黒虎の番

月夜の庭

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ラファエルの記憶***前世から再会して溺愛するまで

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私は冷たいコンクリートに囲まれ、鉄格子で隔離された空間で天使に出会った。


綺麗な黒髪を一つに結び、いつも優しい笑顔を浮かべる彼女に夢中になった。


年老い動かしずらい身体が恨めしい。


そんな彼女が服を乱し「助けて」と縋りつかれれば、応えるのが男である。


舌に触れる小さくて柔らかい唇、豊かな白い胸、匂い立つメスの香り。



その全てが興奮させる。



彼女を誰にも渡したくない。


何度も人間になりたいと思った。


人間だったら、死ぬまで甘やかし愛するのに。


このまま虎とし彼女を抱けば、きっと彼女は傷付く。


だからせめて、死にゆく年老いた私の道ずれになっておくれ。


彼女白い首は、とても柔らかく歯が力を入れずとも奥まで刺さった。


新鮮な血の匂いがする。


初めて口にした人間の血は、甘くていい香りがした。



まるで彼女に包まれているようだった。



だが自分で彼女の命を奪って初めて、運命の番を手に掛けたんだと知った。



グッたりと横たわる死体を見下ろして、呆然と立ち尽くしていた。



生きる気力は失われ、気が狂いそうな程の喪失感が襲い、吐きそうな程の後悔と罪悪感が支配する。



死にかけの体で怒りと憎しみと後悔に、のたうち回って力尽き、もう二度と動かない彼女を抱き込んで目を閉じた。


そして動物園の虎としての最後を迎えた。



再び虎に生まれ変わっても、彼女を失った記憶は消えず、その苦しみに のたうち回った。



暴れ回りながら彼女を探した。



そうしているうちに、一頭のホワイトタイガーに出会った。



彼は私を哀れに思い、黒虎としての力を封印してくれた。


本来なら深い眠りにつくはずなとだろうけど、黒虎として暴れ回ったのは伊達ではなく、力をつけ強くしていた。


白虎は私の存在ごと封印したつもりのようだが、それほど黒虎として弱くはなかっただけの話だった。


お陰で長時間にわたり黒虎の姿を保てなくなり、いつしか人間として教会に転がり込んだ。


規律に厳しい聖職者の生活は、彼女を思い祈る幸せを教えてくれた。


そして、彼女と再開させてくれた。


ずんぐりむっくりのジジイ………神官の最高権力者で………名前が思い出せない…………ん?


ジジイに連れてこられた王妃の執務室で、白くて可愛らしい虎に生まれ変わった彼女に会った。


何かを喋った気配がしたけど、力の性質が違い過ぎたのか聞き取れず悔しい思いをした。


筋肉の塊の頭の上に乗る姿を見て、男を殺してやりたいと思って見ていた。


でも、ビアンカは私に気が付いてくれた。


魔力を込めて話しかけてくれた。


それからは楽しくて嬉しくて、幸せな気持ちで満ち溢れた。


だが、それと同時に距離を詰められないもどかしさを感じていた。



こんな近くに居るのに、そのふわふわの毛並みに触れられるのに、何かが邪魔をして心の距離が近づけない錯覚に捕らわれた。


これが”自分の番を殺した罪”なのだと思い知った。



ビアンカが、前世の私を思い出すことも無く、タダの人間の男として接してくる。


私を封印した白虎ですら、黒虎だと気が付かない。


このまま人間として、ビアンカと関係を深めるしかないと知る。



目の前には小さな身体でコロコロと動き回る愛らしい姿に癒され、ふわもこの身体に興奮する気持ちを抑えながらブラッシングする至福の時間に心が踊った。


まだビアンカは小さいから、我慢しなくては彼女を傷付けてしまうと気が付いた。


ならば、ビアンカの傍で待つと決めた。


穏やかな気持ちに包まれる、幸せな日々に泣きそうになる。


しかし世界は黙っていてはくれなかった。


勇者だの、魔王だの、正直に言うと どうでもいい。


だがビアンカの主人は王妃。


無視する事もできず、ズルズルと巻き込まれる。


そしてアンダルシアと白虎が相思相愛だった事で、ビアンカと二人きりで冒険者として過ごす幸運に恵まれた。


かつての黒歴史である自分の影を追うのは複雑な気持ちだったが、そんな事は問題じゃない。


愛らしいビアンカが、私の腕の中に居る。


そんな幸せを引き裂いたのが、ヨボヨボの国王だった。


急にビアンカの気配が消えると、心の中で強烈な喪失感と絶望が湧き上がり、人間の姿を保てなくなった。


それからは、あまり覚えていない。


無理矢理に封印を引きちぎった気がする。


そんな中、微かにするビアンカの匂いを必死に追い掛け、不意に強くなったビアンカの気配を感じ取ると無我夢中で走り出した。


邪魔する人間も壁もぶち壊して進んだ先に、魔法封じのゲージを力技で無理矢理に破壊した、小さくて愛らしいビアンカを見つけると、魔力切れ寸前で座り込んでいる事が直ぐに分かった。


それからは…………幸せだった。


ビアンカも私を運命の番だと分かってくれた。


しかも、前世が動物園の虎だと分かってくれた。


「愛してます………今も昔も」


幸せ過ぎて絶叫しそうな自分を必死に抑え、幼さが残る金髪の美少女であるビアンカを助け出し、自分の部屋に連れ込んだ。









カサリ


腕の中で白い肌を晒して眠る、愛しいビアンカが身動ぎする音で、今までの事を回想していた頭が停止する。


豊かに育った柔らかい胸を擦り寄せられると、一気に眠気が吹き飛んだ。


『……………ラファエル?』


少し掠れた声も愛しい。


「起きたのか?」


『……うん…………』


優しく頭を撫でれば、何も着ていない私の胸にビアンカが頬を擦り寄せた。


『………ラファエル……あんなにしたのに』


少し頬を赤らめ見上げるビアンカに、欲望が滾る気配がする。


硬くなったソレが、ビアンカにも分かったらしい。


「まだまだ。ビアンカが足りない」


少し前まで可愛らしい喘ぎ声を出していた、小さな唇を堪能するように重ねる。


一度火がつけば、擬人化していても、虎で聖獣で………………獣のオスとメス。


私は黒虎のまま、ビアンカを抱くのは好きじゃない。


あれは行為優先でビアンカの顔が見えない。


その点でいえば人の姿のビアンカを抱くのは飽きない。


柔らかい肌に誘うように香る汗、少し恥ずかしいの顔を隠す仕草に反して私を喜んで受け入れる身体。


その全てに興奮する。


それに獣の姿のままでは、尻尾や毛皮が邪魔して可愛い喘ぐビアンカが良く見えない。



その点、人間は凄い。


上気する肌も、やりようによっては彼女が私を受け入れている濡れたソコも丸見えなのだから。


人間が毛皮を捨てた理由は理解できないが、ツルツルの体は虎の交尾よりも、快感が強く本来なら隠れる場所も丸見えなのだから、思い切った進化をしたものだと感心する。


柔らかく甘い香りのするビアンカを見詰めながら、散々解したソコに滾ったオスを捩じ込んだ。




『あぁんっ♡ルシフェルが中にいるのは好き♡お腹がいっぱいになって、熱くて気持ちよくて幸せなの』


「あまり煽らないでくれ。壊してしまいそうだ」


『して………いっぱい愛して』


「ビアンカ!」


私はビアンカには一生適わない。


今度は間違えたりしない。


この手を、この腕を絶対に離したりはしない。
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