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幸せのお裾分け
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「アル、理玖。彼は主任コンシェルジュの高木将吾くん。主に10階以上の住民の世話をしてくれている。俺たちもいつも彼にはお世話になっているんだ。今日は一緒に部屋の説明をしてくれることになっているからわからないことがあったらなんでも彼に聞いてくれ」
部屋の前で待機していてくれた高木を2人に紹介すると、アルは
「Hi!よろしく。私はアルフォンス・ベルガー。彼は私の大切な人で戸川理玖だ」
と理玖の腰を抱きながら、高木に挨拶をしていた。
「ちょっと、アル。恥ずかしいよ」
「リク、私とのことが恥ずかしいというのか?」
「いや、そうじゃなくて……た、大切な人とか……そんな……」
「だが、本当のことだろう? そうじゃないのか?」
「そうだけど……」
『ん゛っ、んっ』
こんな痴話喧嘩をいつまでも聞いていられない。
俺が咳払いをすると、理玖はパッと顔を赤らめ、アルはニコッと笑った。
どうやら高木に牽制のつもりだったのかもしれないな。
「ベルガーさま。戸川さま。今日はよろしくお願いいたします」
高木は気にする素振りも見せずに優雅な笑みを見せていた。
『ほお』と小さく頷いたアルはきっと、今のやりとりだけで高木のことを気にいったに違いない。
ここに住むことになっても安心して住めるな。
オーナーから預かっていた鍵で玄関の扉を開ける。
ここのマンションはオーナーのこだわりで部屋によって全てのレイアウトが違うため、この部屋も俺たちの部屋とは随分印象が異なる。
しかも、前の住民は元々、後に売ることを考えていたようで購入した時のままあまり手を加えていないと言う話だった。
「すごく綺麗な玄関だな。これなら中も期待できそうだ」
「玄関が広くていいね」
アルと理玖の第一印象は合格点だったようだ。
晴も俺たちの家とは違う造りに興味津々なようで楽しそうに目を輝かせている。
「まずはどこから案内しようか?」
「そうだな。リクはどこからみたい?」
「キッチンが見たい。アルはキッチンにこだわりがあったろ? まずはキッチンを見てみないとな」
部屋を見るのもお互いの意見を尋ねるんだな。
うん、やっぱりアルと理玖は一生のパートナーだな。
常にお互いのことを考えるなんて最高だよ。
「じゃあ、キッチンに行こう」
俺は晴の腰を抱き、ゆっくりとキッチンへと案内した。
その後ろから、アルもまた理玖の腰を抱きながらついてきている。
高木はそんな俺たちの後をついて来て、もう何もかも理解しているだろうが、何も口に出さないでいてくれるのは本当にありがたい。
こう言うところが彼が信用できる人物だといえる所以でもある。
「ここがキッチンだよ」
案内したキッチンは、晴が広いと言ってくれる俺のキッチンより2倍とまではいかないが、1.5倍ほどはある広いキッチンだった。
「うわぁ、いいね。ここならなんでも作れそうだ」
「ああ。ここのコンセプトは料理人でも大満足できるキッチンらしい。アルにぴったりだな。前の住人の夫婦は最初はキッチンをよく使っていたみたいだけど、お互いに仕事が忙しくなってからはあまり活用できてなかったらしい」
「なるほど。私なら宝の持ち腐れにはならないですむな」
「ふふっ。アルは料理上手だから、こんな広いキッチンならいつでも美味しいのが食べられそうだな」
「ああ、リクのためならなんでも作ってあげるよ」
どうやらキッチンも2人の合格点をもらえそうだ。
ふと見ると晴が広いキッチンを楽しそうに見つめている。
そうだ、晴も料理が好きだからこんなに広いキッチンを見ればテンションが上がるだろうな。
「うちのキッチンをリノベーションして晴の好きなように作り替えてもいいんだぞ」
「ふふっ。ありがとう、隆之さん」
そうにこやかに笑う晴は少しだけ遠慮しているように見えた。
「晴、俺は本気だぞ。2人でずっと住む家だから、晴が使いやすいように変えていいんだ。俺はキッチンにこだわりはないし、晴の気にいるようにしてくれた方が嬉しい。その代わり、俺は晴との風呂を楽しみたいからそこのリノベーションは俺に任せてもらおうかな」
ニヤリと笑みを浮かべながら、そう言ってやると晴はパッと顔を赤らめながら
「ありがとう、隆之さん」
と小さく呟いた。
おそらく自分のわがままを言うのはどうかと一瞬悩んだんだろう。
あの遠慮がちな目がそれを物語っていた。
晴の要望を叶えることはわがままでも何でもないのに。
いや、それどころか晴にお願いされることが嬉しくてたまらないのに。
「リク、次はどこを見ようか?」
「キッチンの次は……やっぱりリビングかな」
「2人で長く過ごす場所だからリビングは大事だな。じゃあ見にいこう」
高木が
「こちらでございます」
と案内して連れていく。
俺たちを気遣ったんだろうな。
さすが、アル。
リビングへと向かう3人を見送りながら、晴を抱きしめ
「俺たちの城を作っていこう。ずっと2人で過ごすんだからな」
首筋に顔を埋めながらそういうと、晴はくすぐったそうに身を捩りながら、
「僕……キッチンを今より広くしたいな。リビングにいる隆之さんからも見えるように……。料理作りながらリビングでくつろいでいる隆之さんが見られたら幸せだもん」
と満面の笑みを見せてくれた。
ああ、俺のために料理を作ってくれる晴がリビングのどこにいても見られる……そんなの俺の方が叶えたい夢じゃないか。
そんな幸せが現実になるとは……嬉しいと言う気持ち以外出てこないな。
「そうだな、そうしよう。落ち着いたら知り合いの設計士にでも頼む事にしよう。晴と俺の希望通りの家にしようか」
「ふふっ。うん。嬉しい」
そう言って微笑む晴の頬にキスをして、
「そろそろリビングに行こうか」
と晴を連れて行った。
少し顔が赤い晴を見て、アルはすぐに何があったか気づくだろうと思ったが、紳士なアルは笑顔を浮かべただけで特に何も言葉を発することはなかった。
やっぱりアルはいいやつだ。
「アル、部屋はどうだ?」
「ああ。リビングの天井も高くて圧迫感はないし、広々としていて良さそうだ。
さっきのキッチンには使い勝手の良さそうな広い食品庫もあったし、あと気になるのは寝室とバスルームだな」
「そうだな、そこが一番大事なところだ」
「ああ。特にリクは風呂が好きだから、そこは妥協したくないんだが……」
「そういえば、ここの売りの一つを紹介しておこうか」
「んっ? それはなんだ?」
「実はな、ここは――――ができるようになったんだ」
「えっ? それは本当なのかい?」
アルは目を丸くして高木を振り返って見つめた。
「はい。来月からご提供開始となる予定でございます。もうすでに大多数の入居者さまからご契約をいただいております」
「それはいいな……きっとリクも喜ぶだろうな」
「そういえば理玖はどこに?」
「ああ、風にあたりながら少し休みたいって言うからテラスにあるソファーで休ませてるよ」
クイっと指をさし示した先にあるリビングから続いたテラスの椅子に理玖が座っている。
隣に晴の姿も見える。
どうやら俺がアルと話している間に理玖を見つけて話をしに行ったみたいだ。
ふふっ。2人とも嬉しそうな顔をしている。
今のところ、このマンションは合格みたいだな。
「晴、理玖」
リビングを見て回っているアルを残し、俺はテラスで楽しそうに会話をしている2人の元へと近寄って声をかけると、2人ともにこやかな笑顔で振り返った。
「あっ、隆之さん。ここのテラスに出るとうちからとは違う景色が見られて楽しくなっちゃって……ごめん。違う部屋を見にいくの?」
「いや、そんなに慌てなくて大丈夫だよ。理玖も少しは休めたか?」
「はい。大丈夫です。ここ風が気持ちいいからつい休みたくなっちゃっただけで……」
そう話す理玖の頬が少し赤い理由はわかっているから、俺は特に深追いはしないよ。
晴も少し休ませたいと思っていたところだったからちょうどいいんだ。
それよりも晴がうちとは違う景色と言ってくれたことが嬉しかった。
そう。晴はサラリと言っていたが、もうすっかり俺の家が晴の中では2人の家になっていることがすごく嬉しいんだ。
「リク、寝室とバスルームを見に行かないか?」
アルはリビングを全部見終わって、理玖を誘いにテラスに出てきた。
「アル、見てよ。この景色。アルの家の庭の景色も俺、好きだけど、ここの景色も綺麗だと思わない?」
「ああ。本当だな。リクと夜景を見ながらワインを楽しむのも良さそうだ」
自然に理玖の腰を抱き、見つめ合いながらそんなことを話し出す。
理玖も嬉しそうだし、ここは邪魔をしないほうが賢明かな。
「晴、こっちにおいで」
俺は晴を小声でよび、俺もまた晴の腰を抱き、そっとテラスを出た。
「高木、悪いな。あの2人、いつもあんな感じでラブラブだから。見学の時間は大丈夫か?」
「いえ、お二人から幸せのお裾分けをいただき嬉しい限りでございますよ。時間はお気になさらずにごゆっくりと見学なさって下さいませ」
「ありがとう、助かるよ」
2人で十分にテラスを楽しんだ後でアルと理玖がリビングに戻ってきた。
「悪い、待たせたかな?」
「いや、気にしないでいい。晴も俺もうちとは違うリビングを堪能していたからな」
「そうか、なら良かった。じゃあ、寝室を見に行こうか」
高木に案内され、2人が寝室へと入っていく。
俺たちが寝室の外で待っていると、
「ユキ、ハルも来てくれないか?」
というアルの声に俺たちは寝室へと入った。
ここはどうやら書斎と寝室が一つの大きな部屋になっているようで、うちの寝室よりすっきりとして広々として見えた。
中央に広い壁があり、ここにベッドを置くんだろうと思った。
そしてその壁を回り込んでみれば、そこは広々としたオープンウォークインクローゼットがあった。
なるほど、こういう造りも面白い。
キッチンとバスルームをリノベーションするときに、一緒に寝室を作り替えるのも楽しいかもしれないな。
部屋の前で待機していてくれた高木を2人に紹介すると、アルは
「Hi!よろしく。私はアルフォンス・ベルガー。彼は私の大切な人で戸川理玖だ」
と理玖の腰を抱きながら、高木に挨拶をしていた。
「ちょっと、アル。恥ずかしいよ」
「リク、私とのことが恥ずかしいというのか?」
「いや、そうじゃなくて……た、大切な人とか……そんな……」
「だが、本当のことだろう? そうじゃないのか?」
「そうだけど……」
『ん゛っ、んっ』
こんな痴話喧嘩をいつまでも聞いていられない。
俺が咳払いをすると、理玖はパッと顔を赤らめ、アルはニコッと笑った。
どうやら高木に牽制のつもりだったのかもしれないな。
「ベルガーさま。戸川さま。今日はよろしくお願いいたします」
高木は気にする素振りも見せずに優雅な笑みを見せていた。
『ほお』と小さく頷いたアルはきっと、今のやりとりだけで高木のことを気にいったに違いない。
ここに住むことになっても安心して住めるな。
オーナーから預かっていた鍵で玄関の扉を開ける。
ここのマンションはオーナーのこだわりで部屋によって全てのレイアウトが違うため、この部屋も俺たちの部屋とは随分印象が異なる。
しかも、前の住民は元々、後に売ることを考えていたようで購入した時のままあまり手を加えていないと言う話だった。
「すごく綺麗な玄関だな。これなら中も期待できそうだ」
「玄関が広くていいね」
アルと理玖の第一印象は合格点だったようだ。
晴も俺たちの家とは違う造りに興味津々なようで楽しそうに目を輝かせている。
「まずはどこから案内しようか?」
「そうだな。リクはどこからみたい?」
「キッチンが見たい。アルはキッチンにこだわりがあったろ? まずはキッチンを見てみないとな」
部屋を見るのもお互いの意見を尋ねるんだな。
うん、やっぱりアルと理玖は一生のパートナーだな。
常にお互いのことを考えるなんて最高だよ。
「じゃあ、キッチンに行こう」
俺は晴の腰を抱き、ゆっくりとキッチンへと案内した。
その後ろから、アルもまた理玖の腰を抱きながらついてきている。
高木はそんな俺たちの後をついて来て、もう何もかも理解しているだろうが、何も口に出さないでいてくれるのは本当にありがたい。
こう言うところが彼が信用できる人物だといえる所以でもある。
「ここがキッチンだよ」
案内したキッチンは、晴が広いと言ってくれる俺のキッチンより2倍とまではいかないが、1.5倍ほどはある広いキッチンだった。
「うわぁ、いいね。ここならなんでも作れそうだ」
「ああ。ここのコンセプトは料理人でも大満足できるキッチンらしい。アルにぴったりだな。前の住人の夫婦は最初はキッチンをよく使っていたみたいだけど、お互いに仕事が忙しくなってからはあまり活用できてなかったらしい」
「なるほど。私なら宝の持ち腐れにはならないですむな」
「ふふっ。アルは料理上手だから、こんな広いキッチンならいつでも美味しいのが食べられそうだな」
「ああ、リクのためならなんでも作ってあげるよ」
どうやらキッチンも2人の合格点をもらえそうだ。
ふと見ると晴が広いキッチンを楽しそうに見つめている。
そうだ、晴も料理が好きだからこんなに広いキッチンを見ればテンションが上がるだろうな。
「うちのキッチンをリノベーションして晴の好きなように作り替えてもいいんだぞ」
「ふふっ。ありがとう、隆之さん」
そうにこやかに笑う晴は少しだけ遠慮しているように見えた。
「晴、俺は本気だぞ。2人でずっと住む家だから、晴が使いやすいように変えていいんだ。俺はキッチンにこだわりはないし、晴の気にいるようにしてくれた方が嬉しい。その代わり、俺は晴との風呂を楽しみたいからそこのリノベーションは俺に任せてもらおうかな」
ニヤリと笑みを浮かべながら、そう言ってやると晴はパッと顔を赤らめながら
「ありがとう、隆之さん」
と小さく呟いた。
おそらく自分のわがままを言うのはどうかと一瞬悩んだんだろう。
あの遠慮がちな目がそれを物語っていた。
晴の要望を叶えることはわがままでも何でもないのに。
いや、それどころか晴にお願いされることが嬉しくてたまらないのに。
「リク、次はどこを見ようか?」
「キッチンの次は……やっぱりリビングかな」
「2人で長く過ごす場所だからリビングは大事だな。じゃあ見にいこう」
高木が
「こちらでございます」
と案内して連れていく。
俺たちを気遣ったんだろうな。
さすが、アル。
リビングへと向かう3人を見送りながら、晴を抱きしめ
「俺たちの城を作っていこう。ずっと2人で過ごすんだからな」
首筋に顔を埋めながらそういうと、晴はくすぐったそうに身を捩りながら、
「僕……キッチンを今より広くしたいな。リビングにいる隆之さんからも見えるように……。料理作りながらリビングでくつろいでいる隆之さんが見られたら幸せだもん」
と満面の笑みを見せてくれた。
ああ、俺のために料理を作ってくれる晴がリビングのどこにいても見られる……そんなの俺の方が叶えたい夢じゃないか。
そんな幸せが現実になるとは……嬉しいと言う気持ち以外出てこないな。
「そうだな、そうしよう。落ち着いたら知り合いの設計士にでも頼む事にしよう。晴と俺の希望通りの家にしようか」
「ふふっ。うん。嬉しい」
そう言って微笑む晴の頬にキスをして、
「そろそろリビングに行こうか」
と晴を連れて行った。
少し顔が赤い晴を見て、アルはすぐに何があったか気づくだろうと思ったが、紳士なアルは笑顔を浮かべただけで特に何も言葉を発することはなかった。
やっぱりアルはいいやつだ。
「アル、部屋はどうだ?」
「ああ。リビングの天井も高くて圧迫感はないし、広々としていて良さそうだ。
さっきのキッチンには使い勝手の良さそうな広い食品庫もあったし、あと気になるのは寝室とバスルームだな」
「そうだな、そこが一番大事なところだ」
「ああ。特にリクは風呂が好きだから、そこは妥協したくないんだが……」
「そういえば、ここの売りの一つを紹介しておこうか」
「んっ? それはなんだ?」
「実はな、ここは――――ができるようになったんだ」
「えっ? それは本当なのかい?」
アルは目を丸くして高木を振り返って見つめた。
「はい。来月からご提供開始となる予定でございます。もうすでに大多数の入居者さまからご契約をいただいております」
「それはいいな……きっとリクも喜ぶだろうな」
「そういえば理玖はどこに?」
「ああ、風にあたりながら少し休みたいって言うからテラスにあるソファーで休ませてるよ」
クイっと指をさし示した先にあるリビングから続いたテラスの椅子に理玖が座っている。
隣に晴の姿も見える。
どうやら俺がアルと話している間に理玖を見つけて話をしに行ったみたいだ。
ふふっ。2人とも嬉しそうな顔をしている。
今のところ、このマンションは合格みたいだな。
「晴、理玖」
リビングを見て回っているアルを残し、俺はテラスで楽しそうに会話をしている2人の元へと近寄って声をかけると、2人ともにこやかな笑顔で振り返った。
「あっ、隆之さん。ここのテラスに出るとうちからとは違う景色が見られて楽しくなっちゃって……ごめん。違う部屋を見にいくの?」
「いや、そんなに慌てなくて大丈夫だよ。理玖も少しは休めたか?」
「はい。大丈夫です。ここ風が気持ちいいからつい休みたくなっちゃっただけで……」
そう話す理玖の頬が少し赤い理由はわかっているから、俺は特に深追いはしないよ。
晴も少し休ませたいと思っていたところだったからちょうどいいんだ。
それよりも晴がうちとは違う景色と言ってくれたことが嬉しかった。
そう。晴はサラリと言っていたが、もうすっかり俺の家が晴の中では2人の家になっていることがすごく嬉しいんだ。
「リク、寝室とバスルームを見に行かないか?」
アルはリビングを全部見終わって、理玖を誘いにテラスに出てきた。
「アル、見てよ。この景色。アルの家の庭の景色も俺、好きだけど、ここの景色も綺麗だと思わない?」
「ああ。本当だな。リクと夜景を見ながらワインを楽しむのも良さそうだ」
自然に理玖の腰を抱き、見つめ合いながらそんなことを話し出す。
理玖も嬉しそうだし、ここは邪魔をしないほうが賢明かな。
「晴、こっちにおいで」
俺は晴を小声でよび、俺もまた晴の腰を抱き、そっとテラスを出た。
「高木、悪いな。あの2人、いつもあんな感じでラブラブだから。見学の時間は大丈夫か?」
「いえ、お二人から幸せのお裾分けをいただき嬉しい限りでございますよ。時間はお気になさらずにごゆっくりと見学なさって下さいませ」
「ありがとう、助かるよ」
2人で十分にテラスを楽しんだ後でアルと理玖がリビングに戻ってきた。
「悪い、待たせたかな?」
「いや、気にしないでいい。晴も俺もうちとは違うリビングを堪能していたからな」
「そうか、なら良かった。じゃあ、寝室を見に行こうか」
高木に案内され、2人が寝室へと入っていく。
俺たちが寝室の外で待っていると、
「ユキ、ハルも来てくれないか?」
というアルの声に俺たちは寝室へと入った。
ここはどうやら書斎と寝室が一つの大きな部屋になっているようで、うちの寝室よりすっきりとして広々として見えた。
中央に広い壁があり、ここにベッドを置くんだろうと思った。
そしてその壁を回り込んでみれば、そこは広々としたオープンウォークインクローゼットがあった。
なるほど、こういう造りも面白い。
キッチンとバスルームをリノベーションするときに、一緒に寝室を作り替えるのも楽しいかもしれないな。
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