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20 最後もやはり恋の鞘当て
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「そうですね。大体のことはあの時の話でわかったんですが、アメリア嬢の話は本当のことなんでしょうか?」
「デュークも旧校舎の話を聞いたことがあるだろう?幽霊が出るって話。本当にあったことじゃないか?」
クロードの質問にウォルフが答えた。それにヴィヴィアンが言葉を続けた。
「そうですね。本当の話だと思います。カイザー様、アガサ様が文字盤を見つけて使いたくなったって仰ってましたが、そもそもどうして旧校舎に行かれたんでしょうか?」
ウォルフは頭を掻きながら答えた。
「あー、あいつは怖いもんが好きなんだよ。それを見つけた時も幽霊に会いに行くっつって、俺を引っ張って旧校舎に行ったんだ。あいつにはあちこち連れられて行ったよ。不本意だが、王都の心霊スポットにはかなり詳しくなっちまった」
「まあ!!気をつけて下さいね」
「ああ、もう行くこともないからな」
そう言うとヴィヴィアンに熱い眼差しを送った。アスベルが視線を遮るように二人の間を手で払う。
「ヴィヴィ、この文字盤はもう危険がないと思っていいんですか?」
「ええ、デューク様。アメリアとの約束通り私が預かりますね」
「じゃあ、あの騒動はこれを貴女に渡して全て終わったとみていいんですね」
「ええ。色々とお気遣い下さりありがとうございました」
「そうか。過去の話だが、痛ましい出来事だったな。この文字盤はどうするつもりですか?」
「ええと、それは秘密ですわ」
「危険はありませんね」
「ええ。お約束しますわ、デューク様」
「では最後に」
クロードは立ち上がりヴィヴィアンの側に行くと、さっと手を握り、その甲にキスをした。
「ヴィヴィ、愛しています。リシュルドなんかやめて、私の手を取っていただけませんか?」
「あ、何を!また抜け駆けしやがって!許さん。ヴィヴィ、どうか俺を選んで下さい。一生貴女に尽くし、守ると誓います」
ウォルフが慌てて立ち上がりヴィヴィアンの足元に跪いた。それを見てアスベルは蒼白になった。
「デューク、手を離して下さい。ヴィヴィ、もう行きましょう。こんな不愉快な所には一分一秒でも居たくありません」
アスベルはクロードの手を手刀で叩き、ヴィヴィアンを立ち上がらせて腰を抱いた。テーブルの上にあった文字盤を手に取ると、挨拶もそこそこに門へと向かった。
「あ、アスベル様、ちょっと待って下さいませ。ご挨拶がまだ!デューク様ご馳走様でしたわ。ウォルフ様もご機嫌よう。ちょっ、アスベル様、転んでしまいます!それでは皆様、失礼いたしますわ」
ヴィヴィアンは困ったようにアスベルを見るが、歩く速度も、腰を抱く手も少しも緩まない。ヴィヴィアンは仕方なしに引っ張られながら後ろを振り返り早口でお礼を言った。
テーブルの側で、二人は立ち上がり、笑いながら手を振っている。ヴィヴィアンはため息を吐きながら呟いた。
「どうみても揶揄われてますわよね。アスベル様が!」
馬車に乗り込み、リシュルド家に向かう。
「デュークも旧校舎の話を聞いたことがあるだろう?幽霊が出るって話。本当にあったことじゃないか?」
クロードの質問にウォルフが答えた。それにヴィヴィアンが言葉を続けた。
「そうですね。本当の話だと思います。カイザー様、アガサ様が文字盤を見つけて使いたくなったって仰ってましたが、そもそもどうして旧校舎に行かれたんでしょうか?」
ウォルフは頭を掻きながら答えた。
「あー、あいつは怖いもんが好きなんだよ。それを見つけた時も幽霊に会いに行くっつって、俺を引っ張って旧校舎に行ったんだ。あいつにはあちこち連れられて行ったよ。不本意だが、王都の心霊スポットにはかなり詳しくなっちまった」
「まあ!!気をつけて下さいね」
「ああ、もう行くこともないからな」
そう言うとヴィヴィアンに熱い眼差しを送った。アスベルが視線を遮るように二人の間を手で払う。
「ヴィヴィ、この文字盤はもう危険がないと思っていいんですか?」
「ええ、デューク様。アメリアとの約束通り私が預かりますね」
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「ええ。色々とお気遣い下さりありがとうございました」
「そうか。過去の話だが、痛ましい出来事だったな。この文字盤はどうするつもりですか?」
「ええと、それは秘密ですわ」
「危険はありませんね」
「ええ。お約束しますわ、デューク様」
「では最後に」
クロードは立ち上がりヴィヴィアンの側に行くと、さっと手を握り、その甲にキスをした。
「ヴィヴィ、愛しています。リシュルドなんかやめて、私の手を取っていただけませんか?」
「あ、何を!また抜け駆けしやがって!許さん。ヴィヴィ、どうか俺を選んで下さい。一生貴女に尽くし、守ると誓います」
ウォルフが慌てて立ち上がりヴィヴィアンの足元に跪いた。それを見てアスベルは蒼白になった。
「デューク、手を離して下さい。ヴィヴィ、もう行きましょう。こんな不愉快な所には一分一秒でも居たくありません」
アスベルはクロードの手を手刀で叩き、ヴィヴィアンを立ち上がらせて腰を抱いた。テーブルの上にあった文字盤を手に取ると、挨拶もそこそこに門へと向かった。
「あ、アスベル様、ちょっと待って下さいませ。ご挨拶がまだ!デューク様ご馳走様でしたわ。ウォルフ様もご機嫌よう。ちょっ、アスベル様、転んでしまいます!それでは皆様、失礼いたしますわ」
ヴィヴィアンは困ったようにアスベルを見るが、歩く速度も、腰を抱く手も少しも緩まない。ヴィヴィアンは仕方なしに引っ張られながら後ろを振り返り早口でお礼を言った。
テーブルの側で、二人は立ち上がり、笑いながら手を振っている。ヴィヴィアンはため息を吐きながら呟いた。
「どうみても揶揄われてますわよね。アスベル様が!」
馬車に乗り込み、リシュルド家に向かう。
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