123 / 130
恐怖の館 <side晴>
しおりを挟む
<side晴>
ずっと行ってみたいと思っていたコスプレエリアで隆之さんのかっこいい漢服姿を見ることができた上に、その姿のままで乗馬もできてすごく楽しかった。
僕も綺麗な漢服ドレスを着たおかげでかっこいい隆之さんの隣に並んでもおかしいと思われずに済んでよかったな。
それにしても隆之さんが馬を走らせている姿は本当に格好良かった。
隆之さんが馬に乗れる、しかもかなりの使い手だと二階堂教授に聞いた時、いつか乗っているところを見てみたいって思ったんだよね。
このテーマパークに乗馬体験ができるところがあるって知った時、これだ! って嬉しくなっちゃった。
オーナーもドイツで自分の馬を走らせていると話していただけあって、すごい身のこなしだったし、さすが貴族の末裔というだけのことはあるよね。
あの王子さまの衣装を着ていると、本当に王子さまが絵本から抜け出てきたみたいだった。
理玖もものすごく綺麗なお姫さまだったし。
ふふっ。こういうと照れるからあんまり言わないけど。
楽しい乗馬の時間を過ごした後はお待ちかねのお弁当タイム。
大丈夫かなと心配している理玖とは対照的にオーナーの機嫌がすこぶるいいのが僕の目から見ても明らかだ。
だって、理玖の初めての手料理だもんね。
嬉しいに決まってる。
少し焦げちゃったって心配している卵焼きだって、オーナーは美味しいって言うだろうな。
ドキドキしている理玖がなんだか可愛くて、ついついそっちが気になってしまうけれど、僕も作ってきたお弁当を隆之さんに披露する。
「わぁ、またこれは美味しそうだな。やっぱり晴の唐揚げと卵焼きが入ってる」
「ふふっ。よかった。今日の唐揚げは冷めても美味しい味付けにしてあるんだよ」
「さすがだな。じゃあ、俺も食べさせてもらおうかな」
理玖がオーナーに食べさせているのを見て、羨ましくなったんだろうか。
ふふっ。こういう子どもっぽい隆之さんもなんだか可愛い。
僕の手に合わせて作ったおにぎりは隆之さんの口にはちょっと小さいみたい。
でもその分たくさん食べてもらえるからいいか。
エビフライも時間が経って衣がしっとりとしているけれど、これはこれで美味しい。
やっぱり出来立てサクサクも美味しいけれど、お弁当ならではの味というのもあるよね。
あっという間にお弁当は空っぽになって、隆之さんも満足してくれたみたい。
「ああ、満足したな」
「ふふっ。よかった」
「香月たちも食べ終わったのか?」
「うん。理玖たちも?」
「ああ、アルが全部食べてくれたよ」
嬉しそうに空っぽのお弁当箱を見せてくる。
「当たり前だろう? こんなに美味しい料理は生まれて初めて食べたよ」
「またー、そこまで言うと言い過ぎだよ」
「言い過ぎなものか。私にとってリクの手料理に勝る料理などどこにもないよ」
自信満々にそう言い切るオーナーの言葉に、理玖は嬉しそうに笑っていた。
「さて、腹ごなしもしたし、次はどこのエリアに行くんだ?」
「あっ、次は俺のリクエスト!」
理玖はウキウキしながら手を上げて、
「ここだよ!」
と園内のマップを指差した。
このブランシュネージュ城のすぐ近くにあるお化け屋敷。
「ええー、ここのものすごく怖いって噂だよ……」
「だからいいんじゃないか。せっかくだし、行ってみようよ。日本のお化け屋敷って入ったことないんだ」
「うーん」
怖がりな僕はどうしても、うんとは言えないんだけど……でもせっかくここまできたんだから理玖の楽しみを奪うのはよくないよね。
「晴、俺がついているから大丈夫だよ。絶対に守るから」
「隆之さん……うん。なら、頑張ってみようかな」
「やった! 早瀬さん、ありがとう!」
理玖はホラー映画も好きだもんな。
お化け屋敷に行けることになってすごく嬉しそうだ。
あーあ、あんまり怖くなければいいなぁ。
その可能性は低そうだけど……。
お城から出て、さっきの受付の人に声をかける。
もうよろしいのですか? と言われたけれど、のんびりとお弁当を食べられたし、十分だ。
パーク内もまだまだ回りたいところはあるしね。
お礼を言って、荷物をまたコインロッカーに預けお化け屋敷に向かう。
その間、ずっと理玖は羽でも生えてるんじゃないかと思うくらい、嬉しそうに飛び跳ねていた。
なんせ、日本のテーマパークにはほとんど行ったことがないからって、今回の旅行を楽しみにしていたんだもんな。
きっとその筆頭がこのお化け屋敷だったんだ。
そんなに楽しみなんてすごすぎる。
僕なんか怖くてドキドキが止まらないのに。
「晴、そんなに怖いなら中に入るのをやめて待っていようか? ほら、こんなに指が冷たくなってる」
「でも、せっかく来たし。隆之さんとなら頑張れそうだから……」
「そうか? でも、無理はするなよ」
「うん。大丈夫。隆之さん……ありがとう」
怖がりな僕にとってはここのお化け屋敷が人生初。
ああー、なんとか無事に出てこられますように……。
せめてこのお化け屋敷が乗り物に乗って見て回るタイプならまだ良かったのに。
中に入ったら最後、ランプを手に持って出口まで自分の足で歩いていかないといけないんだ。
ううー、怖いなぁ。
でもこれは作り物だし。
そうだ、本物のお化けなんているはずないんだ。
必死に自分に言い聞かせる。
「四名さまで回られますか?」
目の前にいたオーナーに受付のスタッフさんが尋ねると、
「いや、二人ずつで頼む」
と当然のように答えた。
まぁ、そうだよね。
大人数で入ったほうが怖くなさそうだけど、理玖もオーナーも二人がいいっていうに決まってる。
「はい。それでは前のお二人さま、どうぞ中にお進みください。入ってすぐの場所に指示が書かれていますので、その通りにお進みください」
「わかった。じゃあ、ユキ、ハル。先に行くぞ」
そういうと、オーナーは嬉しそうな理玖とピッタリと寄り添いながら中に入っていった。
パタンと扉が閉まって、理玖たちの姿が見えなくなる。
ああ、次は僕たちの番だ。
なんだかドキドキが止まらない。
すると、そっと背中に大きな手が添えられる。
「隆之さん……」
「心配しないでいい。俺がついてるし、怖かったら目を瞑ってしがみついててくれたらいいから」
「うん。ありがとう」
大きな手に安心する。
隆之さんが一緒なら、大丈夫。
そう思えるくらい隆之さんの手が僕を落ち着かせてくれたんだ。
「はい。それでは中にお入りください」
きたっ!
「晴、行こうか」
「は、はい」
隆之さんの腕にしがみつきながら理玖たちが入っていった扉の中に入ると、外よりは少し暗い部屋にランプが置かれていた。
「これを持って出口に向かうんだな」
「あ、隆之さん、みて。手紙が置いてある!」
「うーんと、なになに。出口まで向かいながら、三箇所の地点に置いてあるお札を持ってくること、だそうだ」
「お札? えー、怖い」
「大丈夫。俺が取るから。じゃあ、行こうか」
「う、うん」
矢印の方向に向かって足を踏み入れた途端、真っ暗闇が押し寄せてくる。
「わっ! 暗いっ!」
「ほら、もっと近づいて」
暗くて怖いけど、隆之さんがいるだけでホッとする。
そうだ、僕には隆之さんがついているんだから。
「ひゃぁーーーっ!!」
大丈夫、頑張れる!
そう思った矢先に、突然目の前に何かが現れて大きな声をあげてしまう。
「わぁーーっ!! 嫌だぁーーっ!! 来ないでぇーーっ!!」
最初に叫んでしまったせいか、次々に叫んでしまう。
もう怖すぎてどこかの線が切れちゃったみたいだ。
大声で叫びながらも隆之さんに連れられてようやく最初のポイントに辿り着く。
隆之さんの手がお札に触れるかどうかくらいで、
「ひゃぁぁーーっ!!!」
またもや何かが押し寄せてきて、大きな声をあげてしまった。
と同時に身体に力が入らなくなってしまった。
隆之さんがずっと抱き寄せてくれていたから崩れ落ちなくて済んだけど、多分これ、腰が抜けてる気がする。
「たか、ゆきさん……っ、も、うだめ、かも……っ」
「わかった。あとは俺に任せてくれ」
そういうと、隆之さんはサッと上着を脱ぐと、僕を軽々と抱きかかえて上からその上着をかけてくれた。
「これを被っておけば怖くないだろう?」
暗くてほとんど何も見えなくても、隆之さんの温もりと匂いでもう怖く無くなってくるから不思議だ。
そのあとはどんなにお化けたちが襲ってきても、隆之さんが声を上げることは一度もなく、サクサクとポイントも通過して、あっという間に出口に着いた。
「ほら、晴。終わったよ」
そう言われて上着を取ると、眩しい太陽の光にびっくりする。
「すごーい! もう出てきてる!! 隆之さん、さすがだね」
「ふふっ。晴と一緒だったから楽しかったよ」
「あれ? そういえば、理玖とオーナーは?」
「ああ、二人ならあそこにいるよ」
隆之さんが視線を向けた方向に目をやると、どうしてだか、理玖も僕と同じようにオーナーに抱きかかえられていた。
「理玖、どうしたんだろう?」
「ふふっ。きっと、晴と同じくらい怖かったんじゃないか? 日本のお化け屋敷は外国と比べてもかなり怖いらしいからな」
「ふふっ。そっか。良かった、僕だけじゃなくて」
そう言って笑うと、隆之さんも楽しそうに笑っていた。
ずっと行ってみたいと思っていたコスプレエリアで隆之さんのかっこいい漢服姿を見ることができた上に、その姿のままで乗馬もできてすごく楽しかった。
僕も綺麗な漢服ドレスを着たおかげでかっこいい隆之さんの隣に並んでもおかしいと思われずに済んでよかったな。
それにしても隆之さんが馬を走らせている姿は本当に格好良かった。
隆之さんが馬に乗れる、しかもかなりの使い手だと二階堂教授に聞いた時、いつか乗っているところを見てみたいって思ったんだよね。
このテーマパークに乗馬体験ができるところがあるって知った時、これだ! って嬉しくなっちゃった。
オーナーもドイツで自分の馬を走らせていると話していただけあって、すごい身のこなしだったし、さすが貴族の末裔というだけのことはあるよね。
あの王子さまの衣装を着ていると、本当に王子さまが絵本から抜け出てきたみたいだった。
理玖もものすごく綺麗なお姫さまだったし。
ふふっ。こういうと照れるからあんまり言わないけど。
楽しい乗馬の時間を過ごした後はお待ちかねのお弁当タイム。
大丈夫かなと心配している理玖とは対照的にオーナーの機嫌がすこぶるいいのが僕の目から見ても明らかだ。
だって、理玖の初めての手料理だもんね。
嬉しいに決まってる。
少し焦げちゃったって心配している卵焼きだって、オーナーは美味しいって言うだろうな。
ドキドキしている理玖がなんだか可愛くて、ついついそっちが気になってしまうけれど、僕も作ってきたお弁当を隆之さんに披露する。
「わぁ、またこれは美味しそうだな。やっぱり晴の唐揚げと卵焼きが入ってる」
「ふふっ。よかった。今日の唐揚げは冷めても美味しい味付けにしてあるんだよ」
「さすがだな。じゃあ、俺も食べさせてもらおうかな」
理玖がオーナーに食べさせているのを見て、羨ましくなったんだろうか。
ふふっ。こういう子どもっぽい隆之さんもなんだか可愛い。
僕の手に合わせて作ったおにぎりは隆之さんの口にはちょっと小さいみたい。
でもその分たくさん食べてもらえるからいいか。
エビフライも時間が経って衣がしっとりとしているけれど、これはこれで美味しい。
やっぱり出来立てサクサクも美味しいけれど、お弁当ならではの味というのもあるよね。
あっという間にお弁当は空っぽになって、隆之さんも満足してくれたみたい。
「ああ、満足したな」
「ふふっ。よかった」
「香月たちも食べ終わったのか?」
「うん。理玖たちも?」
「ああ、アルが全部食べてくれたよ」
嬉しそうに空っぽのお弁当箱を見せてくる。
「当たり前だろう? こんなに美味しい料理は生まれて初めて食べたよ」
「またー、そこまで言うと言い過ぎだよ」
「言い過ぎなものか。私にとってリクの手料理に勝る料理などどこにもないよ」
自信満々にそう言い切るオーナーの言葉に、理玖は嬉しそうに笑っていた。
「さて、腹ごなしもしたし、次はどこのエリアに行くんだ?」
「あっ、次は俺のリクエスト!」
理玖はウキウキしながら手を上げて、
「ここだよ!」
と園内のマップを指差した。
このブランシュネージュ城のすぐ近くにあるお化け屋敷。
「ええー、ここのものすごく怖いって噂だよ……」
「だからいいんじゃないか。せっかくだし、行ってみようよ。日本のお化け屋敷って入ったことないんだ」
「うーん」
怖がりな僕はどうしても、うんとは言えないんだけど……でもせっかくここまできたんだから理玖の楽しみを奪うのはよくないよね。
「晴、俺がついているから大丈夫だよ。絶対に守るから」
「隆之さん……うん。なら、頑張ってみようかな」
「やった! 早瀬さん、ありがとう!」
理玖はホラー映画も好きだもんな。
お化け屋敷に行けることになってすごく嬉しそうだ。
あーあ、あんまり怖くなければいいなぁ。
その可能性は低そうだけど……。
お城から出て、さっきの受付の人に声をかける。
もうよろしいのですか? と言われたけれど、のんびりとお弁当を食べられたし、十分だ。
パーク内もまだまだ回りたいところはあるしね。
お礼を言って、荷物をまたコインロッカーに預けお化け屋敷に向かう。
その間、ずっと理玖は羽でも生えてるんじゃないかと思うくらい、嬉しそうに飛び跳ねていた。
なんせ、日本のテーマパークにはほとんど行ったことがないからって、今回の旅行を楽しみにしていたんだもんな。
きっとその筆頭がこのお化け屋敷だったんだ。
そんなに楽しみなんてすごすぎる。
僕なんか怖くてドキドキが止まらないのに。
「晴、そんなに怖いなら中に入るのをやめて待っていようか? ほら、こんなに指が冷たくなってる」
「でも、せっかく来たし。隆之さんとなら頑張れそうだから……」
「そうか? でも、無理はするなよ」
「うん。大丈夫。隆之さん……ありがとう」
怖がりな僕にとってはここのお化け屋敷が人生初。
ああー、なんとか無事に出てこられますように……。
せめてこのお化け屋敷が乗り物に乗って見て回るタイプならまだ良かったのに。
中に入ったら最後、ランプを手に持って出口まで自分の足で歩いていかないといけないんだ。
ううー、怖いなぁ。
でもこれは作り物だし。
そうだ、本物のお化けなんているはずないんだ。
必死に自分に言い聞かせる。
「四名さまで回られますか?」
目の前にいたオーナーに受付のスタッフさんが尋ねると、
「いや、二人ずつで頼む」
と当然のように答えた。
まぁ、そうだよね。
大人数で入ったほうが怖くなさそうだけど、理玖もオーナーも二人がいいっていうに決まってる。
「はい。それでは前のお二人さま、どうぞ中にお進みください。入ってすぐの場所に指示が書かれていますので、その通りにお進みください」
「わかった。じゃあ、ユキ、ハル。先に行くぞ」
そういうと、オーナーは嬉しそうな理玖とピッタリと寄り添いながら中に入っていった。
パタンと扉が閉まって、理玖たちの姿が見えなくなる。
ああ、次は僕たちの番だ。
なんだかドキドキが止まらない。
すると、そっと背中に大きな手が添えられる。
「隆之さん……」
「心配しないでいい。俺がついてるし、怖かったら目を瞑ってしがみついててくれたらいいから」
「うん。ありがとう」
大きな手に安心する。
隆之さんが一緒なら、大丈夫。
そう思えるくらい隆之さんの手が僕を落ち着かせてくれたんだ。
「はい。それでは中にお入りください」
きたっ!
「晴、行こうか」
「は、はい」
隆之さんの腕にしがみつきながら理玖たちが入っていった扉の中に入ると、外よりは少し暗い部屋にランプが置かれていた。
「これを持って出口に向かうんだな」
「あ、隆之さん、みて。手紙が置いてある!」
「うーんと、なになに。出口まで向かいながら、三箇所の地点に置いてあるお札を持ってくること、だそうだ」
「お札? えー、怖い」
「大丈夫。俺が取るから。じゃあ、行こうか」
「う、うん」
矢印の方向に向かって足を踏み入れた途端、真っ暗闇が押し寄せてくる。
「わっ! 暗いっ!」
「ほら、もっと近づいて」
暗くて怖いけど、隆之さんがいるだけでホッとする。
そうだ、僕には隆之さんがついているんだから。
「ひゃぁーーーっ!!」
大丈夫、頑張れる!
そう思った矢先に、突然目の前に何かが現れて大きな声をあげてしまう。
「わぁーーっ!! 嫌だぁーーっ!! 来ないでぇーーっ!!」
最初に叫んでしまったせいか、次々に叫んでしまう。
もう怖すぎてどこかの線が切れちゃったみたいだ。
大声で叫びながらも隆之さんに連れられてようやく最初のポイントに辿り着く。
隆之さんの手がお札に触れるかどうかくらいで、
「ひゃぁぁーーっ!!!」
またもや何かが押し寄せてきて、大きな声をあげてしまった。
と同時に身体に力が入らなくなってしまった。
隆之さんがずっと抱き寄せてくれていたから崩れ落ちなくて済んだけど、多分これ、腰が抜けてる気がする。
「たか、ゆきさん……っ、も、うだめ、かも……っ」
「わかった。あとは俺に任せてくれ」
そういうと、隆之さんはサッと上着を脱ぐと、僕を軽々と抱きかかえて上からその上着をかけてくれた。
「これを被っておけば怖くないだろう?」
暗くてほとんど何も見えなくても、隆之さんの温もりと匂いでもう怖く無くなってくるから不思議だ。
そのあとはどんなにお化けたちが襲ってきても、隆之さんが声を上げることは一度もなく、サクサクとポイントも通過して、あっという間に出口に着いた。
「ほら、晴。終わったよ」
そう言われて上着を取ると、眩しい太陽の光にびっくりする。
「すごーい! もう出てきてる!! 隆之さん、さすがだね」
「ふふっ。晴と一緒だったから楽しかったよ」
「あれ? そういえば、理玖とオーナーは?」
「ああ、二人ならあそこにいるよ」
隆之さんが視線を向けた方向に目をやると、どうしてだか、理玖も僕と同じようにオーナーに抱きかかえられていた。
「理玖、どうしたんだろう?」
「ふふっ。きっと、晴と同じくらい怖かったんじゃないか? 日本のお化け屋敷は外国と比べてもかなり怖いらしいからな」
「ふふっ。そっか。良かった、僕だけじゃなくて」
そう言って笑うと、隆之さんも楽しそうに笑っていた。
応援ありがとうございます!
20
お気に入りに追加
1,050
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる