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鉄壁の守り
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「今日はちょっと多いな」
改札を通り、ホームへ上がるといつもより多くの人が並んでいた。
どうやらどこかの駅で事故でもあったらしく、電車が遅れているようだ。
それでももうすでに復旧して電車が動き始めているというのだからまだよかったと言える。
すぐにやってきた電車を一つ避けて次の電車に乗ることにしたが、やはりというか当然というかその電車も満員であることに変わりはなかった。
「晴、俺から離れるな」
晴の手を握り、人の波に乗って中へ入ると奥の扉の近くのスペースに少しの空間を見つけた。
その空間に晴を入れ、覆い隠すように向かい合わせに立った。
「隆之さん、大丈夫?」
晴は心配してくれているが、晴が押しつぶされることを考えたら俺のことなどどうでもいい。
それに何より晴の身体がその辺の男たちに触られるなんて許せるはずがないのだからな。
「大丈夫だ、たった数駅くらい問題ないよ」
周りにいる男たちの動向に注意しながらできるだけにこやかに答えると晴はほっとしたように微笑んだ。
その瞬間、俺の後ろで『ぐぅっ!』と息を呑む音があちらこちらから聞こえた。
チッ、くそっ、見られたか。
晴の可愛らしい微笑みが他の奴らに見られたのが悔しくて、晴には気づかれないようにより一層晴を覆い隠し周りから見えないようにすると、周りから落胆するため息が漏れ聞こえた。
「晴は苦しくないか?」
「うん、隆之さんが守ってくれてるから大丈夫。ふふっ、一緒でよかった」
そう言って俺の胸元にぽふっと顔を擦り寄せてくる。
晴の柔らかな髪が首筋を軽く撫でてきて、ゾクリと身体が震えた。
そんな俺の状況を知ってか知らずか晴は尚も寄り添ってあろうことか俺の胸元で大きく深呼吸までし出した。
「ふふっ。隆之さんの良い匂いする。こんなに密着できるなら満員電車も楽しいね」
晴の少し艶のある声が耳の下から聞こえてくる。
晴は一体俺をどうしたいんだろう。
ああ、なんでここが家じゃないんだろう。
ここが家ならすぐにでも押し倒して、晴の甘やかな声を、匂いを、味を堪能するのに……。
中心に熱が集まって昂ってしまいそうになるのを必死に抑えながら、ようやく降りる駅に到着した。
立っていた場所の扉が開き、晴の腰に手を回したままホームへと降り立つと、晴はさっきまでの小悪魔っぷりが嘘のように真っ赤な顔をして俺から離れようとしていた。
俺から離れるなんてさせるわけないだろうと言わんばかりに俺は晴の手を握り、人の流れが落ち着くまでホームから離れたところで待つことにした。
「さっきは大胆にくっついてきたのにどうしたんだ?」
まだ頬の赤い晴にそう尋ねると、
「狭い場所でくっついてると、隆之さんの匂いしか感じなくて周りに人がいることを忘れちゃってたんだ。でも、駅に着いて急にいっぱい視線感じたから恥ずかしくなっちゃって……」
とそんな可愛いことを言ってくる。
ああ、今日は早く仕事を終わらせて帰ろう。
晴との甘い夜のために。
久しぶりの電車は俺の理性を奪ってしまうくらいの破壊力があった。
やはりこの時間は車で行くに限るな。
事故の影響でまだ人の多いホームをやっとのことで降り、改札へと向かった。
こんなに人が多いと逸れないためにも晴と手を繋いでいても誰も気にしないのはいい。
晴はさっきの照れがまだ続いているらしく、手を繋いでいることには気づいていないようだが。
しばらくはこのままでいいか、手を繋いでいることは言わないでおこう。
改札に着いてようやく俺と手を繋いでいたことに気づいたようで頬の赤みが増していたが、俺は気にしない。
仕方なく手をはなしひとりずつ改札を通り、また手を繋ごうとするとさすがに恥ずかしいと拒まれてしまった。
まぁ、仕方ないか。
手を繋ぐのは諦めてできるだけ近くを歩き、さりげなく手を触れさせるとそれには気づいたようだが、さすがにそれまで拒むことはなかった。
こんな中学生のような恋愛も楽しいか。
そんなことを思いながら、駅を出て会社へと向かって歩いていると、
「おおっ、おはよう」
と後ろから声をかけられた。
この声は、橘か。
どうやら同じ電車だったらしい。
あいつも車を置いて帰ったようだな。
「晴くん、昨日は大丈夫だった?」
「あっ、橘さん。おはようございます。すみません、昨日ご迷惑かけてしまったみたいで。お酒飲んでからあんまり記憶がないんですけど……」
「いや、特に迷惑なんかかけてなかったよ。すぐに眠っちゃってたしね。それにしても晴くん、相当弱いんだね」
「僕も驚きました。こんなに飲めないんだって!」
「入社したら、いろんな飲み会とか接待とか連れていかれるかもしれないけど、絶対に飲まないようにしないとね!」
「はい。もうそれはしっかりと肝に銘じました!」
「ふふっ。それなら安心だな」
そう言ってさりげなく、晴の頭をポンポンして俺の隣に回り込んだ。
「早瀬、晴くん、昨日のこと覚えてないって言ってたけど、お前、そんな彼に色々したんじゃないだろうな?」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら俺の腕を突いてくるが、誰がお前に話すものか。
あんな晴を知っているのは俺だけでいい。
「余計なお世話だ」
「おー、こわっ。それはそうと、今日の電車大丈夫だったか?」
「ああ、事故で久しぶりの満員だったが、なんとか大丈夫だったよ」
「ならいいが。最近、あの路線痴漢が増えてるから晴くん1人では絶対に乗せない方が良いぞ」
そうか……今日、至る所から晴に対して変な視線を感じたがそういうことか。
車を置いて帰るのはやめたほうがいいな、やっぱり。
「ああ。わかってる」
そう一言だけ告げると橘は納得したように、また晴と会話を始めた。
ここ最近、地下の駐車場から直接上がっていたのでほぼフリーパス状態だったが、今日は久しぶりに正面から会社へと入る。
この時間は多くの社員の出社時間でもあるし、晴が目立つかもしれないな。
心配だが、幸か不幸か橘も一緒だしまぁ、なんとかなるだろう。
『わっ、見て。営業部のツートップがいる!』
『ほんとだっ! 今日はツいてる!!』
『やっぱ早瀬さん、かっこいい~!』
『橘さんもステキよね~!』
『早瀬さん、ここのところ見かけなかったから。ふふっ。今日はラッキー!』
『ねぇ見て、ツートップと一緒にいる子、例のあの子じゃない?』
『ああ、上層部がこぞって可愛がってるって噂の??』
『そうそう。あのツートップまで一緒にいるってことは噂はほんとってこと?』
『ええー、どうかな~』
『でもさ、1人の姫に2人の騎士って感じで萌えるよね~』
『きゃー、萌えるわぁ』
晴と俺たちがロビーに入るとあちらこちらから声が聞こえるが、晴は特に気にしていないみたいだ。
相変わらず自分のことは特に気にならないみたいだな。
晴を俺たちで挟むようにICカードをタッチして中に入ると、後ろから
「おい、お前たち」
という聞き慣れた声が聞こえた。
パッと振り返ると、声の主はやはりというかなんというか桜木部長だった。
「部長、おはようございます」
「ああ。おはよう。昨日は大丈夫だったか?」
「はい。あのままずっと眠ったままでしたからタクシーで帰って正解でした」
「そうか、それならよかった」
「部長、せっかく連れて行っていただいたのにご心配とご迷惑をお掛けしてしまって申し訳ありません」
晴はしょんぼりしながら桜木部長にそう謝ると、
「香月くん、何言っているんだ。気にしないでいい。君と食事に行けて楽しかったよ。私の友達も喜んでいたから、また今度ゆっくり食事に行こう」
とにこやかな笑顔を向け、頭をぽんぽんと撫でていた。
桜木部長のその笑顔に
「きゃーっ!!」
という歓声がロビーに響いた。
「な、何事だ?」
桜木部長があんな笑顔を見せるのは晴以外にあり得ない。
何度かその笑顔を見たことのある営業部のメンバーであっても驚きと歓声が上がるというのに、その免疫のない他の社員たちが見たら騒ぎになるのは当たり前だ。
このままだと収拾がつかなくなりそうで、
「部長、早くエレベーターに乗りましょう」
と声をかけ、晴の手をとって4人でエレベーターの方へと急いだ。
「なんだか今日のロビーは騒がしかったな」
晴と同様に桜木部長もまた自分が周りの人の目に留まりやすい人種だと気づいていないのだから困ったものだ。
橘を見ると、やれやれと言った表情を向けてきたからこの点では話が合いそうだ。
ようやくやってきたエレベーターに乗り込むと、我々と同じエレベーターに乗り合わせようとたくさんの人たちが押し寄せてきた。
自分の人気には鈍い桜木部長も晴のこととなると話は別だ。
「早瀬、橘。お前たち香月くんを角に行かせろ」
「はい」
俺たちはその指示通り、エレベーターの向かって左奥を陣取り、晴を立たせて両脇を俺たちでしっかりと固めた。
桜木部長はさらにその前に立ちはだかり、これで完全に晴の姿は周りから見えなくなった。
ああーっと残念そうな声が漏れる中、エレベーターはようやく上昇を始めた。
改札を通り、ホームへ上がるといつもより多くの人が並んでいた。
どうやらどこかの駅で事故でもあったらしく、電車が遅れているようだ。
それでももうすでに復旧して電車が動き始めているというのだからまだよかったと言える。
すぐにやってきた電車を一つ避けて次の電車に乗ることにしたが、やはりというか当然というかその電車も満員であることに変わりはなかった。
「晴、俺から離れるな」
晴の手を握り、人の波に乗って中へ入ると奥の扉の近くのスペースに少しの空間を見つけた。
その空間に晴を入れ、覆い隠すように向かい合わせに立った。
「隆之さん、大丈夫?」
晴は心配してくれているが、晴が押しつぶされることを考えたら俺のことなどどうでもいい。
それに何より晴の身体がその辺の男たちに触られるなんて許せるはずがないのだからな。
「大丈夫だ、たった数駅くらい問題ないよ」
周りにいる男たちの動向に注意しながらできるだけにこやかに答えると晴はほっとしたように微笑んだ。
その瞬間、俺の後ろで『ぐぅっ!』と息を呑む音があちらこちらから聞こえた。
チッ、くそっ、見られたか。
晴の可愛らしい微笑みが他の奴らに見られたのが悔しくて、晴には気づかれないようにより一層晴を覆い隠し周りから見えないようにすると、周りから落胆するため息が漏れ聞こえた。
「晴は苦しくないか?」
「うん、隆之さんが守ってくれてるから大丈夫。ふふっ、一緒でよかった」
そう言って俺の胸元にぽふっと顔を擦り寄せてくる。
晴の柔らかな髪が首筋を軽く撫でてきて、ゾクリと身体が震えた。
そんな俺の状況を知ってか知らずか晴は尚も寄り添ってあろうことか俺の胸元で大きく深呼吸までし出した。
「ふふっ。隆之さんの良い匂いする。こんなに密着できるなら満員電車も楽しいね」
晴の少し艶のある声が耳の下から聞こえてくる。
晴は一体俺をどうしたいんだろう。
ああ、なんでここが家じゃないんだろう。
ここが家ならすぐにでも押し倒して、晴の甘やかな声を、匂いを、味を堪能するのに……。
中心に熱が集まって昂ってしまいそうになるのを必死に抑えながら、ようやく降りる駅に到着した。
立っていた場所の扉が開き、晴の腰に手を回したままホームへと降り立つと、晴はさっきまでの小悪魔っぷりが嘘のように真っ赤な顔をして俺から離れようとしていた。
俺から離れるなんてさせるわけないだろうと言わんばかりに俺は晴の手を握り、人の流れが落ち着くまでホームから離れたところで待つことにした。
「さっきは大胆にくっついてきたのにどうしたんだ?」
まだ頬の赤い晴にそう尋ねると、
「狭い場所でくっついてると、隆之さんの匂いしか感じなくて周りに人がいることを忘れちゃってたんだ。でも、駅に着いて急にいっぱい視線感じたから恥ずかしくなっちゃって……」
とそんな可愛いことを言ってくる。
ああ、今日は早く仕事を終わらせて帰ろう。
晴との甘い夜のために。
久しぶりの電車は俺の理性を奪ってしまうくらいの破壊力があった。
やはりこの時間は車で行くに限るな。
事故の影響でまだ人の多いホームをやっとのことで降り、改札へと向かった。
こんなに人が多いと逸れないためにも晴と手を繋いでいても誰も気にしないのはいい。
晴はさっきの照れがまだ続いているらしく、手を繋いでいることには気づいていないようだが。
しばらくはこのままでいいか、手を繋いでいることは言わないでおこう。
改札に着いてようやく俺と手を繋いでいたことに気づいたようで頬の赤みが増していたが、俺は気にしない。
仕方なく手をはなしひとりずつ改札を通り、また手を繋ごうとするとさすがに恥ずかしいと拒まれてしまった。
まぁ、仕方ないか。
手を繋ぐのは諦めてできるだけ近くを歩き、さりげなく手を触れさせるとそれには気づいたようだが、さすがにそれまで拒むことはなかった。
こんな中学生のような恋愛も楽しいか。
そんなことを思いながら、駅を出て会社へと向かって歩いていると、
「おおっ、おはよう」
と後ろから声をかけられた。
この声は、橘か。
どうやら同じ電車だったらしい。
あいつも車を置いて帰ったようだな。
「晴くん、昨日は大丈夫だった?」
「あっ、橘さん。おはようございます。すみません、昨日ご迷惑かけてしまったみたいで。お酒飲んでからあんまり記憶がないんですけど……」
「いや、特に迷惑なんかかけてなかったよ。すぐに眠っちゃってたしね。それにしても晴くん、相当弱いんだね」
「僕も驚きました。こんなに飲めないんだって!」
「入社したら、いろんな飲み会とか接待とか連れていかれるかもしれないけど、絶対に飲まないようにしないとね!」
「はい。もうそれはしっかりと肝に銘じました!」
「ふふっ。それなら安心だな」
そう言ってさりげなく、晴の頭をポンポンして俺の隣に回り込んだ。
「早瀬、晴くん、昨日のこと覚えてないって言ってたけど、お前、そんな彼に色々したんじゃないだろうな?」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら俺の腕を突いてくるが、誰がお前に話すものか。
あんな晴を知っているのは俺だけでいい。
「余計なお世話だ」
「おー、こわっ。それはそうと、今日の電車大丈夫だったか?」
「ああ、事故で久しぶりの満員だったが、なんとか大丈夫だったよ」
「ならいいが。最近、あの路線痴漢が増えてるから晴くん1人では絶対に乗せない方が良いぞ」
そうか……今日、至る所から晴に対して変な視線を感じたがそういうことか。
車を置いて帰るのはやめたほうがいいな、やっぱり。
「ああ。わかってる」
そう一言だけ告げると橘は納得したように、また晴と会話を始めた。
ここ最近、地下の駐車場から直接上がっていたのでほぼフリーパス状態だったが、今日は久しぶりに正面から会社へと入る。
この時間は多くの社員の出社時間でもあるし、晴が目立つかもしれないな。
心配だが、幸か不幸か橘も一緒だしまぁ、なんとかなるだろう。
『わっ、見て。営業部のツートップがいる!』
『ほんとだっ! 今日はツいてる!!』
『やっぱ早瀬さん、かっこいい~!』
『橘さんもステキよね~!』
『早瀬さん、ここのところ見かけなかったから。ふふっ。今日はラッキー!』
『ねぇ見て、ツートップと一緒にいる子、例のあの子じゃない?』
『ああ、上層部がこぞって可愛がってるって噂の??』
『そうそう。あのツートップまで一緒にいるってことは噂はほんとってこと?』
『ええー、どうかな~』
『でもさ、1人の姫に2人の騎士って感じで萌えるよね~』
『きゃー、萌えるわぁ』
晴と俺たちがロビーに入るとあちらこちらから声が聞こえるが、晴は特に気にしていないみたいだ。
相変わらず自分のことは特に気にならないみたいだな。
晴を俺たちで挟むようにICカードをタッチして中に入ると、後ろから
「おい、お前たち」
という聞き慣れた声が聞こえた。
パッと振り返ると、声の主はやはりというかなんというか桜木部長だった。
「部長、おはようございます」
「ああ。おはよう。昨日は大丈夫だったか?」
「はい。あのままずっと眠ったままでしたからタクシーで帰って正解でした」
「そうか、それならよかった」
「部長、せっかく連れて行っていただいたのにご心配とご迷惑をお掛けしてしまって申し訳ありません」
晴はしょんぼりしながら桜木部長にそう謝ると、
「香月くん、何言っているんだ。気にしないでいい。君と食事に行けて楽しかったよ。私の友達も喜んでいたから、また今度ゆっくり食事に行こう」
とにこやかな笑顔を向け、頭をぽんぽんと撫でていた。
桜木部長のその笑顔に
「きゃーっ!!」
という歓声がロビーに響いた。
「な、何事だ?」
桜木部長があんな笑顔を見せるのは晴以外にあり得ない。
何度かその笑顔を見たことのある営業部のメンバーであっても驚きと歓声が上がるというのに、その免疫のない他の社員たちが見たら騒ぎになるのは当たり前だ。
このままだと収拾がつかなくなりそうで、
「部長、早くエレベーターに乗りましょう」
と声をかけ、晴の手をとって4人でエレベーターの方へと急いだ。
「なんだか今日のロビーは騒がしかったな」
晴と同様に桜木部長もまた自分が周りの人の目に留まりやすい人種だと気づいていないのだから困ったものだ。
橘を見ると、やれやれと言った表情を向けてきたからこの点では話が合いそうだ。
ようやくやってきたエレベーターに乗り込むと、我々と同じエレベーターに乗り合わせようとたくさんの人たちが押し寄せてきた。
自分の人気には鈍い桜木部長も晴のこととなると話は別だ。
「早瀬、橘。お前たち香月くんを角に行かせろ」
「はい」
俺たちはその指示通り、エレベーターの向かって左奥を陣取り、晴を立たせて両脇を俺たちでしっかりと固めた。
桜木部長はさらにその前に立ちはだかり、これで完全に晴の姿は周りから見えなくなった。
ああーっと残念そうな声が漏れる中、エレベーターはようやく上昇を始めた。
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