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気付き 2
しおりを挟む「どうなってるんだ。ちくしょう。散々な目に遭ってるな」
やっと状況が落ち着き、スインも冷静になって考えられるようになった。本来なら胃の中で消化されている状態で。
環境が環境だけに、直ぐに不味い状態にあるとは気付けたのだが、これがどういう事態なのかは直ぐには分からなかった。
そして気付く。
こんな時こそ生活魔法の明かりだと。
「《明かり》!」
ぼわんと灯る薄明かり。それでも十分だった。とってもグロい環境の中に居るのは分かった。
「やっぱり生き物にとっては明かりは重要だな」
そんなことを呟いて、現実逃避したい気持ちを逸らしつつ、頭皮を掻きながら周囲を見渡して行く。
ぽりぽり ぽりぽり
そこで気が付いた。
「この毛量。いつ以来だろうか。……
そうだ。鑑定なら何か分かるかも」
やはり現実逃避はしつつ、そこで鑑定を使って確かめる事も出来るんじゃないかと気が付けた。
「あ゛ん?!!」
変な声が出た。声にはならない変な音。
「ど、ど、ど、ど、ドラゴンっ!!」
……
……
そんな名前のドラゴンは流石に居ないが、暫く間があったのは、ドラゴンがどんな存在なのか、その理解と、現状がその胃袋の中だという事を受け入れる為の時間だった。
「そ、そういう事か。はは、はは」
……
……
「っ! そ、そんな、……」
そしてまた間があったのは、先程と同様、無敵期間までに何とかしなくちゃならないって覚悟と、これもさっきと同様、直ぐに次は俺のターンだと決心したはいいが、これまたさっきと同様、アイテムボックス無双をしてみようと思ったのに、大岩を出す事が出来なかった失望感からだった。
「容量オーバーの物は出せないのか、これも安全対策って事か」
そしてそんな解説のような感想を漏らしたスインだった。
部屋のような空間の中では、その部屋より大きな物は取り出せない。そういう事だった。
更に、こんな臭くて気持ち悪い所に閉じ込めやかって。モンスターはやっぱり憎むべき存在。倒すべに相手。出来る事なら殲滅させてやりたいが、そんな手段はあるんだろうか。
そんな思考の海へとダイブして行くのだった。
……
「そうだ。ステータスだ!」
そこに漸く気付き、素っ裸のまま違った意味の興奮状態でレベルが上がってるはずのステータスを確実にするのだった。
流石に肉弾戦ではどうにもならさそうな現状は本能が理解していた。ならば魔法だ。ユニークスキルだ。そう思ったのだった。
モンスターハウス攻略後も確認していなかった。階段を降りながら確認した時には、レベルを上げればカリスマヘアーのレベルも上がり、何かしらのスキルが開放されて行くと分かったのだ。まだまだ開放させて行きたいとも思ったのだ。
ならば確認すべきだろう。そういう事だった。
◼️【ステータス】◼️
スイン・ハーゲン
18歳 男
リーヨンヌ王国 平民
無職
健康
レベル:10 →33
体 力:並 →多い
魔 力:並
力強さ:並 →強い
素早さ:並
器用さ:並 →やや器用
精神力:並 →やや高い
幸 運:低
【ユニークスキル】
カリスマヘアー レベル:2 →6
生活魔法 開放
耐性スキル開放
全ての耐性スキルレベル3
補助スキル開放
全ての補助スキルレベル3
生産スキル開放
全ての生産スキルレベル3
補助魔法 開放
全ての補助魔法レベル3
【スキル】
◼️◼️◼️◼️◼️
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