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番外編
クリスマスプレゼント探し <前編>
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少し戻って旅行前のお話です。
* * *
「プレゼント交換か……。楽しみだけど、、何を選んだらいいのか悩んじゃうな……」
いつもクリスマスは周防家との合同クリスマス会で、僕たちが小さい頃はお互いの家で交互にパーティーしてたっけ。
自分の両親たちからはもちろん、僕は将臣の両親から、そして将臣は僕の両親からプレゼントをもらっていた。
その上、将臣も僕にプレゼントしてくれてからなんだか僕だけいつもプレゼントが多かったんだよね。
僕も将臣にプレゼントをあげようとしたけれど、料理を作ってくれればいいと言われて将臣のために作るようになったんだ。
あの時はただ喜んでもらいたい一心だったけど、そのおかげで今、料理が得意になったのかも。
高校生になった頃からは、自宅でのパーティーはなくなって、海外で年末年始を過ごすことが多くなった。
仕事上長期休暇を取れなかった父は母と一緒にいつも遅れて参加して、僕は先に周防家と出かけていたんだ。
家族水入らずに邪魔をしていいものかと思ったけれど、将臣がどうしてもというので連れて行ってもらっていたんだよね。
4人になったことをいいことに、僕たちはいつも二人一緒だった。
たまに将臣のお母さんとペアで出かけることもあったけど、そういえば将臣のお父さんとはなかったな……。
大学に入って将臣と暮らすようになってからはほとんど毎年将臣と二人っきりのクリスマス。
豪華なクリスマスディナーを食べて、そのままホテルでお泊りなんてこともあったけれど、いつしか二人でゆっくりしたいからと家で過ごすようになったっけ。
だから、今回のように大勢でパーティーなんて数年ぶりだ。
しかも友人たちとのパーティーは初めてだし。
なんだかすごくドキドキする。
そんな中、佳都くんの発案でプレゼント交換しようということになり、せっかくだから各々がみんなに一つずつプレゼントを贈ろうということになった。
プレゼント交換の参加者は僕を入れて7人。
つまり6個のプレゼントを用意しないといけない。
佳都くんや理央くん、空良くんの贈り物はまだ決めやすいとしても、フランスの友人たち……と言っても、まだビデオ通話でしか会ったことがない人たちだけど……その友人たちの贈り物が悩む。
さて、どうしようか……。
「どうしたんだ? 今日はずっと難しい顔をしてるな」
「おかえり、将臣。うん、ちょっと悩んでて……」
帰ってきた将臣にすぐに気づかれる。
本当、僕の様子にすぐ気づくんだから不思議だ。
「悩んでる? 何かあったのか?」
「ああ、そんな大したことじゃないんだけどクリスマスプレゼントをどうしようかと思って……」
「ふふっ。プレゼントなら秀吾がいつも以上に可愛い格好をして誘ってくれればいいよ」
「なっ、ちが――っ! 将臣のじゃないよ!」
「ははっ。冗談だよ。でも本当にしてくれたら、俺、いつも以上に激しくしちゃうけど?」
「――っ!!」
「ふふっ。ごめん、ごめん」
「いいよ、僕……将臣に激しくされるの好きだから」
「――っ!!! ああ、もうっ! 秀吾には敵わないな。じゃあ、後で、ゆっくり……な」
「ばかっ」
「ふふっ」
チュッとキスされて、抱きしめられる。
帰ってきたばかりで少し汗の匂いがする将臣に興奮してしまう。
ああ、やっぱり僕……将臣が好きだな。
「それでクリスマスプレゼントの悩みってなんなんだ?」
シャワーから出てきた将臣が髪を拭きながら戻ってきて、僕は慌ててドライヤーを持ってきた。
「将臣、こっちにきて。髪乾かしてあげる」
「ああ、ありがとう」
柔らかな将臣の髪を乾かしながら、プレゼント交換の話をする。
「――でね、ミシェルさんとリュカさんと弓弦くんのプレゼントをどうしようか迷ってて……」
「なるほど。秀吾が悩むのもわかるな」
「でしょう? せっかくだから喜んでもらいたいし、何がいいかなぁ」
「ミシェルさんとリュカさんは日本のものをあげたら喜ぶんじゃないか?」
「――っ!! ああ、そっか! 将臣、頭いいっ!! うん、すごくいいアイディアだよ!! それなら考えられそう!!」
「ふふっ。あとは弓弦くんか……。そうだな、彼が一番難しいかもな。できれば他の人と被らないものがいいな」
「うん、そうなんだよね。でも、ミシェルさんたちのプレゼントのヒント貰えたからすっごく嬉しい。ありがとう、将臣」
「お礼はベッドの中でもらえると嬉しいんだけど……」
チュッとキスされて、今度はそのまま寝室に連れて行かれた。
「俺以外のことで頭いっぱいになってるからちょっと嫉妬したよ」
「ふふっ。将臣ったら、僕が愛してるのは将臣だけだよ」
「じゃあ、確かめさせてもらおうか」
耳元でそう囁かれ、甘いキスを身体中に浴びながら、僕たちは何度も何度も愛を確かめ合った。
それからすぐの週末、僕は将臣と二人で買い物に出掛けていた。
大検に受かった理央くん、空良くんには色違いの時計。
社会人になる佳都くんにはネクタイピン。
そして、リュカさんとミシェルさんへのプレゼントは行きつけの呉服屋さんで見つけた綺麗な浴衣。
「紺色と空色なら二人のイメージにピッタリだな」
「いいのが見つかって良かったな」
「あとは弓弦くんのだよね。どうしようかな」
「あっ、お義母さんとのお茶の時間。そろそろじゃないか?」
「ああ、そうだった!」
二人で銀座に行くとぽろっと話したら、ちょうどホテルでいちごフェアをやってるから食べに行こうと言われて待ち合わせをしていたんだ。
買い物に夢中ですっかり忘れていた。
ホテルのロビーで待ち合わせをしていたから、急いで向かうとそこにいたのはお母さんと……その隣にはお父さんの姿もあった。
「あれ? お父さんも一緒ですか?」
「ああ。将臣くんも来るなら私も同行しようと思ってね。将臣くんとゆっくり話したかったし」
お父さんは多分、僕より将臣の方を自分の息子だと思ってそう。
それくらい二人は馬が合うんだ。
そうして、僕たちは4人揃って
<煌めきの苺スイーツビュッフェ>
に向かった。
* * *
「プレゼント交換か……。楽しみだけど、、何を選んだらいいのか悩んじゃうな……」
いつもクリスマスは周防家との合同クリスマス会で、僕たちが小さい頃はお互いの家で交互にパーティーしてたっけ。
自分の両親たちからはもちろん、僕は将臣の両親から、そして将臣は僕の両親からプレゼントをもらっていた。
その上、将臣も僕にプレゼントしてくれてからなんだか僕だけいつもプレゼントが多かったんだよね。
僕も将臣にプレゼントをあげようとしたけれど、料理を作ってくれればいいと言われて将臣のために作るようになったんだ。
あの時はただ喜んでもらいたい一心だったけど、そのおかげで今、料理が得意になったのかも。
高校生になった頃からは、自宅でのパーティーはなくなって、海外で年末年始を過ごすことが多くなった。
仕事上長期休暇を取れなかった父は母と一緒にいつも遅れて参加して、僕は先に周防家と出かけていたんだ。
家族水入らずに邪魔をしていいものかと思ったけれど、将臣がどうしてもというので連れて行ってもらっていたんだよね。
4人になったことをいいことに、僕たちはいつも二人一緒だった。
たまに将臣のお母さんとペアで出かけることもあったけど、そういえば将臣のお父さんとはなかったな……。
大学に入って将臣と暮らすようになってからはほとんど毎年将臣と二人っきりのクリスマス。
豪華なクリスマスディナーを食べて、そのままホテルでお泊りなんてこともあったけれど、いつしか二人でゆっくりしたいからと家で過ごすようになったっけ。
だから、今回のように大勢でパーティーなんて数年ぶりだ。
しかも友人たちとのパーティーは初めてだし。
なんだかすごくドキドキする。
そんな中、佳都くんの発案でプレゼント交換しようということになり、せっかくだから各々がみんなに一つずつプレゼントを贈ろうということになった。
プレゼント交換の参加者は僕を入れて7人。
つまり6個のプレゼントを用意しないといけない。
佳都くんや理央くん、空良くんの贈り物はまだ決めやすいとしても、フランスの友人たち……と言っても、まだビデオ通話でしか会ったことがない人たちだけど……その友人たちの贈り物が悩む。
さて、どうしようか……。
「どうしたんだ? 今日はずっと難しい顔をしてるな」
「おかえり、将臣。うん、ちょっと悩んでて……」
帰ってきた将臣にすぐに気づかれる。
本当、僕の様子にすぐ気づくんだから不思議だ。
「悩んでる? 何かあったのか?」
「ああ、そんな大したことじゃないんだけどクリスマスプレゼントをどうしようかと思って……」
「ふふっ。プレゼントなら秀吾がいつも以上に可愛い格好をして誘ってくれればいいよ」
「なっ、ちが――っ! 将臣のじゃないよ!」
「ははっ。冗談だよ。でも本当にしてくれたら、俺、いつも以上に激しくしちゃうけど?」
「――っ!!」
「ふふっ。ごめん、ごめん」
「いいよ、僕……将臣に激しくされるの好きだから」
「――っ!!! ああ、もうっ! 秀吾には敵わないな。じゃあ、後で、ゆっくり……な」
「ばかっ」
「ふふっ」
チュッとキスされて、抱きしめられる。
帰ってきたばかりで少し汗の匂いがする将臣に興奮してしまう。
ああ、やっぱり僕……将臣が好きだな。
「それでクリスマスプレゼントの悩みってなんなんだ?」
シャワーから出てきた将臣が髪を拭きながら戻ってきて、僕は慌ててドライヤーを持ってきた。
「将臣、こっちにきて。髪乾かしてあげる」
「ああ、ありがとう」
柔らかな将臣の髪を乾かしながら、プレゼント交換の話をする。
「――でね、ミシェルさんとリュカさんと弓弦くんのプレゼントをどうしようか迷ってて……」
「なるほど。秀吾が悩むのもわかるな」
「でしょう? せっかくだから喜んでもらいたいし、何がいいかなぁ」
「ミシェルさんとリュカさんは日本のものをあげたら喜ぶんじゃないか?」
「――っ!! ああ、そっか! 将臣、頭いいっ!! うん、すごくいいアイディアだよ!! それなら考えられそう!!」
「ふふっ。あとは弓弦くんか……。そうだな、彼が一番難しいかもな。できれば他の人と被らないものがいいな」
「うん、そうなんだよね。でも、ミシェルさんたちのプレゼントのヒント貰えたからすっごく嬉しい。ありがとう、将臣」
「お礼はベッドの中でもらえると嬉しいんだけど……」
チュッとキスされて、今度はそのまま寝室に連れて行かれた。
「俺以外のことで頭いっぱいになってるからちょっと嫉妬したよ」
「ふふっ。将臣ったら、僕が愛してるのは将臣だけだよ」
「じゃあ、確かめさせてもらおうか」
耳元でそう囁かれ、甘いキスを身体中に浴びながら、僕たちは何度も何度も愛を確かめ合った。
それからすぐの週末、僕は将臣と二人で買い物に出掛けていた。
大検に受かった理央くん、空良くんには色違いの時計。
社会人になる佳都くんにはネクタイピン。
そして、リュカさんとミシェルさんへのプレゼントは行きつけの呉服屋さんで見つけた綺麗な浴衣。
「紺色と空色なら二人のイメージにピッタリだな」
「いいのが見つかって良かったな」
「あとは弓弦くんのだよね。どうしようかな」
「あっ、お義母さんとのお茶の時間。そろそろじゃないか?」
「ああ、そうだった!」
二人で銀座に行くとぽろっと話したら、ちょうどホテルでいちごフェアをやってるから食べに行こうと言われて待ち合わせをしていたんだ。
買い物に夢中ですっかり忘れていた。
ホテルのロビーで待ち合わせをしていたから、急いで向かうとそこにいたのはお母さんと……その隣にはお父さんの姿もあった。
「あれ? お父さんも一緒ですか?」
「ああ。将臣くんも来るなら私も同行しようと思ってね。将臣くんとゆっくり話したかったし」
お父さんは多分、僕より将臣の方を自分の息子だと思ってそう。
それくらい二人は馬が合うんだ。
そうして、僕たちは4人揃って
<煌めきの苺スイーツビュッフェ>
に向かった。
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