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「最近主人のレイーシャさまが、可愛がっている子どもがいると聞いたので、わたくしも一緒に仲良くしたいと思いましたので、コーディーにあなたを迎えに行ってもらいましいた。
レイーシャさまといつもどのようなお話をなさっているのですか?
あら、失礼。わたくしったら、客にお茶も出さないでおしゃべりするなんてダメですわね。
お茶の用意をお願い」
メリーナさまが近くにいる侍女に声をかけてすぐにお茶を出された。
「主人のレイーシャさまはとても子どもが好きですの。レイーシャさまとわたくしの母は姉妹で小さいころから兄弟のように育ちましたの。
ご存知のようにレイーシャさまの兄弟の母君さまたちはみなさま違うので、レイーシャさまはわたくしとの方が本当の兄妹のようでした。
あっ、そうだわ。レイーシャさまの小さいころの肖像画をご覧になられる?」
メリーナさまがお茶を飲むようにすすめたが、体が硬直してそこに座っているのに精一杯だった。メリーナさまはリーナが全然相槌も返事もしないのも気にせずに独りで話している。
「わたくしとレイーシャさまの母君たちはカルデェリア公爵家出身ですの。この教会はカルディア公爵の先祖が建築して管理していますの。
だからカルディア公爵家に繋がるわたくしたちの小さいころ肖像画あるのよ。
この部屋の近くにありますわ、行きましょう」
メリーナさまが立ち上がると部屋から出て行った。彼女の両脇に一歩下がった位置にコーディーさまともう一人の騎士が続く。その後に侍女が二人いる。
他の騎士について行くようの言われたので、里奈も侍女の後に続いた。
騎士を従えて背筋をまっすぐ歩くメリーナさまは女王様のように貫禄が備わっている上に綺麗だった。彼女は里奈を牽制するために呼び出したのか、純粋にレイーシャさまの可愛がっていると言う『子ども』(←ここ大事)に会いたかったのかどちらか分からなかった。
ただ分かったのが、メリーナさまは里奈を呼んだのに、里奈のことを見ていなかった。
さっきの応接間も優雅で豪華だったけれど、たどり着いた部屋は部屋全体芸術的で、ここは教会と言われるよりも宮殿と言われた方が納得する部屋だった。
「これがレイーシャさまが十歳の時の肖像画ですわ。隣にある肖像画はわたくしが十歳の時に同じ画家に同じ時時期に描いていただいたのですわ」
十歳の時のレイーシャさまは今の面影があるけれど、子ども特有の可愛らしさがあった。コバルトブルーの瞳はそのころと変わらずに綺麗だった。
レイーシャさまとメリーナさまの肖像画は、対の雛人形のようだった。
「こちらの絵も見てくださいな」
メリーナさまの隣に立って、壁の絵を見た。
「もう一人の画家が描いてくださったのですわ。本来ならわたくしの個人の絵画ですけれど、とても素晴らしいので他の方にも楽しんでいただこうと思いここに飾っていますの」
飾られていた絵は、椅子に座っている幼いメリーナさまの前に、片脚をついて彼女の手を握っている幼いレイーシャさまの絵だった。
「幼いころにレイーシャさまはわたくしの騎士と言ってくださったのですわ。
レイーシャさまが本来ご兄弟の中で母親の身分が一番高いのに、後で生まれたと言うだけで国王になれませんでしたの。
さらにレイーシャさまが政治の中心に携わる仕事を避けるようにと騎士になるように前国王から言われたのですわ。
自分が将来、兄さまたちを助けていこうと思っていたレイーシャさまはすごく落ち込みましいた。だからわたくしが騎士はか弱い女性を守る素晴らしいお仕事ですよ、と励ましたのです」
メリーナさまは一体どうしてそんな話を里奈にするのだろう。
「レイーシャさまは元々素晴らしい方でしたので、立派な騎士になりました。
でもわたくしやカルデェリア公爵家の方々は、次の国王はレイーシャさまの息子にと望んでいます。わたくしはこの国の女性の中で一番魔力があります。レイーシャさまとわたくしとだったら子どもが授かるでしょう。
まだ三年しか経っていません。もしわたくしが子どもが授からなかったとしても、わたくしほどレイーシャさまのことを分かっている女性はいません」
今まで絵を見ていたメリーナさまが里奈の方を見た。
「だからわたくしはレイーシャさまと結婚をします。わたくしとレイーシャさまは今大事な時期ですので、あまりレイーシャさまの手間を取らせないでくださいませんか」
「えっ?」
「レイーシャさまは本当にお優しい方ですから、異国の非人を可哀想と思ってお相手をしています。本来、それは騎士としてのお仕事だと思いますが、レイーシャさまじゃなくてもいいと思いますの。
今度から用事や相談事がある場合はコーディーにおっしゃってくださいな」
「あの、違う」「それでは、そう言うことでよろしくお願いします」
里奈の言葉を遮って、メリーナさまは挨拶をすませると部屋を出て行った。部屋の中には、コーディーさまと里奈だけが残った。
レイーシャさまといつもどのようなお話をなさっているのですか?
あら、失礼。わたくしったら、客にお茶も出さないでおしゃべりするなんてダメですわね。
お茶の用意をお願い」
メリーナさまが近くにいる侍女に声をかけてすぐにお茶を出された。
「主人のレイーシャさまはとても子どもが好きですの。レイーシャさまとわたくしの母は姉妹で小さいころから兄弟のように育ちましたの。
ご存知のようにレイーシャさまの兄弟の母君さまたちはみなさま違うので、レイーシャさまはわたくしとの方が本当の兄妹のようでした。
あっ、そうだわ。レイーシャさまの小さいころの肖像画をご覧になられる?」
メリーナさまがお茶を飲むようにすすめたが、体が硬直してそこに座っているのに精一杯だった。メリーナさまはリーナが全然相槌も返事もしないのも気にせずに独りで話している。
「わたくしとレイーシャさまの母君たちはカルデェリア公爵家出身ですの。この教会はカルディア公爵の先祖が建築して管理していますの。
だからカルディア公爵家に繋がるわたくしたちの小さいころ肖像画あるのよ。
この部屋の近くにありますわ、行きましょう」
メリーナさまが立ち上がると部屋から出て行った。彼女の両脇に一歩下がった位置にコーディーさまともう一人の騎士が続く。その後に侍女が二人いる。
他の騎士について行くようの言われたので、里奈も侍女の後に続いた。
騎士を従えて背筋をまっすぐ歩くメリーナさまは女王様のように貫禄が備わっている上に綺麗だった。彼女は里奈を牽制するために呼び出したのか、純粋にレイーシャさまの可愛がっていると言う『子ども』(←ここ大事)に会いたかったのかどちらか分からなかった。
ただ分かったのが、メリーナさまは里奈を呼んだのに、里奈のことを見ていなかった。
さっきの応接間も優雅で豪華だったけれど、たどり着いた部屋は部屋全体芸術的で、ここは教会と言われるよりも宮殿と言われた方が納得する部屋だった。
「これがレイーシャさまが十歳の時の肖像画ですわ。隣にある肖像画はわたくしが十歳の時に同じ画家に同じ時時期に描いていただいたのですわ」
十歳の時のレイーシャさまは今の面影があるけれど、子ども特有の可愛らしさがあった。コバルトブルーの瞳はそのころと変わらずに綺麗だった。
レイーシャさまとメリーナさまの肖像画は、対の雛人形のようだった。
「こちらの絵も見てくださいな」
メリーナさまの隣に立って、壁の絵を見た。
「もう一人の画家が描いてくださったのですわ。本来ならわたくしの個人の絵画ですけれど、とても素晴らしいので他の方にも楽しんでいただこうと思いここに飾っていますの」
飾られていた絵は、椅子に座っている幼いメリーナさまの前に、片脚をついて彼女の手を握っている幼いレイーシャさまの絵だった。
「幼いころにレイーシャさまはわたくしの騎士と言ってくださったのですわ。
レイーシャさまが本来ご兄弟の中で母親の身分が一番高いのに、後で生まれたと言うだけで国王になれませんでしたの。
さらにレイーシャさまが政治の中心に携わる仕事を避けるようにと騎士になるように前国王から言われたのですわ。
自分が将来、兄さまたちを助けていこうと思っていたレイーシャさまはすごく落ち込みましいた。だからわたくしが騎士はか弱い女性を守る素晴らしいお仕事ですよ、と励ましたのです」
メリーナさまは一体どうしてそんな話を里奈にするのだろう。
「レイーシャさまは元々素晴らしい方でしたので、立派な騎士になりました。
でもわたくしやカルデェリア公爵家の方々は、次の国王はレイーシャさまの息子にと望んでいます。わたくしはこの国の女性の中で一番魔力があります。レイーシャさまとわたくしとだったら子どもが授かるでしょう。
まだ三年しか経っていません。もしわたくしが子どもが授からなかったとしても、わたくしほどレイーシャさまのことを分かっている女性はいません」
今まで絵を見ていたメリーナさまが里奈の方を見た。
「だからわたくしはレイーシャさまと結婚をします。わたくしとレイーシャさまは今大事な時期ですので、あまりレイーシャさまの手間を取らせないでくださいませんか」
「えっ?」
「レイーシャさまは本当にお優しい方ですから、異国の非人を可哀想と思ってお相手をしています。本来、それは騎士としてのお仕事だと思いますが、レイーシャさまじゃなくてもいいと思いますの。
今度から用事や相談事がある場合はコーディーにおっしゃってくださいな」
「あの、違う」「それでは、そう言うことでよろしくお願いします」
里奈の言葉を遮って、メリーナさまは挨拶をすませると部屋を出て行った。部屋の中には、コーディーさまと里奈だけが残った。
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