あの日の君に、もう一度会いたい。

まなみ

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ジリジリと暑い夏は新学期が始まった9月にも終わらなかった。
みんなが「暑い、暑い」と雄叫びをあげている中、太陽は平然と横を通り、そくさま教室で本を読み始めた。
僕はこの時間がとてつもなく好きだ。
誰にも邪魔されず、本の世界に入って行ける、そんな時間が大好きだ。
ただそんな時間を遮る者がいた。
「たいよー、また何か読んでんのー?友達と遊びなよー」
「…」
そこにいたのは笑美だった。笑美はいつも太陽の邪魔をしているのだ。
「えみ、今読んでるから違う人構って 俺は今えみに構ってる暇なんてな…」
「えー、どんな本読んでるのー?」
まるで話を聞いていない。
すると前のドアからある人が入って来た。ある人とは、違うクラスで笑美の親友、愛梨だった。
「ほら、あいり来たぞ えみ」
「わぁ!あーいりー!」
太陽と愛梨は普通に仲は良かった。笑美の親友なのでよく笑美が家に愛梨を連れてくることが多くあり、太陽は愛梨と仲良くなっていった。
笑美は廊下にいる愛梨のところへ行った。太陽はまた一人で本を読み進めた。分かりたくなかったが、笑美がいなければ、俺は一人だ。友達なんていない。
ただ不思議と寂しい気持ちにはならなかった。
なぜかはまだ、気付いていない。
チャイムが鳴り、愛梨は自分の教室に戻った。ホームルームでは担任の話が長すぎて眠くなっていた。一つ、あくびをするとその姿を笑美に見られ、口パクで『ば、か!』と言われた。『あ、ほ』と返した。笑美は笑いながら太陽を見つめていた。そうしたら、
「こらー!有岡、近藤!先生の話中に遊ぶんじゃねー!」
「はーい」と笑美の声が聞こえたと同時に、クラスの人たちが笑い始めた。笑美は近くの席の人と喋っていた。きっとずっーと続くものだと、そう思っていた。
ある日の家、自室で本を読んでいる太陽。するとベランダのドアがコンコンと音を立てて、
「お話があるんだけど、いい?」
「いいよ、入って来て」
笑美にしては随分改まった顔で部屋に入って来た。
「あ…あのね、映画のチケットが一枚余ってるの 一緒に行かない?二人で」
「え」
太陽はびっくりしていた。まさか幼なじみから映画に誘われるなんて思ってもみなかったことだ。太陽は焦りながら、
「う…うん、別にいいけど…」
「ほんと!?ありがと!じゃあ次の日曜日、11時に〇〇駅集合ね!」
「うん、わかった…」
そして、笑美は自分の部屋に戻っていった。
僕は、一人、顔を赤く染めていた。
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