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里奈が抵抗しても問答無用状態で、レイーシャさまにお姫さま抱っこで優雅な部屋へ拉致された。モスグリーンとミルクコーヒー色の落ち着いた部屋だった。
レイーシャさまが部屋に近づくと、侍女が慌てて扉を開けた。室内に入ると、続き部屋に入った。
里奈は丁寧に中央にあるベットに下ろされた。
「しばらく誰もこの部屋に入るな」
「あ、あの、殿下。そちらの女性はどちらさまですか?」
レイーシャさまの居館に入ってから、数人の侍女や執事や従者などが彼を見かけると後を追いかけて来た。そして、使用人の中で一番年配の男の人がレイーシャさまに尋ねた。
「私の妃だ」
「「「「ッ!!」」」」
全員驚いた顔でレイーシャさまを見た後に里奈を見た。
「しかし! 彼女は非人です!」
金髪を綺麗に結っている女性が里奈を指して甲高い声を上げた。
(あっ!? あの人は!?)
「それがどうした?」
レイーシャさまが地響しそうな声で彼女に向かって聞いた。
「み、身分が、ち、違います! 近いうちにメリーナさまとご結婚なされるのに、こんな非人など部屋に連れて来られなどなされては、メリーナさまが可哀想です!」
「そうだ」「そうです」と周りの使用人たちが彼女の意見に同意をすると、彼女はさっきまで遠慮ぎみだったのに、今は堂々とレイーシャさまに言った。
「第一、レイーシャ殿下のお妃になるには、子どもをご懐妊なされないといけません。
妊娠の可能性がない非人、石女にご寵愛を与えるなどあってはなりません。
も、もし、メリーナさま以外で他の女性がいいとおっしゃるならば、あ、あの、そ、その、わたくしがなりますわ!」
さっき魔力回復を飲んで気分がよくなったと思ったけれど、今は体が怠くてこのフワフワしたベットで横になりたかった。
「おまえは名をなんと言うのだ?」
「はっ、はい。メリーナさまのご紹介で一ヶ月前からレイーシャ殿下の居館配属になりました、イザベル・セルジエールでございます。セルジエール男爵の長女です」
真っ赤な顔でイザベルさんが言った。里奈は彼女のことを覚えている。
レイーシャさまとはじめて会った日に、里奈を押した侍女だ。やっぱりあの日、イザベルさんはレイーシャさまを見に来ていたんだ。
「そうか。ライラ」
「はい、ここにおります」
白髪が混じっている髪をぴっちり結った、背中も物差しを当てているのではと思うぐらい綺麗な姿勢の女性がレイーシャさまの前に出て、綺麗なお辞儀をした。
「今後いっさいこの女を私の館に入れることを禁止する。
礼儀がなっていない。勤務中、自己紹介する場合は身分を述べないようになっているはずだ。ライラ、侍女の管理はおまえの役目のはずだ。
メリーナはもう私の側室ではない」
「ちょっと! な、なにをおっしゃっているのですか!? どうしてわたくしが!」
メリーナさまはレイーシャさまの側室じゃない?
「黙れ! 誰がおまえに発言を許した!
ライラ、私の侍女長として、今後変な女を私の居館に入れるな」
「心得ました」
ライラさんが先ほどのお辞儀より、さらに深く頭を下げた。
「みなの者もきちんと心得るように。私はメリーナとの王族としての役目の期間を終えた。私はメリーナと今後婚姻する予定はない。
私はこの女性、リーナを妃にする」
使用人たちはレイーシャさまの一方的な命令を納得できないようでざわざわお互いに目配りや小声で会話をしている者たちもいた。
「発言をお許しください」
「なんだ? ラファエル?」
先ほどレイーシャさまと話をした年配の男性だった。
「王族の正妃は妊娠しなければなれません」
「はっはっはっはーー。これは面白い! メリーナも妊娠して子どももいないのに、みんな彼女を私の妃にしたがった」
里奈にはどうしてレイーシャさまが笑い出したか判らなかった。そして、イザベルさんや数人の侍女たちが里奈をさっきから睨んでいるから、話を聞く余裕もなかった。
「ラファエル。仮にもおまえは貴族だろ? 見えないのか? リーナをよく見ろ」
「こ、これは!」
数人の使用人たちが衝撃を受けたような顔で里奈を見ている。
「ひっ!」
里奈は怖くなって息を止めた。
「分かったな。ラファエル、兄上たちにこの喜ばしい朗報を託けておくれ」
「はっ、はい!」
「私が呼ぶまでみんなここを出て行け」
ほとんどの人たちはお祝いの言葉をレイーシャさまに言って部屋を出た。でも、イザベルさんと数人の侍女たちは、親の仇に会ったような顔で里奈を睨んだ後に部屋を出て行った。
里奈が抵抗しても問答無用状態で、レイーシャさまにお姫さま抱っこで優雅な部屋へ拉致された。モスグリーンとミルクコーヒー色の落ち着いた部屋だった。
レイーシャさまが部屋に近づくと、侍女が慌てて扉を開けた。室内に入ると、続き部屋に入った。
里奈は丁寧に中央にあるベットに下ろされた。
「しばらく誰もこの部屋に入るな」
「あ、あの、殿下。そちらの女性はどちらさまですか?」
レイーシャさまの居館に入ってから、数人の侍女や執事や従者などが彼を見かけると後を追いかけて来た。そして、使用人の中で一番年配の男の人がレイーシャさまに尋ねた。
「私の妃だ」
「「「「ッ!!」」」」
全員驚いた顔でレイーシャさまを見た後に里奈を見た。
「しかし! 彼女は非人です!」
金髪を綺麗に結っている女性が里奈を指して甲高い声を上げた。
(あっ!? あの人は!?)
「それがどうした?」
レイーシャさまが地響しそうな声で彼女に向かって聞いた。
「み、身分が、ち、違います! 近いうちにメリーナさまとご結婚なされるのに、こんな非人など部屋に連れて来られなどなされては、メリーナさまが可哀想です!」
「そうだ」「そうです」と周りの使用人たちが彼女の意見に同意をすると、彼女はさっきまで遠慮ぎみだったのに、今は堂々とレイーシャさまに言った。
「第一、レイーシャ殿下のお妃になるには、子どもをご懐妊なされないといけません。
妊娠の可能性がない非人、石女にご寵愛を与えるなどあってはなりません。
も、もし、メリーナさま以外で他の女性がいいとおっしゃるならば、あ、あの、そ、その、わたくしがなりますわ!」
さっき魔力回復を飲んで気分がよくなったと思ったけれど、今は体が怠くてこのフワフワしたベットで横になりたかった。
「おまえは名をなんと言うのだ?」
「はっ、はい。メリーナさまのご紹介で一ヶ月前からレイーシャ殿下の居館配属になりました、イザベル・セルジエールでございます。セルジエール男爵の長女です」
真っ赤な顔でイザベルさんが言った。里奈は彼女のことを覚えている。
レイーシャさまとはじめて会った日に、里奈を押した侍女だ。やっぱりあの日、イザベルさんはレイーシャさまを見に来ていたんだ。
「そうか。ライラ」
「はい、ここにおります」
白髪が混じっている髪をぴっちり結った、背中も物差しを当てているのではと思うぐらい綺麗な姿勢の女性がレイーシャさまの前に出て、綺麗なお辞儀をした。
「今後いっさいこの女を私の館に入れることを禁止する。
礼儀がなっていない。勤務中、自己紹介する場合は身分を述べないようになっているはずだ。ライラ、侍女の管理はおまえの役目のはずだ。
メリーナはもう私の側室ではない」
「ちょっと! な、なにをおっしゃっているのですか!? どうしてわたくしが!」
メリーナさまはレイーシャさまの側室じゃない?
「黙れ! 誰がおまえに発言を許した!
ライラ、私の侍女長として、今後変な女を私の居館に入れるな」
「心得ました」
ライラさんが先ほどのお辞儀より、さらに深く頭を下げた。
「みなの者もきちんと心得るように。私はメリーナとの王族としての役目の期間を終えた。私はメリーナと今後婚姻する予定はない。
私はこの女性、リーナを妃にする」
使用人たちはレイーシャさまの一方的な命令を納得できないようでざわざわお互いに目配りや小声で会話をしている者たちもいた。
「発言をお許しください」
「なんだ? ラファエル?」
先ほどレイーシャさまと話をした年配の男性だった。
「王族の正妃は妊娠しなければなれません」
「はっはっはっはーー。これは面白い! メリーナも妊娠して子どももいないのに、みんな彼女を私の妃にしたがった」
里奈にはどうしてレイーシャさまが笑い出したか判らなかった。そして、イザベルさんや数人の侍女たちが里奈をさっきから睨んでいるから、話を聞く余裕もなかった。
「ラファエル。仮にもおまえは貴族だろ? 見えないのか? リーナをよく見ろ」
「こ、これは!」
数人の使用人たちが衝撃を受けたような顔で里奈を見ている。
「ひっ!」
里奈は怖くなって息を止めた。
「分かったな。ラファエル、兄上たちにこの喜ばしい朗報を託けておくれ」
「はっ、はい!」
「私が呼ぶまでみんなここを出て行け」
ほとんどの人たちはお祝いの言葉をレイーシャさまに言って部屋を出た。でも、イザベルさんと数人の侍女たちは、親の仇に会ったような顔で里奈を睨んだ後に部屋を出て行った。
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