23 / 29
黒虎が姿を現す時
しおりを挟む
四本の足元から青黒い炎が上がり、真っ黒い毛並みに銀色の虎柄。
確かに初めて見た人には、地獄の炎に見える気がする。
あたしを見下ろす目は紅く輝いている。
間違いなく彼が、パパンが封印したという黒虎だ。
なぜ、あたしが黒虎と対面してるかと言うと、今から数時間前の事でした。
食堂で食事を終えて、お会計の時に あたしが少しだけ、みんなから距離を置いて1人で外に出た時のことでした。
不意に視界が暗くなり、身動きが取れなくなる。
ビックリして声も出せずに固まっていると、自分が何かの袋に入れられて連れ去られた事に気が付いた。
必死に叫んでも口は動くのに声が出せない。
何か特殊加工がされている袋に入れられたのかも知れません。
袋から無理矢理に押し出された あたしは、テーブルらしき台上の小さなゲージに閉じ込められていました。
数本のロウソクの明かりで照らし出されたのは、窓もなく薄暗い石壁の部屋で、床には鎖で繋がれた動物や妖精の姿がありました。
みんな、声も出せずに震えている。
状況がよく分からないけど、相手は屑決定です。
慌てて転移魔法を展開しようとしても、何故か上手く魔法が使えない。
魔法が何かに邪魔されている感じがする。
「ははははっコイツ!やっぱり魔法が使えんだな。無駄無駄!!魔法封じの施された籠からは出られないさ!」
馬鹿にしたように笑うガラの悪い男に反論しようとて、あたしが声を出せないのも、魔法を封じられた為だと気が付く。
このままでは、逃げられないし助けも呼べない。
「お前は金持ちの貴族のペットとして売られるんだ。まさか元王妃のペットと誘拐して売り払ったら報酬を払う国王が居るとは驚きだよな!HAHAHAHAHA!」
詳しい説明………お疲れ。
コイツは口が軽いから出世できないタイプだな。
屑で雑魚認定してやる。
「逆恨みで売られる お前も可哀想にな」
イヤらしい顔でニヤニヤしながら、あたしを見下ろしている。
さて………どうしたものか?
このまま大人しくしていたら、パパンが迎えに来てくれそうな気もするけど、アンちゃんから離れて欲しくないから複雑な気持ちです。
隙をついてアンちゃんが襲われでもしたら、離れたパパンは地獄の説教TIME突入決定です。
だからといって勇者達が、あたしを見つけられる可能性が、どのくらいなのか予想できない。
ここは良い飼い主に買ってもらえる様に祈った方が無難かな?
むしろ聖獣の あたしを買い取っても、自己満足を満たすだけな気がする。
だって見せびらかしても、場合によっては聖獣を不当に捕縛する犯罪者決定だし。
あぁ………もう…魔法が解放されたら、即反撃するのに!
あたしを買う金持ちの貴族って言っていたけど、既に買い手が決まってる?
あまりに具体的なんだけど。
………………っていうか、この位の魔法封じなら、力技で突破できそうな気がしてきた。
やるだけやってみるか。
あたしは震えている妖精達に”少し離れろ”と身振り手振りで伝える。
そして静かに伏せをするように、お腹を付けて座り、額の石に魔力を集中させる。
魔力を少しづつ増やしながら、全身にめぐらせて徐々に外に放出していく。
全身の毛が逆立ち、毛穴が開き、額が熱く意識が飛びそうになる感じがするけど気にせずに魔力を増やし続ける。
血が滾り、沸騰する感覚がする。
もう少し。
まだ足りない。
あと、もう少しで打ち破れる!
『……ググッ………あ……』
ビキビキとゲージが音を立てて軋み始めると、少しだけ声を発せる様になる。
『ォマエ………』
後ちょっと!
『お前ら如きに、あたしは抑え込めない!』
バキッと大きな音を立ててゲージが弾け飛ぶ。
『パパンの………聖獣白虎の娘を舐めんな!!!』
増え過ぎた魔力が部屋の壁を傷付け、ニヤニヤしていた男を石の壁に弾き飛ばす。
『はぁ~っ……もうちょいで血管が切れるかと思った』
息が上がり気ダルさが襲い足元がふらついてしまうけど、我慢して立ち上がり囚われている妖精や動物達の鎖を風の魔法で、ぶった斬る。
吐き気がするほど疲れて座り込んでいると、天井からドーン!と大きな音が響き渡った。
『ん?爆音??あたしは、まだ何もしてないのに?』
物凄い揺れと共に、ドカン!と天井から扉に掛けて、大きな穴があいた。
砂煙が立ち上る、その先に大きな虎のシルエットが見えた。
『パパン♡』
駆け寄ろうとして、妙な違和感を覚える。
微かに見える口元から煙の様な白い息を吐き、影が消えず黒い身体に銀色の虎柄、その目は紅くに光っていました。
『…………あ……黒虎』
少しづつ黒虎が近付いて来る度に、背中がゾクゾクと毛穴が締まり、毛が逆立つ感じがして、逃げたいのに、身体が動かなかった。
妖精達が背中の羽根を動かし、黒虎が開けた穴から、動物達も連れて逃げ始めた。
黒虎は脇目も振らずに、あたしに向かって歩いて来る。
この紅い目が魔王と勘違いされたのだと実感していました。
確かに初めて見た人には、地獄の炎に見える気がする。
あたしを見下ろす目は紅く輝いている。
間違いなく彼が、パパンが封印したという黒虎だ。
なぜ、あたしが黒虎と対面してるかと言うと、今から数時間前の事でした。
食堂で食事を終えて、お会計の時に あたしが少しだけ、みんなから距離を置いて1人で外に出た時のことでした。
不意に視界が暗くなり、身動きが取れなくなる。
ビックリして声も出せずに固まっていると、自分が何かの袋に入れられて連れ去られた事に気が付いた。
必死に叫んでも口は動くのに声が出せない。
何か特殊加工がされている袋に入れられたのかも知れません。
袋から無理矢理に押し出された あたしは、テーブルらしき台上の小さなゲージに閉じ込められていました。
数本のロウソクの明かりで照らし出されたのは、窓もなく薄暗い石壁の部屋で、床には鎖で繋がれた動物や妖精の姿がありました。
みんな、声も出せずに震えている。
状況がよく分からないけど、相手は屑決定です。
慌てて転移魔法を展開しようとしても、何故か上手く魔法が使えない。
魔法が何かに邪魔されている感じがする。
「ははははっコイツ!やっぱり魔法が使えんだな。無駄無駄!!魔法封じの施された籠からは出られないさ!」
馬鹿にしたように笑うガラの悪い男に反論しようとて、あたしが声を出せないのも、魔法を封じられた為だと気が付く。
このままでは、逃げられないし助けも呼べない。
「お前は金持ちの貴族のペットとして売られるんだ。まさか元王妃のペットと誘拐して売り払ったら報酬を払う国王が居るとは驚きだよな!HAHAHAHAHA!」
詳しい説明………お疲れ。
コイツは口が軽いから出世できないタイプだな。
屑で雑魚認定してやる。
「逆恨みで売られる お前も可哀想にな」
イヤらしい顔でニヤニヤしながら、あたしを見下ろしている。
さて………どうしたものか?
このまま大人しくしていたら、パパンが迎えに来てくれそうな気もするけど、アンちゃんから離れて欲しくないから複雑な気持ちです。
隙をついてアンちゃんが襲われでもしたら、離れたパパンは地獄の説教TIME突入決定です。
だからといって勇者達が、あたしを見つけられる可能性が、どのくらいなのか予想できない。
ここは良い飼い主に買ってもらえる様に祈った方が無難かな?
むしろ聖獣の あたしを買い取っても、自己満足を満たすだけな気がする。
だって見せびらかしても、場合によっては聖獣を不当に捕縛する犯罪者決定だし。
あぁ………もう…魔法が解放されたら、即反撃するのに!
あたしを買う金持ちの貴族って言っていたけど、既に買い手が決まってる?
あまりに具体的なんだけど。
………………っていうか、この位の魔法封じなら、力技で突破できそうな気がしてきた。
やるだけやってみるか。
あたしは震えている妖精達に”少し離れろ”と身振り手振りで伝える。
そして静かに伏せをするように、お腹を付けて座り、額の石に魔力を集中させる。
魔力を少しづつ増やしながら、全身にめぐらせて徐々に外に放出していく。
全身の毛が逆立ち、毛穴が開き、額が熱く意識が飛びそうになる感じがするけど気にせずに魔力を増やし続ける。
血が滾り、沸騰する感覚がする。
もう少し。
まだ足りない。
あと、もう少しで打ち破れる!
『……ググッ………あ……』
ビキビキとゲージが音を立てて軋み始めると、少しだけ声を発せる様になる。
『ォマエ………』
後ちょっと!
『お前ら如きに、あたしは抑え込めない!』
バキッと大きな音を立ててゲージが弾け飛ぶ。
『パパンの………聖獣白虎の娘を舐めんな!!!』
増え過ぎた魔力が部屋の壁を傷付け、ニヤニヤしていた男を石の壁に弾き飛ばす。
『はぁ~っ……もうちょいで血管が切れるかと思った』
息が上がり気ダルさが襲い足元がふらついてしまうけど、我慢して立ち上がり囚われている妖精や動物達の鎖を風の魔法で、ぶった斬る。
吐き気がするほど疲れて座り込んでいると、天井からドーン!と大きな音が響き渡った。
『ん?爆音??あたしは、まだ何もしてないのに?』
物凄い揺れと共に、ドカン!と天井から扉に掛けて、大きな穴があいた。
砂煙が立ち上る、その先に大きな虎のシルエットが見えた。
『パパン♡』
駆け寄ろうとして、妙な違和感を覚える。
微かに見える口元から煙の様な白い息を吐き、影が消えず黒い身体に銀色の虎柄、その目は紅くに光っていました。
『…………あ……黒虎』
少しづつ黒虎が近付いて来る度に、背中がゾクゾクと毛穴が締まり、毛が逆立つ感じがして、逃げたいのに、身体が動かなかった。
妖精達が背中の羽根を動かし、黒虎が開けた穴から、動物達も連れて逃げ始めた。
黒虎は脇目も振らずに、あたしに向かって歩いて来る。
この紅い目が魔王と勘違いされたのだと実感していました。
10
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
薄幸ヒロインが倍返しの指輪を手に入れました
佐崎咲
ファンタジー
義母と義妹に虐げられてきた伯爵家の長女スフィーナ。
ある日、亡くなった実母の遺品である指輪を見つけた。
それからというもの、義母にお茶をぶちまけられたら、今度は倍量のスープが義母に浴びせられる。
義妹に食事をとられると、義妹は強い空腹を感じ食べても満足できなくなる、というような倍返しが起きた。
指輪が入れられていた木箱には、実母が書いた紙きれが共に入っていた。
どうやら母は異世界から転移してきたものらしい。
異世界でも強く生きていけるようにと、女神の加護が宿った指輪を賜ったというのだ。
かくしてスフィーナは義母と義妹に意図せず倍返ししつつ、やがて母の死の真相と、父の長い間をかけた企みを知っていく。
(※黒幕については推理的な要素はありませんと小声で言っておきます)
いい子ちゃんなんて嫌いだわ
F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが
聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。
おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。
どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。
それが優しさだと思ったの?
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
義妹がピンク色の髪をしています
ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる