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番外編
甘い匂い※ <前編>
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ようやくオメガバースっぽい話が書けました。
慣れないのでおかしなところはスルーしてください(笑)
* * *
<side瑞季>
「哉藍、お願いがあるのですが……」
「瑞季、そんなに不安げな顔をしてどうしたのだ?」
ずっと悩んでいたことを哉藍に告げようと声をかけると、哉藍はすぐに私を抱き締めて優しい言葉をかけてくれた。
「ここ数日何か言いたげにしていたがそのことか?」
「哉藍、気づいていたのですか?」
「ふふっ。当たり前だ。私が瑞季のことでわからないことなど何もないぞ」
「哉藍……」
「瑞季、私たちは唯一無二の運命の番。どんなことでも隠すことなく私に相談してくれたらいいと思っている。瑞季が一人で悩む姿は見たくないのだ」
哉藍の優しさが不安に思っていた私の心を温めてくれる。
「はい。哉藍に聞いて欲しいことがあるのです……」
私がそういうと、哉藍は私を抱きかかえたまま寝室にいき、ベッドに腰を下ろした。
「ここは私たちの聖域のような場所。何もかも曝け出して話をするには一番いい場所だろう?」
「はい」
哉藍は私を抱きしめながら、私が話すのをじっと待ってくれている。
急かすこともなく、私が心を決めるまで待ってくれるその優しさに緊張が和らいでいく。
「あの、哉藍……私、医師の診察を受けたいのです……」
「――っ、 ! もしかして、どこか不調なのか?」
「ああ、違うんです。あの、あれからもうすぐ三ヶ月がやってきますから……もしかしたらヒートが来るのではないかと思って……」
「えっ……ああ、そういうことか……」
心から安堵の表情を浮かべる哉藍に私はなおも話を続けた。
「Ωだと診断されてから、私には一度もヒートは訪れませんでした。だから、主治医からもΩとして子を孕むことはできないと言われてしまったのですが、哉藍と出会って、私の人生で初めてのヒートを体験しました。あの時、哉藍が頸を噛んで番にしてくださって……とても嬉しかったんです。でも……通常ならもうすぐヒートがやってくるはずですが、私の体調には全く変化が訪れなくて……このまま、次のヒートが来なければ哉藍の子を産むことができないのではないかと……」
「そうか、瑞季を不安にさせていたのだな。悪い、私の方から一度診察をと声をかけるべきだったのだな」
「そんな……っ、哉藍はいつでも私のことを思ってくださっています」
「ふふっ。ありがとう、瑞季。だが、私は子が欲しくて瑞季と番になったわけではないぞ。それはわかってくれるだろう? もちろん、瑞季との子ができれば嬉しいと思うが、子ができたとしても私にとって一番大切な存在は瑞季だということはわかっておいてくれ」
「哉藍……」
αにとって、自分の血を受け継ぐ子が生まれることは何よりの望みであると言われているのに、哉藍は私の方が大事だと言ってくれる。
それだけで哉藍の深い愛情が感じられる。
「瑞季……私の愛を其方に伝えたい。このまま、いいか?」
私を強く抱きしめながら見つめてくる哉藍の目の奥に欲情の炎が見える。
それだけで身体の奥がきゅんきゅんと疼いてくる。
「はい……哉藍の蜜を、たっぷりください……」
「――っ!!! 瑞季っ!!」
「んんっ……っ!!!」
哉藍の唇が重なってきて、そのまま肉厚な舌が滑り込んでくる。
クチュクチュと甘い甘い唾液が混じり合う音が静かな寝室に響き渡る。
気づけば自分の方からも哉藍の舌に絡みついてしまっていた。
「瑞季……愛しているよ……」
唇を離し、甘い言葉を囁きながら哉藍は首筋に所有の印をつけてくれる。
そのちくっとした小さな痛みが私の身体をさらに興奮させる。
ヒートでなくても、こんなにも興奮できるのだから私たちは本当に相性が良いのだろう。
胸の尖りも何もかも全て、哉藍に味わってもらえるのを待っている。
「せい、らん……っ、もっと、なめて……っ、いっぱい、しるし、つけてぇ……っ」
「瑞季っ!!」
それからあとはもう無我夢中でほとんど何も覚えていない。
わかるのは、身体中に哉藍が所有の証をつけてくれたことと、お腹が膨らむほどにたっぷりと蜜を注いでくれたこと。
その量の多さに私は愛されていると実感するのだ。
翌日、哉藍は私と離れたくないと言いつつも、どうしても日程変更ができない仕事があるということで、滄波さんとともに執務室に行くことになっていた。
「すぐに終わらせて帰ってくるから、今日は部屋から出てはいけないぞ」
「はい。哉藍が帰ってきてくださるのを待っていますね」
「ああ、瑞季は本当にいい子だな」
チュッと額に唇が落とされる。
「んっ? いつもより体温が高い気がするが大丈夫か? 昨日無理をさせすぎてしまったのだな」
「ふふっ。大丈夫です。少し休めば元に戻りますよ。だから、早く帰ってきてくださいね」
「ああ、わかった。何かあればその铃を鳴らすのだぞ。すぐに戻ってくるからな」
「はい。わかりました。哉藍、いってらっしゃいませ」
哉藍を見送ってしばらく眠っていたけれど、少し熱が上がってきたことに気づく。
もしかしたら本格的に体調を崩してしまったのかもしれない。
少し水を飲んで哉藍が戻ってくるまで寝ていよう。
重い身体を起き上がらせると、ふらっと目の前が暗くなる。
ああ、こんなこといつぶりだろう……。
いつの間にか汗だくになっていた夜着を脱ぎたくて仕方がない。
必死にベッドから下りて、脱衣所に向かうとどこからか甘い匂いが漂ってくる。
何? どこから匂っているの?
ふらふらになりながら、その匂いのありかを探し求めると藤の籠の中にある大きなタオルからその匂いが漂ってくる。
私は夢中になってそのタオルを取り、匂いを思いっきり吸い込んだ。
ああ、これ哉藍の蜜の匂いだ。
「ひゃあっん!!」
それに気づいた瞬間、匂いを嗅いだだけなのに身体中を電流が走っていくような感覚に襲われた。
怖い……だけど、嗅ぐのを止められない。
そのうち呼吸も荒くなってきて、気づけば自分のささやかなモノが勃ってしまっているのがわかる。
もしかして、これがヒート?
あの時、哉藍と初めてあった時のようなあの興奮と同じ気がする。
ああ、私にもヒートが来たのだ。
昨夜もたっぷり愛されたばかりだけど、ヒートはまた別らしい。
もうすでに身体の奥から哉藍を渇望しているのがわかる。
ああ、そうとわかればこんなところにいるわけにはいかない。
私はフラフラになった身体を引き摺るように寝室に戻り、哉藍の服を漁った。
さっきのタオルを身体に巻きつけながら、哉藍の服をベッドに集めていく。
そしてその中に潜り込んでから、ようやく铃を鳴らした。
慣れないのでおかしなところはスルーしてください(笑)
* * *
<side瑞季>
「哉藍、お願いがあるのですが……」
「瑞季、そんなに不安げな顔をしてどうしたのだ?」
ずっと悩んでいたことを哉藍に告げようと声をかけると、哉藍はすぐに私を抱き締めて優しい言葉をかけてくれた。
「ここ数日何か言いたげにしていたがそのことか?」
「哉藍、気づいていたのですか?」
「ふふっ。当たり前だ。私が瑞季のことでわからないことなど何もないぞ」
「哉藍……」
「瑞季、私たちは唯一無二の運命の番。どんなことでも隠すことなく私に相談してくれたらいいと思っている。瑞季が一人で悩む姿は見たくないのだ」
哉藍の優しさが不安に思っていた私の心を温めてくれる。
「はい。哉藍に聞いて欲しいことがあるのです……」
私がそういうと、哉藍は私を抱きかかえたまま寝室にいき、ベッドに腰を下ろした。
「ここは私たちの聖域のような場所。何もかも曝け出して話をするには一番いい場所だろう?」
「はい」
哉藍は私を抱きしめながら、私が話すのをじっと待ってくれている。
急かすこともなく、私が心を決めるまで待ってくれるその優しさに緊張が和らいでいく。
「あの、哉藍……私、医師の診察を受けたいのです……」
「――っ、 ! もしかして、どこか不調なのか?」
「ああ、違うんです。あの、あれからもうすぐ三ヶ月がやってきますから……もしかしたらヒートが来るのではないかと思って……」
「えっ……ああ、そういうことか……」
心から安堵の表情を浮かべる哉藍に私はなおも話を続けた。
「Ωだと診断されてから、私には一度もヒートは訪れませんでした。だから、主治医からもΩとして子を孕むことはできないと言われてしまったのですが、哉藍と出会って、私の人生で初めてのヒートを体験しました。あの時、哉藍が頸を噛んで番にしてくださって……とても嬉しかったんです。でも……通常ならもうすぐヒートがやってくるはずですが、私の体調には全く変化が訪れなくて……このまま、次のヒートが来なければ哉藍の子を産むことができないのではないかと……」
「そうか、瑞季を不安にさせていたのだな。悪い、私の方から一度診察をと声をかけるべきだったのだな」
「そんな……っ、哉藍はいつでも私のことを思ってくださっています」
「ふふっ。ありがとう、瑞季。だが、私は子が欲しくて瑞季と番になったわけではないぞ。それはわかってくれるだろう? もちろん、瑞季との子ができれば嬉しいと思うが、子ができたとしても私にとって一番大切な存在は瑞季だということはわかっておいてくれ」
「哉藍……」
αにとって、自分の血を受け継ぐ子が生まれることは何よりの望みであると言われているのに、哉藍は私の方が大事だと言ってくれる。
それだけで哉藍の深い愛情が感じられる。
「瑞季……私の愛を其方に伝えたい。このまま、いいか?」
私を強く抱きしめながら見つめてくる哉藍の目の奥に欲情の炎が見える。
それだけで身体の奥がきゅんきゅんと疼いてくる。
「はい……哉藍の蜜を、たっぷりください……」
「――っ!!! 瑞季っ!!」
「んんっ……っ!!!」
哉藍の唇が重なってきて、そのまま肉厚な舌が滑り込んでくる。
クチュクチュと甘い甘い唾液が混じり合う音が静かな寝室に響き渡る。
気づけば自分の方からも哉藍の舌に絡みついてしまっていた。
「瑞季……愛しているよ……」
唇を離し、甘い言葉を囁きながら哉藍は首筋に所有の印をつけてくれる。
そのちくっとした小さな痛みが私の身体をさらに興奮させる。
ヒートでなくても、こんなにも興奮できるのだから私たちは本当に相性が良いのだろう。
胸の尖りも何もかも全て、哉藍に味わってもらえるのを待っている。
「せい、らん……っ、もっと、なめて……っ、いっぱい、しるし、つけてぇ……っ」
「瑞季っ!!」
それからあとはもう無我夢中でほとんど何も覚えていない。
わかるのは、身体中に哉藍が所有の証をつけてくれたことと、お腹が膨らむほどにたっぷりと蜜を注いでくれたこと。
その量の多さに私は愛されていると実感するのだ。
翌日、哉藍は私と離れたくないと言いつつも、どうしても日程変更ができない仕事があるということで、滄波さんとともに執務室に行くことになっていた。
「すぐに終わらせて帰ってくるから、今日は部屋から出てはいけないぞ」
「はい。哉藍が帰ってきてくださるのを待っていますね」
「ああ、瑞季は本当にいい子だな」
チュッと額に唇が落とされる。
「んっ? いつもより体温が高い気がするが大丈夫か? 昨日無理をさせすぎてしまったのだな」
「ふふっ。大丈夫です。少し休めば元に戻りますよ。だから、早く帰ってきてくださいね」
「ああ、わかった。何かあればその铃を鳴らすのだぞ。すぐに戻ってくるからな」
「はい。わかりました。哉藍、いってらっしゃいませ」
哉藍を見送ってしばらく眠っていたけれど、少し熱が上がってきたことに気づく。
もしかしたら本格的に体調を崩してしまったのかもしれない。
少し水を飲んで哉藍が戻ってくるまで寝ていよう。
重い身体を起き上がらせると、ふらっと目の前が暗くなる。
ああ、こんなこといつぶりだろう……。
いつの間にか汗だくになっていた夜着を脱ぎたくて仕方がない。
必死にベッドから下りて、脱衣所に向かうとどこからか甘い匂いが漂ってくる。
何? どこから匂っているの?
ふらふらになりながら、その匂いのありかを探し求めると藤の籠の中にある大きなタオルからその匂いが漂ってくる。
私は夢中になってそのタオルを取り、匂いを思いっきり吸い込んだ。
ああ、これ哉藍の蜜の匂いだ。
「ひゃあっん!!」
それに気づいた瞬間、匂いを嗅いだだけなのに身体中を電流が走っていくような感覚に襲われた。
怖い……だけど、嗅ぐのを止められない。
そのうち呼吸も荒くなってきて、気づけば自分のささやかなモノが勃ってしまっているのがわかる。
もしかして、これがヒート?
あの時、哉藍と初めてあった時のようなあの興奮と同じ気がする。
ああ、私にもヒートが来たのだ。
昨夜もたっぷり愛されたばかりだけど、ヒートはまた別らしい。
もうすでに身体の奥から哉藍を渇望しているのがわかる。
ああ、そうとわかればこんなところにいるわけにはいかない。
私はフラフラになった身体を引き摺るように寝室に戻り、哉藍の服を漁った。
さっきのタオルを身体に巻きつけながら、哉藍の服をベッドに集めていく。
そしてその中に潜り込んでから、ようやく铃を鳴らした。
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