春画を売ったら王子たちに食べられた

四季

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3ー4◇R18注意◇

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 最後の一人が部屋を出て扉が閉まると、レイーシャさまが里奈の横に座った。

「リーナ」
 里奈の名前を呼ぶ時は、もっと甘くて優しい声だったが。
 今は迫るような低い声で、里奈は後退りする。

「誰だ? 相手は誰だ!」

 誰と聞かれても答えられない。レオン……もしかしたら、レイーシャさまのお兄さまのシーオンさま。

「なぜだ!? 脅されたのか!?」

 返事ができないのと、レイーシャさまの迫力が怖くて、さらに頑なに口を閉じた。

「そうなんだな!? 脅されたんだな? リーナが非人だから、王族などの身分の者に迫られたら拒否できないよな」

「……王族は、レイーシャさまの兄弟の他にもいるの?」

 恐怖より、王族とはどれほどいるのか気になった。もしかしたら、レオンはシーオンさまじゃないかもしれない。レイーシャさまのお兄さまの子どもを妊娠しているより、もっと遠い関係の方がいいかもしれない。

「やはりそうなのか? ああ、メリーナの実家ルデェール辺境伯は第二の王族で、何代も王族の魔力を保持する男性ばかり生まれる。
 なぜかルデェール辺境伯家は、魔力が高いのに子どもが多く生まれる。
 だから周りはメリーナを我々兄弟に進めるのだ。

 後は、先祖返りで上級貴族の中に王族の魔力を保持する者がいる。この者たちは、王族の魔力を感じた時点で王族に名を連なれる。

 とは言っても、魔力を多く所持する者以外は王族の魔力を感じることはない。王族の魔力について知っている者は少ない」

「あ、あのメリーナさまは王族ですか?」

 きっと今教えてもらっている話は、一般の人は知らない内容のはずだ。

「女性は王族の魔力を持つ者はいない。
 それより、相手は誰だ?」

 少し落ち着きを取り戻したようで声に威圧感がなくなった。

「分かりません……」

 嘘は言っていない。里奈がミイシャの名前を使ったように、レオンと言う名前も偽名かもしれないから。

「なにがあったのだ? 関係を迫られたのか?」

 関係を迫られたのは迫られたけれど……里奈はそれを承諾したし。脅されたと言われたらそうだし、そうでもないし。でもそう返事したら、レイーシャさまにエロ画を描いていることがバレる。軽蔑されたくない。

「もういい。相手のことは聞かない。私はリーナのことを苦しめたくて、こんなことを尋ねているのではない。
 私は……すまぬ。私はその男に嫉妬している」

 里奈の目は驚きで大きく見開いた。

「いいな、リーナ。お腹の中の子どもは私の子どもだ」

「で、でも」

 違う。と言おうとしたら、里奈の体がレイーシャさまに抱きしめられた。驚いて彼の顔を見上げると、彼の顔が近づいて唇が重なった。
 里奈の唇に当たる柔らかくて温かい温もり。

「っ」
 レイーシャさまとの会話が終わっていないのに。里奈が声をかけよとした途端に、もっと熱を持った彼の舌が容赦なく侵入した。

「あ、ぁん、っん……」

 地上に顔を出した魚が空気を吸うように酸素を飲み込もうとするのに、彼の温かい吐息が流れ込む。
 リーナの口内を勝手の知った感じで彼の舌がかき混ぜる。ときどき焦らすように里奈の舌を捕まえる。それだけで満足しないかのように、ねっとりと擦り合わせる合間に、「チュッ」とふやけた里奈の舌を優しく吸われた。段々と体の力が抜けてなにも考えたくなくなる。思考を手放しいた代わりに、甘い痺れが体を支配していく。

「ふぁ、ぁぁ~っん」

 耳に聞こえる喘ぎ声が自分から出ているなんて信じられない。
 舌と舌が濃密に絡み合う度に、「ぴちゃぴちゃ」と漏れる水音が、静まった室内に響いてとても恥ずかしい。それなのに、その音に反応して下半身が熱くなる。
 
 なにかを求めるように、無意識に太股を何度もスレ重ねている。

 与えられる快感と、貪欲に男を求める身体で時を忘れていた。いつの間にか、里奈の服は洗濯を何度もしたヨレヨレの黄色ばんだ下着一枚になっていた。

「気持ちいいか?」

 目の前の人は誰だろう。里奈の知っている優しいレイーシャさまじゃくて、獲物を狩る顔の人がいた。
 
「ふうぁ、ぁん」

「はっはっは、リーナは可愛いなぁ。私たちの相性は抜群だ。
 私の魔力はおいしいか? 魔力なしと言うのはこんなにも気持ちがいいのだな」

 レイーシャさまの台詞を聞いて、はっとした。

「もう誰にもリーナを渡さない」

 甘く気だるい思考が戻されて、里奈はレイーシャさまを離そうとした。

「もう我慢できない」

 里奈の上半身はフカフカなベットの上に仰向けに丁寧に倒される。

「れ、レイーシャしゃま……や、やめて……」

 里奈の拒否の言葉を聞いた途端に、レイーシャさまが里奈の口を自分の口で塞いだ。剣ダコのある硬い指にツッー頬を撫でられて、背筋に震えが走った。
 そして琴音の髪を梳くように撫る。けれどクチャクチャと響く濃厚な口付けは途切れない。

 大きな身体に組み敷かれて、狩人に仕留められた獣のように身動きができない。

 レイーシャさまはキスを止めずに、ゴツゴツした手が器用に里奈の下半身を守っている下着を取り除いた。

 手慣れた様子で秘された場所を一撫でた。されただけで、

「……い、いやぁ、あっあぁっ……」

 背筋にゾクゾクと刺激が駆け抜けた。

「イヤと言うな……もうこんなに濡れているぞ」

 里奈の快楽を確信した後は彼の指が小刻みに動く。その度にくちゅくちゅとキスの音に合わせるかのように響く。

「また溢れ出てきた」
「んっ……!」
「聞こえるか? リーナの身体が敏感に喜んでいる。そろそろ入れるよ」

 いろっぽく喘ぐように呟いて、彼の下半身の物が里奈の秘所に宛てがわれた。

「や……あ、ぁんんっ! ダメ! どうして服を着ているの……はあはぁはぁ……」

「はっ?」

 キョットンとした顔が可愛かった。今まで強引だったから、里奈が舵を握ったような気になった。

「身分の高い者は服を着て情事をする習わしがある……」

「……ねえ、もう止めて」

(私は……非人だよ……)

 いっきに溜まっていた熱がさめた。

「なぜだ!」

「私たち、合わないよ。私、身分の高いレイーシャさまと付き合っていく自身ない。
 セックスだって、お互いの皮膚を感じ合いたい」

 本当は、身分とかふとした時に感じると辛かったから。だから、そんなことを言えずに変なことを言ってしまった。

「私はリーナと一つになりたい。子どもに魔力を与えるのは、この私だ」
「ひぁ、ッ!!」

 迫り行く圧迫感が、凄い。

「すまん、リーナ。私を受け入れてくれ。息を吐くんだ!」」
「くっ、はぁ……む、り……ぁ、くぅっ……!」

 ただ大きかった。

 硬い幹が少しづつ奥へと進む度にドンドンと圧迫感が襲ってくる。
 膣内が侵入者に慣れるにつれて、子宮がなにかを求めて熱くなってくる――

 レイーシャさまは時間をかけてジワジワと腰を進める。

「うっ、リーナ、許してくれ、持っていかれそうだ。もう我慢できない」

 大きく息をついた後に、激しく動き出した。
 ドンドンと子宮の扉を突き上げられる。

 ハアハアとレイーシャさまが細い目でリーナの顔を見つめている。お互いの瞳が絡み合ったら、「リーナ、愛しているよ」と顔中にキスを落とす。

「ぃぃっい、あっ、ぁぁ……あっ……」

 くちゅくちゅ。パンパン。

「はあ、はぁ、はぁぁ……」

 圧迫が消えて快楽の波が、彼が動く度に押し寄せてくる。
 ドクドクと身体が溶けていくようだった。そして、あんなに抵抗していた気持ちも溶けていった。

(いいよね……レイーシャさまに甘えていいよね)

 里奈は二人の男の人と身体を重ねるのに無意識に抵抗していた。

 いくらエロ画で激しい絵を描いたとしても、あばずれお母さんのようには絶対なりたくないと思っていた。いつか里奈を愛している人と出会って、初体験をして、幸せな結婚をして子どもを生むと決めていた。

(赤ちゃん、魔力ないと死んじゃうもん……だから、いいよね……あばずれになってもいいよね……)

 身体が甘い快楽に包まれて行く度に、レイーシャさまとレオンのコバルトブルーの瞳が重なった。

 どっちに罪悪感を持っているのか分からなかった。

 強く突かれる度に、甘えきった喘ぎ声が勝手に出る。里奈の甘い啼き声が出る度にレイーシャさまの動きが早くなる。その度に身体の隅々に甘味なしびれ流れる。

「リーナを抱いているのは私だ。私がリーナの夫だーー」

「ひゃっーー、あぁぁぁーーー」

 膣内がずっと我慢していたレイーシャさまの熱を貰って喜びしびれる。彼の雄がビクビク震えが乗り移ったように里奈の全身に快楽の電気が走る。

(ぁぁぁぁぁ~~~)
 頭の中が真っ白に弾けた。
 レイーシャさまに口が塞がれて声が出ない。
 体が満たされて眠気が襲う。
「れいしゃーさ、ま……ねむいの……」
「ああ、分かっている。赤ちゃんが魔力を吸収してリーナに負担になっているのだろう。
 ゆっくりと休むといい。リーナはなにも心配しないでいい」
 もうなにも考えたくなかった。ただレイーシャさまの匂いをまとって眠りたかった。
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