イケメンスパダリ弁護士に助け出されて運命が変わりました

波木真帆

文字の大きさ
84 / 87
番外編

俺の可愛いメイド  <中編>

しおりを挟む
リオが可愛過ぎて前後編では終わりませんでした(汗)
楽しんでいただけると嬉しいです♡


  *   *   *



「美味しいミルク入れましたよー」

「あ、ああ。ありがとう」

お礼を言ったが、目をキラキラと輝かせて俺を見つめたまま動かない。何か期待しているように見えるが、まさかキスをねだっている? ここのカフェはそんなこともできるのか?

リオくんの可愛いプルプルの唇が俺を誘っている気がして、ゴクリと息を呑んだ瞬間、

「リオのコーヒー、飲まないですか?」

と悲しげな声が聞こえてきた。

「えっ? あ、いや。飲むよ。いただきます」

焦りながらミルクの入ったアイスコーヒーのグラスを持ち、ストローで一気に半分ほど飲んだ。よく通っていたコーヒー専門店のコーヒーよりも香りも味も良くて驚いた。

「ん! リオくんがミルクを入れてくれたからいつものコーヒーよりもずっと美味しいよ」

「旦那さまに喜んでもらえてよかったぁ……っ」

リオくんのホッとした、嬉しそうな笑顔を見て、さっきのは俺がコーヒーを飲むのを待っていたんだと悟った。
それを俺はキスのおねだりだと勘違いして……恥ずかしい。こんなに純粋な子がキスをねだるなんてあるわけないのにな。

リオくんがホッとしたようにジュースに口をつけた隙に、俺はそっと周りに視線を向けた。
メイドを選んだ時はリオくんしか見えなくて気づいてなかったが、ここのメイドは全員可愛い男の子みたいだ。
可愛い顔をしているし、ふわふわのメイド服を着ていることもあって初見ではわからなかったが、膝に乗った時にすぐにリオくんが男の子だとわかった。骨格が男の子のそれだったからだ。

それでも全然構わないと思っていたし、女にはあまり興味もなかったから自然と男の子であるリオくんに惹かれて選んだのだろうと思っていたが、綾城と悠木のメイドも男の子だとわかれば話は変わってくる。俺は自分の意思でリオくんを選んだんだ。今までそんなこと一度もなかったのに……。

俺の腕の中で美味しそうにジュースを飲むリオくんが愛おしくてたまらない。俺はこの子をもう手放したくないと思ってしまっている。
コーヒーを飲み終わるとこの楽しい時間が終わってしまう気がして、一気に半分も飲み干してしまった過去の自分を呪いながら、ちびちびとコーヒーに口をつけていると、

「旦那さまー。お腹は空いてませんか?」

とリオくんに可愛い声で尋ねられる。

「ここは食事もあるのかな?」

「はい! 萌え萌えオムライスと、萌え萌えハンバーグと、萌え萌えスパゲッティーがあります! どれがいいですか?」

「そうだな……」

可愛いメイドと一緒に食べられるのがメインできっと料理のクオリティは低そうだが、リオくんと過ごす時間が長くなるならいいか。

「リオくんは何が好き?」

「リオはオムライスが好きです」

「じゃあ、オムライスにしようかな。頼める?」

「はーい!」

元気よく返事をしたかと思うと、ピョンと俺の膝から下りて、

「リオの旦那さまに萌え萌えオムライスひとつ、お願いしま~す!!」

と言いながら駆け出していった。

その姿がとてつもなく可愛いが、膝からいなくなってリオくんの温もりだけが残り寂しさが募る。
すると、少し離れた綾城と悠木のところからもメイドたちが

「ケイトの旦那さまに萌え萌えハンバーグ~」
「ソラの旦那さまに萌え萌えスパゲッティー~」

と言いながら駆け出していくのが見えた。
どうやらあいつらもメイドたちと過ごす時間を選んだようだな。俺たちは揃いも揃って可愛いメイドにハマってしまったようだ。

それからすぐにリオくんが大きなお皿を両手で持ってこちらにやってきた。

「うんしょ、うんしょ」

と掛け声でもつきそうなほど一生懸命に運ぶ姿に頑張れ! と応援したくなる。
さっき転びそうになったから余計に慎重なんだろう。
コトっとテーブルに料理皿を無事に置けた時、リオくんは嬉しそうに笑っていた。

「リオくん、ありがとう。美味しそうだね! じゃあ、一緒に食べようか」

「あ、ちょっと待っててください!」

リオくんは急いでさっきの場所に戻っていった。
目の前には形の整ったチキンライスに、見るだけでわかる柔らかそうなオムレツが乗っていて、チキンライスの周りにはデミグラスソースがかかっていてなんとも美味しそう。クオリティが低そうと思っていたのが申し訳ないくらいだ。

「旦那さま、お待たせしました~!」

笑顔で戻ってきたリオくんが胸に抱えて持ってきたのは大きなケチャップのボトル。

「さぁ、旦那さま。オムレツをナイフで切ってください!」

「ああ、わかった」

スーッとオムレツに切れ目を入れるととろとろの卵がチキンライスにかかる。これだけで十分美味しそうだ。

「これにリオがもっとおいしくなる魔法をかけますね。えーい。リオのハートで美味しくなーれ。大好き、大好き、萌え萌えキュン♡」

リオくんは持っていたケチャップで大きなハートを書きながら、そんな可愛い声かけをしてくれた。

くはっ。可愛過ぎてやばすぎる。
しおりを挟む
感想 95

あなたにおすすめの小説

夜が明けなければいいのに(洋風)

万里
BL
大国の第三皇子・ルシアンは、幼い頃から「王位には縁のない皇子」として育てられてきた。輝く金髪と碧眼を持つその美貌は、まるで人形のように完璧だが、どこか冷ややかで近寄りがたい。 しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。 そんなルシアンに、ある日突然、国の命運を背負う役目が降りかかる。 長年対立してきた隣国との和平の証として、敵国の大公令嬢への婿入り――実質的な“人質”としての政略結婚が正式に決まったのだ。 「名誉ある生贄」。 それが自分に与えられた役割だと、ルシアンは理解していた。 部屋に戻ると、いつものように従者のカイルが静かに迎える。 黒髪の護衛騎士――幼い頃からずっと傍にいてくれた唯一の存在。 本当は、別れが怖くてたまらない。 けれど、その弱さを見せることができない。 「やっとこの退屈な城から出られる。せいせいする」 心にもない言葉を吐き捨てる。 カイルが引き止めてくれることを、どこかで期待しながら。 だがカイルは、いつもと変わらぬ落ち着いた声で告げる。 「……おめでとうございます、殿下」 恭しく頭を下げるその姿は、あまりにも遠い。 その淡々とした態度が、ルシアンの胸に鋭く突き刺さる。 ――おめでとうなんて、言わないでほしかった。 ――本当は、行きたくなんてないのに。 和風と洋風はどちらも大筋は同じようにしようかと。ところどころ違うかもしれませんが。 お楽しみいただければ幸いです。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる

衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。 男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。 すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。 選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。 二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。 元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

病弱の花

雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

処理中です...