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本当の家族になるために 1
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本編最後の悠臣視点のはじまりです。
奴のその後や子どもたちのお泊まりが実現するまでの様子もわかっていきますのでどうぞお楽しみに♡
* * *
<side西条悠臣>
遥くんが私を好きだと言ってくれた。
思いが通じ合ったことが嬉しくて、今まで抑えていたものを我慢できずに遥くんの唇を奪った。
柔らかな唇の甘さに魅了され、このまま口内も味わいたい。
だが、周りからの大きな拍手と歓声が聞こえて、遥くんがビクッと身体を震わせたことで唇が離れてしまった。
遥くんが私とのキスを周りに見られたことを知り、みるみるうちに顔が赤くなっていく。
その表情があまりにも可愛すぎて誰にも見せたくないと思ってしまった。
私の中に芽生えた独占欲が、遥くんを自分の腕の中に閉じ込めるという行動を起こしてしまった。
突然顔を隠すように強く抱きしめられて遥くんが戸惑いを隠せない様子なのも理解できる。
だが、誰にも見せたくない気持ちは変わらなかった。
「ぱぱーとはるかちゃん、おうじさまとおひめさまみたいだったー!」
「ねぇー、もーいっかいきすみせてー!」
駆け寄ってきた碧斗と琳くんにそんなおねだりをされるが、二人にいくら頼まれてもそれは聞けない。
「ダメだ。遥くんの可愛いキス顔は誰にも見せたくないからな。遥くんにキスしていいのもパパだけだからな」
小さな子ども相手に大人げない行動だと言われようが、遥くんの全てを独占したい。
碧斗と琳くんにはずるいと言われたが、悪い。諦めてくれ。
「おい、西条。いい加減その辺にしとけ。友利さんが困ってるぞ」
私たちから離れた場所で様子を見守っていたはずの磯山が突然声をかけてきた。
そのせいで遥くんがびくりと身体を震わせる。
私の遥くんを怖がらせるなんて許せないな。
「磯山。急に声をかけるな。遥くんが驚くだろう」
至極真っ当な注意をしたはずだが、磯山は呆れた表情で私を見て、子ども相手に嫉妬心むき出しで喧嘩するなと逆に注意されてしまった。
別に嫉妬しているわけじゃ……
そう思ったが、磯山は私をみて大きなため息をついていた。
そして一瞬の間をおくと、私たちを昼食に誘ってきた。
元々、一緒に昼食を取る約束をしていたから問題ない。
遥くんは突然の誘いに驚いているだろうがな。
それでもここで話せる事実は話しておいたほうがいいだろう。
磯山は直くんとカールを呼び、碧斗と琳くんの手を繋いで昼食場所に連れて行ってくれるように頼んでくれた。おかげで私は遥くんだけに集中することができる。
直くんとカールは慣れた様子で碧斗と琳くんに話しかけ歩き始めた。
磯山がその後に続き、歩き出したの見て、私も遥くんに声をかけた。
少し不安そうな表情をしていたが、後で全部話すからと告げてその場を離れた。
フードコートまでずっと遥くんの手を繋ぐ。
緊張しているのが伝わってくるが、離したがっているようには全然感じられないのが嬉しい。
やってきたのはこのショッピングモールの最上階に位置する第二のフードコート。
リーズナブルで提供時間の早い料理が並ぶ階下のフードコートと違って、ここは全ての店に個室があり、のんびりと食事を楽しむことができる。
その中でも磯山が予約してくれた店は、日本庭園のような厳かな雰囲気が漂う。
鯉が泳ぐ川が流れ、部屋には橋を渡らないと行くことができない。
隣の部屋とも離れているから、碧斗や琳くんのような幼子を連れて行っても周りに気を遣うこともない。
遥くんはあまりにも豪華な店の様子に少し緊張しているようだが、大事な話をするのだからこれくらいの店でちょうどいい。
無邪気にはしゃぐ碧斗と琳くんと違って、小動物のようにビクビクしている遥くんが可愛い。
部屋に入ると、遥くんはすぐに子どもたちと一緒の席に座ろうとしていた。
遥くんの仕事と性格を考えれば無理はないが、今回は直くんとカールに任せていたらいい。
直くんとカールが碧斗と琳くんと一緒の席につき、少し離れた席に私は遥くんと並んで座った。
遥くんの向かいに磯山が腰を下ろす。目の前の遥くんをじっと見つめるものだからつい声をかけてしまった。
「磯山、見過ぎだ」
磯山の視線から逸らすように遥くんを腕の中に閉じ込めながら、姿が見えない村山について尋ねた。
するとそのタイミングで村山が部屋に入ってきた。
カールに手を振り笑顔を見せて、私の前に腰を下ろす。
私をじっと見ていたかと思ったら、ニヤリと笑った。
「お前、思いが通じ合ったからって鼻の下が伸びすぎだぞ」
そんなからかいの言葉を言われて咄嗟に鼻を押さえてしまった。
どうも村山と磯山と一緒にいると、高校時代に戻ってしまうような気がする。
いつまで経っても三番手のままじゃ困るんだけどな。
はぁー。
思わず心の中でため息が漏れた。
奴のその後や子どもたちのお泊まりが実現するまでの様子もわかっていきますのでどうぞお楽しみに♡
* * *
<side西条悠臣>
遥くんが私を好きだと言ってくれた。
思いが通じ合ったことが嬉しくて、今まで抑えていたものを我慢できずに遥くんの唇を奪った。
柔らかな唇の甘さに魅了され、このまま口内も味わいたい。
だが、周りからの大きな拍手と歓声が聞こえて、遥くんがビクッと身体を震わせたことで唇が離れてしまった。
遥くんが私とのキスを周りに見られたことを知り、みるみるうちに顔が赤くなっていく。
その表情があまりにも可愛すぎて誰にも見せたくないと思ってしまった。
私の中に芽生えた独占欲が、遥くんを自分の腕の中に閉じ込めるという行動を起こしてしまった。
突然顔を隠すように強く抱きしめられて遥くんが戸惑いを隠せない様子なのも理解できる。
だが、誰にも見せたくない気持ちは変わらなかった。
「ぱぱーとはるかちゃん、おうじさまとおひめさまみたいだったー!」
「ねぇー、もーいっかいきすみせてー!」
駆け寄ってきた碧斗と琳くんにそんなおねだりをされるが、二人にいくら頼まれてもそれは聞けない。
「ダメだ。遥くんの可愛いキス顔は誰にも見せたくないからな。遥くんにキスしていいのもパパだけだからな」
小さな子ども相手に大人げない行動だと言われようが、遥くんの全てを独占したい。
碧斗と琳くんにはずるいと言われたが、悪い。諦めてくれ。
「おい、西条。いい加減その辺にしとけ。友利さんが困ってるぞ」
私たちから離れた場所で様子を見守っていたはずの磯山が突然声をかけてきた。
そのせいで遥くんがびくりと身体を震わせる。
私の遥くんを怖がらせるなんて許せないな。
「磯山。急に声をかけるな。遥くんが驚くだろう」
至極真っ当な注意をしたはずだが、磯山は呆れた表情で私を見て、子ども相手に嫉妬心むき出しで喧嘩するなと逆に注意されてしまった。
別に嫉妬しているわけじゃ……
そう思ったが、磯山は私をみて大きなため息をついていた。
そして一瞬の間をおくと、私たちを昼食に誘ってきた。
元々、一緒に昼食を取る約束をしていたから問題ない。
遥くんは突然の誘いに驚いているだろうがな。
それでもここで話せる事実は話しておいたほうがいいだろう。
磯山は直くんとカールを呼び、碧斗と琳くんの手を繋いで昼食場所に連れて行ってくれるように頼んでくれた。おかげで私は遥くんだけに集中することができる。
直くんとカールは慣れた様子で碧斗と琳くんに話しかけ歩き始めた。
磯山がその後に続き、歩き出したの見て、私も遥くんに声をかけた。
少し不安そうな表情をしていたが、後で全部話すからと告げてその場を離れた。
フードコートまでずっと遥くんの手を繋ぐ。
緊張しているのが伝わってくるが、離したがっているようには全然感じられないのが嬉しい。
やってきたのはこのショッピングモールの最上階に位置する第二のフードコート。
リーズナブルで提供時間の早い料理が並ぶ階下のフードコートと違って、ここは全ての店に個室があり、のんびりと食事を楽しむことができる。
その中でも磯山が予約してくれた店は、日本庭園のような厳かな雰囲気が漂う。
鯉が泳ぐ川が流れ、部屋には橋を渡らないと行くことができない。
隣の部屋とも離れているから、碧斗や琳くんのような幼子を連れて行っても周りに気を遣うこともない。
遥くんはあまりにも豪華な店の様子に少し緊張しているようだが、大事な話をするのだからこれくらいの店でちょうどいい。
無邪気にはしゃぐ碧斗と琳くんと違って、小動物のようにビクビクしている遥くんが可愛い。
部屋に入ると、遥くんはすぐに子どもたちと一緒の席に座ろうとしていた。
遥くんの仕事と性格を考えれば無理はないが、今回は直くんとカールに任せていたらいい。
直くんとカールが碧斗と琳くんと一緒の席につき、少し離れた席に私は遥くんと並んで座った。
遥くんの向かいに磯山が腰を下ろす。目の前の遥くんをじっと見つめるものだからつい声をかけてしまった。
「磯山、見過ぎだ」
磯山の視線から逸らすように遥くんを腕の中に閉じ込めながら、姿が見えない村山について尋ねた。
するとそのタイミングで村山が部屋に入ってきた。
カールに手を振り笑顔を見せて、私の前に腰を下ろす。
私をじっと見ていたかと思ったら、ニヤリと笑った。
「お前、思いが通じ合ったからって鼻の下が伸びすぎだぞ」
そんなからかいの言葉を言われて咄嗟に鼻を押さえてしまった。
どうも村山と磯山と一緒にいると、高校時代に戻ってしまうような気がする。
いつまで経っても三番手のままじゃ困るんだけどな。
はぁー。
思わず心の中でため息が漏れた。
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