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石崎香織side
しおりを挟む「今日も可愛いよ。」
「いつもありがとう。それじゃ──」
授業が始まる少し前の朝。
今日も、登校する為に錆びが目立つ校門をくぐり抜けると、いくらかの男子生徒から「可愛いね。」や「美しいね。」など、私のことを次々に褒める。
自分のことは、自分でも可愛いと思ってるし美しいとも思っている。
大きくぱっちりとした目に、それを更に引き立てるような少し大きな赤い眼鏡に、黒い艶のある腰と同じくらいまで伸びる髪。それに、スタイルだって豊満な胸にすらりとした背やお腹。身長は平均より少しだけ低いが、美少女と言って可笑しくないだろう。
そんな私は、「ありがとう」と作り笑いを浮かべながら言ってその場を去り、今日も授業が始まるクラスに入る。
クラスに入れば寄ってくるのは、イケメンだと思っている自意識過剰のスポーツマンに、少し顔がいいだけしか取り柄の無い奴や、ただ面白いというだけで人気を誇っている奴。
そんな奴等は、校門でさっきあったように「綺麗だね。」「美しいね。」と褒めてくる。そんな奴等に私は、今日も愛想笑いを浮かべて「いつもありがとう。」と言って、自分の席に座る。すると、さっき私達に話掛けてきた奴等は、「ありがとう」と言われたのは誰かを決める為に、全員が自分だと言い張って口喧嘩を始める。
……そんなこと本当は思っていないのに。
そんな奴等を見て、男は本当にしょうもない生き物だと考える。
けど、しょうもない生き物じゃない男もいると私は思っている。
それは、イケメンだ。
イケメン。
私は、イケメンが大好きだ。
イケメンだったら、性格がそこまで良くなくても誰とでも付き合える自信はあるし、逆にイケメンじゃなかったらどんなに性格がよくてもどんなにお金持ちでも付き合うことはない。
当然、某アイドルグループのライブには出来る限り参加するし、そのアイドルの限定品などもネットオークションなどで落札しているため、かなりの数を持っている。
イケメン至上主義。
そんな私だが、今までテレビやライブ以外で私の求めるイケメンを見たことがない。
あぁ……いつか会えないかな。
そんなことを考えながら、女子からの嫉妬や男子達のいやらしい視線を感じる授業を受ける。
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