神童と言われてきた俺は、爪を隠しモブに徹します。……ってあれ?気付けば主人公がやりそうなラブコメが始まってる件

狼狼3

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俺の価値

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「よし、よし。こんなもんか。小説書くの楽しいな。」

 ワイワイと教室の外まで聞こえるであろうクラスメイトの声。そんな声が響き渡る声の昼休みの中、俺はクラスの端っこの席で、スマホを片手に一人で小説を書く。 

 この学校に入学してから、俺は誰一人、先生にすら二三回しか話掛けられていない。俺からも話掛けたことはあるが、全部無視された。
 そんな俺は、当然ボッチ。
 ははは。言わせないでくれよ。
 俺の価値は、
 やはり、俺の価値という物はあの実力があるからこそ保たれていたわけで、本当の価値は無かったというわけだ。

少し小説を書くのを一時中断し、家から持ってきた手鏡を元に、目まで伸びる髪の毛をボサボサにしたり、似合わない伊達眼鏡をもっと似合わない位置に持っていく。
 そんな様子に、「何コイツ。」という視線をいくつか向けられるが、気にしない。
 俺は、モブに徹することに決めたのだ。
 前のように、イケメンが集まるアイドルグループのような髪型にはせず、ボサボサとした不潔感のある奴にする。
 
 これって、近寄りたくない奴だし簡単にいうとモブですら怪しいだろ?
 価値の無い俺。
 そんな俺はモブに徹するのが正しい。
 ていうか、モブっていう言葉に、いつも主役のような役ばかりやらされていた俺にとって、新鮮味すら感じる。

 とりあえず、格好を整えることに成功したので、俺は小説を書くことにする。
 小説を書き始めのは、ここ最近。
 暇だということで初めたら、自分の書いた物が評価されるのにハマってしまい、ここ最近とある小説サイトに毎日投稿している。
 
 そんな俺の元に、今日も沢山の感想やコメントが寄せられてくる。
 こういうコメントが送られてきたり、そのコメントに対応するのも、モチベーションに繋がったり面白いんだよな。
 コメントで気付いたが、俺の書いた物は何位だか分からないがランキングに載っているらしく、そんなランキングに載っていている俺の作品を、毎日のように褒めてくれたり間違いを指摘してくれたり、質問してくれる皆には、本当の愛情を感じる。
 だって、今まで俺は何事も出来ていたから、指摘されることや質問される無かった。
 親ですら、俺がやることは全て正しいと思っているので、そんなことされたことなど記憶にない。
 だからこそ、ありがたさを感じるし、もっと書きたいと思う。
 
 そんな俺は、主役ではなくモブの陰キャとして、小説を書く日々を送っている。
 ……三日前。
 あいつを助けるまでは。
 
 スマホから流れてくる眼鏡を掛けた可愛いらしい顔が乗ったアイコンの何気ない言葉に、小説を書きながら教室の隅で俺は頭を抱えた。
 
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