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この騒動は翌日も続いた。
ヴィヴィアンが図書館で本を探している時にまたしても婚約破棄騒動が始まったのだ。
「貴方とは婚約を解消いたしますわ。後ほど男爵家に書類をお送りしますので確認なさって下さいな!」
「な、何故だ」
「私、目覚めたのですわ。心よりお慕いする方が出来たのです。ああ、ヴィヴィアン様、私のお姉様」
「な、おねえさま?」
「ええ、貴方みたいな腑抜けが婚約者だなんてイヤですわ。私のお姉様みたいに凛とした方でないと」
「あら、お待ちになって!ヴィヴィアン様は私の可愛い子猫ちゃんですわ。どなたにも渡しませんことよ」
もう一人増えた。
「あら、マリア・ハミルトン様ではありませんか。貴女もヴィヴィアン様の魅力にハマりましたのね。同士ですわ!」
「そういう貴女こそ婚約破棄だなんて思い切ったことをなさるのね。サラ・レイフォード様」
「ささ、ヴィヴィアン様、男共なんて放っておいて、私たちと友情を深めましょう」
マリアがエスコートするようにヴィヴィアンの手を取り、窓辺の席へと誘った。いったい何が起こっているのかしら?
三人で席に着くと、早速サラが自己紹介をした。ついでマリアも。
マリアは三年の中でも才色兼備で有名な令嬢で、男女ともにファンが多くいる人だ。
サラは私と同じ一年生だが、家が騎士を多く輩出する子爵家の一員で、女性ながら剣の腕が立ち、凛々しくてとても格好良い。
二人共、お姉様として密かに女生徒からの人気も高い。
「ああ、私お礼を言いたかったのですわ、私の可愛い子猫ちゃん。私たち貴女に救われましたのよ。あの時の貴女のお姿といったら、まるで女神様でしたわ!一目ですっかり骨抜きにされてしまいましたのよ」
マリアは胸の前で両手を組むと、頰を赤く染めてうっとりと夢見るような顔でヴィヴィアンを見つめた。その隣でサラもうっとりとした顔で大きく頷いた。
「ロイズ嬢、いや、ヴィヴィアン嬢と呼ばせて頂きますね。我々は貴女に助けられたんです。覚えておいでですか?ひと月前の雨の放課後、旧校舎であった出来事を。ここに集った者たちは、その時貴女に恋をしたんですよ」
いつのまにかクロードが書架に背を預けて立っていた。
「恋の前では皆無力です。ここにいる者は、貴女という花に魅せられた蝶、光に吸い寄せられた羽虫と同じ。恋の炎に焼かれたいと願う者ばかりです。ヴィヴィアン嬢、私は貴女の僕です。どうか私の手をお取り下さい」
クロードはヴィヴィアンに近づくと流れるような仕草で膝をついた。そして掬うようにヴィヴィアンの手を取り、ちゅっと音を立てて手の甲にキスをした。
「あっ、ずるいぞ、デューク。俺にも手にキスをする許可を」「私にも!」「もちろん俺もだ」
「お姉様、私にはハグする許可を!」「あらサラ様大胆な!では私には頰にキスして抱きしめる許可を下さいな、私の可愛い子猫ちゃん」
皆おかしくなってる。
ヴィヴィアンは目の前がクラクラしたが、ここで倒れたらその後どうなるかわからないと思い、必死で意識を繋ぎ止めた。そして無駄な抵抗を試みる。
「あの、申し訳ありませんが、皆様の仰っている意味がわかりませんわ。もしやお人違いではありませんか?」
「貴女を間違えるはずがないでしょう!」
皆が声を揃えて叫んだ。
ここは図書館です。できれば静かにして欲しいです。
ヴィヴィアンを本格的な眩暈が襲った。
ヴィヴィアンが図書館で本を探している時にまたしても婚約破棄騒動が始まったのだ。
「貴方とは婚約を解消いたしますわ。後ほど男爵家に書類をお送りしますので確認なさって下さいな!」
「な、何故だ」
「私、目覚めたのですわ。心よりお慕いする方が出来たのです。ああ、ヴィヴィアン様、私のお姉様」
「な、おねえさま?」
「ええ、貴方みたいな腑抜けが婚約者だなんてイヤですわ。私のお姉様みたいに凛とした方でないと」
「あら、お待ちになって!ヴィヴィアン様は私の可愛い子猫ちゃんですわ。どなたにも渡しませんことよ」
もう一人増えた。
「あら、マリア・ハミルトン様ではありませんか。貴女もヴィヴィアン様の魅力にハマりましたのね。同士ですわ!」
「そういう貴女こそ婚約破棄だなんて思い切ったことをなさるのね。サラ・レイフォード様」
「ささ、ヴィヴィアン様、男共なんて放っておいて、私たちと友情を深めましょう」
マリアがエスコートするようにヴィヴィアンの手を取り、窓辺の席へと誘った。いったい何が起こっているのかしら?
三人で席に着くと、早速サラが自己紹介をした。ついでマリアも。
マリアは三年の中でも才色兼備で有名な令嬢で、男女ともにファンが多くいる人だ。
サラは私と同じ一年生だが、家が騎士を多く輩出する子爵家の一員で、女性ながら剣の腕が立ち、凛々しくてとても格好良い。
二人共、お姉様として密かに女生徒からの人気も高い。
「ああ、私お礼を言いたかったのですわ、私の可愛い子猫ちゃん。私たち貴女に救われましたのよ。あの時の貴女のお姿といったら、まるで女神様でしたわ!一目ですっかり骨抜きにされてしまいましたのよ」
マリアは胸の前で両手を組むと、頰を赤く染めてうっとりと夢見るような顔でヴィヴィアンを見つめた。その隣でサラもうっとりとした顔で大きく頷いた。
「ロイズ嬢、いや、ヴィヴィアン嬢と呼ばせて頂きますね。我々は貴女に助けられたんです。覚えておいでですか?ひと月前の雨の放課後、旧校舎であった出来事を。ここに集った者たちは、その時貴女に恋をしたんですよ」
いつのまにかクロードが書架に背を預けて立っていた。
「恋の前では皆無力です。ここにいる者は、貴女という花に魅せられた蝶、光に吸い寄せられた羽虫と同じ。恋の炎に焼かれたいと願う者ばかりです。ヴィヴィアン嬢、私は貴女の僕です。どうか私の手をお取り下さい」
クロードはヴィヴィアンに近づくと流れるような仕草で膝をついた。そして掬うようにヴィヴィアンの手を取り、ちゅっと音を立てて手の甲にキスをした。
「あっ、ずるいぞ、デューク。俺にも手にキスをする許可を」「私にも!」「もちろん俺もだ」
「お姉様、私にはハグする許可を!」「あらサラ様大胆な!では私には頰にキスして抱きしめる許可を下さいな、私の可愛い子猫ちゃん」
皆おかしくなってる。
ヴィヴィアンは目の前がクラクラしたが、ここで倒れたらその後どうなるかわからないと思い、必死で意識を繋ぎ止めた。そして無駄な抵抗を試みる。
「あの、申し訳ありませんが、皆様の仰っている意味がわかりませんわ。もしやお人違いではありませんか?」
「貴女を間違えるはずがないでしょう!」
皆が声を揃えて叫んだ。
ここは図書館です。できれば静かにして欲しいです。
ヴィヴィアンを本格的な眩暈が襲った。
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