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執着のはじまり 3
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タイトルでお気づきでしょうが、前中後編で終わりませんでした(汗)
ラッキースケベまで辿り着けずすみません。
明日まで悠臣視点になります。楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
遥くんが用意してくれていたケーキはチーズケーキのようだ。
どうやら手作りらしい。
いつの間に作ってくれていたのかわからないが、目の前にケーキを置かれて碧斗もりんくんも嬉しそうだ。
私の前にもさっとケーキを用意してくれるが。あまりケーキの類は得意ではない私でさえも美味しそうだと思ってしまうほど魅力的なケーキだった。
ふとみれば碧斗の前にだけジュースがある。
さっき病院ではジュースを飲んでいたしアレルギーで飲めないということはないだろう。
遥くんに尋ねればあれは碧斗のものだからという言葉が返ってきた。
雇い主の家の冷蔵庫に入っているものを無断で使わないのは家事代行として来ている上では当然の意識だろうが、同年齢の子どもにお茶で我慢させるのは私としても本意ではない。
「ここで暮らしている間は、碧斗とりんくんは同じように扱って欲しい。そうでないと碧斗も気にしてしまうよ」
ある程度の線引きは必要だが、ここはそうしてほしい。
遥くんが断るよりも先にジュースを取りに行き、りんくんに手渡した。
碧斗もりんくんと同じジュースになり喜んでいるようだ。
「おじちゃん、ありがとー」
素直な感謝に思わず笑顔が漏れた。
私がおじちゃんと呼ばれる日が来るとはな。
久瀬くんが聞いたら一緒に笑ってくれそうだ。
おやつを食べ始めたがりんくんはもはやフォークを持とうともせず、口を開けて待っている。
そこに碧斗が嬉しそうにケーキを口に運ぶ。
なんとも楽しそうだ……羨ましい。
二人の楽しげな様子をつい見つめながら、私もケーキを口に入れた。
んっ? これはさつまいもか?
砂糖のような甘味は一切感じられない。
このさつまいもの甘みだけの素朴な味わいは、まさに子どもたちのおやつにはぴったりな上に甘みが苦手な私も満足させてくれる。
これなら毎日でも食べたい。そう思わせてくれるケーキだった。
満足なままにおやつの時間を終えると、子どもたちは勉強したいと騒ぎ出した。
碧斗の口からそんな言葉が出てきたとこに驚くが、これもりんくんのおかげなのだろうか。
「あおとくんが、りんのおなまえかいてくれるってー! だから、おねがーい!」
りんくんのその言葉に驚いた。
碧斗はまだ字が書けないはずなのに、どういうことだろう?
気になって尋ねれば、自分の名前は書けるようになっていると教えてくれた。
まさか、教えてもないのに?
驚きを隠せないまま、碧斗の様子を見ていると真剣な表情で自分の名前を書き始めた。
まだ完璧とは言えないが確かにあおとと読める字がそこにある。
りんくんからも褒められて嬉しそうだ。
りんとひらがなで書くように指示されて、名前を書いてやると碧斗はそれを見ながら字を書き始めた。
それを見守るりんくんの優しげな表情に遥くんの表情が重なって思わず見入ってしまう。
上手に書けるようになった碧斗はりんくん誘われるがまま、他の文字も勉強しようと二人でサークルに行ってしまった。
後を追いかけて二人をサークルに入れてやり、遥くんの元に戻る。
この機会にりんくんの漢字を尋ねると『琳』だと教えてくれた。
これは光り輝く美しい宝石が触れ合って鳴る澄んだ音という意味だったな。
碧斗の碧も美しい宝石という意味を持つ。
こうして出会った二人が同じ意味の名前だというのも運命的なものを感じる。
――悠臣くん。すごくかっこいい名前ですね。僕、遥なので名前が似てて嬉しいです。
初日に遥くんからそう言われたことを思い出す。
これもまた運命ということなのか?
なぜかそんな感情が湧き上がってきて、遥くんを見るとドキドキしてしまう。
「西条さん? どうかされましたか?」
「いや、部屋で少し仕事をしてくる」
自分でもわかっていない感情を知られたくなくて、私は逃げるように自室に飛び込んだ。
部屋に入ったものの何もやることはない。
モニターで遥くんの動向を見つめながら、自分の感情を考えるだけ。
彼の手際の良さに感心したり、味見をする彼の口元に注目したり、ぼーっと映像を見ていると、急に遥くんの姿が消えたと思ったら、突然私の部屋の扉を叩く音が聞こえた。
慌ててモニターを消し、扉に向かうとほんのりと頬を染めた遥くんが目の前にいた。
ずっと遥くんを見ていたからか、思わず可愛いと言いかけて必死に口を噤んだ。
彼はそんな私の様子に気づくことなく、私を見上げてゆっくりと口を開いた。
「お邪魔して、すみません。あの、夕食とお風呂どちらを先にするか、聞くのを忘れてしまって……。先にご飯にしますか? それともお風呂に入ります?」
そのセリフを聞いた途端、
――ご飯にします? お風呂にします? それとも、ぼく?
そんな妄想が頭の中に浮かんだ。
つい、遥くんと言いそうになって見つめていると、不思議そうな顔で名前を呼ばれて我に返った。
遥くんがそんなことを言うはずがないのに、何を考えているんだ。
碧斗と先に風呂に入ると告げて、一度扉を閉めた。
遥くんに対してなにを考えているんだろうと自己嫌悪に陥ると共に、ズボンの下で昂りかけているソレを早く鎮めなければという焦りで自分でも混乱してしまっていた。
しばらく経ってようやく落ち着きを取り戻し、部屋から出るとサークルの前で大騒ぎしている声が聞こえた。
子どもの扱いが上手な遥くんにしては珍しい。何かあったのかと思って近づけば、碧斗が琳くんと一緒に風呂に入りたいと駄々を捏ねていた。
流石にそれはいいよとは言えない。
どうするかと思っていると、仕方ないとでも言うように遥くんが口を開いた。
「わかった、じゃあご飯食べ終わってから僕と三人で入ろう――」
何?
遥くんが碧斗と琳くんと三人で入る?
琳くんと入るのはともかく、碧斗も一緒に? 裸で?
そんなこと許せるはずがないだろう!
そう思った瞬間、
「それはダメだ!」
と叫んでしまっていた。
しまった! と思い、慌てて誤魔化した。
私が二人を入れればそれで解決だ。
遥くんに断られる前に、問題ないと言い張って二人を連れて風呂場に向かった。
「あの、それじゃあ琳の身体を洗ったら声をかけてください。脱衣所まで琳を受け取りに来ます。碧斗くんのときも声をかけてくれたら受け取りに行きますよ。着替えやその他は僕がしますので、その後、少しのんびりと入ってください」
背後から遥くんにそんな言葉をかけられたが、脱衣所に遥くんが来る?
そう思うだけで、少し興奮してしまう私がいた。
ラッキースケベまで辿り着けずすみません。
明日まで悠臣視点になります。楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
遥くんが用意してくれていたケーキはチーズケーキのようだ。
どうやら手作りらしい。
いつの間に作ってくれていたのかわからないが、目の前にケーキを置かれて碧斗もりんくんも嬉しそうだ。
私の前にもさっとケーキを用意してくれるが。あまりケーキの類は得意ではない私でさえも美味しそうだと思ってしまうほど魅力的なケーキだった。
ふとみれば碧斗の前にだけジュースがある。
さっき病院ではジュースを飲んでいたしアレルギーで飲めないということはないだろう。
遥くんに尋ねればあれは碧斗のものだからという言葉が返ってきた。
雇い主の家の冷蔵庫に入っているものを無断で使わないのは家事代行として来ている上では当然の意識だろうが、同年齢の子どもにお茶で我慢させるのは私としても本意ではない。
「ここで暮らしている間は、碧斗とりんくんは同じように扱って欲しい。そうでないと碧斗も気にしてしまうよ」
ある程度の線引きは必要だが、ここはそうしてほしい。
遥くんが断るよりも先にジュースを取りに行き、りんくんに手渡した。
碧斗もりんくんと同じジュースになり喜んでいるようだ。
「おじちゃん、ありがとー」
素直な感謝に思わず笑顔が漏れた。
私がおじちゃんと呼ばれる日が来るとはな。
久瀬くんが聞いたら一緒に笑ってくれそうだ。
おやつを食べ始めたがりんくんはもはやフォークを持とうともせず、口を開けて待っている。
そこに碧斗が嬉しそうにケーキを口に運ぶ。
なんとも楽しそうだ……羨ましい。
二人の楽しげな様子をつい見つめながら、私もケーキを口に入れた。
んっ? これはさつまいもか?
砂糖のような甘味は一切感じられない。
このさつまいもの甘みだけの素朴な味わいは、まさに子どもたちのおやつにはぴったりな上に甘みが苦手な私も満足させてくれる。
これなら毎日でも食べたい。そう思わせてくれるケーキだった。
満足なままにおやつの時間を終えると、子どもたちは勉強したいと騒ぎ出した。
碧斗の口からそんな言葉が出てきたとこに驚くが、これもりんくんのおかげなのだろうか。
「あおとくんが、りんのおなまえかいてくれるってー! だから、おねがーい!」
りんくんのその言葉に驚いた。
碧斗はまだ字が書けないはずなのに、どういうことだろう?
気になって尋ねれば、自分の名前は書けるようになっていると教えてくれた。
まさか、教えてもないのに?
驚きを隠せないまま、碧斗の様子を見ていると真剣な表情で自分の名前を書き始めた。
まだ完璧とは言えないが確かにあおとと読める字がそこにある。
りんくんからも褒められて嬉しそうだ。
りんとひらがなで書くように指示されて、名前を書いてやると碧斗はそれを見ながら字を書き始めた。
それを見守るりんくんの優しげな表情に遥くんの表情が重なって思わず見入ってしまう。
上手に書けるようになった碧斗はりんくん誘われるがまま、他の文字も勉強しようと二人でサークルに行ってしまった。
後を追いかけて二人をサークルに入れてやり、遥くんの元に戻る。
この機会にりんくんの漢字を尋ねると『琳』だと教えてくれた。
これは光り輝く美しい宝石が触れ合って鳴る澄んだ音という意味だったな。
碧斗の碧も美しい宝石という意味を持つ。
こうして出会った二人が同じ意味の名前だというのも運命的なものを感じる。
――悠臣くん。すごくかっこいい名前ですね。僕、遥なので名前が似てて嬉しいです。
初日に遥くんからそう言われたことを思い出す。
これもまた運命ということなのか?
なぜかそんな感情が湧き上がってきて、遥くんを見るとドキドキしてしまう。
「西条さん? どうかされましたか?」
「いや、部屋で少し仕事をしてくる」
自分でもわかっていない感情を知られたくなくて、私は逃げるように自室に飛び込んだ。
部屋に入ったものの何もやることはない。
モニターで遥くんの動向を見つめながら、自分の感情を考えるだけ。
彼の手際の良さに感心したり、味見をする彼の口元に注目したり、ぼーっと映像を見ていると、急に遥くんの姿が消えたと思ったら、突然私の部屋の扉を叩く音が聞こえた。
慌ててモニターを消し、扉に向かうとほんのりと頬を染めた遥くんが目の前にいた。
ずっと遥くんを見ていたからか、思わず可愛いと言いかけて必死に口を噤んだ。
彼はそんな私の様子に気づくことなく、私を見上げてゆっくりと口を開いた。
「お邪魔して、すみません。あの、夕食とお風呂どちらを先にするか、聞くのを忘れてしまって……。先にご飯にしますか? それともお風呂に入ります?」
そのセリフを聞いた途端、
――ご飯にします? お風呂にします? それとも、ぼく?
そんな妄想が頭の中に浮かんだ。
つい、遥くんと言いそうになって見つめていると、不思議そうな顔で名前を呼ばれて我に返った。
遥くんがそんなことを言うはずがないのに、何を考えているんだ。
碧斗と先に風呂に入ると告げて、一度扉を閉めた。
遥くんに対してなにを考えているんだろうと自己嫌悪に陥ると共に、ズボンの下で昂りかけているソレを早く鎮めなければという焦りで自分でも混乱してしまっていた。
しばらく経ってようやく落ち着きを取り戻し、部屋から出るとサークルの前で大騒ぎしている声が聞こえた。
子どもの扱いが上手な遥くんにしては珍しい。何かあったのかと思って近づけば、碧斗が琳くんと一緒に風呂に入りたいと駄々を捏ねていた。
流石にそれはいいよとは言えない。
どうするかと思っていると、仕方ないとでも言うように遥くんが口を開いた。
「わかった、じゃあご飯食べ終わってから僕と三人で入ろう――」
何?
遥くんが碧斗と琳くんと三人で入る?
琳くんと入るのはともかく、碧斗も一緒に? 裸で?
そんなこと許せるはずがないだろう!
そう思った瞬間、
「それはダメだ!」
と叫んでしまっていた。
しまった! と思い、慌てて誤魔化した。
私が二人を入れればそれで解決だ。
遥くんに断られる前に、問題ないと言い張って二人を連れて風呂場に向かった。
「あの、それじゃあ琳の身体を洗ったら声をかけてください。脱衣所まで琳を受け取りに来ます。碧斗くんのときも声をかけてくれたら受け取りに行きますよ。着替えやその他は僕がしますので、その後、少しのんびりと入ってください」
背後から遥くんにそんな言葉をかけられたが、脱衣所に遥くんが来る?
そう思うだけで、少し興奮してしまう私がいた。
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