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19 デューク家のお茶会
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後日、文字盤を渡すことを理由にクロードから誘いを受けたヴィヴィアンは、アスベルを伴って会いに行った。
「ヴィヴィアン、貴女だけをお誘いしたつもりだったんですがね。いやはや全く無粋な人ですね、リシュルドは」
クロードはやれやれと肩を竦ませて二人を見た。
「無粋とは失礼な。学園で渡せばいいものを休日にわざわざ取りに来させるなんて、気が利かないではありませんか」
「ハハハ、休みの日まで忠犬のようにヴィヴィアンにひっついているとは!よほど私を警戒しているとみえますね。ということは、私にも一縷の望みがありそうですね」
「やめて下さい。そんなものは毛先程もありませんよ」
「デューク様、文字盤を持って来ていただきありがとうございます。いただいてもよろしいですか?」
「ああ、これは失礼しました。こんな所でいつまでもヴィヴィを立たせているなんて!さあ、こちらへ。お茶でも飲みながらあの時のことを教えて頂けませんか?お茶の用意をしてお待ちしていたんですよ」
「それに、今日ヴィヴィが来ることは内緒にしていたはずなのに、なぜか、カイザーも来てるんですよ。野生の勘だとか言ってね。二人きりの甘い時間を過ごすつもりが、とんだ邪魔が入りましたよ。ヴィヴィ、これに懲りず、花のような美しい貴女を愛でる時間を、どうか私に与えて下さいね」
ヴィヴィアンはクロードの言葉に一々赤くなる自分に嫌になるが、反応してしまうのを止める事ができなかった。
「まあ、デューク様!それはお約束出来かねますわ。でも、そうですね。同じ時間を共有したんですから、何があったのかお知りになりたいですよね。私にわかる事ならお答えしますわ」
「はあ、本当はこのまま帰りたいですが、ヴィヴィがそう言うなら仕方ありませんね。誘いをお受けしますよ」
そうしてクロードに案内されて、四人はデューク公爵家の美しい庭の四阿で、お茶会をすることになった。
「素晴らしいお庭ですね。花々が咲き乱れて、花のいい香りがしますね。風も気持ちがいいし、お茶も美味しくて。それにこのクランベリージャムとパンケーキはレシピを教えて欲しいくらいです!」
「やあ、ヴィヴィの美しさには、庭園の花々も霞んでしまいますよ。本当にいつでも側に置いて愛でていたい。それにパンケーキも気に入って貰えて良かった。これは我が家だけのレシピですのでお教えできませんが、ヴィヴィにならいつでもご用意しますよ。食べたくなったら声をかけて下さい」
「まあ、それは残念ですわ。家でも食べられたらと思ったんですが」
「フフ、それなら私の家に嫁いできませんか?いつでも好きな時に食べられますよ」
「デューク、厚かましいぞ!ヴィヴィ、俺の家にもぜひ来てくれ。美味しいものや珍しいものを揃えておくから」
「二人ともやめてくれ。ヴィヴィは私の婚約者だと何度も申し上げているはず。ヴィヴィはどこにも行きませんよ」
掛け合いを楽しんでいるようにしか見えない三人の会話に、ヴィヴィアンはクスリと笑みをこぼした。
「ヴィヴィ、何を笑ってるんですか?」
「フフ、ごめんなさい。三人がとても仲の良い友人同士に見えてしまって」
「やめてくれよ」
三人が一斉に顔を顰めた。
「でも、そうね。そろそろ先日の話をしましょうか?デューク様は何がお知りになりたいの?」
「ヴィヴィアン、貴女だけをお誘いしたつもりだったんですがね。いやはや全く無粋な人ですね、リシュルドは」
クロードはやれやれと肩を竦ませて二人を見た。
「無粋とは失礼な。学園で渡せばいいものを休日にわざわざ取りに来させるなんて、気が利かないではありませんか」
「ハハハ、休みの日まで忠犬のようにヴィヴィアンにひっついているとは!よほど私を警戒しているとみえますね。ということは、私にも一縷の望みがありそうですね」
「やめて下さい。そんなものは毛先程もありませんよ」
「デューク様、文字盤を持って来ていただきありがとうございます。いただいてもよろしいですか?」
「ああ、これは失礼しました。こんな所でいつまでもヴィヴィを立たせているなんて!さあ、こちらへ。お茶でも飲みながらあの時のことを教えて頂けませんか?お茶の用意をしてお待ちしていたんですよ」
「それに、今日ヴィヴィが来ることは内緒にしていたはずなのに、なぜか、カイザーも来てるんですよ。野生の勘だとか言ってね。二人きりの甘い時間を過ごすつもりが、とんだ邪魔が入りましたよ。ヴィヴィ、これに懲りず、花のような美しい貴女を愛でる時間を、どうか私に与えて下さいね」
ヴィヴィアンはクロードの言葉に一々赤くなる自分に嫌になるが、反応してしまうのを止める事ができなかった。
「まあ、デューク様!それはお約束出来かねますわ。でも、そうですね。同じ時間を共有したんですから、何があったのかお知りになりたいですよね。私にわかる事ならお答えしますわ」
「はあ、本当はこのまま帰りたいですが、ヴィヴィがそう言うなら仕方ありませんね。誘いをお受けしますよ」
そうしてクロードに案内されて、四人はデューク公爵家の美しい庭の四阿で、お茶会をすることになった。
「素晴らしいお庭ですね。花々が咲き乱れて、花のいい香りがしますね。風も気持ちがいいし、お茶も美味しくて。それにこのクランベリージャムとパンケーキはレシピを教えて欲しいくらいです!」
「やあ、ヴィヴィの美しさには、庭園の花々も霞んでしまいますよ。本当にいつでも側に置いて愛でていたい。それにパンケーキも気に入って貰えて良かった。これは我が家だけのレシピですのでお教えできませんが、ヴィヴィにならいつでもご用意しますよ。食べたくなったら声をかけて下さい」
「まあ、それは残念ですわ。家でも食べられたらと思ったんですが」
「フフ、それなら私の家に嫁いできませんか?いつでも好きな時に食べられますよ」
「デューク、厚かましいぞ!ヴィヴィ、俺の家にもぜひ来てくれ。美味しいものや珍しいものを揃えておくから」
「二人ともやめてくれ。ヴィヴィは私の婚約者だと何度も申し上げているはず。ヴィヴィはどこにも行きませんよ」
掛け合いを楽しんでいるようにしか見えない三人の会話に、ヴィヴィアンはクスリと笑みをこぼした。
「ヴィヴィ、何を笑ってるんですか?」
「フフ、ごめんなさい。三人がとても仲の良い友人同士に見えてしまって」
「やめてくれよ」
三人が一斉に顔を顰めた。
「でも、そうね。そろそろ先日の話をしましょうか?デューク様は何がお知りになりたいの?」
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