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第二章 魔王エルケニヒ
3 秘めごと ※
しおりを挟む「あ、ん……う、いや、やだああっ」
そして、今。
ずっと求めつづけていた彼の体が、自分の手の内にある。
魔族の体液に侵され、理性を半ばとばした状態で、半裸になった体を蠱惑的にくねらせている。これでそそられるなと言うほうが無理な相談だ。
彼に説明したとおり、リョウマは今、エルケニヒの体液を吸収してしまったことで性的な興奮を無理やりに引き出され、理性のほとんどを手放しかかっている。普通の人間だったらとっくにあの世への階段をのぼってしまっている段階だろう。
こんな形で彼を手に入れようと考えていたわけではなかったが「据え膳」をそのままにしておくのもいかにも癪な話だった。なんといっても、初対面のあの時からずっと、密かに求めつづけてきた人なのだ。
「やめっ……やめろおっ。も、やだっ……イキたい、イかせろよおおおっ」
今やリョウマは、エルケニヒの膝の上で両足を開き、指一本で戒められた自分自身の昂りに翻弄され、激しくかぶりを振っている。頬も耳も、首まで真っ赤に染まっていて何とも可愛らしい。想像していた以上の痴態だった。
こんな形で抱きたかったわけではないが、この姿に翻弄されるなというのは無理がある。エルケニヒは彼のものをさらに激しく扱きながら、もう片方の指を自分の唾液で十分に濡らしてから、そっと彼の後ろへと指を忍ばせてみた。
「あっは……やぁめっ……ど、どこ、触ってやがんだあっ」
「自分でもわかるだろう? そなたのこの奥が、だいぶ疼いていることが」
「ちがっ、んなわけっ……あ、あんっ」
そうは言いながら、リョウマは尻を振って逃げようとするのとは逆に、エルケニヒの指先を求めるように自分の穴をそこへあてがおうとしているのは明白だった。
入口にぬめりを練り込んでやると、またもやそこからエルケニヒの体液を吸収する形になる。このまま指を進めれば、内壁からはさらに効率よく吸収することになるので、効果は絶大だ。
泣き声をあげるリョウマには構わず、エルケニヒは彼の体の欲求のほうに従った。つぷりと指を進めて秘所の閉ざされた入口へと侵入を果たす。
「あっ……ああ~ん!」
リョウマの声にさらに艶が追加された。もどかしげに尻を振り、明らかに「さらに奥へ、もっと」と体のほうは求めている。
「やめ……ろってぇ。ああ、ああん……っ」
第一関節まで入っただけで、リョウマの表情がさらに蕩けた。ぐりぐりと内壁に唾液を刷り込みつつ、感触を味わいながら指を進める。
そのうち、こりっと可愛らしい膨らみを見つけて、ちょんと指先でつついてみた。
「はああんっ!」
電撃が走ったかのようにリョウマの背中が一瞬ビリッと硬直する。
「あ、ああ……や、いや……だぁ」
「上の口はまったく素直じゃないな。下の口はこんなにも正直だというのに」
口の端からよだれを垂らしている彼の耳に、そっと囁きを流し込み、そのまま柔らかく耳朶を食んでやってから首筋にキスを落とした。そのまま何度か「その場所」を強弱をつけてつついてやると、リョウマの尻はびくん、びくんと面白いように跳ねた。
「あっ、あ、……あん、あっ……!」
感度は大変よいようだ。やはり才能がある。
胸の奥から湧きあがってくる喜びを味わいながら、エルケニヒはさらに指を進めつつ、前を愛撫する速度を速めた。
「あっ、あっ? やめ、だめえっ……い、イかせてっ、も、やだあああっ」
完全に幼子のようなことしか言わなくなったリョウマもやはり可愛すぎて、エルケニヒは胸がつまった。そろそろ解放してやらねば、本当に脳が侵されきってしまうだろう。エルケニヒは何度も彼の黒い髪や肩や首筋に口づけを落としてから、言った。
「わかったわかった。いい子だから、したいように腰を振ってごらん。今の状態でできるかぎり、もっとも気持ちよく昇天させてやろうぞ」
「あ、う……? ううっ、ん……っ」
ほとんど放心状態で、リョウマがこくこくと首を上下させる。それを確かめて満足し、エルケニヒは指の動きを速めた。
前を巧みに扱きつつ、後ろへの突き込みも激しくしていく。リョウマは痺れたように痙攣を繰り返しつつ、自分の「イイ」場所を突いてもらうべく必死に尻を左右に振りまくりはじめた。
口は開けっ放し、舌も出しっぱなしのよだれと涙でぐちゃぐちゃの顔なのに、やっぱりひどく可愛かった。
「あっ、あっ……だ、だめえ……もう、い、イクぅ……っ!」
その瞬間を外さず、エルケニヒは彼の根本を解放してやった。
「あっ……あ、あああ~~~………」
恍惚の表情。リョウマが自分の腕の中で全身をぴりぴりと震わせ、自身の先から欲望の証を放出させていく。もちろん初めて見たわけではないが、リョウマのそれは格別だった。
濃い精を思い切り吐き出したリョウマは、それと同時にかくんと体の力が抜けて、意識を飛ばしてしまったようだった。ぐにゃりと力を失った彼の体を抱きしめて、しばしエルケニヒは感慨に浸った。
「リョウマ……」
──私のものだ。もう絶対に、私のもの。必ずそうする。だれがなんと言おうとも。
千年を生きてきた魔王ともあろう者が、愚劣きわまりない思考をしているという自覚はあった。だがここから出てから後のことは、今は考えたくなかった。
今はただ、こうしていたいのだ。
ずっと愛しく思ってきた人が自分の、自分だけの腕の中にいる、この瞬間だけは。
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