻略対象は、以上の6人です。
ところが、この乙女ゲームはオンラインショップで攻略対象者を購入できる、掛け金次第で世界が広がりヒロインですら期間限定等で販売されるので変更可能になるので、全てのキャラ書くのは不可能なのです。
そんなゲームの世界を体現した学園の入学式。
この学園の制服である真っ白いセーラー服に、今年の新入生の色である赤い太めのリボンタイを付けた私とカメリアは入学式が行われる体育館の入り口に居ました。
ちなみに学年ごとに色が決まっており、6年間は同じ色を使います。去年に卒業した6年生が赤だったので、空いた色を次の年の新入生が使います。
今年は1年生が赤、2年生は青、3年生が緑、4年生が黄色、5年生が黒、6年生が紫になっている。
「人が多過ぎて気持ち悪い」
青い顔で私に抱き着くカメリアを抱き締めながら背中を撫で、行き交う人達を見ていました。
「君達、大丈夫?」
入学式が行われる体育館の前に立ち竦む私達に声を掛けてくれたのは、メインヒーローの1人、天馬族のマルカブでした。
馬の中でも天馬族は、紳士的で女性に優しい傾向にあるので、人に酔ったカメリアを心配して声を掛けてくるのは当然なのかも知れません。
白いブレザーに黒いパンツ、そして青いネクタイを締めている。
女の子にモテそうな金髪碧眼の優しそうなイケメンの登場に”あ~っやっぱり乙女ゲームの世界なんだなぁ”なんて思って見詰めてしまいました。
気を取り直して返事をします。
「すみません。姉が人の多さに酔ってしまって」
「ラベンダー色の猫族」
「え?」
背が高いマルカブを小首を傾げながら見上げると、パチパチと睫毛が音がしそうなほど瞬きをしてしまう。
「………いい」
「へ?」
「ゴホン!すまない。一緒に保健室まで送ろう」
大きく咳払いしたマルカブは、軽々とカメリアをお姫様抱っこすると私に微笑んだ。
「猫族は軽いなぁ。さぁ、行こうか」
「あの……ありがとうございます」
「うん。お姉さんを保健室で寝かせて急いで戻れば、君も入学式に参加できるよ。あぁ、僕はペガサスのマルカブ。君は?」
「えっと猫族のサクラです。姉はカメ「急ごうか」」
カメリアの名前を告げきる前にマルカブが歩き出した。種族が変わりそうなタイミングで被せなくてもいいのに(苦笑)。
スタスタとマルカブが歩き出した。
「ま、待って下さい」
足の長さの違いからか中々追い付けずに、私は廊下の途中で息を切らしながら、しゃがみ込んでしまいました。
「ぜぇ……はぁ………全然……ゴホッ……追い付けない……ぜぇ」
さすが馬ですね。
「あぁ、ごめんね。今、お姉さんは保健室のベッドに寝かせて来たから、サクラちゃんは体育館に戻ろうか」
手ぶらのマルカブが前方から歩いて来ると、私をお姫様抱っこして歩き出した。
「あの!!降ろして下さい!」
「でも遅刻したくないだろう?」
「それは……そうですけど」
「大丈夫だよ。僕は足が早いんだ。ほら、スピードを上げるから掴まって」
急に歩く速度を上げられてビックリした私は、マルカブの首に抱き着く。
「サクラちゃんは甘い香りがするね」
「何ですか?」
「なんでもない」
初日から攻略対象者のメインヒーローにお姫様抱っこで運ばれるなんて、まだゲームは始まって無いのに…………って、私はモブだったわ。
明日にはアンジェで編入してくる。
きっとペガサス王子にお姫様抱っこされて登場したラベンダー色の猫の噂なんて、明日には消えていると信じよう。
お姫様抱っこされる私を見て、翡翠先輩が凄い形相で奪うと髪や尻尾をモフモフしまくられた光景も忘れられる筈です!…………きっと……多分(泣)
その後も隣に座った狼族の男の子に睨み付けられ、その子に入学式が終わるまでガン見される苦行も味わい、入学式が終わると直ぐに不機嫌オーラ全開のジャスパーお兄様にモフモフとセクハラされるし、拗ねるノエルはベッタリと離れないし、保健室で惰眠を貪るカメリアは起きないしで、まだ入学式だけなのに疲れてグッたりです。
この際、早くヒロインであるアンジェが編入して、モブの私を隠して欲しいと思っていました。
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